ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

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先週の投稿に頂いた感想で思い付いたネタを加筆した結果、
ほぼ一話分書き換える結果になりましたw


第百十五話   preflight check

「そっちにもっと強く引っ張れ!このままだとテンションが足りなくて離陸した途端に積み荷が一斉に暴れ出すぞ!」

 

 

 実用一点張りで何の色気もない軍用超大型長距離輸送機スーパーギャラクシー機内では、所属する学校はおろか隊長も一般隊員も関係なく、皆が積み込んだ戦車の固定作業に汗を流している。

 

 

「こっちはOKだ!あ、コラ!砲塔を正面に向けたまま載せる奴があるか!一旦外に出て180度旋回させて来い!よーし次そのまま来い!あと50㎝前に出せ!」

 

 

 中でも使い込まれ油染みも勇ましい牛床革手袋で作業の合間に指示を出すまほは、いつの間にか作業全体を現場監督宜しく仕切っており、こんな処でも指揮官としての才を遺憾なく発揮していた。

 

 

「なんか嬉々として作業してるわね~」

 

 

 眺めの良い展望デッキ併設のカフェから、愛用する単眼の直進ズーム式スコープでその様子を見ていたラブは、感心しているのか呆れているのかよく解らない気の抜けた口調で感想を漏らしている。

 エキシビションマッチ参戦校の帰艦作業は、各校の学園艦が相模湾近海迄接近していた事もありそのペースは当初予定より大幅にアップしていた。

 

 

「この調子だと夜の私達のライブが始まるまでに全校帰艦しちゃうんじゃない……?」

 

「短時間に同じ作業の反復ですからね…自ずと作業効率も上がるのでしょう……」

 

「にしても手際いいわ~」

 

「そこはやはりまほさんが陣頭指揮を執っているからでしょう…有能な指揮官は戦局が厳しい時程その才能を発揮するものよ……」

 

「それ誰の言葉?」

 

 

 機外に出てあれこれ指示を飛ばすまほの姿をスコープ越しに観察するラブは、彼女から目を逸らす事なくダージリンに短く問いかける。

 

 

「…私の言葉よ……これ位は先人の言葉を借りずとも表現出来ますわ……」

 

「何怒ってんのよ……?」

 

「別に怒ってなどいませんわ……」

 

「……」

 

 

 解っているクセに白々しいと苛立っているのは事実だが、たった今否定した通りダージリンはラブに対して怒ってはいなかった。

 確かに今の彼女の顔には負の感情がそのまま表情として表れていたが、それは後悔とかそういった類のものであった。

 彼女にとって人生最大の大失態ともいえるラブのティーネームに係わる問題を、継ぎ接ぎの補修跡が目立つ状態ながら表向きはどうにか解決したダージリンだったが、一時間と経たぬうちに新たに与えたティーネームの事で彼女は早くも後悔し始めていたのだ。

 一代限りで後を継げる者が中々現れず長く空位となっていた名前ながらも、梅こぶ茶などというふざけたものと違い新たに与えたべにふうきの名で全ての問題は解消されたはずだった。

 だが、にも拘らず彼女が眉を曇らせる理由、胃の痛みを自覚するように腹部を摩る理由は何か?

 その()()は先程からドタバタと聖グロの淑女にあるまじき勢いで彼女の背後を走り回り、頭痛がし始めた頭にキンキンと響くハイキーな声で大騒ぎを繰り返していた。

 

 

「ほらあそこを御覧なさいべにあずま!また一機戻って来ましたわ!それにしてもスーパーギャラクシーってホントにバカでっけ~ですわね!」

 

 

 ピンク髪を振り乱して展望デッキを走り回っていたローズヒップは、ラブの新たな()()()()()()を大声で叫びながら独り元気にはしゃいでいる。

 

 

「このバカタレ!それはサツマイモだろうが!この頭の中に詰まってるのはおが屑か何かか!?ったくオマエは一体どういう耳してやがるんだこのちくわ耳め!」

 

 

 毎度の事ながらリミッター何それ美味しいので注意する傍から暴走するローズヒップを、やっとの思いでとっ捕まえたルクリリは、ピンク頭をヘッドロックで抱え込み頭頂部を拳で力一杯グリグリやり始めた。

 

 

「いだだだだだ!痛い、痛いですわルクリリ様!そんなに強くグリグリされたら脳ミソ迄へこんじゃいますの!」

 

「ハエ以下の記憶力で何が脳ミソだ!ここに詰まってるのはどうせハギスとか鰻のゼリー寄せみたいにロクでもないモノだろう!?」

 

 

 世界に冠たる大英帝国の激マズ料理の名を例えに出し、ルクリリは更に力を込めてローズヒップの頭の天辺の辺りをグリグリする。

 

 

「あだだだだだ!だ、だから口で言って下されば解りますわ!」

 

「やかましい!口で言って解る相手ならとっくにそうしてるしこんな苦労もせんわ!」

 

 

 ジッとしていたら死ぬとまで言われるローズヒップ相手に業を煮やしたルクリリは、捕獲した獲物を逃してはならじとばかり実力行使で彼女を黙らせようとする。

 しかしそれは傍から見ると力任せのどつき漫才にしか見えないのだが、残念ながら怒れるルクリリはその事に全然気が付いていなかった。

 やってる本人は大真面目なのだが、紅茶の園の住人達にとっては笑うに笑えない地獄のような状況であり、逃げるに逃げられない笑ってはいけない紅茶の園延長戦だった。

 とはいえまともな神経ではこの状況に耐えられるはずもなく、ティーネーム持ち達はこの目の前の悪夢から目を逸らすべく、さすが聖グロと言われるような鮮やかな回れ右を決めて笑いの刺客達に背を向けたのであった。

 

 

「解りました!解りましたからもう止めて下さいですわ!」

 

「ウソつけ!この消去機能しか付いてないハードディスクプレイヤー頭め!」

 

「ひっどいですわ!私だって朝ごはんに何食べたかぐらいちゃんと覚えてますわ!」

 

 

 ルクリリに頭を抱え込まれたローズヒップは心外そうに反論を試みたが、それは却って火に油を注ぐだけで増々ルクリリを怒らせるだけだった。

 

 

「オマエは何処までバカなんだ!?それぐらい誰でも普通に覚えとるわ!つーかオマエのお頭はその程度の事しか覚えておけんのかぁ!?」

 

「ぐえぇぇぇぇぇ!さっき食べた朝ごはんが逆走して来るから止めてですのー!」

 

 

 あまりに頭の悪いやり取りの連続に堪忍袋が限界を超えたルクリリが、抱えていたローズヒップの頭を怒りに任せ激しく上下にシェイクするように揺さぶれば、両手で必死に口元を押さえたローズヒップが悲鳴を上げた。

 

 

『も…もう止めて下さいルクリリ様……』

 

 

 その騙され易いが裏表のない漢前な性格から、聖グロ戦車道チーム史上過去に例のない異色中の異色な隊長と評されつつあるルクリリは、その一方で粗忽天然な一面も持ち合わせていた。

 そんなルクリリが入学出来た事自体が最大の謎とされるローズヒップを吊し上げる様は、彼女達に背を向けた者達の腹筋を容赦なく攻め立て地獄に叩き込むのだった。

 

 

「ホントにコイツは全く…ラブせ……ラブね……」

 

 

 ローズヒップの何がそんなに気に入ったのかルクリリには理解不能だが、彼女が何をやっても怒る事なく好き放題させるラブにこれ以上付き合うのは限界だとルクリリは意見しようとした。

 ところが彼女がラブの事を何と呼ぶべきかほんの僅かに口籠った途端、キュっと狐のように目を細めたラブは、何かを期待する目でルクリリの顔を見つめていた。

 

 

「うっ……!えっと…あ……そう!べ、べにふうき様からも少しは厳しく言ってやって下さい!」

 

 

 ラブの絡み付くような視線に言葉に詰まり掛けたルクリリは、蛇に睨まれた蛙のような心境で彼女の事を新たなティーネームで呼んでいた。

 だがどうにか言いたい事を言えたとルクリリがホッとしかけた処に、心底落胆したような顔でラブは失望の視線を彼女に向けて来たのだった。

 

 

「あの…何か……?」

 

 

 冷や水を浴びせられたような心境で訳が解らず戸惑うルクリリは、ローズヒップの頭を小脇に抱えたまま視線を彷徨わせる。

 するとラブは何も解っていないと大仰に溜息を吐き、恨めし気に短く呟きを洩らした。

 

 

「…さま……?」

 

「あ゛……」

 

 

 気を付けてギリギリ見切ってヤバそうな事は回避していたつもりだったが、最後の最後で彼女は地雷を踏み抜いてしまったのであった。

 

 

 

 

 

「それじゃしほちゃん、くれぐれも宜しくね……」

 

「はぁ……」

 

 

 滞在していた各校の選手をそれぞれの母艦に帰艦させる為に、フル稼働中の6機のCH-53Eスーパースタリオンが入れ替わり立ち代わり離発着を繰り返すヘリデッキの一画、アイドリング状態にある西住家所有の通称バートルと呼ばれるタンデムローター式ヘリコプターの搭乗ハッチの前には、しほを見送りに来た亜梨亜とそれに付き従う厳島家メイド長の雪緒姿があった。

 日頃は厳島の頂点に君臨する女帝として圧倒的な存在感を誇る亜梨亜だが、どういう訳か今の彼女は自信なさげで落ち着きがなくどうにも挙動不審な印象だった。

 その原因はと言えばただ一つ、間もなく四年が経過しようとしている榴弾暴発事故の際、神がかり的行動力でラブの命を救ったアンチョビの両親との面会に関する問題であった。

 ラブ曰くこの事になると途端にヘタレる亜梨亜は、この件に関する一切合切をしほに丸投げし自分はただオロオロするだけだったのだ。

 尤もこの件ではラブ自身も相当に緊張しており、アンチョビの両親に果たしてどんな顔で会えばよいのか解らず悩んでいた。

 そしてもう一方の当事者たるアンチョビはどうかといえば、もう充分過ぎる程謝罪も感謝もされているので、何を今更めんどくせぇというのが本音だったようだ。

 

 

『この人はホントにもう…昔から困ったり面倒になると厄介事全部私に丸投げするんだから……』

 

 

 さも困ったといった感じで落ち着きのない小動物か何かのようにソワソワする亜梨亜を前に、しほはふと黒森峰で隊長と副隊長の関係にあった頃の事を思い出していた。

 

 

「とにかく、千代美さんのご両親とは日程や面談場所も含めもう一度お話してみますが、全ては一旦熊本に戻ってからの話になりますので……」

 

「ええ、その辺は全部しほちゃんにお任せするわ…日程に関しても全てあちらのご都合に合わせて組んで貰って構わないからお願いね……」

 

 

 世界経済を大きく左右するだけの強大な力を有する厳島の代表が、果たして本当にそれで良いのかと思わないでもなかったが、今の亜梨亜には何を言っても無駄であるとしほはその経験上解り過ぎる程解っていたので、ここでそれ以上の事は一切言わなかった。

 とはいえまだ電話でしか話した事はなかったが、アンチョビの母親の第一印象が『さすがアンチョビの母親だけの事はある』であっただけに、交渉は相当難航するあろう事が容易に想像が付き、しほは闘う前から既に疲労感を覚え小さく溜息を吐いたのだった。

 するとそこへコックピットへ詰めていた西住家女中頭の菊代が姿を見せ、自分達に飛び立つ順番が巡って来た事を伝えて来た。

 

 

「奥様、この後2機スーパースタリオンが発艦したらそれに続くようたった今管制から指示がございました、ですのでそろそろ機内の方へ……」

 

「解りました…それでは亜梨亜様、私達はこれで……雪緒さん、次に亜梨亜様が熊本にいらっしゃるときは是非一緒に来て下さいね?ウチの者達も皆会いたがっていますよ」

 

「はい、その時は是非」

 

 

 雪緒がメイドらしくスカートを持ち上げ腰を落とすカーテシーと呼ばれる挨拶を決めると、それを見届けたしほも二人に一礼し機内に姿を消した。

 そして雪緒と視線のみで挨拶を交わした菊代がハッチを閉じると、パイロットは管制官と交信を始めバートルは発艦態勢に入った。

 亜梨亜と雪緒の二人が機体から離れ待つ事暫し、2機のスーパースタリオンが立て続けに発艦すると、西住家のバートルにも管制官から発艦の許可が下されたのだった。

 バタバタと腹を打つタンデムローターの生み出す回転音が高まると、既にアンティークと呼ぶに充分な機齢のバートルは、それを感じさせぬ力強さでダウンウォッシュを叩き付け浮き上がった。

 その機窓にしほの姿を見とめた亜梨亜が彼女に向かって小さく手を振れば、しほもまたそれに気付き同じように手を振り返す。

 そしてその直後機体は本格的に上昇を始め、そのまま春の空に溶け込んで行くのだった。

 

 

 

 

 

「ホラホラべにほっぺ!今度はアッチでふっるいへりが飛び上がりましたわ!」

 

「それはイチゴだこのスカタン!お前の頭ん中はジャムでも詰まってんのかぁ!?」

 

 

 

 

 

「成程、そっちの世界も大変だな……」

 

「ええ、今期は全国大会以降も大学選抜戦やら新設校リーグ戦なんかもあったでしょ?その事で彼女達も色々と思う処もあったんだと思うわ…だからこそ最後まで見届けたいとこの時期まで現役に踏み止まっていたんじゃないかしら……多分彼女達流のけじめのつけ方だったんでしょうね……」

 

「まぁなぁ…確かに全国大会からしてアレだったしその気持ちは解らんでもないがな……」

 

 

 しほと菊代を乗せたバートルが飛び去ったヘリデッキの待機室の片隅、グリーンパーテーションで仕切られたカフェのカウンター席には、フライト待ちの亜美と見送りに来た英子の姿あった。

 

 

「そりゃ審判だから立場的に中立は絶対よ?でもあの子達だって同じ高校生なんだもの、あんな理不尽がまかり通る事に不満を抱いたって不思議はないわ」

 

 

 如何なる状況であっても審判である以上判官贔屓は許されず、昨年の全国大会及び大学選抜戦に於いても公平を貫き職務を果たしていた。

 しかし彼女達審判団も事態の異常さは充分に理解しており、その元凶である文科省とそれにノーと言えなかった連盟に対しても不信の念を募らせていたのだった。

 だからこそ彼女達を現場で統括して来た亜美もその事で胸を痛め、どうする事も出来ない自分を歯痒く思っていたのだ。

 

 

「彼女達も辛い立場ではあるな…だがお前がその辺の事はフォローし続けて来たんだろ……?」

 

「勿論よ…けど全ての問題をフォロー出来たかと問われれば答えに困るわね……」

 

 

 この手の問題は後になってもっと他にやりようがあったのではなどと思うのが常だが、亜美もその呪縛に囚われたように難しい顔で考え込む仕草を見せていた。

 

 

「それをお前が解ってるなら大丈夫だろ?彼女達だって馬鹿じゃない、その辺の事は充分理解しているんじゃないのか?でなきゃとっくにサボタージュなりの行動に出てたはずだ」

 

「そうかしら……?」

 

「そうさ」

 

 

 英子の言う事は些か楽観的過ぎると亜美は懐疑的であったが、そんな彼女の様子など気にも留めず英子は軽い調子でそれを受け流していた。

 

 

「で、この後はどうするって?」

 

「え…?あぁ、明日の午後から連盟本部で今期審判団の解団式の予定よ……」

 

「そりゃまた忙しいスケジュールだなぁ……」

 

「仕方ないでしょ?まさかこの時期まで三年生が現場に出るとは私も思わなかったし、もう卒業式まで日もないからこの日を逃すと参加が出来なくなる子も出て来るから、例え忙しくても明日やるしかないのよ……」

 

 

 学校毎にチームを組み戦っている選手達と違い、審判団には呉越同舟で様々な学校からの生徒が参加しているので、全ての審判が一堂に会する機会は意外と多くはなかった。

 

 

「そうか、増々大変だな…で、その後に改めて労いの席を設ける訳か……お前相当ポケットマネーが飛ぶだろ?私もそんなに持ってる訳じゃないが少し位なら援助出来るぞ?」

 

「あ~、それなんだけどね……」

 

「何だどうした?」

 

 

 基本的にある程度の予算は連盟から支給されるが、それだけで解団式後の慰労会まで賄える程甘くはなく、例年出席者から多少の会費を徴収するのが当たり前で、亜美も毎年この為にポケットマネーから結構な額を用意していたのだ。

 しかしそのお金という生な話になると亜美の目が不自然に泳ぎ、英子はそんな彼女の変化を見逃しはしなかった。

 

 

「うぅ…実は昨夜の会食の後、別れ際に亜梨亜様からこれを手渡されていたのよ……」

 

 

 どうにも歯切れ悪く口籠る亜美は、膝の上に乗せた70式制服用ショルダーバッグから取り出した祝儀袋を、何処か周囲の様子を窺うような素振りでそっとカウンターの上に置いた。

 

 

「何だこりゃ?」

 

「だから見たまんまよ……」

 

 

 彼女がカウンターに置いた祝儀袋には美しい筆跡で卒業祝いと記されており、訳が解らぬ英子は妙な顔をしながらその祝儀袋を手に取っていた。

 

 

「…重い……」

 

 

 明確に厚みと重みを感じる祝儀袋を手にした英子もさすがに顔色が変わり、これはどういう事かと亜美の顔をマジマジと見ていた。

 

 

「私だって公務員だからこれはさすがに辞退しようと思ったのよ?でも亜梨亜様もこれは卒業する審判団の皆様への卒業祝いですからって……」

 

「う~む…さすが亜梨亜様、全てお見通しでいらっしゃるという事か……」

 

 

 これはさすがにどうしたものかと途方に暮れる亜美だったが、英子は彼女の話を聞くうちに納得行ったと腕を組みウンウンと何度も頷いていた。

 

 

「いや、だからそういう事じゃなくて……」

 

「い~から貰っとけ、それで子供達に目一杯旨いもんでも食わせてやればいい」

 

「アンタねぇ……」

 

 同じ公務員でありながら英子のあまりのいい加減さに、亜美の目付きも険しくなる。

 

 

「全て子供達を労う為に使ってしまえば何も問題なかろう…ホレ、ここにも卒業祝いと記されているじゃないか、そもそも厳島の……亜梨亜様のやる事に文句を言えるヤツが何処にいる?いないだろ?ならそれでいいんだよ」

 

「……」

 

 

 悪魔の三段論法でも聞かされているような気がする亜美は呆れて何も言えなかったが、確かに英子の言う通りでもあったので反論しようにもその為の言葉など思い付かなかったのだ。

 

 

「…いいのかしらこれで……」

 

「だからいいって言ってんだろ~が」

 

「…お店、予約し直さなくちゃ……今からでも追加注文とか間に合うかしら……?」

 

 

 英子に上手い事丸め込まれていると思いながらも他に選択肢がない事は解っていたので、亜美も諦め顔で祝儀袋をバッグに戻しながら力なく呟いていた。

 

 

「まぁアレだ、そう難しく考えずに子供達を労ってやれや」

 

「気楽に言いやがって……」

 

 

 他人事な英子を亜美は軽く睨んだがその程度で貫ける程彼女の面の皮は薄くなく、亜美は英子の頭を手にしたバッグで叩いてやりたい心境であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホラホラべにまどんな!今度は小っこいヘリが飛んで行きますわよ!」

 

「今度はみかんじゃねぇか!お前マジいい加減にしろよ!?」

 

 

 




しほさんと亜美さんは飛行前に厄介事を片付けたかったんでしょうねw

ルクリリはこの調子で卒業するまでローズヒップに手を焼くんだろうなぁww
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