八幡の短編集   作:天・プラ子

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どうも!天・プラ子です!

2つ目の作品です!こんどは可愛い可愛いいろはちゃんの登場です!

では本編どうぞ


一色いろは
先輩から見た後輩と、後輩から見たせんぱい


いつも通りの一日。

雪ノ下と俺が本を読み。由比ヶ浜は携帯をいじっている。そして、たまに何か思いついたように俺と雪ノ下に話しかける。俺は、それに対して適当に相槌を打ち、雪ノ下は由比ヶ浜の間違いを訂正し正しいことを教えている。そして俺への罵倒も忘れない。

いつも通りの一日。何気ない一日。

俺は思いのほかこの生活が、この空間が好きなようだ。

しかし、この安らぎの時間が潰れる。

 

コンコン、とノックの音がする

 

「どうぞ」

 

と、雪ノ下が返事をすると、亜麻色の髪をした女の子が入ってきた。

 

「しつれいしま~す」

 

嫌な予感しかしない。

 

「あ、いろはちゃん!やっはろー!」

 

「こんにちはです、結衣先輩!」

 

「こんにちは。一色さん」

 

「はい!こんにちはです!」

 

こんにちはですってなんだよ。

 

「せんぱいもこんにちはです」

 

「ん。ああ」

 

「それで、一色さん、今日は何の要件かしら」

 

「あ、あっと、そのですね~」

 

雪ノ下が苦手なんですね。わかります。あの視線は初期の頃のポケモンの「にらみつける」ぐらいの威力がある。目からビームが出てきそう。

 

「何かしら。比企谷君」

 

「い、いえ。なんでもないでしゅ」

 

か、噛んだ。

 

「あなたは碌に日本語も喋れないのかしら噛みがや君」

 

かみまみたってか?まぁ絶対言わないけど。阿良々木さんのシスコンっぷりには脱帽です。

 

「ちょっと噛んだだけじゃねぇか。なに?常に罵倒しないと気が済まないの?」

 

「そういう訳ではないわ。ただ、あなたの顔を見るとどうしても口が滑るの」

 

「なんでだよ」

 

「べつに、あなたは悪くないわ。あなたの気持ち悪さを許容できない私が悪いのよ」

 

ふふ。と雪ノ下は楽しそうだ。

 

「あの~依頼なんですけど…またちょっと生徒会の仕事が多くてですね。せんぱい借りて行ってもいいですかね~」

 

「それは特に役に立たないと思うけど」

 

「ヒッキ―じゃなくて私が行こうか?」

 

「いえいえ、結衣先輩に迷惑はかけられませんよ~。それに、これはこれで結構つか……使えますから」

 

「ねぇ。君たち結構ひどいこと言ってる自覚ある?俺には迷惑かけてもいいの?俺の人権どこに行ったんだよ。由比ヶ浜、そこらへんに落ちてない?……てか、一色言い直せてないから。もっとオブラートに包めよ。雪ノ下はオブラート10枚ぐらい包め」

 

「あら。これでも優しく言ってるつもりよ?」

 

「言えてねーよ。今のはメラゾーマではないってか?どこの大魔王だよ。逃げさせてくれよ」

 

「……何を言っているのかしら」

 

「…なんかヒッキ―きもい」

 

「…何言ってるんですか」

 

「い、いや。なんでもない」

 

なんやかんやで、一番心に刺さるのは由比ヶ浜のきもいだな。

 

「それで、なんで俺がいかなきゃならんのだ。他の役員はどうした」

 

「他の人たちはそれぞれ用事があるみたいで」

 

「まじかよ。だが、俺は働きたくないからな。断る」

 

「あなったって人は…」

 

「あ、あはは…」

 

雪ノ下はため息をつき、由比ヶ浜は苦笑している

何処かの先人が言っていた。働いたら負けであると。なら俺もそれに従うまで

 

「ええ~。でも、せんぱ~い」

 

そういって一色は俺の耳に顔を近づけ、

 

「“責任”とってください」

 

そう言ってきた。

それを言われると弱い。生徒会長を押し付けたのは俺だ。正直いつまでも俺が関与しているのはまずいとは思うが、この“責任”というものが一色の負担を減らすことで取れるのなら、それは仕方ないと思ってしまう。

 

「はぁ。わかったよ。すまんな雪ノ下、由比ヶ浜。ちょっと行ってくるわ」

 

「え!?ヒッキ―行くの!?」

 

「ちょっと比企谷君。勝手に決めないでもらえないかしら。貴方は我が部の備品よ。備品が勝手に動き回っていいわけないでしょう」

 

「いや、あほの子の由比ヶ浜じゃ事務仕事は無理だろ。いいかげん物扱いはやめてくれませんかね……」

 

「ちょっと!それ、どーゆう意味だし!」

 

「由比ヶ浜さんはわかったわ。なら、私ならどうかしら。」

 

「ゆきのんまで!?」

 

「確かに雪ノ下なら問題なく作業できるとは思うが…」

 

「ふふん」

 

雪ノ下がドヤ顔している。

 

「どちらかというと、不本意ながら何度も生徒会の手伝いをさせられている俺の方が動けるだろ。不本意ながら」

 

「そ、それはそうだけれど」

 

「それに、部長だけ外に出回るってのはダメだろ。普通に考えて」

 

「じゃ、じゃあさ。みんなで行けば…」

 

「誰かここに来たらどうすんだよ…」

 

「滅多に人こないしいいじゃん!」

 

「部員の俺らがそれを言ったらおしまいだろ…」

 

「わかったわ。では、比企谷君。生徒会の方を宜しく。出来るだけ早く終わらせること。いいわね」

 

「うん。ヒッキ―、早く戻って来てね」

 

「おう。俺も楽したいからな。さっさと終わらせるわ」

 

「ええ」

 

「うん!」

 

その返事を聞き俺と一色は部室を出た

 

「んじゃ行くか」

 

「わたし空気でしたねー」

 

「何言ってんだよ。お前のせいでこんな事になったんじゃねぇか」

 

「そんなこと言っても、私そっちのけで楽しそうに話してましたし。嫉妬しちゃいます」

 

「嫉妬するようなところなかっただろ。主に俺が罵倒されてただけだし」

 

「わからないんなら別にいいです~」

 

そういって一色は、俺を追い越して行ってしまった。

 

「ったく、なんなんだ?」

 

と、いいながら俺はそんな一色を追いかけるのだった。

 

 

そのあと特に誰と会うでもなく生徒会室に着いた。

そして扉を開いたが、

 

「本当に誰もいないのかよ」

 

そう、一色の言っていた通り誰もいないのだ。

 

「逆に誰もいないとか珍しいだろ」

 

「何言ってるんですか~。可愛い私がいるじゃないですか~」

 

「まぁそうだが。はぁじゃあ早速やるか」

 

「お~先輩がやる気出してるなんて珍しいですね。明日は槍でも振るんですかね」

 

「さっさと帰りたいからに決まってるだろ。むしろ今から帰るまである」

 

「だめですよ!こんなに仕事がたまってるんですから!」

 

そう言って一色は大量の資料をデスクの上に置いた。

 

「それは溜まったんじゃなくて、溜めたんだろ!生徒会仕事サボりすぎじゃね?こんだけ働いてるんだからむしろ俺が生徒会役員だと勘違いされるレベルだろ。てか既に先生から生徒会の仕事頼まれたりしてるんだが」

 

「そうなんですか?それはご愁傷様です」

 

「お前のせいなんだがな」

 

「ものすごい助かってますよ~」

 

「それなら、もうちょっと俺を慕ってくれても…」

 

「あ、先輩の分はこれなんで、よろしくです!」

 

「………」

 

一色は俺の机に7,8割の仕事を押し付けてきた。

 

「さて。それじゃあ今日もがんばりましょうか!ね、せんぱい!」

 

俺の放課後は長そうだ。

 

 

 

 

「……………で、ですねぇ、〇〇君がですね、って聞いてますか?」

 

「おお、聞いてる聞いてる。やっぱりRADWIMPSもいいけどBUMP OF CHICKENの方が最高だよな」

 

仕事をは始めてから1時間が過ぎた。一色の話は底を尽きないらしく。あの子がどうやらこの子がどうやら。話すのはいいけど仕事をしてくださいね。

一色の机の上にはほとんど手の付けられていない資料の山があった。

 

「いや、そんな話はしてないんで。あとわたしはRAD派です」

 

「あ、そう。てか仕事しろ仕事。さっきから全然進んでねぇじゃねぇか」

 

そりゃ仕事がたまる訳だ。

 

「なんでかやる気が出ないんですよ~。それよりせんぱ~い」

 

コンコン

 

一色が俺を呼んだと同時に扉をノックする音が聞こえた。

先生か?

 

「はーい。どうぞー」

 

一色が返事をすると扉が開き一人の男子生徒が入ってきた。

 

「よ、いろは。生徒会の仕事はどう?」

 

葉山よりは劣るがイケメンの「俺リア充」といった感じのやつだ。

 

「あ、一喜君じゃん。どうしたの?」

 

「いや。今どうしてるかなって気になって。ところでそっちの人は?」

 

入った時から俺の事を訝しげな眼で見てたが、やっぱり気になるんだな。こいつも一色に惚れたくちか

 

「あ、こっちは2年の比企谷先輩だよ」

 

一応会釈はしておく。ってか

 

「一色って俺の名前知ってたんだな。てっきり、名前を知らないから先輩って呼んでるのかと思ったわ」

 

割とマジで

 

「もぉ、失礼ですね!ちゃんと知ってますよ!」

 

「じゃあなんで先輩呼びなんだ?それだけじゃ、どの先輩かわからねぇじゃねぇか。現にこの前、教室で先輩呼びして全員が振り向いてたじゃねぇか」

 

「せんぱいって呼ぶのはせんぱいだけですよ!ってあの時先輩だけが振り向かなかったんですからね!わたしが呼んだらちゃんと返事をしてください!」

 

「いやだ」

 

「なんでですか!」

 

「あたりまえだ。あんな状況で返事なんてしたら目立っちゃうだろうが」

 

「別にいいじゃないですか。とりあえずこれからは返事してくださいね」

 

「い…」

 

「もし断ったら放送で呼びだします。名前とクラスに出席番号。あと先輩の黒歴史をだして呼びます」

 

「わかりました出来る範囲返事をさせていただきます」

 

「わかればよろしい」

 

「はは。仲がいいんだな」

 

いままで空気だった一喜君?とやらがわって入ってきた。顔を見る限り俺たちが楽しそうなのが面白くないようだ

 

「そういえば、比企谷先輩って、あの?」

 

そいつはその証拠に爆弾を落としてきた

 

「あのって何?」

 

どうやら一色は俺の噂を知らないようだ。いや、知っていてあえて聞いてるのかもしれない。

 

「知らない?あの文化祭の事」

 

こいつは俺にまで聞こえる声で話してきた。

 

「たしか、スローガン決めの時に場を乱して。エンディングセレモニーの時に実行委員長に暴言を吐いて泣かしたらしいよ」

 

「え?そうなんですか?」

 

と、一色は俺に聞いてきた

 

「ああ、本当だ」

 

すでに、解は出ているのだ。今更言う事でもないしな

 

「へぇ、そんな事があったんですか」

 

「うん。だからあまりかかわらない方が……」

 

「ありがと!一喜君優しいんだね。でも今は先輩に仕事手伝ってもらってるから」

 

「そんなことないよ、心配するのは当たり前だよ。でも、そっか。いろははすごいな。何かあったらすぐに俺に言うんだぞ。比企谷先輩もいろはに何かしたら覚悟しててくださいね」

 

そういって一喜君とやらは出て行った。

そして足音が遠ざかっていくのを聞いてから一色が盛大なため息をついた。

 

「はぁー…」

 

「ため息をつくと幸せが逃げるらしいぞ」

 

「じゃあその分先輩が幸せにしてください」

 

「なんで俺なんだよ。葉山にたのめ」

 

「てか、文化祭の話しってやっぱり先輩だったんですね~」

 

「……ああ。そうだ。わかったらもう俺とは関わらん方がいいぞ」

 

「なんでですか?せんぱいは悪いことしてないんじゃないですか?」

 

「お前話聞いてた?」

 

「聞いてますよ~。いろんな人から。それにめぐり先輩からも聞いてますから」

 

「え?」

 

「城廻先輩が言ってましたよ。スローガン決めの時は、言い方は悪いけど自分を犠牲にして周りをまとめてくれたって。実行委員長に暴言をはいて泣かせたっていうのも、委員長さんに暴言をはいて委員長さんが被害者になるようにしたんですよね」

 

城廻先輩がなんで一色にその話を?

まぁそれはおいといて

 

「俺がそれを考えたって話にはならんだろ」

 

「確かにそうですけど、結果がそうなってますからね~。事実今でもその委員長が文句を言われるのではなく、せんぱいが文句を言われてますから。てか、せんぱいと一緒にいたらだいたいわかりますよ」

 

「だからって…」

 

俺の反論に一色は被せるように話してきた

 

「まぁ、それに噂なんてどうでもいいんですよねぇ。過去がどうだからあいつがどうだとか、あいつはあんなことしたから関わらない方がいいとか。正直聞いててうんざりするんですよ。いってやりたいですもん。人の悪いところばかりみてそれを言いふらす方がみっともないって」

 

「そうか」

 

「せんぱいの話しもよく聞くんですよ~。文化祭もそうですし修学旅行も。確かに周りから見たら最低の人に見えるのはわかりますが、それだけでせんぱいの事を知った口で話してくるんですよ。お前がせんぱいの何を知ってるんだってなるんですよ」

 

「お、おお」

 

一色の言葉に涙が出そうになった。

 

「私は過去にせんぱいがどんな事をしたのか詳しくは知らないですし、聞きません。でも今のせんぱいは結構好きですよ?」

 

そう一色が言ってきた。涙が出そうな俺に対してまさかの告白!?

 

「は、はぁ!?」

 

「あ、もちろん先輩としてですからね?もしかして勘違いしましたか?いいかなぁとは思うんですがまだ心の準備ができてないんです。また日を改めてからお願いします。ごめんなさい」

 

「もう何言ってるかわかんねぇよ」

 

なんだよ。ちょっと期待しちゃったじゃねぇか

 

「まぁ、そんな話は置いといて仕事しましょう」

 

だがまぁ、一色のさっきの話に嘘はない様だった。それがただ嬉しかった。

 

「(ありがとうな)」

 

「はい?何か言いましたか?」

 

「いんや。なんでもない」

 

「なんですか!気になるじゃないですか!」

 

「別にいいだろ。それより俺の方はほとんど終わったんだが、お前の方は全然おわってねえじゃねぇか」

 

「え、あ、ああ~。せん~ぱい。手伝ったください…」

 

一色は上目づかいで頼んできた。

だが、

 

「あざとい」

 

今更上目使いごときでいう事を聞く俺じゃない

 

「っち」

 

「したうちするな」

 

「してませんよーだ」

 

すねてらっしゃる。

しかし、まぁ今回は

 

「ほら、半分よこせ。さっさと終わらせるぞ」

 

ちょっとぐらい甘やかしてもいいかなと思えた

 

「せ、せんぱ~い!ありがとうございます!これせんぱいの分です!」

 

そいういって3分の2を俺に渡してきた。

 

「おい」

 

「べ、別にいいじゃないですか!先輩の方が捌くの早いんですから!」

 

「だからと言ってこんな事してたらお前のスキルが上がらねぇだろ」

 

「今回だけですからぁ」

 

「今回が何回あるんだよ…」

 

「……あは」

 

「はぁ。やるぞ」

 

「はぁーい」

 

そういって再度仕事を始めるのだった

 

 

 

 

「すっかり暗くなっちゃいましたねー」

 

「そうだな」

 

俺らは結局完全下校時間まで作業をして何とかすべて終わらせた。

奉仕部の二人はそれより前に帰る事を由比ヶ浜からメールで知らされた。

そして今は一色と並んで下校中だ。俺は自転車を押しながら一色の隣を歩いている

そして俺は黙って一色のカバンを奪うようにとり自転車のかごに入れた。

 

「あ。ありがとうございます」

 

「これも小町の教育のたまものだ」

 

「本当にシスコンですね。気持ち悪いです」

 

一色は暴言をはきながらもどこか楽しそうだ。

そこでピロリーンと携帯が鳴った。どうやら一色の携帯の様だ。

一色は自分の携帯を見ながら顔をしかめている。

俺はメールの内容を聞くのは無粋だと思い黙って見守ることにしたのだが、

 

「せんぱーい。聞いてくださいよ~」

 

どうやら一色は誰かに話したいようだ。

 

「はぁ、じゃあどっかに寄ってくか?」

 

こんな事を言うなんて、俺も変わったな。

 

「はい!どこに行きますか?」

 

「サイゼ」

 

「知ってました。先輩にそういった甲斐性がないことぐらい。まぁ別にいいんですけどね安いし」

 

「そうですか。んじゃ、いくか」

 

そう言って自転車を押して歩こうとしたが、自転車が動かない

後ろを振り向くと

「えへっ」

 

ものすごい笑顔の一色が自転車を抑えていた。

ところで一色さんあなた力強くないかしら。

 

「サイゼまでって遠いじゃないですか~」

 

「確かに少し遠いかも知らんな。だが歩いていける距離でもある。という事で、歩くぞ」

 

そういって歩こうとしたら今度は自転車に何かが乗ったような重さが出てきてバランスを崩しそうになる。もちろん一色なんだが。

一色に非難の目を向けると

 

「あはっ」

 

これまたものすごい笑顔を返された。この笑顔100円というCMがあったと思うがこいつはその100倍ぐらいはボッタくってきそうな笑顔だな。

 

「サイゼまで遠いじゃないですか~」

 

「いや、それさっき聞いたから」

 

「遠いじゃないですか~」

 

「いや、だから」

 

「せんぱい。遠いです」

 

「……はぁ。わかったよ。変な噂されてもしらねぇからな」

 

「別に大丈夫ですよ?その時は無理やりやらされたって言いますから」

 

「お前って本当にいい性格してるよな」

 

「褒めても何も出ませんよ~」

 

「褒めてないから」

 

「ぶ~」

 

「あざとい」

 

「あざとくないです~。それじゃせんぱい、れっつごー」

 

「あざとい」

 

「だから、あざとくないですってば~!」

 

そんなやり取りをしながら俺と一色はサイゼリヤに向かった

 




感想、誤字脱字報告お願いします。
この話しは3~4話だけ続く予定です!

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