運命の光   作:リッティー

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第六話 心の中は

「おーいクロウリー、見張り、次おまえだぞーー」

 

「んうー、え!?」

 

早朝見張り番俺だったの忘れてた!!

 

 

 

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フローラは寝ている。破魔の魔法陣を描く大役で疲れたんだろう。

10人隊のもう一人のお姉さまと一緒にスヤスヤ寝ていた。

 

 

見張りは男二人ずつ、4回に分けて行われる。

最後の一回が、俺と、南門の兵士長カイルさんだ。

 

 

野営の火のそばで、二人は座っていた。

 

「クロウリーは、親友の嬢ちゃんがやられたんだよな?」

 

カイルが、ふと聞いた。

 

「ああ、そうだ」

 

即答するクロウリー。

 

「……死んでいないといいけどなあ」

 

「あいつは、強いよ。

テレサは。」

 

クロウリーは確信していた。テレサは生きている、と。

 

「俺も、息子が」

 

述語を省いたカイルの言い草に、クロウリーも何があったか察した。

攫われていたのだ、と。

 

「傭兵たちは、利益目当てかもしれないけど、俺達は、大切な人を取り戻したいから。

だから、志願した。

そうだろ、カイルおじさん」

 

自身にも言い聞かせるように、クロウリーは呟く。

 

「……ああ。」

 

そこまで考えていたのか、と、カイルは思う。

 

思えば、この捜索隊は10人全員がアラハギーロ出身、一番近くに立ち会ってきた学生は二人。

学生は150人中10人。力量の事もあり、各校の実力者が勢揃いしていた。

 

学生メンバーは後発隊がクロウリー・フローラ組ともう一組。

この二組がこの度の10人招待の中に入っている。

 

(一番焦っているのは、先発隊の奴ら、だなあ)

 

カイルはそう結論付けた。

 

魔道具によって相互連絡をしているクロウリーは、彼らをなだめる役目も買って出ていた。

 

(クロウリーにのしかかる重みが多いなあ)

 

「こちらクロウリー、現在レフラーゼ。昼ごろにレーメ到着します。」

 

『おおそうか、頑張れよ!』

 

しかし。彼のその微笑みを見て、カイルは察した。

 

(ああそうか、元気をもらいたかったのか!)

 

納得したカイルは、手をポンと叩いた。

 

 

 

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「やっと……やっと洞窟の向こうに出たぞーーーーー!」

 

晴れ渡る空の下。

 

半日以上ジメジメした洞窟の中にいたから、からっとした陽気が少し嬉しかった。

 

レフラーゼの洞窟を抜けたら、レーメの村はもう見えている。

 

安息の地に向かい、クロウリーたちは駆けだした。

 

もちろん、魔物たちをなぎ倒しながら。

 

 

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一方、とあるところで。

 

「助けて、助けてえ!」

 

格子に手をかけ、助けを求める少女がいた。

 

彼女の名はテレサ。

 

攫われた子供たちの一人である。

 

しかし。

 

 

助けは、来ない。

 

 

当然だ。捜索隊は未だにそこに行けてないのだから。

そこは。ナバラの塔、と呼ばれる場所。

少女の他にも、何人もの子供が、そこにいる。

 

その声を、聞いていた者がいた。

 

ホイミスライム・セリア。

 

(フローラみたいな『人間』が来たら、この塔を案内しよう。

そのためには、塔の中、全部覚えとかないと)

 

セリアは決めた。

それは、この塔の管理者に対する謀反。

 

彼女の決意は、夢とも重なっていた。

 

(そして、いつかは、人として生きたい)

 

 




元日にいきなり投稿。
カイルさんは頼れるおじさんのイメージ。
後々活躍する……かも。
セリア、モデルはホイ○ン。
クロウリーもモデルはあります。
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