天元の道、一つの夏が通る   作:楓の

3 / 11
プロローグが終わってお気に入り登録が20件になりました。これだけの方々が私の作品を読んでくださってくれて、本当に嬉しいです

biohaza-d様、アーペ様、無情の風邪様、雨森様、ラノベ最高!!様、kishiya様、ウィルディアス様、ポワール様、キラービー様、秋雨アス様、「 」様、タウィル様、zeroゼロ様、結城湊様、抹茶の松村様、スサノひょっとこ様、彼岸花@ht様

みなさま、本当に有難うございます。彼岸花@ht様は投票の方も下さり、本能に感動しています。
これからもよろしくお願いします!

では、本編スタートです


プロローグ 急

最初に感じたのは無だった

顔を下に下げてみると、一本の剣が突き出してるのが分かる。だけど、そのときの自分にとってそんなことは重要じゃなかった

 

 

「おにいさん!」

 

 

刺されたとき、最後の力を振り絞りきよちゃんを鬼が居ない方へと投げる。彼女を少しでも遠くに行かせ、武蔵さんが来るまで時間稼ぎをすることが俺の役目だと思ったからだ

幸い、鬼はまだ俺の方に興味を向いている

 

 

『に……げ……ろ』

 

痛みを我慢しながらも、きよちゃんを逃そうとするが・・・

 

 

「あ、あ……」

 

いつの間にかそこにいあ鬼が体の小さいきよちゃんを捕まえる。彼女を捕まえている手は、いつの間にか顔の方へと移動し、大きく口を開けている

やめろ、やめてくれ

そう大きく叫ぼうにも声が全く出ず、それを止めようにも全く体が動いてくれない。俺を刺している鬼はどこかニヤケ顔でこちらを見てくる

 

「助けて、おにいさ――」

 

 

彼女の言葉が終わる前に何か潰れたような音が辺に響き、生温かい液体が自分の顔に飛んできたのが感じられた。飛んできた液体は口の中に入り、それは鉄の味がした。血だ。誰の?そんなの――

自分の手が届かなかった彼女のだ

 

「あああああああああああっっっ!」

 

いつもそうだ。結局自分は周りの人に助けられてばかりで、自分の力では何もできないクズだ

何故自分はこんなに才能がない?何故こんなに力が足りない?

 

 

『それはおまえが一番わかってるんじゃないか?』

 

うるさい

 

『いつまで目をそらし続けるつもりなんだ?』

 

うるさい

 

『なら、足掻いてみろよ』

 

俺には力がないんだよ

 

『なら、力があれば出来るのか?』

 

ああ、やってやるさ。だから寄こせ

 

『ふ~ん。ま、精々頑張りな、どこかの誰かさん』

 

 

いつの間にか目の前にいた剣を持つ青年は消え、突然体の自由が効かなくなり、後ろにいた鬼を蹴飛ばした。自由が効かない身体は、普段の自分からは考えられない力が出ている。胸に刺さっている剣を抜き、前にいるきよちゃんを食った鬼に向かって走り出す

そして、その鬼の喉仏に向かって指を鋭くさせた手で貫く。突き刺した手からは、先ほど感じた血の感触が伝わってくるのが分かる

 

 

そこからは正直なにも覚えていない。ただ、我を忘れたように暴走し、鬼を倒している自分の姿を客観的に見ていたのだけは感じられた

そして、最後の鬼を切り刻み、何処かに敵がいないか探していると……

 

 

『一夏君……?』

 

 

ああ、駄目だ。逃げてくれ武蔵さん………

やめてくれ、俺は武蔵さんにも刃を向けたくないんだ

 

やめろ……

やめろ………

 

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「うわっ?!………ビックリした~」

 

辺りを見渡してみると、どうやら昨日俺が休んでいた部屋の中みたいだ。ということは俺は助かったのか……?

……まて、ちょっとおかしいぞ?

あわてて俺は胸元を見てみると、やはり大きな傷ができているのが見えるが………

跡が残るぐらいで、ほとんど完治している………?

となりで驚いている武蔵さんは、すぐに姿勢をただし、どこか困惑した表情で俺の方に向く

 

「その、一夏君‥‥‥」

 

「……ごめんなさい、オレ、きよちゃんを」

 

「いえ、今回は私の不注意だった。ちゃんと私の付近に居てもらった方が正解だったかしら」

 

 

そう悔やんでもしかたがない

そう思ってはいるけど、心の中では全然割り切れてない。少しの関わりだったとはいえ、きよちゃんとは仲良くなれた。自分の姉を紹介する約束もした。だけど、手が伸ばせなかった

自分の無力が……、本当に情けない

 

 

「一夏君、最後のこと覚えている?」

 

「っ!……はい」

 

武蔵さんが言いたいのは俺の暴走状態のことだろう

自分でもあんなに力が出せたのか本当に不思議だが、何よりも殺すことに抵抗がなかった(・・・・・・・・・・・・)のに驚いた

 

 

「聖杯戦争、サーヴァント、英霊。この言葉に聞き覚えはないかしら?」

 

「いえ、初耳です」

 

「そう……。おそらく君は私と同じくサーヴァント、それもデミ・サーヴァントになってると思います」

 

 

武蔵さんがいうには、サーヴァントとはアーサー王みたいな英雄が死後に聖杯から呼び出され、聖杯戦争と呼ばれる戦いの使い魔のことらしい。その中で通常の人間が英霊と契約し、契約した英霊の力を行使するもののことをデミ・サーヴァントというらしい

 

 

「といっても、この話はある人から聞いた話でちゃんと説明出来たか怪しいし、デミ・サーヴァントに至ってはみたことがありません」

 

「それでも、自分の状態のきっかけぐらいはつかめそうです」

 

 

サーヴァントか……

なら、強くなる伸びしろは増えたと言うことだ

 

 

「武蔵さん……いえ、師匠!俺を強くしてください」

 

「ええ、いいわよ」

 

あれ、あっさり弟子入りが決まった。いや、元々弟子入りが決まってたから当然か

 

 

「昨日の剣筋を見る限り、暴走してて理性を失ってるとはいえ、私のものに類似していました。だったら、私が出来るのは君の基礎を徹底的に上げること。そこからは君次第だよ」

 

「はい!」

 

 

俺は強くなる

今回みたいに自分が弱くて、周りを助けられなかったなんて二度とごめんだ

だから今は必死に努力しよう、強さに限界なんてない

そして俺は師匠の方へ振り返り、自分の名を、自分の覚悟を心に刻む

 

 

 

「織斑一夏です。これからよろしくお願いします、師匠!」

 

もう誰も傷つけやさせない、守るべきものを全て守って見せると

彼女もこちらに体を向け、自分の名を語る

 

「二天一流 新免武蔵守藤原玄信。よろしくね、一夏君」

 

 

 

 

 

 

 

その日、運命と出会った

 

 




次回予告


―――立ち向かうは魑魅魍魎、悪鬼羅刹

「あんたが師匠が言ってた人類最後のマスターってやつか」

「あなたは……?」


―――否、七騎の英霊剣豪

「っち、師匠が来るまで持つのか!?」

「コノヨ、ヤキツクス!」

―――参ろう、屍山血河の試合舞台

「待てよ、待ってくれ、師匠ォォォォォォ!」

「君との旅も、悪くなかったわ」




天元の道、一つの夏が通る
~英霊剣豪七番勝負編~



近日公開!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。