ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道   作:肉球小隊

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ご無沙汰しました、漸く仕事の修羅場も峠を越えたみたいです。
自分もまだ腰の状態が良くないのでさすがに今回はマジで疲れました。

ぶつかり合うラブとエリカにお構いなく今回も外野が賑やかですw
しかもタイトルからして既に嫌な予感しかしないというww


第三十七話   ボッコボコ

「やっぱ黒森峰つえぇ……」

 

「言ってる場合!?迂闊にも程があるわよこの馬鹿!」

 

 

 ラブに鍛えられ超常的な強さを誇るもこれが初の16号戦となるAP-Girlsは、エリカ率いる経験者のみで編成された黒森峰相手に予想以上の苦戦を強いられていた。

 ラブがエリカの張った罠を跳弾トラップで回避して以降、両チームは狭い交戦エリア全体に分散し偶発的な一撃離脱の遭遇戦を繰り返していたのだった。

 しかし狙いは正確ながら双方共に決め手を欠き、未だ白旗は一本も揚がらずリタイアはゼロ。

 なれど手に汗握る怒涛の高機動戦に、観戦する者達は息吐く暇もなく退屈とは無縁であった。

 衝撃のデビューから約半年、少ない手勢で強豪と互角に渡り合うその実力は全国大会上位クラスと同等かそれ以上と目されるAP-Girlsだったが、新生黒森峰の最精鋭チームはその彼女達の実力を以ってしても容易く倒せる相手ではなかった。

 現に今も隙を突いて小梅に奇襲を仕掛けた夏妃は危うく返り討ちに遭いかけ、その一部始終を目撃していた凛々子は合流するなり罵声を浴びせていた。

 

 

「ぴーぴーうっせぇぞ凛々子!小梅姉はパンター乗り慣れてるし細かい道にも詳しいから厄介なんだよ!大体てめえだって砲塔の焦げ跡増えてんじゃねぇか、大方直姉辺りにやられて逃げて来たんじゃねーのか!?」

 

「黙れこの脳筋!」

 

 

 どうやら自分の事は棚に上げて夏妃を罵倒していたらしい凛々子は、図星を指されサッと顔に朱を走らせると殊更声を張り上げて誤魔化すのに必死だった。

 

 

 

 

 

「ふ~む…こう言っちゃなんだが黒森峰がAP-Girls相手にここまで押しまくるとはなぁ……一方的とは言わんが、今の処ゲームの支配率は黒森峰の方が上だろうよ」

 

「あぁそうだな、エリカが私に隠れてコッソリ特訓しただけあって確かに良い動きをしている」

 

 

 自分の卒業前に16号線のトンネル補強工事に加え、一番肝心な内壁へのカーボンコーティングの再施工が間に合わず、まほも残念だがこればかりは仕方のない事だと諦めてはいた。

 だが自分が卒業して早々に補強工事と再施工が終了し、水面下で着々と準備を進めていたエリカがまんまとラブに壱番槍を突き付けたとなると、さすがにまほも面白くないらしく気持ちがそのまま顔に現れていたようだった。

 

 

「僻むなよ…全くしょうがないヤツだ……」

 

「うるさい……」

 

 

 内心子供かよと呆れるアンチョビは、口に放り込んだミルクチョコをガリっと音を立てて嚙み砕くと、苦みの効いたイタリアンコーヒーで一気に流し込んだ。

 

 

「けどアレだ、16号戦でラブのヤツがこうも押し込まれて守勢に回るのは初めてじゃないのか?」

 

「そうか?私も結構…解ってるよ……これはやはり経験者揃いの黒森峰に比べて、AP-Girlsにはラブしか16号戦の経験者がいない事が目に見える差として現れているんじゃないのか?」

 

 

 ラブ相手となると対抗意識からついつまらない見栄を張ろうとするまほは、アンチョビにひと睨みされると一瞬言葉に詰まりながらも自らの状況分析結果を続けた。

 

 

「う~ん、あのAP-Girlsがねぇ………」

 

「ああ、これは私の憶測に過ぎないが今回の16号戦はラブにとっても完全に想定外の不意打ち、万全の備えをして来たエリカをロクな準備も出来ぬうちに迎え撃つ事になっているはずだ。確かにAP-Girlsは強い…が、いくらAP-Girlsが強くても事前の練習なしにその実力は発揮出来ないんじゃないのか?そうだな……彼女達の歌やダンスだって相当な時間を割いて練習しているはずだろ?だからこそあれだけ完成度の高いステージを実現出来るんだと思うんだがどうだろう?」

 

「アイツらにとっちゃステージも試合も一緒って事か…そもそも16号戦は挑戦者が試合を申し込んで来ない限り発生しないイベントだしなぁ……さすがにラブもまさかこんなに早くエリカが挑んで来るとは思いもしなかったんだろうよ」

 

 

 自分達の推測が全て正しいとは二人も思ってはいないが、今回の16号戦でラブとAP-Girlsの動きがやや精彩を欠くのは、事前の準備不足が原因の一つなのは間違いないと思っていた。

 

 

「多分エリカがフライングしたんだろう…でなきゃこんな新学期早々に黒森峰が横須賀で試合とかまず有り得んから……そう考えるとエリカのヤツは今回結構な無茶をやらかしたんだな……なあ安斎、これは後で私からラブに一言謝っておいた方がいいんじゃないのか……?」

 

「う~ん……イヤ、私らはもう既に部外者だし、こうして試合をやってるって事は当事者同士納得してるんだろうからその必要はないだろう」

 

「そうか…安斎がそう言うのなら止めておこう……」

 

 

 まほもつい現役(隊長)であった頃の感覚で、エリカが今回の16号戦の為に突っ走った事を謝罪すべきかと考えていた。

 しかしアンチョビに当人達が納得尽くであろう事を指摘されると、彼女が言うように自分が既に部外者である事を思い出しそれもそうかといった顔をした。

 

 

「ところで安斎、試合が始まってからずっと気になっていたんだが、中継で時々映る笠女の応援席のスタンドにAP-Girlsのパンツァージャケット着た子達がいるだろ?」

 

「ん?あぁ、そういやいたな…けどそれがどうかしたか……?」

 

 

 アンチョビは特に気にしてはいなかったが、笠女の生徒達の為に用意された観戦スタンドの一角にはラブ達と同じパンツァージャケットを身に纏った目の覚めるような美少女達が陣取っていた。

 彼女もその事は認識していたが、試合に直接関係がないので特にその一団に関して意識するでもなく、まほが何を言いたいのかも予想が付かなかった。

 

 

「えぇと、あまり大した事じゃあないんだがな…多分あれがAP-Girlsの新一年生(ルーキー)なんだろうが、彼女達試合開始から今の今までずっと同じポーズのまま座ってるんだ……ああホラ、それで時々今みたいに小さく拍手するけど、それ以外は判で押したみたいに全員ああして微笑を浮かべて……あれは一体何なんだろうな……?」

 

「オマエも変なトコよく見てるな…けど言われてみれば確かに……これはアレじゃねぇか?ラブがまた何か下らない事ひよっこ共にやらせてるだけとか……?」

 

 

 まほが指差す分割画面の一画、穏やかな微笑の仮面を被ってひな壇に居並ぶAP-Girlsのルーキー達は、背筋を伸ばしてベンチシートに浅く腰掛けやや左寄りに爪先を揃え膝を右に傾けた独特なポーズで、神がかった機動で敵弾を躱すLove Gunの勇姿に拍手を送っていた。

 

 

「う~ん、そういうのとはちょっと気がするんだよな…ラブのヤツならもっと派手に騒がせたり、あからさまに怪しい外連味たっぷりな仕込みをするんじゃないのか……?」

 

「まぁなぁ…けどアレも充分に怪しいけどな……」

 

 

 まほもアンチョビも知る由のない事であったが、目下これこそがラブとAP-Girlsにとって最も頭の痛い問題で、所謂頭痛の種と呼ばれる類の存在であったのだ。

 

 

「けどあれだ…やはりラブの性格の悪さに関しちゃ西住が一番よく解ってるな……」

 

「…それ全然褒められてる気がしないんだが……そもそもそれ以前にそんな事言われてもちっとも嬉しくないぞ……」

 

 

 遠縁とはいえラブとは血縁者である上に同い年な事に加え、例え短期間でも彼女と一緒に暮らした事もあるまほは他の誰よりもラブの事がよく解っていた。

 しかしながらさすがにアンチョビの身も蓋もない言には納得が行かないのか、まほは何とも情けない表情でアンチョビの顔を見返していた。

 

 

「何もそんな顔せんでもよかろうに…まぁ直接試合に関係ない事を考えても今考えてもどうにもならん……それよりラブだっていつまでもエリカのいいようにさせるはずもないからな、時間的にもそろそろあの根性曲りが本格的に何か始めてもおかしくない頃合いだと思うぞ?」

 

「…根性曲り……まぁそうなんだけどもうちょっと他に言いようはないのか……?だが確かにアイツが何か仕掛けるとしたらそろそろだな……」

 

 

 二人揃えばやはりどこか似ていると言われるラブを根性曲りと評するアンチョビに、まほは盛大に溜息を吐きながら困ったような目を向ける。

 しかしその程度でアンチョビが動じるはずもなく、諦めたまほが視線を中継の映像に戻せば、画面右上に表示された試合の経過時間を示す時計が淡々とその数字を増やし続けていた。

 

 

 

 

 

「悔しいけどやっぱラブ姉が鍛えたAP-Girlsはちょっとやそっとじゃ討ち取れないわね……」

 

 

 寸での処でラブを仕留め損ねた後、それでめげる事なく次なる獲物を求め再び16号線を疾走していたエリカは、程なくして彼女がラブに次いで厄介な存在だと目する鈴鹿との遭遇戦に突入していた。

 しかし背後を取る絶好のポジションで数発撃ち合うも、相手がチーム一腹黒いと言われる鈴鹿では有効打となる一撃を中々撃たせては貰えず、今回も一手及ばず白旗を捥ぎ取る事が叶わなかったエリカは苦々し気に歯噛みするのであった。

 

 

「まぁあれね、あのAP-Girlsのケツを捲る速さは評価に値するんじゃないの?」

 

「ケツ捲るってアンタね……」

 

 

 たった今必中の一撃を躱され本来なら一番悔しいであろうはずのフラッグ車の砲手は、意外な程サバサバした様子で鈴鹿の逃げ足の速さを称賛したが、その表現の下品さにコマンダーキューポラから砲塔内を覗き込んだエリカは呆れ顔で溜息を吐いたのだった。

 

 

「で、どうする?このまま周回を重ねるのも芸がないから、ここらで逆走でもしてみる?」

 

「そうね……」

 

 

 ここまでは決定打にこそ欠けても試合全体の主導権は自分達にあるとエリカも確信していたが、同時にいつまでもこの状況をラブが許す訳がない事も過去の経験上彼女はよく解っていた。

 

 

「…時間的にはぼちぼちラブ姉が本腰入れて悪巧みに精を出し始める頃合いよね……」

 

 

 結構酷い事をシレっと言いながらも、年度替わりに気分を一新する為に新調した頑丈一点張りなクロノグラフにチラリと視線を落としたエリカは、遠く名古屋の地で試合を観戦中のまほチョビの二人と似たような結論に達していたのだった。

 

 

「そのアイディアも確かに悪くない…けど今ここで変に()()を変える必要はないわ……鈴鹿は瓦礫の山を穿り返して下り車線に逃げたから、少なくとも正面からブラック・ハーツと殴り合う事にはならないはず……なら私達はこのまま上り車線を進んで次の()()に期待する方がいいと思わない?」

 

 

 他に例のない極端に狭い交戦エリアで両チームが単騎駆けに出れば、参戦車両数が少なくとも遭遇戦が発生する確率は高くなるので、強気なエリカは不敵な笑みを浮かべ流れに逆らわずにゲームを続ける事を選択したのだった。

 

 

 

 

 

「世代交代してもさすがは黒森峰、チームそのものの本質的な強さは全く変わらないのね~」

 

 

 エリカを煙に巻いた後も二回程すれ違いざまの砲戦をこなしたラブは、まだ一両も戦線離脱していない状況にさも感心したような呟きを洩らしていた。

 

 

「何を今更…このおっぱいは何でこう呑気なのかしら……?」

 

「ん~?何よ瑠伽、何が言いたいのよ~?」

 

 

 いつ何処で黒森峰の車両と遭遇し交戦するか解らない状況下、その対戦相手である黒森峰の変わらぬ強さに寸評を加えるラブに瑠伽は砲手席から白い目を向ける。

 

 

「今は試合中なんだから家元業じゃなくて隊長の仕事しろって言ってんの」

 

「それど~いう意味よ……?」

 

「そのまんまの意味よ」

 

 

 鈴鹿と並びクールビューティーの双璧と評される瑠伽であったが、ここまで只の一両も仕留められていない事に苛立っているのかラブの扱いがいつも以上に雑だった。

 

 

「どうしてアンタ達は私にそう辛く当たるのよ~?」

 

「言いたい事はそれだけ……?」

 

「…解ってるって……私だってやられっ放しは性に合わないもの、だからやられた分はしっかり熨斗付けてお返ししてやるわよ」

 

 

 自分の扱いの雑さに不満を漏らすも冷ややかに突き放す瑠伽に、ラブは口にしかけた文句を呑み込みけじめは付けると言い切った。

 

 

「なら早いとこそうしなさいよ…あの新入りの問題児達も観戦エリアで見てるって事忘れてるんじゃないでしょうね……?」

 

「う゛…忘れる訳ないじゃない……」

 

 

 新入りの問題児達と聞いた途端口元が僅かに歪み次いで呻き声を洩らしたラブは、コイツ嫌な事を思い出させるなと砲手席で顔も上げぬ瑠伽を睨み付ける。

 

 

「ホントに?ま、何でもいいけど口にした以上有言実行で頼むわ」

 

 

 顔は上げなくともラブのやる事などお見通しな瑠伽は、冷めた口調でそれだけ言うと照準器を覗き込んだ姿勢で後は知らんぷりを決め込んでいた。

 

 

 

 

 

「え~っと、こういうのも膠着状態と言っていいもんかね……?」

 

「う~ん…膠着状態とはちょっと違うような……けど16号戦で試合開始からこれだけ時間が経過しているのに、リタイアする車両が一両も出ていないっていうのも珍しいですね……」

 

 

 猫背気味の姿勢で膝の上に両手で立て肘を突いたルクリリは、両の掌でその顔を包み込むように支えながら何と言うべきか迷ったような顔で疑問を呈していた。

 その彼女の疑問をカルパッチョは否定と肯定の中間位のニュアンスで受け止めながら、事態の異常性だけは素直に認めていた。

 

 

「う゛ぅ゛…私なんか真っ先に狙われて試合開始5分で撃破された事もあったよ……」

 

『あ~』

 

 

 黒森峰の中等部時代、まだみほがまほのオマケ扱いされていた頃の事。

 初めての16号戦で幼い頃と同様にみほの事を子分扱いしていたラブは、試合が始まって早々に彼女に目を付けるとまほはおろかしほですらビビる狂喜の笑みを浮かべ、あっという間にみほを血祭に上げてしまったのだ。

 そして当然その試合は同世代のライバル達も中継等で観戦していたので、その無残な撃破の瞬間を知る者達は憐みの目をみほに向けていたのだった。

 しかし彼女達はみほの立場に同情する一方で、試合開始から間もなく一時間が経過しようとしているのに、未だ白旗が一本も揚がっていない状況に只々驚いていたのだ。

 

 

「えっと西住隊長、それってそんなに凄い事なんですか?ホラ、普通の試合でも中々決着が付かない事ってよくあると思うんですけど……?」

 

「うん…確かにそれは梓さんの言う通りなんだけどね……」

 

 

 みほがそれを勧めた事もあるが、副隊長に就任して以降まだ実戦経験の乏しい梓は、精力的に過去の名勝負と呼ばれるような試合の動画を片っ端から見て、オレンジペコを始めとする他校の同期生に比べ圧倒的に足りない経験値を補おうとしていたのであった。

 そんな梓に16号戦の特殊性を説明するに当たり、自らの過去の恥を晒す羽目になったみほは自然とその口が重くなりがちだった。

 だが自分も後一年、ラブと()()()の梓に至っては二年間嫌でも彼女に付き合わねばならないので、みほは麦茶と間違えてめんつゆを一気飲みしてしまったような表情で、西住姉妹が如何にしてこの16号戦でコテンパンにのされ煮え湯を飲まされて来たかを語って聞かせたのであった。

 

 

「な、成程…隊長もお姉さんもそんな苦労をされてたんですね……でもそれだけラブ姉に()()()()にされたのに何で何回も挑んで──」

 

「ボコ!?」

 

「い゛!?」

 

 

 話が進むうちに表情がどんどん例の鬱なものへと変わって行ったみほだったが、その惨憺たる内容に開いた口が塞がらなかった梓が、ついうっかり地雷を踏み抜いた瞬間即座に覚醒したのだった。

 

 

「梓さん今何て言った!?そう!そうなんだよ!私もお姉ちゃんもボコなんだよ!ボコもボコ、ボコボコのボッコボコだったんだよ!」

 

「どうどうどう!ちょっと落ち着こうか西住さん!オイ西隊長!悪いがちょっと手を貸してくれ!」

 

「合点承知の助でござい!」

 

『合点承知の助って……』

 

 

 みほ突然の覚醒からの暴走。

 彼女最大の悪癖とでも呼ぶべきボコ愛の暴走は梓も既に嫌になる程身に染みていたが、さすがにごく一般的なボコボコという表現までもが地雷ワードだとは思いもしなかったのだ。

 そしてスッポンかダボハゼ並みの速さで目の前の餌に喰らい付いたみほに閉口したルクリリは、暴れる馬でも落ち着かせるように目の前の暴走熊を手で制しながら、この手の荒事なら頼りになりそうな絹代に助けを求めた。

 

 

「や~ってやる!や~ってやる!や~ああってやるぜ!」

 

「ったく見た目は華奢なのに何てぇパワーだ!」

 

「はっはっは!さすがは西住流、凄まじい重戦車っぷりでありますなぁ」

 

「笑ってる場合か!?オイ澤!オマエも自分トコの隊長が面倒な持病持ちなの解ってるクセに余計な燃料投下するんじゃない!」

 

「えぇ!?わ、私ですかぁ!?」

 

 

 聖グロ一の漢前と呼ばれる自分に比べ線の細い印象だが、いきなり壊れて暴れるみほ相手に悪戦苦闘するルクリリは、絹代の力を借りて尚抑え切れないポンコツグマをどうにかしようと必死だ。

 そんな彼女にいきなり名指しでお小言を頂戴した梓は、この理不尽且つ意味不明な状況にどうしたらよいか分からずオロオロし、同情したように眉尻を下げて苦笑するカルパッチョに肩をポンポンされていた。

 

 

「だ、ダメだ完全にリミッターが外れてやがる!」

 

「リミッター外していいんですの!?」

 

「ローズヒップ、オマエは黙ってろ!おらペコ!オマエもぼさっとしてないでコッチ来て西住さん抑えるのを手伝わんかぁ!」

 

「…私そういった乱暴な真似はちょっと……」

 

 

 眉間に皺を寄せた露骨に嫌そうな渋面を隠そうともしないオレンジペコは、それでも一応は聖グロの体面を保つように控えめな口調で難を逃れようとしたが、武闘派のルクリリ相手にそんな言い逃れは一切通用しなかった。

 

 

「黙れこの茶坊主Mk.Ⅱ!いっつも壊れたダージリン様を有無を言わせず力技で無理矢理黙らせてたクセに何を寝惚けた事言ってやがる!」

 

「人をダージリン様処理係みたいに言わないで下さい……」

 

「違うのか?」

 

「違います!」

 

 

 ダージリンが何かやらかす度、周りから茶坊主と呼ばれていた事はルクリリも承知していた。

 そしてダージリンのミニチュア版などと陰で表で囁かれるオレンジペコの態度に腹を立てたルクリリは、つい勢いに任せて彼女の事をその後継機としてMk.Ⅱ呼ばわりしたのだ。

 するとオレンジペコも一層迷惑そうな顔で不快感を表明したが、それとは対照的にルクリリは素の表情で彼女の反論に驚いて見せた。

 

 

「イ~ヤなあ~いつ(ラブ)をボ~コボコに~!」

 

「ああもう!」

 

 

 理不尽且つ散々な言われように深く苦い溜息を吐きながら、壊れたまま元に戻らないみほを抑えに掛かったオレンジペコは、自分が隊長になった暁にはこの面倒な人達には関わり合いになるまいと硬く心に誓ったのだった。

 

 

 




まほが目を付けたラブですら頭を抱えるAP-Girlsのルーキー達。
彼女達の実態が明らかになるのはもうちょっと後です。

ダージリン様処理係って我ながらスゲぇ役職だなぁw
ペコの硬い決意も多分無駄だろうしww

ストーリーがハードモードなままなのに、最後の最後でくるみに持って行ったリコリコが終わりロス気味になるかと思われましたが、いきなりアキバの冥途にやられたw
一話終了段階ではどう考えても嵐子さんが主役ww
35歳であの衣装着たままバッキュンバッキュンとか最高過ぎるwww
是非厳島の城で働いて頂きたいです♡
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