「ん、仕事が終わったのか。お疲れ様だ。
……どうした、提督?若葉の顔に何かついているか?
若葉か?若葉は24時間寝なくても大丈夫だ、気にしなくていい。
それより提督。折角だ、何かしようと思っているが……何がいい?
え、耳掃除?……なるほど、初霜が気持ちいいと言っていたのか。なるほど……。
いや、別に否定ではないぞ?ああ、少し準備をするから……そうだな、提督の寝室が隣にあったな?
ほとんど仮眠室のようなものだが……まあ、耳掃除をするには問題ない。そこで待っていてくれ」
「……ん?この袋か?耳掃除の道具だ。
たかが耳掃除に、って……耳掃除はそんなに楽なものでもないぞ?
最近だと色々なタイプの耳かきも見るし、人によってはどれが適しているか変わる場合もあるからな。
……そう、この袋の中に大抵のものは揃えている。と言ってもあくまで大抵の種類だからな?
ああ、そうだ。若葉の趣味の一つだ。……『お前にも趣味があったのか』って、それは酷くないか?若葉にだって趣味の一つや二つある。
そうか、耳掃除だったのが意外か……まあいい、それじゃあ、始めていくぞ?
それじゃあ提督、若葉の膝に頭を乗せてくれ。……別に、乗せなくてもいいが、普段と同じコンディションでできるか問題だぞ?
……そう、それでいい。それじゃあはじめていくぞ、提督……って、意外とたまっているな。
そうか、この間の特別海域攻略で、する時間がなかったのか。だが、溜めすぎると耳が聞こえなくなるぞ。
目と耳は使えないと使い物にならないからな。特に、戦場では。
……なんだその顔は?『だから耳掃除が趣味なのか』……って、別に戦闘じゃなくても耳が使いづらいのは不満だろう?
そうだ、初霜に一度言われてな。それからハマって、いつの間にか若葉が初霜にしてやるようになった。
……って、今はどうでもいいだろ?とりあえず、していくぞ。
ん?『耳かきはいいのか』って?その前に、少しマッサージをする。
耳には意外とツボがあるからな。耳を見るだけで体の不調がわかる、と言われるからな。
だから、まずはマッサージだ。最近、碌に休んでいなかっただろ?だから、まずは眼精疲労のツボだ。
丁度耳たぶの真ん中にあるから、ほら……ゆっくり、ぎゅー……っと。どうだ、気持ちいか?
そうか、眠たくなったらいつでも寝てしまって構わない。なに、指揮官としての責任は重いからな。
たまにはこういうのも許されていいはずだ……っと、続けるぞ?
次は、肩こりだな。あの書類の山を片付けたんだ、肩こりもそれ相応だろ?
ここの、耳の外側の真ん中あたりを……ぎゅーっ、と……どうだ?初霜は、目を細めて喜ぶんだがな……
っと、それじゃあ本題だな。そろそろ耳掃除を始めるぞ。
まずは……所謂一般的な耳かき、というやつだ。
始めていくぞ……って、結構溜まっているな。出来ないことはないが、さすがにもう少し頻度を高めた方がいいぞ。
そうか、それじゃあ始める……まずは入口のあたりからだな。ほら、ゆっくり入っていくのがわかるか?
ん……ほら、もう溜まっているぞ……先が、当たってるだろ?
ほら、カリカリ……って、剥がれていくのがわかるか?気持ちいいようだな、すごい表情をしている……。
気持ちいいなら、それでいいんだ。遠慮はいらない。今はただ、耳の快感を感じるといい。
そうだ、初霜も最初はこんな感じに……いや、今もこんな感じになるな。
ゆっくりと掻きだしていくぞ……ほら、つー……っと。
ふふ、それじゃあ奥もやっていくか。大丈夫だ、大船に乗ったつもりで安心しろ。
そうか……ほら、入れるから動かないでくれ……ん、ああ。多分今奥の方に触れた。
これを、ゆっくりと掻きだしていくからな?ほら、カリカリって……聞こえるか?
そうだ。少しずつ剥がしているが……これよりも、もっといいものがある。一度抜くぞ?
……ああ、これだ。このピンセットを使う。
そうだ、これで引きはがす。少しムズムズするが、我慢できるよな?
そうだ、それでいい……それじゃあ、入れていくぞ。
大丈夫だ、怖くない。若葉を信じてくれ。
今、大きいのの端を掴んだ。このまま引き抜くぞ……ほら、ぺりぺり……。
……剥がれているのが、わかるか?かなり、大きいぞ……っと、ほら、これだ。
まったく、ここまで溜めるとはな。次からはもっと頻度を上げるといい。
さて、次は仕上げだな。
最後はこの、綿棒を使う。
ああ、そうだ。これに絡ませて取るんだ。
それじゃあ、入れていくぞ……。
……提督、顔が蕩けているな。そんなに気持ちいいのか?
いや、気持ちいいのならそれでいいんだ。若葉の耳掃除がそれだけ上手いということだろう?
褒められることは、悪いことではない。ほら、続けるぞ。
ほら、がさごそ……綿棒に、細かいのが絡むのが、わかるだろう?
さて、抜くぞ……っと、いっぱいついたな。ここまで溜めるのは、滅多に見ないぞ。
ん、あぁ。そうだったな。まだ片耳だ、逆側を向いてくれ。
若葉のお腹を見つめる?別に、見られて困るような体ではない。ほら、若葉に耳掃除をさせてくれ」