そいえば最後の強化メルトリリスさんでしたね。あんだけ塩川が青王のこと引っ張っておいて違うんだから正直苦笑いしか出来ない
――――???
「――――時は、来たれり」
その男がいる場所は元々城の客間とは思えないほど変貌しており、使われた形跡はあるがまるで何かを呼び出さんかとしているように祭壇が組み立てられていた。
そしてその魔術師の中でも、特に聖杯戦争経験者ならばこの術式を見てこう答えるだろう。召喚陣……と
「香取神社境内にて執り行われた我が奥義、黒き
魔術を携わるものなら、その祭壇に組まれた異質の雰囲気だけで正気を保てなくなるほどの禍々しい魔力を放っている
「すなわち時を超えて顕れたる我が手駒7騎!人理に刻まれし影法師、亡霊にあらず、悪霊にあらず、怨霊にあらず」
「そして、無論
「人の世を切り裂く刃を携えし、
その男はそう宣言した
その男が発した言葉に続くように、近くにいた魔術師が言葉を続ける
「然り。然り。聖杯によって呼ばれし英霊に貴殿の妖術を合せ、我が゙一切鏖殺゙の宿業を埋め込んだ稀有なる七騎。その七騎は貴殿の手足となりて全てを切り伏せて見せるでしょう」
その魔術師………いや、サーヴァントから感じられるものは普通の英霊が発する気迫とは違い、負の感情がサーヴァントの周りを漂っている。憎しみ、妬み、嫉妬……そのような気を周りに纏わせてもこのサーヴァントは何も感じていない
「如何なる刃によっても傷つかず、死なず、
その部屋から見える世界を見て、これから起きるであろうことを想像しながらそのサーヴァントは言い放った
「
「左様」
「ですが……、一騎足りませぬ」
「承知している、貴様も含め、英霊剣豪は総勢七騎揃えねばならぬ」
そして、この妖術師は英霊に命令を下す
この世の地獄の蓋を開けるかのように
「キャスター・リンボよ、夜の帷を下ろせ。収穫を始めるとしよう」
「御意」
その妖術師に返答した後、サーヴァントは呪文を唱え始める
そして、唱え終わると同時に、その体の周りから黒き魔力を帯びている霧が発生し、天を覆っていく
――――――――――――――
初めにその異変に気がついたのは、意外にも一夏だった
彼の本能がその異常に気がついた瞬間立花とおぬいちゃんのそばにすぐに移動し、構えの姿勢を取りながら辺りを警戒し始める
一瞬遅れて師匠達も気がつくが、それより前に空に異変が起きる
空が先ほどとは違い、赤色の月明かりに照らされた夜になった。妖気も空が真っ黒だった時よりも増えている
「空に月が出てる・・・?」
「ああそうだ、これは夜だ。本物の夜だ!莫迦なことがあったものだ、何とも日暮れが早すぎる……」
いや、日暮れが速いレベルではない。日が一瞬にして落ち、突然月があの高さまで登ったのだ
まるで自分たちが別の世界に来てしまったかのように、昼夜が逆転してしまった
それに、あの紅く光る月はいったい…?
「如何にも嫌な感じね」
「うーん、あ!お月様がいつもとちがう色!そういうときは必ず山賊がたくさん出るってじいちゃまが言ってたよ!」
隣からその言葉を聞くと同時に、辺りから感じられる殺気が真っ暗な空の時よりもさらに増えて感じられる。師匠と胤舜さんはすぐさま戦闘体制に入る
「武蔵ちゃん!」
「わかってる。おぬいちゃんたちがいる手前、歓迎出来る流れじゃないわ。」
「なら、拙僧がおぬいと田助を抱いていこう!むむむ!行き先は――――」
「あっち!」
おぬいちゃんが指さす方向、東へと全員が走り出す
途中はぐれてこちら側に向かってくる妖を、他の仲間に気がつかせないように一太刀で葬りさり先へと急ぐ
そして、幾分か走り林の中で皆が足を止めてしまう
「いやはや、一目散に走っていればと思うたが、世の中そんなに甘くはないか」
「はいはい、流れで足を止めてしまったけど先を急ぎますよ!」
「けど師匠、そうは問屋が下ろさないみたいだぜ」
周りからは俺たちを追ってきたであろう妖達が食料にしようとこちらを狙って来ている。これだけの数なら俺達なら強行突破出来なくもないが、あと一手が足りない
何かないか……
「令呪が…これなら!」
突然立花から魔力が膨れ上がり、彼女の周りに黒い人型が出てきた。しかし、この感覚は師匠達と似ているが何か欠けている感じがする。まるで、完全には召喚されてないような
「‥‥‥まだ完全にはカルデアとの繋がりが回復してない?けど、これならいける!」
立花は手をかざし現れた三体のサーヴァント達に命令を下していく。一体は師匠達と共に敵の中心に突撃し、残りは彼女の周りを守っている
これなら俺が前に出ても大丈夫だろう
「うぉぉぉぉぉ!」
師匠たちの後に続くように妖達の群れに飛び込んで行き目の前にいる一体を切り捨てる
仲間がやられたのに気がついたのか、辺りの妖が師匠たちから自分の方に殺気を強くする。ここまでつよい物は始めて浴びるが、怯んでいたらこちらがやられてしまう
気を奮い立たせながら、周りの敵をさばいていく
しかし、それでも人間に近い俺は体力や精神力の限界がある
さて、どうしたものかと考えていたら……
「一夏!」
そんな叫び声が聞こえたと思ったら、体が軽くなり気が楽になる。立花から流れてくる補助魔法によって体の負担がなくなったことにより、先ほどよりも妖の死体が増えていく
今じゃ何とも思わなくなったが、昔は一々戻してたな……
その調子で最後の敵を切り伏せたところで、師匠たちのデカ物(いつのまにいた!?)が片付いたようだ
「おわったね」
「ああ、にしても立花!あの黒いのはなんだったんだよ?」
「あれは私が契約したサーヴァントなんだけど、この特異点の訪れ方が特殊だから召喚が完全じゃないのよ」
ああ、だからあんな不安定なのにあれだけ強いのか
「ああ、だからさっきより楽に倒せたのね。助太刀助かったわ」
「サーヴァントである拙僧が呼水となったか、或いは武蔵殿と刃を交えたことで何かがおこったか。どうあれ立花、術式が活性化してるな?」
確かに、立花から感じる魔力は最初にあった時よりも多く感じられる。どうやらいままで彼女は本調子ではなかったよたようだ、さすが人類最後のマスターの名は伊達じゃないか
とはいえ、まだここは敵地油断は出来ない
「一夏くんもわかってると思うけど、安全が確保出来るまで気を抜いてはいけませんよ」
「――っていってるそばから妖気!」
妖気を感じる方を向いて刀を構えると、そこには先ほどとは比べ物にならない程の人型がいた
ヤバイ、本能が自分に逃げろと訴えかけている
それほどヤバイ相手だが、慣れてる自分や師匠,胤舜さんを除いた2人が恐怖で硬直している。いや、それよりも相手が逃がさせてくれないだろう
「左様左様、如何なる剣豪と言えども油断してはおられますまい」
「っ!立花!おぬいちゃんを後ろにして守ってろ!こいつらまじでさっきのやつらより数段格上だ!」
「さっきのとちがって肉があって、臭いがある。染み付いた臭いが、雄弁に語ってる」
確かに俺もその事実には気がついていた
だが、日本史の知識が疎い俺でも分かる事実がある。今は寛永十六年、島原の乱を最後に大きな争いはないのだ
確かに盗賊などの襲撃などで争い事はあったかもしれない。だが……
「まるで、たった今殺してきたばかりじゃない。頭から桶一杯の血でも被ったのかしらね?」
そう、目の前にいる1人1人からする血の臭いが強すぎるのだ。それこそ1人2人殺したレベルではなく、数十人単位で殺してきたような悪臭がする
おぬいちゃんにはかがせないように立花が鼻をハンカチで抑えているようだ
「ぬうんっ!!」
胤舜さんが先手必勝と言わんばかりに、弓使いの女性に槍を振りかぶるが……
「は?」
ただでさえ細いくて動いているものに矢を当てるのに高等技術が必要なのに、その槍の使い手は神速をも扱う胤舜さんの槍だ。相手はいったいどんな化物なんだよ……!
向こうは向こうで涼しい顔をしながら皮肉まがいなことを言っているが、こちらは全くそんな余裕はない
「我らは英霊剣豪6騎。名高き二天一流の新免武蔵殿、その槍神仏に達すると謳われた宝蔵院胤舜殿」
「そしてカルデアのマスターどの……、あと1人の情報はないが…」
不敵に笑う目の前の狂人、いや、6騎から目が離せない。こいつらは一体何のか、何の目的で俺たちを襲っているのか
そんな不安の中、狂人は声高く告げる
「どうぞお見知り置き頂きたい。我ら6騎、この世を地獄に変えがたんために現界せし6騎であります」
―――英霊剣豪と
次回は英霊剣豪との初交戦から
あと、次の更新がいつごろになるのかわかりません
わかり次第この話に追記して書きますが、大幅に遅れると思います
すみません