夏休みが終わり、未だ残暑の酷い中、秋の大会地区予選が始まった。
一回戦の相手は支良洲水産高校、弱小高校だったので五回コールド勝ちをした。先発は嵐丸だった……
二回戦~準決勝まで全て大西先輩が先輩した。
俺を先発で出せ!
そして決勝戦、相手は激闘第一高校。
夏のリベンジマッチになるわけだが、どうせ俺はまた七番センターだろうな。
そう思っていた。思っていたのだが今日の先発は俺だった。
「監督、どういう風の吹きまわし……ですか?」
「大西君に言われました。アイツはアイツなりにやっている。それに俺だと勝てないかもしれない。と」
この瞬間俺の大西先輩株は露骨に爆上がりした。
待ってましたぜこの時を、初回から全力で行きたいところだぜ!今日は何となく右投げの気分なので右で行くことにした。
その頃、観客席では
「アンドロメダ学園と激闘第一高校。あの人は先発なのだろうか?」
ウォータースライダーの例の彼女が電光掲示板を見ると、佐々木の上に1と出ていた。
「来た甲斐があったようだな」
彼女は試合が始まるのを楽しみにしていた。
「っしゃー!キャッチャーしっかり捕ってくれよな?」
「出来る限りのやるさ」
頼りないキャッチャーだなぁ…試しに俺の第一の決め球165キロでボール5個分は落ちるSFFを投げてみたが捕れなかった。
まあ、そんな決め球使わなくてもこんなやつら抑えられるんだけどな!
一回を三者連続三振で抑え、二回表 バッターは友沢。
一球目の内角ギリギリの169キロストレートを当ててきた。
おいおい、こいつ天才じゃねぇーか。
ビビらせようと相手に当たるギリギリの所からストライクゾーンに向かって曲がり始めるスライダーを投げたがビビる様子もなく見逃した。
追い込んだし多分大丈夫だろう。しかし万が一打たれるのが嫌だから俺はSFFを投げたかった。
キャッチャーがそれを良しとしない。まあ投球練習の時に捕れなかったボールを投げられるのは嫌なのはわかるが…
仕方無いのでサイン通りスローカーブを内角ギリギリに投げた。
友沢はこれを見逃したが判定はギリギリボールだった。
ボール半分くらいコースからずれてしまったか。
次は緩急を生かしたアウトローへのストレートか。
自分の全力170キロストレートをミットを破壊する気持ちで投げ込むと、友沢の振ったバットは既にボールが過ぎ去った空間を振った。
その後も順調に投げ続け、完全試合ペースで八回を向かえた。
相手の先発鶴屋が5回に炎上してくれたお陰でこちらは4点リードしている。
これで友沢とも最後の対決になるだろう。
一球目のHシュートから既に真後ろへのファール。タイミングがかなり合っている。
二球目の120キロのパームを大きく引っ張りファールにする。
出来ればこの一球で仕留めたい三球目、俺はフォーシームジャイロを投げた。
友沢は50キロの緩急に対応してバットを振ったが、重力に逆らうが如く落ちないボールはバットの上を通過した。
これで完全に激闘第一高校は終わった。俺は他の打者をあっさり料理し完全試合を達成した。
観客席にて
「ふむ、あそこまで凄い投手だったとは。あの友沢が簡単にやられるなんてな」
彼女は満足そうに観客席を出ていった。
ハヤテ君は投手としてだいたい何でも出来るけど左右共にオーバースローで投げるのが一番好きです。