「あの裏切り者共め……」
東京湾の玄関口、浦賀水道のランドマーク的存在と言われる厳島の城。
その城のヘリポート目指し無駄のない動きで降下して行くのは、厳島本家が日常の家族の足として使用するプライベートヘリ
海側から見て城の裏手に当たるヘリポートに向け降下して来た222SPは、城の尖塔をパイロンに見立てたように機体を軽くバンクさせながらグルリと180度旋回すると、そのまま一気に高度を下げながら着陸態勢に入って行った。
その際傾いた機体の窓から眼下に見える走水の港に、厳島家所有のクルーザーが入港しているのを見とめたラブは、眉間に皺を寄せて忌々し気な声で短い呟きを洩らしていた。
厳島の城の最奥、通常極近しい者しか立ち入る事を許されぬ聖域たる広間は、本家の人間にとってはリビング代わりの心安らぐ憩いの空間だった。
そのリビング代わりの広間にヘリポートから直行した三人は、夕暮れの浦賀水道を眺めながら夕食前のひと時をお茶で喉を潤しながらくつろいでいた。
「あらラブ姉早いじゃない、もう帰ってたなんて気が付かなかったわ」
『ヘリが降りて来るの見えてたクセに白々しい……』
しかしその静寂を破る姦しい声と共に山のような戦利品を抱えAP-Girlsが広間に雪崩れ込んで来ると、束の間広間を包んでいた安らいだ空気は瞬く間に雲散霧消してしまうのだった。
そしてパンターのお披露目後率先して格納庫にラブを置き去りにした凛々子が、広間に姿を見せるなり早々に彼女にちょっかいを出すと、ラブはティーガーⅡの正面装甲すら射抜きそうな鋭い視線で凛々子の事を睨み付けていた。
だが自分だけを残しアウトレットに買い物に行った事を根に持つラブが、調子に乗る凛々子を恨みがましい目でいくら睨んでも通用せず、彼女は嬉々とした様子でラブにちょっかいを出し続けた。
「う~ん、今日は本当にいい買い物が出来たわ…ホラ見てよラブ姉このクロノグラフ……元からどのモデルも数を作らなくて滅多に出回らないレア物なのに、廃番品って事でアウトレットだとこの値段になるんだから油断出来ないわ♪」
思いがけぬ掘り出し物にニヤニヤが止まらない凛々子は、早速腕に巻いたレディース物のクロノグラフを得意げに見せ付けながら、それ以外の戦利品も店を広げるように並べ始めていた。
時計やアクセサリーなどの小物類を始めバッグなどのファッションに係わる物だけに限らず、有名スポーツ用品メーカーのトレーニングシューズのような物まであり、その数と質から見ても彼女が相当な散財をして来た事が窺える品揃えだった。
だがこれは彼女に限った事ではなく、一緒に戻って来たAP-Girlsのメンバー全員が似たような荷物量だったので、誰一人ラブに気を使ったりしていないのは明らかだった。
「この裏切り者共め……」
これ見よがしな凛々子だけではなく、愛も含めた全員が揃ってショッピングを満喫して来た事に不満を募らせたラブは、凛々子が並べた戦利品を睨みながら恨みがましく呟きを洩らしていた。
「そうそう、お二人にもお土産がありますから後でお渡ししますね…それとラブ姉には……え~っと何処に入れたかしら……あぁあった、はいコレよ」
「何よコレ……」
凛々子が軽く放り投げた物を条件反射で受け取ったラブは、それが何であるか認識すると険しい表情で短く問い質していた。
「ああソレ?アウトレットの出店で買ったけど食べ切れなかったキャラメルポップコーンよ♪」
何処までもふざけた事を言う凛々子の顔を目掛け、カッとなったラブはポップコーンの紙製カップのラッピングのリボンを掴み力任せに投げ付ける。
しかし凛々子はそれを予想していたのか余裕綽々で飛んで来たポップコーンのカップを躱し、自分を涙目で睨み付けるラブの事を鼻で笑って見せたのだった。
「あイタっ!って鈴鹿なんて事すんのよ!?」
だがその直後乾いた音を立てて後頭部を叩かれた凛々子は、背後でポップコーンのカップ片手に自分を冷ややかに見下ろす鈴鹿に噛み付いていた。
凛々子が避けたポップコーンのカップをキャッチしていた鈴鹿は、そのまま凛々子の後頭部を掴んだカップを包む袋のリボンで反動を付けてスパーンと景気の良い音を立てて叩いていたのだ。
「いい加減にしな凛々子、そんな事ばっかやってるから訓練でフルボッコにされるのよ」
『コイツら普段何やってんだ……』
ラブ相手に調子に乗りその後の訓練では決まって地獄を見る事になるのに、懲りずに下らない事でマウントを取りに行く凛々子を鈴鹿は辛辣に切り捨てる。
実際にAP-Girlsの訓練をその目で見た事はないが、隙あらばLove Gunを討ち取らんとする各車長をこれまでの処尽くラブが返り討ちにしていると聞いていたアンチョビとまほは、彼女達の日常が果たしてどれ程仁義なき戦いなのかと呆れ果てていた。
だがいつまでもこんな事をやらせていると増々ラブがヘソを曲げてしまうので、アンチョビは涙目のラブそっちのけでやり合う凛々子と鈴鹿と、それを傍から煽るAP-Girlsを渋面で諫めに掛かった。
「オイお前ら、もういい加減その辺でやめとけ?コイツが拗ねたら後が厄介なのはお前らだって身に染みて解ってるだろう?まさかやるだけやって後の始末私らに丸投げする気じゃあるまいな?」
特別扱いされる事を嫌うラブを表向きはぞんざいに扱うAP-Girlsであったが、これはさすがにやり過ぎで後で大変な思いをする事になると、ラブを宥めるまほの傍らでアンチョビは調子に乗る彼女達をギロリと睨み付けた。
「え~?こんなの軽いスキンシップのうちですって、大体このおっぱいがこの程度の事で萎むはずない事はドゥーチェが一番ご存じのはずですわ♪」
「オマエな……」
目尻に涙を浮かべ彼女を睨むラブを尻目に凛々子は愉悦の表情で口元を右手の甲で覆い、クスクスと笑うだけで反省の素振りさえ見せようとしない。
日頃ラブに対してはとことん高飛車で隙あらば彼女の足下を掬おうとする凛々子を見ていると、その性格の悪さが誰かと被るような気がしたアンチョビは、諫めようと何かを言いかけたものの、その事が気になりだし不意に黙り込んだ。
「あら?どうかされました?」
次は何を言われるのかと反論の用意をしていた凛々子は、急にアンチョビが黙り込んだ事で肩透かしを喰らったような気がして、どういう事かと不思議そうに首を傾げ様子を窺っている。
「凛々子…お前のその性格、前々から誰かに似ていると思ってたんだが漸く今解った……ラブ相手となると途端に調子に乗って容赦なく言いたい放題なお前のそういうトコな、ダージリンのヤツによく似てるんだよ……うん、そっくりだわ、何で今まで気が付かなかったんだろう……?」
「ま゛!?」
瞬き三回程の僅かな時間沈思黙考したアンチョビは笑劇の事実を凛々子に突き付けると、漸く合点が行ったのと同時に今の今まで気付かずにいた事に自分でも驚き目を丸くしていた。
一方アンチョビからまさかの事実を告げられた凛々子は、驚きのあまりすっかりデッサンの狂ったアホ面を晒しながら妙な呻き声を上げたのだった。
「フム、言われてみれば成程確かによく似ている……」
「な゛!?」
更にここぞとばかりに最強の天然砲のまほが痛烈過ぎる決定打を放ち、凛々子にとって致命傷となる手痛い一撃を与えていた。
そしてそれまで目尻に涙を浮かべ怒りに震えていたラブは、お~っとさも感心したような声を上げながら左の掌に握った右手をポンっと打ち付け、大きく見開いたエメラルドの目からポロリと鱗を落としていた。
攻守逆転、泣いたカラスのラブと入れ替わりに、突き付けられた事実を前にショックを受けた凛々子が涙目でグルリと周囲を見渡せば、その視線を避けるようにAP-Girlsが彼女にサッと背を向けたのだった。
「ちょ、アンタ達……!?」
誰かにダージリンと自分の性格が似ているという説を否定して欲しかった凛々子だったが、向けられた背中が小刻みに震えているのを見てしまい誰一人味方がいない事を悟った。
特にこういう時絶対に大笑いしそうな夏妃までもが彼女に背を向け、武士の情けとばかりに激しく背中を震わせながら必死に笑いを堪えていたのが一番堪えていたようだ。
いつものようにラブを恰好の爪研ぎ板にしていたはずなのに、気が付いた時には自分がオチの対象にされてしまい悔しさに歯噛みする凛々子にしてみれば、この状況はいっそ笑い者にされた方がまだマシであったかもしれなかった。
「随分と楽しそうですね」
「あ、亜梨亜ママ♪」
アンチョビが気付いてしまった笑劇の新事実を前に、愕然とする凛々子以外の者達が全員揃って笑ったら可哀想な戦車道に耐えていると、いつからそこにいたのか仕事から戻った亜梨亜がメイド長の雪緒を従え広間の入り口に佇んでいた。
「ごめんなさいね、すっかり遅くなってしまって……」
羽織っていた春らしい淡い色合いのスプリングコートを雪緒に預けながら広間に足を踏み入れた亜梨亜は、凛々子をネタに盛り上がる娘達に帰りが遅くなった事を詫びると、時代を感じさせる大きな柱時計に目を向けた。
亜梨亜はすっかり遅くなったと言うが、柱時計はまだ七時を少し回ったばかりで夕食には丁度良い頃合いであり、彼女からコートを受け取った雪緒は極自然な所作で一礼すると、夕食の準備が済んでいる事を一同に告げたのだった。
「ご夕食の準備は整っておりますので、ご都合が宜しければいつでもEsszimmerにお越し下さい」
「私達はいつでもいいわ……亜梨亜ママはどうする?着替えるなら先に行って待ってるけど?」
「私はこのままで構いません、皆もお腹が空いたでしょうから食事にしましょう」
楽しそうねと言われ絶句する凛々子の事などほったらかしに話は進み、母娘の先導で広間を後にした一同はそのまま城の食堂にあたるEsszimmerへと向かうのだった。
「う~むまさかの和食…それも魚中心でどの魚も素晴らしく美味しいぞ……」
「ふふふ♪フライやバター焼きが和食かどうかは疑問の余地があるけどね~」
食卓に並ぶ料理は前夜も和洋折衷な無国籍料理であったが、明日横須賀を離れるまほとアンチョビの為に用意された夕食は、鮮度の良い地魚をふんだんに使った和食であった。
「いやいや、こんなに白いご飯が欲しくなるんだから、これはもう和食と言っていいんじゃないか?このアジフライとなめろうだっけ?使っている鯵が何と言うか脂の乗り方が只事じゃないぞぉ?」
食に関しては妥協しないアンツィオ出身だけに、一品口に運ぶ毎に素材の鮮度の良さに唸ったり調理方法を考察するアンチョビは、厳島家の料理人達の目利きの確かさと腕の良さを絶賛しつつ箸が止まらなかった。
「走水の鯵は黄金鯵と言って、回遊せず定着してるから良く脂が乗ってるらしいわ」
「そうなのか?けど鰺だけではなく他の魚も鮮度が良いな…この食卓に上っている魚は全て地魚か?今夜は一体何種類の魚が用意されているんだろう……?」
「多分15種類ぐらいじゃないかしら?今の季節に地元の漁師さんが届けてくれるお魚の種類がそれぐらいだったはずだから」
「種類で思い出した…なぁラブ、今の処AP-Girlsの保有戦力はやっと揃ったパンターG型とⅢ号J型がそれぞれ5両のみだろ、今後は数もそうだが他のドイツ戦車を使うつもりはないのか……?」
和食ではあるが今夜も彼女の好物が数多く用意されていたので、黙々とそれらを口に運び消費に努めていたまほは魚の種類の話から気になっていた事を思い出し、躊躇する事なくそれを言葉にしてラブの反応を窺っていた。
「何よ急に…まぁいいわ……Ⅲ号の方はあくまで急場凌ぎの繋ぎのつもりだったけど、思った以上に戦力になる事も立証済みだから今後も使うつもりよ……取り敢えずはセッティングをニュートラルに戻して新一年生に乗らせる事になるわね」
「セッティングをニュートラルに戻す?それはどういう意味だ?」
それまで好物を前に夢中で箸を進めていたまほの唐突な質問に呆れるラブであったが、戦車の事となると途端に顔が引き締まるまほに何を言っても無駄なので、ラブは彼女が興味を持っている事に一つ一つ丁寧に答えて行った。
「レースで使う競技車両と違って普通戦車をウチみたいにチューンする学校はまずないはずよ…あ、大洗のレオポンは例外ね……え~っとそう、黒森峰だって徹底した整備や精度の高い部品を使う事はあっても極端なセッティングなんかまずやらないでしょ?」
「ああそうだな……」
自分の引退後隊長に就任したエリカが何やらゴソゴソやり始めたのは知っていたが、彼女が何を始めたかまでは把握していなかったので、まほもラブの探るような視線にここではその事には触れず聞かれた事を控えめな口調で肯定した。
「けどウチの場合まず厳島流のドクトリンに適合するよう基本的なスペックの向上に加え、AP-Girlsのメンバーの個性に見合ったチューンを行っているわ…二人だって今日Love Gunに乗ったばかりだから、普通のパンターに比べて如何にピーキーなセッティングが為されているか解るはずよ?」
「まあ確かにな…普通の感覚で乗ったら逆に扱い辛いし、それ以前にまともに動かす事も出来ないだろう……けどそれとセッティングをニュートラルに戻す事に何の関係があるんだ?」
「だからそれよ…新一年生の個性も解らないうちに私達が乗ってたⅢ号をそのまま与えてもさ、それこそ壊すばっかで訓練にならないでしょ……?」
「成程そういう事か……」
確かにラブの言う通り、普通戦車道では考えられないような過激なチューンとセッティングが施されたLove Gunを考えれば、彼女に直接スカウトされAP-Girls入りした現メンバーと違い、難関とはいえ一般入試で入って来た新一年生にあの魔改造は辛かろうとまほも納得した。
「ふ~む…てぇ事はⅢ号はまた工科校送りって事か……?」
「いいえ、パンターが納車された後入れ替わりでデータ取りの為に一旦工科校でバラバラにされたけど、全車そのまま組み立てて戻って来てるわ……加工されたり置換されたパーツをノーマルに戻す作業は、全てウチの工廠の方で出来る事だから工科校には頼らないのよ」
「そうか…考えてみりゃあの工廠の整備班の連中も腕が相当だもんなぁ……それじゃ取り敢えずノーマルなⅢ号で新一年生は様子見って事になるんだな?」
「ええ、そうなるわ」
他に類を見ない極端なカリカリチューンなⅢ号J型だけに、作業の全てが工科校に丸投げになるのかと予想したアンチョビであったが、最新設備と高度なカリキュラムで指導を受けている笠女の整備班ならばその程度は造作もないだろうと彼女も思い直す。
「と、なるとだ…当面パンターは今日見せて貰った5両だけって事になるのか……」
果たしてどれぐらいの人数が難関を突破し入学を果たしたかまではラブが明かさない以上、アンチョビとしてもAP-Girlsがどの程度戦力を増強出来たのかはちょっと予想が付かないようだ。
「ああ千代美、多分千代美が心配している事なら何も問題ないわよ?」
「どういう事だ……?」
アンチョビとしては大洗の快進撃の影響で笠女が戦車の調達に苦労した事が頭にあったので、ラブが再び必要な機材調達で頭を悩ますのではないかと危惧していた。
「品薄状態だった市場もすっかり落ち着いてほぼ通常の状態に戻ってるから……千代美は去年の事を思い出したんだろうけど大丈夫、新たにパンターが必要になっても確保の目途は付いてるわ」
「あ、そうか…つい長年の習慣でジャンク市場しかチェックしていなかったから気が付かんかった……そうかぁ、一般市場の品薄はそこまで解消されていたのかぁ……」
慢性的に金欠なアンツィオ基準がすっかり身に染み付いていたアンチョビは、その影響でジャンクパーツ中心の市場しか見ていなかった事に今更ながらに気付き、恥ずかしさと情けなさの入り混じった複雑な表情で照れ笑いをしていた。
「まぁその辺の問題はともかくとしてだ、やはりラブは基本的にパンター以外の戦車を導入する気はないのか?一試合あたりの参戦車両の上限が実質撤廃される以上、いくら高機動で相手の懐に飛び込んでの近接戦闘が得意とはいえパンターだけでは厳しい場面が出て来るだろう、その辺の事をお前はどう考えているんだ?」
「そうね…確かにまほの言う事にも一理あるわ……けれどやはり厳島流にとっては高い機動力こそが命、例え高火力でも機動性に劣る戦車は選考の対象外ね……それでも敢えて考えるのならⅣ号だけど、パンターを使っている以上Ⅳ号の導入はあまり意味がないわ……振り回すのが前提だから固定砲身もありだけどⅢ突もⅣ号と同じ理由で導入しても意味がないし、ヤークトパンターはアハトアハトの破壊力が魅力だけど、パンター程自由に振り回せる訳じゃないからちょっと厳しいわね」
「う~ん…そう言われると確かに使える戦車は限られて来るな……かと言ってお前も他の国の戦車を使う気はなさそうだしなぁ……」
新年度から適用される新ルールにより、AP-Girlsはよりハードワークが強いられる事はほぼ確定している訳だったが、それを指摘しても尚ラブは厳島の流儀に合う戦車が少ない事を明言する。
「戦車道で多国籍軍をやると色々と規格が違うからロクな事にならないのよね…唯一の例外の大洗がチームとして機能していたのは、やっぱり自動車部の存在に依るところが大きいしね……そりゃあウチの整備班だって極めて優秀よ?けどだからといってこれ以上負担を増やす気になれないわ」
「だよなぁ…でもまぁパンターは直ぐに確保出来るから問題なしか……」
アンチョビとしても返って来る答えは解っていたらしく、ラブの言う事に重々しく頷きながら短い言葉で同意するだけであった。
「と、いう訳でAP-Girlsの
「は…そりゃまたどういう意味だ……?」
戦力に関しては一応は問題なしとアンチョビも結論付け、目の合ったまほもそれに頷き同意したが、直後付け足すようにラブが言い出した事にアンチョビは思わず目を瞬かせた。
「あのねぇ千代美…私の話聞いてなかったの……?ちょっと考えれば解る事でしょ?去年の観閲式でデビューするまでの間に、戦闘機動の訓練に加えて歌とダンスのレッスンに私達がどれだけの時間を費やしたと思ってるの?」
「あぁ…そういう事か……」
「そうよ、AP-Girlsのメンバーはただ戦車に乗れるってだけじゃ務まらないの…歌って踊れて厳島の高機動が出来て初めてメンバーと言えるのよ……今言った事が両立できなければいつまで経っても
アンチョビはラブの言っている事の意味を即座に理解出来たが、同時に改めてAP-Girlsのメンバーになる為のハードルの高さに言葉が続かない。
彼女の予想では入学後即座に訓練とレッスンを始めたとしても、全国大会が始まるまでに新一年生が仕上がるとは到底思えず、他人事ながらそれで大丈夫なのかと心配になって来たのだった。
「二人共何て顔してんのよ…あ、もしかしてそれで全国が大丈夫なのかって思ってる……?アンタ達に心配されなくたって戦う算段ぐらい出来てるわ、パンターだって5両揃ったし私達を舐めてかかれば痛い目を見るのは相手の方よ……?」
口角を吊り上げ女狐の笑みを浮かべるラブの横顔に、そうだコイツはこういうヤツだったとアンチョビとまほは揃って大仰な溜息を吐く。
春休みだ何だと騒ぎながら結局は戦車道の話に終始する娘達に、亜梨亜はただ穏やかな笑みを浮かべ一人静かに酒杯を傾けるのだった。
腰痛の方は相変らずですが何とか投稿出来ました……。
しかし性格がダー様に似てるって言われたらやっぱショックかなw