「おーいクロウリー、見張り、次おまえだぞーー」
「んうー、え!?」
早朝見張り番俺だったの忘れてた!!
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フローラは寝ている。破魔の魔法陣を描く大役で疲れたんだろう。
10人隊のもう一人のお姉さまと一緒にスヤスヤ寝ていた。
見張りは男二人ずつ、4回に分けて行われる。
最後の一回が、俺と、南門の兵士長カイルさんだ。
野営の火のそばで、二人は座っていた。
「クロウリーは、親友の嬢ちゃんがやられたんだよな?」
カイルが、ふと聞いた。
「ああ、そうだ」
即答するクロウリー。
「……死んでいないといいけどなあ」
「あいつは、強いよ。
テレサは。」
クロウリーは確信していた。テレサは生きている、と。
「俺も、息子が」
述語を省いたカイルの言い草に、クロウリーも何があったか察した。
攫われていたのだ、と。
「傭兵たちは、利益目当てかもしれないけど、俺達は、大切な人を取り戻したいから。
だから、志願した。
そうだろ、カイルおじさん」
自身にも言い聞かせるように、クロウリーは呟く。
「……ああ。」
そこまで考えていたのか、と、カイルは思う。
思えば、この捜索隊は10人全員がアラハギーロ出身、一番近くに立ち会ってきた学生は二人。
学生は150人中10人。力量の事もあり、各校の実力者が勢揃いしていた。
学生メンバーは後発隊がクロウリー・フローラ組ともう一組。
この二組がこの度の10人招待の中に入っている。
(一番焦っているのは、先発隊の奴ら、だなあ)
カイルはそう結論付けた。
魔道具によって相互連絡をしているクロウリーは、彼らをなだめる役目も買って出ていた。
(クロウリーにのしかかる重みが多いなあ)
「こちらクロウリー、現在レフラーゼ。昼ごろにレーメ到着します。」
『おおそうか、頑張れよ!』
しかし。彼のその微笑みを見て、カイルは察した。
(ああそうか、元気をもらいたかったのか!)
納得したカイルは、手をポンと叩いた。
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「やっと……やっと洞窟の向こうに出たぞーーーーー!」
晴れ渡る空の下。
半日以上ジメジメした洞窟の中にいたから、からっとした陽気が少し嬉しかった。
レフラーゼの洞窟を抜けたら、レーメの村はもう見えている。
安息の地に向かい、クロウリーたちは駆けだした。
もちろん、魔物たちをなぎ倒しながら。
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一方、とあるところで。
「助けて、助けてえ!」
格子に手をかけ、助けを求める少女がいた。
彼女の名はテレサ。
攫われた子供たちの一人である。
しかし。
助けは、来ない。
当然だ。捜索隊は未だにそこに行けてないのだから。
そこは。ナバラの塔、と呼ばれる場所。
少女の他にも、何人もの子供が、そこにいる。
その声を、聞いていた者がいた。
ホイミスライム・セリア。
(フローラみたいな『人間』が来たら、この塔を案内しよう。
そのためには、塔の中、全部覚えとかないと)
セリアは決めた。
それは、この塔の管理者に対する謀反。
彼女の決意は、夢とも重なっていた。
(そして、いつかは、人として生きたい)
元日にいきなり投稿。
カイルさんは頼れるおじさんのイメージ。
後々活躍する……かも。
セリア、モデルはホイ○ン。
クロウリーもモデルはあります。