最強陰陽師の幼なじみ   作:紅ヶ霞 夢涯

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 何だかこうして投稿するのも久しぶりな気がしますね。
 


第10話 試合開始

 

 で、今に至る。

 

 最初は波達羅盈城を使う予定も、十二天将を招く予定もなかったのに、紫織さんが「折角の晴れ舞台となるのですから」なんて言って、鵜宮家傘下筆頭を賭けた勝負を行うということを大々的に言い触らしたのだ。

 

「何でこんなことに……」

 

 思わず観客席にいる紫織さんを睨みつけた私は悪くない。

 

 娯楽の類があまりないせいか、お祭り気分で多くの人が集まっている。

 

『先に姿を見せたのは望月李江様!彼女の親はかつての鵜宮家傘下筆頭であり、青陽院中等部では鵜宮天馬様と同じ一組に在籍しているとのことですが、果たしてその実力は外院周助様に届くのでしょうか!?』

  

 私の後に向かい側から出てきた外院さんは、当然のことながらフル装備。

 

『そして外院周助様!この八年間、最強、最強、鵜宮家の傘下の筆頭を務めてきた実力に偽りはありません!!』

 

 彼は一度観客席を見て呆れたような表情を浮かべた。

 

「言っておきますけど私のせいじゃないですからね、これ」

 

「海内紫織の仕業なのだろう?いくら彼女が大人びていようとやはり子供よな」

 

「ーーーーーーーーーーーーへぇ?」

 

 彼にその気はないのだろうが、外院さんの発言は紫織さんを馬鹿にしているように聞こえた。

 

「それはどういう意味ですか?」

 

「?いや何。ここまで事を大きくしては貴女の恥を隠すこともできぬと思ってな」

 

 それが意味するところは。

 

「つまり貴方は自分が負けるとは考えていない、と。そういうことなんですね」

 

「今からでも遅くはない。李江殿、棄権するつもりはないのか」

 

 そんなことを言ってきた。

 

 なるほど。どうせお前が負けるのだから恥の上塗りをする前に勝負を降りろと言うのか。

 

「ふざけないでもらえます?自分から仕掛けた勝負を棄権するなど、それこそ恥というもの。私はそんなことするつもりありません」

 

 正面から彼の目を見つめる。

 

「望月を、私を舐めるな」

 

 そして外院さんは紫織さんや鵜宮家の傘下、その約半数がどうして私を傘下筆頭に選んだのかをよく考えるべきだった。

 

 この試合、それを考えなかった彼の負けだ。

 

『それでは始めていただきましょう!勝負開始!!!!』

 

 実況が合図したと同時に駆け出した。

 

「?」

 

 近づく外院さんは不思議そうな顔をしている。

 

 それは当然の反応だ。

 

 なにせ駆け出した私は呪装をしていない(・・・・・・・・)のだから。

 

「防がないと終わっちゃいますよ?」

 

 だが私は未だ動きが固い外院さんに忠告する。

 

 私の忠告に何を感じたのか彼は一枚の霊符、金剛符を取り出し“鎧包業羅”を信じられないスピードで呪装した。

 

 外院さんが“鎧包業羅”をした直後、私は霊符も呪文も使わずに(・・・・・・・・・・)、脚力を上げるための呪装“飛天駿脚”を両脚に掛けた。

 

 外院さんの顔に驚愕が走り、会場にいる人たちがどよめいているのが分かる。

 

 それもまた当然だ。

 

 なぜなら霊符も呪文も使用しない術の発動は、私の幼なじみである天馬の専売特許だからだ。彼は持って生まれた呪力と潜在能力の高さ故に霊符も呪文も必要としない。

 

 その天馬と同じことを私は行ったのだ。

 

「ーーーせいっ!」

 

 残像すら残る速度で外院さんの懐に飛び込み、その勢いのまま“鎧包業羅”を纏った後にがら空きとなっている彼の胴体に蹴りを入れた。

 

「ぐぅっ!?」

 

 外院さんはまともに防ぐこともできずに武舞台を転がっていった。

 

 いきなりの傘下筆頭のダウンと私が見せた何も使わない術の発動に会場が驚愕に包まれている。

 

『なんと、外院周助様いきなりのダウンですっ!いや、それよりも望月李江様が霊符も呪文も使わなかったように見えましたが、一体どういうことなのでしょうか!!?』

 

「……なぜ、貴女がそれを行える?」

 

 ゆっくりと立ち上がりながら思わずといった風に外院さんは呟いた。

 

「霊符も使わず、呪文も唱えていない。なのに術が発動できるなど、そんなことが可能なのは天馬様だけのはず」

 

「ーーーーーー天馬は生まれつきの呪力の多さ、そして彼が持つ高い潜在能力が故に霊符を使用する必要がなく、呪文を唱える必要もない」

 

 私のことではなく、天馬のことを言い出した私に怪訝そうな顔をして何か言おうとしたが、それを遮って続けた。

 

「なら天馬と同等の呪力と潜在能力があればできないことではないでしょう?」

 

 こんな単純なことだというのに、しかし目を見開いた外院さんは信じられないといった表情をしている。

 

「ば、馬鹿な……。そんなことが…」

 

『……そんなことがあり得るのでしょうか!?望月李江様が十二天将と同程度の呪力を持ち、なおかつ鵜宮天馬様と同じだけの潜在能力を持つということが!!!』

 

 簡単に信じられることではないだろう。

 

 だが、現に私はこうして何を使うまでもなく術を行使している。

 

「なるほど、それが貴女の自信の源か。しかしそれだけで私に勝てると思ったのなら」

 

 外院さんは冷静さを欠いた怒りが込められた目で私を睨みつけてくる。

 

「思い上がりも甚だし」

 

「ごちゃごちゃと喧しいですね」

 

 柳に風と受け流し、一振りの剣を腰の鞘から取り出す。

 

「うだうだ言わずに構えなさい。鵜宮家傘下筆頭であるという貴方の驕り、完膚無きまでに叩き潰してあげます」

 





 次、次辺りから本格的に戦闘シーンを書きます。本当ですよ?
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