BEATLESSのアニメ始まりました。とても嬉しいです。
「……失礼、李江殿。今何と?」
鵜宮家傘下筆頭、外院周助。
学院が終わった放課後、私は天馬に言ったように鵜宮家に来て、彼にある要求をしていた。
「一度言えば理解していただけると思っていたのですが、どうやらそんなことはないようですね。同じことを二度言う、というのは意外と面倒なのですよ?」
ーーーでは改めて申し上げましょう。
ピリピリとした敵意を感じられる空気の中、私はもう一度繰り返す。
「鵜宮家傘下筆頭。その座を私に、この望月李江に明け渡して下さい。そう言いました」
私は鵜宮家の傘下たちを敵にしていた。
「ーーー何を言うかと思えば」
私の要求を聞いて口を開いたのは外院さん………ではなく、その取り巻きらしい人物。どこぞの当主なのかかなりのお年、ぶっちゃけ爺だ。
「何か仰りたいことでもありますか?睦月殿」
どこぞの、何て思いながらも知っていた人だったので私は睦月家の当主である彼に問いかける。
「黙れよ小娘。貴様の言ったこと、子供の戯言と流すには無理がある。いくら元傘下筆頭の娘とはいえ、それだけで傘下筆頭になれると思っているのなら大間違いだ」
彼に触発されたのか、他の傘下たちも次々と口々に、そして好き勝手に喋り始める。
「睦月殿の言う通りですな」
「いやまったくです」
「何を勘違いしたのか知らんが、身の程知らずにもほどがある」
「大した実力もないくせに粋がりおって」
私に向けられる数々の嘲笑。
あまりにも予想通りな彼らの反応に思わずニヤついてしまったが、
「お待ちになって下さい」
声が上がる。
奥から進み出てきたのは艶やかな黒い髪をした大和撫子のような少女。
彼女の名は海内紫織。
16歳だが、纏う雰囲気のせいか実年齢より大人びて見える。
紫織さんの家である海内家は、数ある鵜宮家の傘下の中でも最高峰に位置する家の一つだ。その理由としては、海内家が運営している『ミームフレーム社』という会社が鵜宮家と傘下全体の財政を支えている、というのがある。
無論ケガレの討伐等での報酬も多いが、それだけで生活の全てを補えるわけではない。
そこで海内家が、本土にある工場で作った武器などを鵜宮家とその傘下に特別に高品質で、かつ安く売ることで彼らを支えているのだ。
「おぉ、これは海内家の当主が…」
「海内殿も言ってやるがよろしい。なぁに遠慮はいりませぬ。所詮は現実も分からん者なのですからな」
ここにいる傘下たちの大多数が知らないことだが、大事なことが一つ。
「ありがとうございます。それでは遠慮なく言わせていただきましょう」
彼女は私の協力者だ。
「私はこの娘、望月李江を傘下筆頭にするべきだと思います」
「…………は?」
疑問の声を上げたのは誰だったのか。しかしその疑問を抱えているのは一人だけではなかった。
「何を……何を馬鹿なことを仰るか海内殿!!」
ようやく紫織さんが言ったことを理解したのか彼女に怒りが向けられる。
「こんな小娘を擁護するなど何のおつもりか!」
「海内家は何を考えている!」
この程度で狼狽える彼らには申し訳ないが狼狽えるにはまだ早い。
「落ち着いて下さい。別にそう思っているのが私だけ、ということではありませんよ?」
紫織さんは立ち上がり両手を広げ、まるで舞台の上にいるかのように声を上げた。
「そうでしょう?皆さん」
「「「「「はっ」」」」」
彼女が言い終えた瞬間に鵜宮家傘下の半数が紫織さんの近く、私の近くに移動した。
動かなかった傘下たちが驚愕するのが分かる。
まったく彼らは何を驚いているのだろう?私は一応鵜宮家の傘下だが、今の私には
ならば後ろ盾を得るのは当然のことだろうに。
「李江殿。貴女が何を考え傘下筆頭になろうとするのか私には分からぬよ」
狼狽え、喚き散らすだけの傘下たちと違い外院さんは静かだ。彼は薄く目を開き私を見る。
「だがどれだけ多くの傘下からの賛同を得られようと、貴女に実力が無ければ傘下筆頭など任せられぬ」
「要は李江がお前よか強けりゃいいんだろ?んん?だったら簡単じゃねぇか」
今までこの場に居ながら黙っていた、鵜宮家当主である天馬が発言する。
様々な異論反論があったが、誰が何を言ったところで当主の決定を覆せるわけもなかった。
天馬の結論。それは………
ーーー戦って勝った方が傘下筆頭。
私が望んだ通りの展開だった。
今回出させていただきました「海内紫織」さんは、BEATLESSの主要キャラの一人です。
………………その内fate要素も出します、本当です。