ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

248 / 309
無線交信のやり取りは雰囲気重視でお願いしますw


第百十二話   またね?

 米軍払い下げのC-5Aに大規模な改修を施す事で、C-5Mとほぼ同等のスペックを獲得したサンダースが所有する二機のスーパーギャラクシーは、国内で戦車道を履修する学校の中でもダントツの航空輸送力を誇っていた。

 

 

『Mikasa ground, Saunders univ ALD 02. Request taxing──』

 

 

 笠女学園艦上の空港区画、展望デッキの窓際の席には見送りの為に陣取るラブの姿があった。

 彼女の目の前のテーブルにはデッキ併設のカフェで購入したコーヒーの飲みさしのカップと共に、航空無線を受信する為の広帯域受信機が置かれていた。

 そしてその受信機からは離陸に向け管制官とやり取りを繰り返すケイの声が聴こえ、暫くすると帰艦第一便となるプラウダの戦車を腹の中に呑み込んだ巨人機が、滑走路に向けてノソノソと誘導路をタキシングする姿が見えて来た。

 エキシビションマッチに参戦した各校の学園艦は、参加車両を送り出した後最大戦速で横須賀目指して航行を開始、結果として帰艦作業は当初予定より大幅に時間短縮される見込みだった。

 

 

「いーい?もしまた何かおかしな事があったら直ぐに言いなさいよね!ラブのやる事に難癖付けるようなヤツがいたら全てこの私が粛清してやるんだから!」

 

「До свидания!それではまたお会いしましょう……」

 

 

 戦車の搭載作業に立ち会ったカチューシャは自身もスーパーギャラクシーに搭乗する直前、ラブに下へとやって来ると鼻息も荒くそんな事を言い置き、時間がギリギリな為足早に歩くノンナの肩の上でぐらぐらと揺れながら帰途に就いた。

 

 

『Saunders univ ALD 02. Wind 160 at 5kt, Runway 16R, Cleared for Takeoff.』

 

 

 世界最大の座こそアントノフのルスランやムリヤに譲ったとはいえ、圧倒的な存在感は未だ健在な巨人機スーパーギャラクシーは管制からの離陸許可を得ると、その両翼に吊り下げられた四基のゼネラル・エレクトリック社製エンジンからターボファン特有の、まるで天使が絶叫したが如き硬質なタービン音を轟かせて滑走を開始した。

 強力無比な四基のGE CF6-80C2エンジンが生み出す推力に押され、タキシング中の鈍重さが嘘のような力強さでグイグイと加速を続けたスーパーギャラクシーは、瞬く間に離陸可能となるV2速度に到達すると、耳を弄する爆音だけを残し春霞の空へと舞い上がって行ったのだった。

 

 

「あの~ダージリン様、私らだけこんな所でのんびりしてていいんですかね……?」

 

「……」

 

「ダージリン様……?」

 

 

 サンダースのスーパーギャラクシーによる帰艦作戦の準備に追われる他校に比べ、輸送車を使用して陸路横浜港で待つ母艦まで帰艦する聖グロは時間的に大分余裕があった。

 だが重量物である戦車の陸送は通常の陸上輸送に比べ大幅に手間が掛かり、許可申請の段階を含めそれなりの時間を必要とする大仕事であった。

 地元神奈川を代表する強豪とはいえその呪縛から逃れる事は出来ず、本来ならとっくに積載作業に掛かっていなければおかしかったが、何故かダージリンはわざわざ空港に出向き高みの見物でもするように紅茶を口にしながら、スーパーギャラクシーの離陸ショーをぼんやり眺めていたのだ。

 

 

「…いいのよこれで……真打がトリを務めなくてどうしますの……?」

 

「ハァ……」

 

 

 既に現役を引退し全権が自分に移譲されたとはいえ、こうして目の前でダージリンが仏頂面でふんぞり返っていては、新隊長であるルクリリもついその顔色を窺うよう行動してしまうのであった。

 

 

「その…迎えの輸送車遅いですね……」

 

「……」

 

「あの…ダージリン様……?」

 

 

 こういう時のダージリンは放っておくに限るのだが、放置したらしたでまた後々面倒な事になるので、腰の引けたルクリリも嫌々ながら何とか彼女の機嫌を取ろうとしていた。

 

 

「仕方ないでしょ!?朝の渋滞も事故の通行止めも私のせいじゃないわ!」

 

「うわっ!」

 

 

 それまで湿気た花火のように燻っていたダージリンの突然の噴火に、恐る恐る彼女の顔を覗き込んでいたルクリリは驚いて引っ繰り返り、しこたま床にお尻を打ち付けていた。

 ドロドロと腹の中に溜め込んだイライラを、マグマのように噴出させて理不尽にダージリンがキレるのはいつもの事だが、こんな事はいくら経験値を積んでも決して慣れるものではない。

 

 

「イタタタタタ…いや、別に誰もダージリン様のせいだなんて言ってませんよ……」

 

 

 いきなり壊れて噴火したダージリンに驚いて尻餅を突いたルクリリは、それでもこの状態の彼女を放置しておいては周りに迷惑なので、派手に打ち付け痛むお尻を摩りながら意味不明な事を口走り始めたダージリンを宥めにかかった。

 横浜港に帰港中の学園艦から出立した聖グロの輸送部隊は、本牧経由で国道16号へ抜け一路横須賀へ向かおうとしていた。

 だが磯子警察署の目と鼻の先、国道357号根岸区間開通前は渋滞名所であった八幡橋などという考え得る限り最も最悪な場所で発生した事故の影響により、輸送部隊の到着は大幅に遅れ到着時間も全く予想出来ない状態だった。

 

 

横浜横須賀道路(よこよこ)の利用申請しておけば良かったですね……」

 

「だから私のせいでは!…コホン、別に慌てて帰る必要はありませんわ……今日は帰る前に絶対片付けておかねばならぬ問題もありますしね……」

 

「はい?それは一体……?」

 

 

 それまでのキレっぷりが一変し急に鎮火したダージリンは、独り何やらよく解らない事を呟いてルクリリを困惑させる。

 

 

『う~ん…こんな事ならラブ先輩と米軍にお願いして、S-LCACでノース・ドックに揚陸して貰えば良かったかなぁ……あ、でも本牧か新山下辺りの方が面倒が無くていいか……』

 

 

 沸点が低いのはいつもの事だが、何がキレるポイントになるか解らぬダージリンをこれ以上刺激せぬよう、ルクリリも口を噤み余計な事を言わぬよう努めていた。

 しかし頭の中では横浜港の瑞穂埠頭にある在日米陸海軍が使用する港湾施設を始め、幾つかS-LCACが揚陸出来そうな場所をピックアップしながら今更な事を考えていたのだった。

 だが間が悪いというか運が悪いというか、彼女が頭を低くして嵐が過ぎ去るのを待っている処に、お約束のように安定のトラブルメーカーが舞い込んで来た。

 

 

「ダージリン様ぁー!迎えはまだ来ないんですのー!?待ってるだけなんてつまらないから先に帰ってはいけませんの?中央駅から快特使えばあっという間に帰れますわー!」

 

「ローズヒップさん!周りに迷惑ですからそんなバタバタ走り回らないで下さい!」

 

 

 後を追うオレンジペコの制止する声などてんで耳に入っていないローズヒップは、トップギアで展望デッキのカフェ駆けながら、二日酔いの人間が聴いたら頭を抱えて悶絶しそうなハイキーな声で無遠慮に叫んでいた。

 

 

「そんな訳に行くかこのバカタレが!ペコ!お前も一緒に走り回ってどーすんだ!」

 

「ルクリリ様!ローズヒップさんと一緒にしないで下さい!」

 

 

 全力疾走するローズヒップを追って自分まで一緒に走ってしまったのは確かに迂闊であったが、彼女と纏めて叱責対象にされる事が納得行かないオレンジペコは、ダージリンがいつ再噴火するか気が気ではないルクリリに猛然と抗議する。

 フリーダムなどはむしろ誉め言葉で、人間巡行戦車やらリミッターは初めから付いてないなどとチーム内でも言われるローズヒップと同類に扱われるのは、辛抱強いオレンジペコもさすがに我慢出来なかったのだ。

 この状況でそんな事を声高に叫ぶのは自殺行為以外の何ものでもなかったが、ずっとローズヒップの世話に追われていた彼女はダージリンの機嫌が爆弾低気圧並みに急降下していたのを知るはずもなく、一度火が付いたオレンジペコはちょっとやそっとで止まりそうもない。

 

 

『もう勘弁してくれよ…こういう時に限ってアッサム様は行方を晦ますんだよなぁ……どうせ逃げるならコイツも一緒に連れてってくれればいいのに……』

 

 

 オレンジペコの猛抗議に閉口しつつチラリと視線を逸らしたルクリリは、不必要に元気なローズヒップに再びイライラを溜め込み始めたダージリンの能面のような顔に、彼女がいつ再噴火するか気が気ではない。

 言えば火に油なセリフを声に出さずに呟くルクリリは、いつの間にか姿の見えなくなっていたアッサムに対して恨みがましい事をぼやく。

 静寂を好むアッサムも伊達に長くダージリンと一緒にいる訳ではなく、彼女がどんなタイミングでキレるかは誰よりもよく解っていた。

 そんなアッサムがこんな時にのんびりと彼女の傍にいるはずはなく、噴火の兆候を感知するや一人でサッサと逐電していたという訳だった。

 更にオマケとして彼女が逃走する際ローズヒップを連れて行かなかったのはこうなる事を見越しての事であり、ローズヒップを置いて行けばダージリンが面白い事になるというアッサムの悪意満点な所業であった。

 

 

「ルクリリ…一年生の躾が全くなっていないようですがどういう事かしら……?」

 

『ホラ来たぁ!』

 

「何です……?」

 

「い、いえ何でも!」

 

 

 決して言葉に出さずともルクリリが泣き言交じりの愚痴をぼやいているの見抜いているか、ダージリンが苛立たし気な顔でその矛先を彼女に向ける。

 ルクリリは危うく悲鳴を上げそうになりそれだけは何とか堪えたが、ダージリンに不信の目を向けられ背中に冷や汗を掻いていた。

 

 

「それでルクリリは隊長に就任してから何をしていらしたのかしら……?」

 

「いや私は何も…元々ローズヒップの教育係はアッサム様でペコはダージリン様が……!」

 

 

 執拗な追及を受け進むも地獄引くも地獄で、八方塞がりなルクリリがついうっかり口を滑らせた直後、途轍もなく重大な失態を犯した事に気付き慌てて口を噤むも時既に遅く、ダージリンは吊り上げた口角の端をヒクヒクと小刻みに震わせていた。

 

 

「あ、今度はメグミさんの機体が飛ぶ番ね♪」

 

 

 ダージリン火山の再噴火をルクリリが覚悟したその時、広帯域受信機から漏れ聞こえる管制官とパイロットのやり取りに耳を傾けるふりをしていたラブが、助け舟のつもりなのかは不明だがダージリンの気を逸らすようハッキリと聞こえる呟きを洩らしたのだった。

 

 

「載せてるのは武田菱の風林火山か…真奈はウチの夏妃と似てちょっと短気だけど、あの高速機動戦術は見習うべき所が多いわ……けどあのクロムウェル8両って編成も中々大胆よね~」

 

 

 だが残念な事に彼女のクロムウェルに関する発言は、思うようにクロムウェルの数を揃える事が出来ず1両導入するのがやっとであったダージリンにとっては地雷でしかなく、案の定ダージリンの顔は見る見るうちに不機嫌なものへと変わって行ったのであった。

 

 

『ラブ先輩ぃぃぃぃ……』

 

 

 結局何の助けにもならないだけでなく新たな燃料を投下しただけのラブの呟きに、ルクリリは絶望的な思いで恨みがましい目をラブに向けていた。

 頭を抱えてその場に座り込んでしまいたいルクリリであったが、真の助けは思いもよらない形で彼女の下へとやって来たのだった。

 

 

「なんだダージリン、お前達もこんな所にいたのか」

 

 

 次にケイが自ら操縦桿を握るスーパーギャラクシーが帰って来たらフサリアの豆戦車と相乗りで帰艦する予定のアンチョビは、その前にラブに一声掛けるべくこうして展望デッキにやって来たのだが、そこにダージリンを始めとする聖グロ勢の姿がある事に目を丸くしていた。

 

 

「いちゃ悪いっ!?」

 

「何だオマエ…ナニ一人で怒ってやがるんだよ……?」

 

「何でもありませんわ!」

 

「子供か…変なヤツ……」

 

 

 噴火寸前に溜め込んだガスを抜かれたダージリンは、胡散臭そうに自分を見るアンチョビにイーっと牙を剥くとそのままプイっとそっぽを向き何を言っても応えようとしなかった。

 

 

「…まぁいいや、コイツが変なのは今に始まった事じゃないし……ええと、あぁそうだ……ケイのヤツが戻って来たら急がしくなるから今のうちに一言と思ってな」

 

「千代美んトコはアーニャ達と一緒の便になるんだっけ~?」

 

「あぁ、フサリアは豆戦車しかいないからカーゴスペースに大分余裕があるんでな…ならウチの機材も便乗すればその分ケイの負担も減るだろうって事でこうなったんだ……ただなぁ、確かにアンツィオの三年生は私だけだが、持ち帰るのが戦車ではなく調理器材と物資の輸送車だけというのが何とも情けなくてなぁ……」

 

 

 今回のエキシビションマッチでアンツィオから参戦出来るのが自分だけしかいない為に、搭乗する車両をどうするかで苦慮していたアンチョビは、まほのたっての希望もあり黒森峰が用意したティーガーで戦っていた。

 故に持ち帰るべき戦車がない事を不甲斐ないとアンチョビは、何とも情けない顔でツインテのリボンまで萎ませていたのだった。

 

 

「あはは……」

 

 

 肩を落とし情けないとアンチョビが力なく首を左右に振るのに合わせ、彼女の黒リボンも力なくフニャフニャと揺れる様にラブは困ったように苦笑する。

 だが現実にはアンツィオと笠女のコラボによる出店は過去最高の売り上げを達成していたので、アンチョビも堂々の帰艦を果たせるはずだった。

 

 

「ま、これは言っても仕方ないわな……とにかくだ、サンダースも仕事が早いからモタモタやってると迷惑かける事になるんで私もこれで失礼するぞ」

 

「ん~解った~、でも気を付けて帰ってね~」

 

「ああ大丈夫だ…おいダージリン、お前も程々にしろよ……?」

 

「大きなお世話ですわ!」

 

「アイツさっきからナニ怒ってんだ……?」

 

「さあ……?」

 

 

 ずっと間近で全てを見ていたのに、呆れるアンチョビにラブも敢えてとぼけて見せる。

 

 

「あれ?安斎はもう行くのか……?」

 

「おう西住か、丁度今出発前の挨拶を済ませた処だ」

 

 

 ラブのとぼけ具合からしてアンチョビもこれは触らぬ神になんとやらかと、これ以上今ここでダージリンに係わるのは止めようと考えていると、彼女と同じく出発前にラブの顔を見にまほとみほがそれぞれのチームメイトを伴いやって来た。

 

 

「そうか、ウチも大所帯なんで今のうちにと思ってな……」

 

「私もだよ……とは言ってもアンツィオは私と後は鍋釜一式だけどな~」

 

 

 皆が彼女の事情をよく知っているが、それでもアンチョビの自虐的なジョークはその場に集まった者達をクスリと笑わせた。

 

 

「それにしてもお前らマジで大所帯だな、これ以上一緒にいると本気で情けなくなって来るから私はお先に失礼させて貰うとするよ……」

 

「あ、あぁ解った…気を付けてな……」

 

 

 おあずけを喰らった分昨夜は存分に吶喊したはずなのに、まほはアンチョビが一足先に立ち去ろうとすると僅かに眉を曇らせ寂しそうな顔をする。

 

 

「アンチョビさん、それじゃあまた……」

 

「おう、またな……そうだみほ、私も熊本にはご挨拶に伺う予定だがな、お前も春休みにはちゃんと家に帰れよ~」

 

「…ハイ……」

 

 

 立ち去るアンチョビとすれ違いざまにみほが軽く会釈しながら別れの挨拶をすると、軽く手を挙げそれに応え掛けた処で一旦足を止めた彼女は、ふと思い付いた事をサラリと口にしていた。

 しかしそれは未だにみほにとっては相当決心が必要な事であり、アンチョビに何でもない事のように言われた途端彼女の顔はお約束で例の鬱な表情に変わっていた。

 

 

「なんだチョビ子はもう行っちゃうのかい?」

 

「だからチョビ子言うなつってんだろが!」

 

 

 そしてお約束ついでに杏がいつものようにチョビ子と呼べば、アンチョビもまたいつものようにクワッと牙を剥いて言い返す。

 

 

「ったくコイツはいつまでも……」

 

 

 これ以上付き合うと疲れるだけだとアンチョビが踵を返すと、その背中に今度は意外な人物が声を掛け周囲に不思議な顔をさせた。

 

 

「あはは♪それじゃドゥーチェまたね~」

 

「お~、またな~」

 

 

 アンチョビが丁度目の前を取り過ぎたタイミングで、何故かレオポンのナカジマが屈託なく笑いながら手を振ると、その隣でホシノも彼女に倣うように手を振っている。

 一方アンチョビはといえば振り返りこそしないものの軽く手を挙げそれに応え、そのまま立ち止まる事なく立ち去って行ったのだった。

 

 

『またね?今確かにまたねって言ったわよね…?千代美ってナカジマさん達とそんなに接点があったのかしら……?』

 

 

 彼女も全てが伝聞な為に詳細を知っている訳ではないが、アンチョビとレオポンチームがそこまで親しい関係にあるとは聞いた事がなく、これはどういう事だろうと首を捻っていた。

 だがそこまで深く今の出来事を深く考えていた者はそれほど多くはなく、アンチョビのパートナーであるまほが腕を組んで不思議そうに考え込んでいる以外では、直前までウザ絡みしていたダージリンがジッとそのやり取りを見ていた位であった。

 

 

「あっそうだ…ねぇまほ、今千代美がご挨拶とか言ってたけどそれって卒業の挨拶って事……?」

 

「え…あ……あぁそうだが……」

 

 

 アンチョビとレオポンチームの関係も気になるが、それ以上に気になった事をラブがまほに確認するべく問い質すと、問われたまほは彼女らしくなく何処か歯切れが悪かった。

 

 

「ねぇ……?」

 

「…いやな、この件に関してはウチのお母様と安斎のお母様とでまだ話が纏まってないんだ……」

 

「それってやっぱり……」

 

「ああそうだ……」

 

 

 ラブとまほはそれだけで互いに意思疎通が出来るようだが、二人以外には彼女達が何を言っているかさっぱり解らない。

 

 

「お前もやっぱりこちらからご挨拶に伺うのが筋だと思うだろ……?」

 

「…うん、そりゃまぁ……」

 

 

 日頃まほが煮え切らない態度を取ればラブが小言の一つも言うのが常であったが、今日に限ってはラブも歯切れが悪く二人揃って何やら額を突き合わせるようにしてウダウダやっている。

 まほの大学進学に際し彼女の母であるしほは四年前の事も含め、遅まきながらもアンチョビの両親の下へ挨拶に行く事を予定していた。

 更にこの件ではラブのケアを最優先にしたが為に、実質この問題を放置していた亜梨亜も便乗する予定になっていたのだが、いざ具体的な日取りを決める段になってアンチョビの両親が逆に熊本へ来るという話が持ち上がっていたのだ。

 勿論ラブ自身も同行する予定であったし、そもそもが自分の引き起こした事故が全ての元凶だったので、是が非でもアンチョビの両親には謝罪せねばと彼女も考えていた。

 

 

「う~ん…けどこれに関しては親同士が決める話だろうし私らが口出してもなぁ……」

 

「だよねぇ……」

 

 

 二人の会話は既に不毛な堂々巡りになりつつあったが、それでもラブとまほは腕を組み難しい顔で唸り続けていた。

 

 

 




チョビ子とレオポンチームの関係はそろそろネタバレするかな~?

それにしてもダー様イジリは何故こんなに楽しいのかw
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。