翌朝。
「なんか大人たちがやたらと俺らを推してくると思ったらまさか……」
思わない。
大人全員が謎の感染病で倒れる事になるとは。
またもや頼れる大人が倒れたことにより、これまでにない危機に陥った。
幸いというべきか、レーメの人たちが治し方を知ってるようで、自分たちに任せろ、と言ってきた。しかも、君たちは他の子達を探してこい、とまで。
そこまで言われれば、やるしかない。
宿泊延長費は後ほどとして、俺たちはナバラへと向かった。
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「「「あーーーもう、多いっっっっ!!」」」
出発六時間後。
俺達は激戦中であった。
ドラゴンに見つからずに塔に入れたのはいいが、その後が大変だった。
俺ことクロウリーは、アークスと共に前で剣と盾を構え、メレヤとフローラを守りながら、剣の舞を次々と魅せ、切り裂いていく。メレヤは広域攻撃を可能とするから、特に守らなければならない。
メレヤが、攻撃の核だ。
剣だとせいぜい1.5mしか届かないのに対して、魔法は、イオだと半径3m圏内を同時爆破する。
詠唱は少し長いものの、彼女の爆発は、既に第二段階に入っている。
すなわち、イオラ。
フローラには回復に専念してもらい、メレヤは間違えないように、一字一句に気を付けながら詠唱をしていく。
通路いっぱいに、先が見えないほど群がる魔物の群れの中。
切り伏せて、なぎ倒して、
「「行け、メレヤ!!」」
反撃が始まる。
「イオラ!!」
大爆発。
そして、閃光の果てに。
「メラ」
炎が、道を開いた。
「フローラ、いいぞ!」
アークスの声が、勇気をくれた。
詠唱がまた響く中。
斬撃は舞い踊った。
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魔物たちは、その身の核たる魔石を残して全員が消えていった。
「クロウリー、最後のアレ、超すごかった!」
「ん!?ああ、『剣の舞』か」
「あたし以上じゃないの、倒した数」
「いや、メレヤとクロウリー君、どっこいどっこいだと思うよ」
などと話しながら、魔石を拾っていく。
数多の街は魔石が不可欠で、魔物は人間にとって脅威と思われている。
魔石取得と魔物退治は切っても切れない行為であり、一石二鳥だ。
これを、『魔石担当』のアークスの腰の袋に詰める。
この、何でも入る袋は、俺とアークスの持ち物だ。
だいたい100くらいあった魔石すべてを拾い切り、さて、出発しよう、と立ち上がったその時。
「……」
思考が停止した。
目の前にホイミスライムがいた。
その海のように真っ青な瞳を、星のように輝かせながら。
「これは……」
メレヤが言う。
「仲間に、なりたがってる……?」
フローラが、呟いた。
意を決して、クロウリーは訊いた。
「名前は?」
それが自分に向けられたものなのか、と自身を指すホイミスライムに、こくこく頷く。
そして。
「セリア!」
答えてくれた。
「セリア、か。俺はクロウリー!よろしくな!」
頼もしい仲間が増えた。