悔いある選手達は二次元へと進む   作:ゆーこー

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佐々木ハヤテ アンドロメダ学園入学!

何故俺がこの世界に来たのかまだよくわかっていない

 

神様の面白半分なのかもしれないが、俺は再びこの体で野球が出来ることに喜びを感じていた

 

俺の入るアンドロメダ学園は今年改装されたばかりらしい

今まで野球部は全くの無名、よくある野球マンガみたいな舞台だと心の中で思った

 

 

 

 

話はとんで野球部に入部した

ぶっちゃけそれまで大したことはなかったのだ

 

驚いたことに三年生は一人もおらず、俺達一年生七人と二年生四人だけという、一年生の数によっては廃部ギリギリの状態だった

 

俺の見たこの野球部の評価は2年生の大西が一人優秀で他の選手は平均くらいといったところだ

 

そして俺の代一年生の分析だが、外野手の奥井が中々優秀だと感じた。その他嵐丸君という普通に見たら優秀な投手がいたが、その事は割愛させてもらう

 

奥井は別のクラスで面識が無かったが、同じクラスだったら楽しい一年になれたことは間違いないほど良い奴だ

加えて守備では頼りになり、まだまだ伸び代が多いと見た。俺と違ってな…

 

 

ここの監督はとても怪しい雰囲気だった、金髪の髪にデカイ髭 ~デースという独特な語尾、二年生の先輩に聞いたところ、大西先輩はあの人が来て短期間でここまで強くなったという

 

そこに怪しさを増したのは、二年生の先輩方が着けているゴーグルと同じものを着けさせられたことだ

このスカウターのパチもんみたいなゴーグルは高性能で、部活の連絡に体調管理等の機能もあるそうなので嬉しいのだが怪しい

 

とどめに入部した全員の身体検査を行ったときにはもう驚いたね

「ムム!この体は…珍しい、是非実ゲフンゲフン」

とか言ってたからな…

 

練習のときは俺も投球練習をしたが、奥井が捕手の代わりに入ったのであまり思いきりは投げられなかった

 

そんなこんなで早くも5月に入った

練習試合をするのだという。相手は海堂学園高校。あのメジャーで出てきた高校だという

 

 

そして週末、アンドロメダ学園のグラウンドで試合が行われる

 

アンドロメダ学園スターティングメンバー

 

1田中(二年生)二

2中山(二年生)遊

3中居(二年生)捕

4大西 投

5ハヤテ 右

6奥井 中

7須賀 一

8春日山 三

9山根 左

 

解せぬ、俺が外野手だと?

監督は何を考えているんだ!そんなに大西先輩が大事か!

 

対する海堂学園高校のスターティングメンバー

 

1西野 中

2長谷部 遊

3村上 一

4香川 捕手

5山田 右

6細井 左

7原 三

8服部 二

9眉村 投

 

という眉村以外完全にモブだった、わかったのは俺は眉村達と同じ代の選手、つまり来年には草野とかも見れるのだろう

 

 

 

試合は海堂先攻で始まった

 

大西先輩のボールは超高校生級ではあるが、その急成長故にコントロールが酷い

 

一番バッターを死球で出すと、続く二番に送りバント三番に打たれ、一回表ワンアウト一・三塁のピンチを迎えた

 

四番でキャッチャー、モブキャラではあるが油断できない男が左打席に入った

大西先輩の一球目はスクリュー、インローに入り見逃し

二球目はフォークがすっぽぬけてボール、三球目はストレートをインハイに、そのボールを打たれてこちらへ大きなフライとなり飛んできた

確実に捕球し無謀ながらもボールをホームへ投げ込む

 

「あ、あれは!?」

「レーザービーム!?」

 

約数名の声が聞こえる、もっと浅いフライだったらアウトに出来たかもしれないが、ランナーはキャッチャーのグラブより速くホームベースに触れていた

 

 

試合はその後海堂優勢のまま続き、八回表 0-6

 

「佐々木君、この回からリリーフをお願いしまーす」

監督は敗戦処理にも似たような指示で俺をリリーフに起用した

肩はそこそこ暖まっていたので最初から全力で挑めた

 

四番、香川

俺のこの世界初の打者との勝負となる

俺の自慢の左肩はこの時を待っていた、外野で遠投しているときにはこの感覚はなかった

 

一球目、挨拶代わりに相手の頭近くからインハイに落ちるカーブを投げた

誤差ほぼ無し、審判のストライクの声が響き渡る

海堂の選手もアンドロメダの選手も絶句した

 

海堂の選手からすれば何故この投手を最初から出さなかったのか?

アンドロメダの選手からすれば練習のとき何故抑えていたのか?

 

そんなことお構いなしに二球目、159km/hのストレートをインローに投げる

打者は反応すらしなかった

三球目はインコース真ん中辺りからインローボール二つ分まで落ちるフォークで空振り三振となった

 

動揺した海堂陣はこのまま連続三振で呆気なく功守交代となった

 

動揺の色が目立つ海堂、八回裏にエラーが重なり二失点

しかし二失点で抑える辺りはさすが海堂である

 

九回表、二者連続三振そして眉村の打席となる

 

この男だけは落ち着いていた、いや、ただのポーカーフェイスなのかもしれないが先程の投球は一回から全く衰えていない安定したものであった

 

一球目、シンカーをアウトローに投げワンストライク

二球目の外から入るスライダーを打ちファールとなる

そして三球目、インハイギリギリに投げた全力ストレートを眉村はカットした

だが今のボールを見たあとならこのボールには反応できないだろう

四球目、107km/hのチェンジアップ アウトローに

 

眉村は体制を崩して空振り三振

 

しかしまあ現実は厳しい!

九回裏 ツーアウト走者無しで俺の打席 点差は4点である

 

ここまで眉村のジャイロボールを攻略できずにいる俺

 

一球目はインローに落ちるフォーク、打っとけば良かったな…

二球目のアウトハイのジャイロボールに手をだし一塁側のファールフライになり、そのボールはしっかりとられてしまった

 

 

監督からしたら収穫のある試合だったであろう

俺としては打撃面が力不足となり悔しいものだった

 

 

 

 


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