運命の光   作:リッティー

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第十二話 決戦 前編

5階。

 

塔の最上階にて、4人と1匹は、1つの存在と対峙していた。

 

 

フログレット。

テレサをはじめとしたたくさんの人を攫い、非人道的な実験を繰り返していた。

時に本人が出張る事もあったとかいう。

 

下の牢屋に閉じ込められた人達は、ここからの解放を望んでいる。そして、それにはフログレットを倒すしかない。

 

 

たとえここから出られたとしても、事件は解決には向かわないというのが、この件に関する共通認識だったからだ。

 

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「いくぞ!」

その言葉と共に真っ先に駆けだしたのは、アークス。

 

「疾風の加護よ、我が身に宿れ!」

 

叫ぶように詠唱し、

 

「ピオラ!」

 

その一言で、動きが格段に速くなった。

 

ピオラ。動きの速度を上げる魔法。

アークスがスピードファイター役を担えるのは、この魔法の存在が大きかった。

 

少し遅れたクロウリーは、盾を掲げた。

「こっちだ、蛙やろう!」

フログレットの意識が彼の方に向くや否や、盾を地面に置き、防御姿勢に入った。

耐えきるつもりだ。

 

「スカラ」

セリアだ。

バイキルトによるアークスの攻撃補助を真っ先に済ませ、クロウリーに防護補助を施している。

 

「いっけえええええ!」

『炎よ!』

アークスが吠え、フローラが炎を呼び出す。

手数を増してゆくアークスの斬撃。

時折行われるフローラの援護射撃。

煌々と燃える火矢を番え……発射。

 

 

 

脳天直撃(ヘッドショット)

 

 

発動直前の「謎の魔法」を、衝撃で解呪(ディスペル)した。

 

 

直後。

 

 

バシィイイッ!

 

セリアの触手が飛んだ。

 

 

そして、フログレットの舌撃を耐えきったクロウリーが、動く。

 

 

炎を纏う、剣。

「火炎斬」

 

魔力が炎をかたちづくり、炎の剣へと変貌する。

 

そのままフログレットへと斬りかかる。

が。

 

 

「!」

 

斬れなかった。

 

フログレットの皮膚は、弾力性に富む。

 

常に濡れているから炎も相性が悪いが、それ以上に、斬りにくい。

 

アークスが攻めあぐねているのも、これが原因だった。

 

どうすれば。

 

その時。

 

 

「イオラ!」

 

 

メレヤが、動く。

 

「凍える吹雪よ、」

 

イオラを放った直後、詠唱を開始する。

 

「舞い踊れ!」

 

それは、起死回生の一手。

澄み切った空色の魔法陣が浮かぶ。

 

「ヒャダルコ!!」

 

 

わずかに濡れたフログレットの腹が、凍結した。

 

 

が。

 

大気が、震えた。

 

フログレットの口腔から、チリチリと光が漏れる。

 

 

「やべえ、みんな、防御!」

 

それしか、指示は出来なかった。

 

 

部屋内を揺るがす、灼熱の吐息。

 

紅く紅く、クロウリーの顔が照らされていた。

 




後編はまた来週。
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