ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

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久しぶりに週末目一杯仕事でした……。

前回に引き続き世代交代の核となるお話です。


第百十一話   留鳥達

「ちょっと待って下さい!いくら中学時代から面識があるといっても、私は単にひなちゃんのオマケであの頃は戦車道には全く関わっていなかったんですよ!?」

 

 

 

 

 

 朝食を取る為学食に向かうその途中、アンチョビから召集の掛かったカルパッチョが、何故か強引に自分の手を引いて見当違いの方向に歩き始めた時からカエサルも嫌な予感はしていた。

 アンチョビがカルパッチョを呼び付けるのに自分まで一緒で呼び出される理由など一つしかなく、これは何か非常に面倒な事に巻き込まれるとカエサルは直感的に気付いていたのだった。

 現にカルパッチョに引き摺られるようにして辿り着いたカフェにはみほとエリカの姿があり、カエサルはいよいよ自分の嫌な予感が当たっている事を確信した。

 

 

『西住隊長と逸見さんが一緒にいる上にあっちにいるのは赤星さんと直下さん……やっぱりここにいるのは全員あの人と関係の深い人達ばかりじゃないか!』

 

 

 その場にいる顔ぶれだけでも何故自分まで呼び出されたかカエサルには充分に推察出来たが、一足遅れて店内に駆け込んで来たルクリリが彼女にとってはダメ押しであった。

 

 

「わ、私どう考えても部外者だからこれで失礼するわ!朝ごはんもまだだし、今ならまだ学食の方も営業時間に間に合うから!」

 

 

 一刻も早くここから逃げ出さないと大変な事になると、カエサルは早口で逃げる口実を並べ立ててカフェから立ち去ろうとする。

 しかし相変わらず縛めのようにガッチリと絡めた腕をカルパッチョは解いてくれず、焦る気持ちとは裏腹に彼女はその場から一歩も動く事が出来ずにいた。

 

 

「あら、あなた達朝ごはんまだだったの?このカフェはフードメニューもかなりいけるわよ?なんなら私がおごってあげるから取り敢えずそこに座りなさいよ」

 

 

 いつも通り不機嫌そうな表情を繕ってはいるが、その声音には何処か面白がっているようなニュアンスが感じられるエリカは、カエサルにテーブル上にあるモーニングサービスのメニューを指差しながら目の前の席を進めていた。

 

 

「いやいやいや!そんな訳には行かないって!私はホントにこれでお暇するから!ほ、ホラ…私カバさんチームのメンバーとお土産買いに行く約束もしてるし……」

 

 

 ここで席に腰を下ろしてしまったらそれこそ完全に詰むと焦るカエサルは、これ以上事態が悪化する前に撤退すべく更に苦しい言い訳を重ねる。

 

 

「それだったら先輩達の用件が済むまで帰艦作業は始まらないから大丈夫、お土産を買う時間位充分にあるから安心しなさい」

 

 

 如何にも気が利いているようにシレっと言うエリカだったが、彼女の目は逃げても無駄だと言っているようにしか見えずカエサルは思わず頭を抱えたくなった。

 

 

「えっと…あ、カメさんとレオポンの空輸は今の予定だと午後になるみたい……私達もラブお姉ちゃんがヘリ出してくれるって言ってたけど、それもやっぱり午後からになるからエリカさんの言う通りお土産買う時間は余裕であるんじゃないかな……」

 

西住隊長(ブルータス)、お前もか……」

 

 

 更にカエサルを畳み込むエリカの隣でいつものようにワタワタしていたみほが、いらん処で無駄に気を回しカエサルに止めを刺す。

 そして味方であるはずのみほによって退路を断たれたカエサルは、彼女ならではな呟きを洩らした後、死んだような目で絶句する羽目になったのだった。

 

 

「スマン遅くなった!」

 

 

 みほに後ろから撃たれた後も諦め切れないカエサルがカルパッチョ相手に押問答を繰り返すうちに、そのカルパッチョとセットで彼女を招集したアンチョビが入店し、次いで予想通りの顔ぶれがそれに続いていた。

 

 

「ひなちゃん!」

 

 

 遂に逃げそこなったカエサルが、思わず恨みがましい目で幼馴染の顔を睨む。

 

 

「カルパッチョだ♪」

 

 

 だがついひなちゃんと叫んだカエサルにニッコリと微笑んだカルパッチョは、自分が昔のあだ名で呼ばれた時の彼女の反応と口調を器用に真似て見せたのであった。

 

 

 

 

 

「なんだ二人共まだ朝ごはん食べてなかったのか、それは悪い事をしたな」

 

 

 まだ比較的早い時間という事もあり、住宅区画及び商業区画からやや離れた公園内のカフェには彼女達以外の客の姿は見えず、込み入った話をするにはうってつけであった。

 入り口から最も離れた眺めの良い窓際の一角、中々座り心地の良いソファーに腰を下ろしたアンチョビは、カルパッチョとカエサルが朝食前である事を知ると申し訳なさそうに頭を下げていた。

 

 

「あぁ、それなら私がおごる約束をしてるのでちょっとオーダーに行って来ます」

 

 

 逃げようとするカエサルを足止めする為の方便とはいえ、自らおごると言った以上は約束は守るとでもいうつもりなのか、小さく手を挙げたエリカはそのまま席を立とうとする。

 

 

「あ~いやいやエリカよ、朝っぱらから呼び出したのはこの私だからな、ここは私に持たせてくれ」

 

 

 軽く右の掌をかざしエリカを制したアンチョビが財布を取り出そうとすると、それより先にまほが財布を手に立ち上がっていた。

 

 

「私の身内の事で皆に迷惑かけるのだからここは私が…エリカ、済まないがこれで二人の為に何か買って来てくれるか?それと我々にも何か適当に飲み物を頼む……あぁ、それとエリカ達も欲しい物があったら何でも好きに頼んでくれて構わないからな」

 

「はぁ…でも本当にいいんですか……?」

 

 

 エリカはまほから手渡された財布をしげしげと眺めながら念を押す。

 

 

「うん、使いっ走りにするようで悪いが頼む……ここはセルフサービスだったな、出来上がったら運ぶのは手伝うから呼んでくれ」

 

「ご馳走になるのにそこまでして貰う訳には行きません、取りに行く位の事は自分で──」

 

「二人は気にしないで座っていてくれ……エリカ」

 

 

 太っ腹なまほに恐縮した様子のカルパッチョとカエサルが立ち上がろうとすれば、それを制したまほは目線で頷きながらエリカに全てを一任する。

 するとエリカもまた心得ているとばかりに軽く頷くと、機敏な動作で立ち上がりカフェのカウンターに向かっていた。

 

 

「あ、待ってエリカさん私も行くよ!」

 

 

 まほの財布を手にエリカが立ち去ると、みほも慌ててその後を追う。

 しかしその一方で残されたカエサルはそれ処ではなく、まほが何気なく言った言葉を脳内で反芻しながらその意味に頭を抱えていた。

 

 

『私の身内の事でってやっぱりあの人…厳島さんの事で召集されたんじゃないか……』

 

 

 予感的中、集められた顔ぶれは全員中学時代ラブの世話になった経験のある者達ばかりで、カエサルとしては増々自分は部外者であるという思いが強くなっていたのだった。

 勿論カエサルとてラブの事が嫌いな訳ではなく、カルパッチョのオマケでしかない自分にまで気さくに接してくれる素敵な他校の先輩として、彼女の事はとても尊敬していたし好きだった。

 何より中学当時ですら既に飛び抜けた美貌を誇り、日本人離れした破壊力抜群な彼女のプロポーションには強く憧れてもいた。

 とはいえ彼女の存在はカエサルから見れば雲の上レベルな別世界の住人であり、そんなラブの為に自分なんかが何の役に立つのかと考えていたのだ。

 これはいよいよ困った事になったと途方に暮れるカエサルが思考を堂々巡りさせていると、いつの間に全てのオーダーが出揃ったのか、飲み物やモーニングセットを満載したトレイを掲げたエリカとみほが戻っていた。

 

 

「なんだ、呼んでくれれば取りに行ったのに」

 

「まだ客は私達しかいませんから注文したら直ぐに全部揃ったんですよ、量的にも私とみほだけで持てる程度なので何も問題ありません」

 

 

 戻って来たエリカとみほがどうぞなどと言いながら、目の前のテーブルの上に思った以上に豪華なモーニングセットのトレイを置けば、これを食べてしまったらもう後戻りは出来ないだろうとカエサルはガックリと項垂れるのだった。

 

 

「まずは遠慮なんかしないで食べてくれ、話はそれからにするとしよう」

 

「それではお言葉に甘えて頂きます…あ、コレ美味しい♪ホラ、たかちゃんも早く食べよ……?」

 

「…いただきます……」

 

 

 カルパッチョに促され漸くモーニングセットに手を付けるカエサルだったが、この後の展開を考えればとても味わう余裕などあろうはずもなく正直味自体も良く解らなかった。

 

 

「改めてこんな朝っぱらからこんな場所に呼び出してスマンかったな。本当なら一旦帰艦してからの方が良かったのだが、如何せん我々にはあまり時間もない…そして何より諸君をこうして集めるとなるとまた余計に時間が掛かる……なのでこの機会を利用させて貰う事にしたのだが…我ながら前置きが長いな……さて、諸君を呼び出した用件についてだが──」

 

「ラブ姉の事ですね……?」

 

『話早過ぎだろ……?』

 

 

 一口毎満足気に笑みを浮かべるカルパッチョと、彼女とは対照的に硬い表情カエサルが機械的にモーニングセットを食べ終えると、それを見計らったアンチョビが本題に入るべく話し始めた。

 だが彼女が呼び出した真の理由を告げる前にエリカが機先を制するようにラブの名を出せば、同席する後輩達は手順を全て端折るようなエリカのせっかちさに只呆れていた。

 但しそのせっかちさに呆れてはいても、彼女達もまたエリカと同様に呼び出された理由はほぼ察しが付いていたので、いつものようにツッコみを入れるような真似は誰一人としてしなかった。

 

 

「ま、さすがにこの顔ぶれが揃えば嫌でも気付くわな…いや、話が早くて非常に助かる……そう、お察しの通り我々は卒業前にラブの事で、後輩である諸君に重要なお願いがあってこうして集まって貰った訳だ……」

 

 

 エリカの一言と後輩達の様子から彼女達が何の為に呼び出されたか理解している事を知り、アンチョビは緊張が解けたように肩に入った力を抜いていた。

 

 

「勿論私達もこれから君達にお願いする事が、如何に身勝手で且つ相当迷惑を掛けるであろう事は重々承知している……」

 

 

 アンチョビに次いで口を開いたまほは彼女らしく背筋を伸ばし、視線を逸らさず真正面から後輩達と向き合っている。

 

 

「もし…もしあの事故がなければ、ラブは黒森峰で私と共に戦い一緒に卒業するはずだった……」

 

 

 ところがまほの口から突いて出たのは彼女にしては珍しくif交じりの話で、更にその話の言外にはラブが事故に遭う事なく黒森峰に進学していれば、その後の不幸の連鎖も起こらなかったはずだという彼女の変えられない過去への想いがこもっていた。

 だがこの時言葉にならぬまほの想いを読み取る事が出来たのは、彼女の妹でありながら黒森峰を去る事になったみほではなく、副隊長として懸命に彼女を支え続けたエリカだけであった。

 

 

「たった半年とはいえ戻って来たラブと同じ高校生として時間を共有する事は出来た…だが残念ながら私達は卒業まで秒読み……やっと帰って来たラブを置いて、またしても私達だけが先に行ってしまう事になる……」

 

 

 彼女の言わんとする事は理解出来るが、だからといって自分達に何が出来るのかという疑問を後輩達が抱くのは当然だった。

 こういう時みほは気後れしてエリカのようにそれを言葉にする事が出来ずにいるが、その点エリカは臆する事なく問題点に斬り込む事が出来た。

 

 

「お話は解ります…あくまで何となくですが仰りたい事は理解しているつもりです……ですが果たして私達で役に立てるかどうかは別問題かと……残念ですが私達では皆さん達の代わりは到底務まらないと思うのですが如何でしょう……?」

 

 

 エリカが一番状況を正確に把握している事にさすがたとまほは一つ頷くが、その直後に彼女はいつもと変わらぬ真面目くさった顔のまま実にとんでもない事を言い出したのだった。

 

 

「これは今だから言うが、実は進学先が決まった後、私達の卒業でまた一人になってしまうラブの事を思うと居ても立っても居られなくなってな…それならいっそ私だけでも留年して一緒に卒業しようかと考えた事があったんだ……」

 

 

 実にサラリと爆弾発言をかますまほに、エリカの顔色がみるみるうちに真っ青になる。

 

 

「ちょっとまほ姉!ラブ姉はまだ一年生なんですよ!?もう進学先も決まってるのに後二年も留年するとか一体何考えてんですか!?」

 

「い、いや…考えただけで実際そんな事出来ないのは解ってるし……」

 

「考えないで下さい!」

 

 

 あまりの馬鹿発言に眩暈を覚え吐き捨てるように怒鳴ったエリカは、シュンとなったまほを前にエンジンを始動したティーガーの排気管並みに盛大な溜息を吐いた。

 

 

「あ~もう!この人時々凄く心臓に悪いわ……」

 

「す、済まないエリカ……」

 

 

 戦車道以外では極めてポンコツなまほに手を焼くエリカに周囲が絶句する中、パートナーのアンチョビだけがコイツはこういうヤツだよと一人醒めた顔をしている。

 

 

「西住が極端なのは昔っから変わらんな…まぁさすがに留年は考えが馬鹿過ぎるが、現実問題としてラブを残して卒業する事に我々が不安を抱いているのは事実なんだ……」

 

 

 毎度毎度まほに構っていては時間の無駄と解っているので、敢えて余計な事を言わずにアンチョビは淡々と話を進め始めた。

 

 

「何しろ私らが卒業してしまえば、ラブには高校に同い年の友人が一人もいなくなってしまう…そりゃ今のラブにはAP-Girlsが付いちゃいるが、彼女達は昔のラブを知らないからちょっとした日常の思い出話をする事も出来ないわけだ……」

 

 

 同い年の友人が一人もいないという状況を考えた後輩達が言葉を失う中、居たたまれぬ想いは同じながらもカルパッチョが意を決したように口を開いた。

 

 

「ドゥーチェ、そこで私達の出番…そういう事ですね……?」

 

「ああ、そういう事だ──」

 

「ちょっと待って下さい!」

 

 

 確認するようなカルパッチョにアンチョビが肯定しながら頷き更に何か言おうとすると、それを遮りカエサルが会話に割って入った。

 突然の事に少し驚くアンチョビ達を前に、中学時代は全く戦車道をやっていなかった上に今もまだ戦車道を始めて日が浅い事、それら以外にも色々と訴えながら自分がこの件にはほぼ部外者である事をカエサルは主張していた。

 そして何より自分なんかがラブと友達付き合いなどおこがましい事であるとカエサルは強調したが、それを言った途端隣に座るカルパッチョが彼女の手にそっと自分の手を重ね、じっと目を見つめて来たのだった。

 

 

「ねぇたかちゃん、たかちゃんはラブ先輩の事が嫌い……?」

 

「そ、そんな事はないけど……」

 

 

 幼馴染でありかなり押され気味ながらも彼女とは深い関係にあるカエサルは、パートナーの前でラブの事を好きだと言う事に抵抗があるのか顔を赤くして言葉に詰まっていた。

 

 

「なら……」

 

「わ、私はいつもひなちゃんのオマケで相手をして貰ってただけじゃないか!そんな私が厳島さんの友達だなんておかしいでしょ!?大体ウチ(大洗)には西住隊長が……みほさんがいるんだから私が出る幕じゃ──」

 

「いや、みほでは…みほと私だけでは駄目なんだよ……何故なら私達は()であって友達ではないからね……」

 

「そんな……!」

 

 

 幼馴染の試合の応援に行く度に、部外者である自分まで一緒にお茶会の席に呼んでくれた美人な他校の先輩であったラブの為に、自分なんかが役に立てるはずはないとカエサルは本気で思っていた。

 故に彼女は頑なに期待にはそえないと訴え続けたが、何を言ってもそれらは尽く否定されてしまい、追い詰められたカエサルは返す言葉を見付けられなくなっていたのであった。

 

 

「あのねたかちゃん…あの頃ラブ先輩と会う時はね、必ずたかちゃんも連れて来るようにってラブ先輩に言われてたのよ……?」

 

「え……?」

 

 

 初耳、寝耳に水、思いもよらぬ話にカエサルの頭の中にはそんな言葉がグルグルと回る。

 

 

「たかちゃんはラブ先輩のお気に入りだったのよ?たかちゃん気付いてなかったの……?」

 

 

 予想しろと言うのが無理なカルパッチョの発言に驚いたカエサルは、言葉を失い口をパクパクさせながら独り呆然としている。

 

 

「え…え……?ちょっと待ってよひなちゃん、何言ってるか良く解らないよ……?」

 

 

 カルパッチョの口から飛び出した衝撃的な言葉の意味が直ぐには飲み込めなかったカエサルは、暫くしてから漸く思考が追い付いたものの、彼女の言葉は何処かろれつが回っていなかった。

 

 

「あ~、アイツは小さくて可愛いものが好きなヘンタイだが、カエサルみたいなイケメンの王子様も大好きだからな……」

 

「イケメンの王子様……」

 

 

 それまでとは打って変わっていつもの口調に戻ったアンチョビに、王子様呼ばわりされたカエサルは彼女達が何を言っているのかさっぱり理解出来ない。

 

 

「まぁそういう訳でカエサル君もラブにとっては、懐かしい話の出来る友人の一人という事なんだよ…そう、今のラブにとって昔の自分を知っているという事が重要なんだ……私達の卒業後、ラブと時間を共有し思い出を語れるのは君達だけになってしまう……私達も決して難しい事を要求するつもりはなくて、昔馴染みとしてたまにラブの話し相手になってやって欲しいだけなんだ……」

 

 

 そこまで言った処でまほはひと呼吸分の間を置くと、居並ぶ後輩達の顔を見回し最後にもう一度カエサルに向き直り、穏やかな声で真摯に語り掛けた。

 

 

「私達がお願いしたいのはこれだけ…確かにあの通りのヤツだから君達が面倒に思うのも良く解る……けれど私達…いや、私にとってラブはみほと同様に大切な姉妹の一人である事を解って欲しいのだが駄目だろうか……?」

 

 

 みほと同様大洗にとって救世主であるまほが、真っ直ぐに自分を見つめながら首を垂れる。

 

 

「たかちゃん……」

 

「…解りました……」

 

 

 そんな彼女にここまで言われてはさすがにカエサルも断る事など出来ず、カルパッチョの控えめな後押しを受け漸く彼女の願いを受け入れたのだった。

 

 

「ありがとう…本当にありがとう……これで私達も安心して卒業する事が出来る……」

 

 

 カエサルと集まった後輩達に向けて深く一礼したまほが漸く頭を上げると、そこには見る者を虜にする安堵の笑みを湛えた顔があり、その魅力的な笑みにカエサルは思わずドキリとしたのだった。

 

 

「あぁそうだもう一つ大事な事があった……この先ラブと戦う事になった時は一切遠慮はいらないからな?何も気にする事なく心おきなくボコボコにしてやってくれ」

 

「ボコ!?」

 

「みほ…あんた少し黙れ……」

 

「ゴメンナサイ……」

 

 

 こんな時までボケるみほを凍り付くような瞳で睨み付けて黙らせたエリカは、今度はまほを呆れの色の混じった目で睨みながら溜息でも吐くように吐き捨てたのだった。

 

 

「お言葉ですがまほ姉、あなた達全員ラブ姉に散々ボコボコにされてましたよね?あんな怪獣みたいな人相手に私達がどうこう出来ると本気で思ってるんですか?」

 

「それは……」

 

 

 日常はともかく戦う時は一切遠慮は無用とまほは伝えるつもりだったが、桁外れなバケモノと身に染みて解っている後輩達にとってそれは単なる藪蛇でしかなかった。

 

 

 




折角お姉ちゃんが真面目にお話しても妹がぶち壊すw

最終章第三話も見に行きたいけど、この状況だとちょっと怖いですね……。
それ以前に見に行く暇があるかという問題もありますがw

それにしてもレオポンメンバーのフルネームにはぶっ飛んだなぁww
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