5階。
塔の最上階にて、4人と1匹は、1つの存在と対峙していた。
フログレット。
テレサをはじめとしたたくさんの人を攫い、非人道的な実験を繰り返していた。
時に本人が出張る事もあったとかいう。
下の牢屋に閉じ込められた人達は、ここからの解放を望んでいる。そして、それにはフログレットを倒すしかない。
たとえここから出られたとしても、事件は解決には向かわないというのが、この件に関する共通認識だったからだ。
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「いくぞ!」
その言葉と共に真っ先に駆けだしたのは、アークス。
「疾風の加護よ、我が身に宿れ!」
叫ぶように詠唱し、
「ピオラ!」
その一言で、動きが格段に速くなった。
ピオラ。動きの速度を上げる魔法。
アークスがスピードファイター役を担えるのは、この魔法の存在が大きかった。
少し遅れたクロウリーは、盾を掲げた。
「こっちだ、蛙やろう!」
フログレットの意識が彼の方に向くや否や、盾を地面に置き、防御姿勢に入った。
耐えきるつもりだ。
「スカラ」
セリアだ。
バイキルトによるアークスの攻撃補助を真っ先に済ませ、クロウリーに防護補助を施している。
「いっけえええええ!」
『炎よ!』
アークスが吠え、フローラが炎を呼び出す。
手数を増してゆくアークスの斬撃。
時折行われるフローラの援護射撃。
煌々と燃える火矢を番え……発射。
発動直前の「謎の魔法」を、衝撃で
直後。
バシィイイッ!
セリアの触手が飛んだ。
そして、フログレットの舌撃を耐えきったクロウリーが、動く。
炎を纏う、剣。
「火炎斬」
魔力が炎をかたちづくり、炎の剣へと変貌する。
そのままフログレットへと斬りかかる。
が。
「!」
斬れなかった。
フログレットの皮膚は、弾力性に富む。
常に濡れているから炎も相性が悪いが、それ以上に、斬りにくい。
アークスが攻めあぐねているのも、これが原因だった。
どうすれば。
その時。
「イオラ!」
メレヤが、動く。
「凍える吹雪よ、」
イオラを放った直後、詠唱を開始する。
「舞い踊れ!」
それは、起死回生の一手。
澄み切った空色の魔法陣が浮かぶ。
「ヒャダルコ!!」
わずかに濡れたフログレットの腹が、凍結した。
が。
大気が、震えた。
フログレットの口腔から、チリチリと光が漏れる。
「やべえ、みんな、防御!」
それしか、指示は出来なかった。
部屋内を揺るがす、灼熱の吐息。
紅く紅く、クロウリーの顔が照らされていた。
後編はまた来週。