現世に捧ぐ星の小話   作:Jhon_極光

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※注意
・初投稿です。言語の不自由な執筆者ですのでご容赦ください。
・この作品は「アンジュ・ヴィエルジュ」の二次創作です。
・この作品はアニメ「アンジュ・ヴィエルジュ」のifの世界の物語です。
・非常に後味の悪い作品となるかもしれません。ご注意を。
・平然とプログレスが殺されます。推しが登場したら要注意です。
・なお名前だけ出て殺されるプログレスもおります。注意。
・主人公は男で、オリキャラです。また、男性が沢山登場します。
・ショッキングな表現がございます。ご注意ください。






プロローグ Arms to the present……

夕暮れの港にラッパの音が静かに鳴り響く。

山に沈む太陽を背に、人々は静まり返って海の向こうを眺めた。

遠く、遠く……遥か向こうの人々に意識を向けて。

静かに、ただ静かに海の向こうへ思いを馳せていた。

私もまた、その一人として海の向こうを眺めていた。

私がいた世界へ、海の向こうへ、真っ直ぐと、

海の向こうを眺めていた。

静かな海だ、波は低く、水面は橙色の夕陽を映し出している。

 

脳裏に浮かぶ声をかき消して、これからの事を考えながら、じっと眺めた。

これから何が起こるか。

私を除いて誰一人知る由も無かった。

彼らが守っていた世界も、街も、人も、そして未来も。

誰一人として彼らが守っていたものを知らない。

 

私はただ思い出に心を馳せていた。

楽しかった。

嬉しかった。

辛かった。

苦しかった。

嫌な事は沢山あったが、それだけ楽しい事もあった。

それらを通して普通の日常がどれだけ尊いものか。

命のどれ程慈しまれるべきものか。そして簡単に散るか。

私たちのみにわかる事だ。そう、思った。

 

世界は望む、望まざるとに関係なく、平気で苛酷を投げつけ、

大切な物を奪っていく。

 

世界接続と同時に現れたウロボロスの存在も。

世界と世界の蟠り(わだかまり)も。

私という生き物が生きる事やその在り方も。

これらの苛酷を人に投げつけてくるのだ。

 

子どもたちが大切にしていたぬいぐるみも。

年老いた老人が持っていた形見も。

かけがえのない友人も。

家族も。

兄弟、姉妹も。

身体の一部も。

或いは、自身そのものも。

奪っていくのだ。

 

 

献花台は花に覆い尽くされる。

色々な種類の花が献花されていた。

恐らく彼らが好きだった花。

ヒマワリやスイレン、他にも沢山。

献花台に美しく置かれていった。

私には花の種類などわからないが、

たくさんの種類があった。

 

 

畳まれている地球とオリーブが描かれた水色の旗。

国の旗ですらないそれを被せた棺が、どこかから

銃を担いだ男たちに運ばれ、人々と海の間を通る。

私は知っている。その棺には何も入っていない事を。

 

港から海への滑り台が設置され、水色の旗に隠されながら。

中身のない棺が、滑り台から海に滑り降りる。

程無く沈んでゆく。

 

男たちは海に平行に一列で並び、銃を真上へ向ける。

8発、音は、一時静寂を打ち破るように放たれる。

 

そして再びの沈黙。

 

押しては返す波の音。

 

日は山に落ちる。

 

人々は港を去る。

星の降らぬ街の近くの明るい夜。

 

誰よりも長く。

 

海の向こうを知る私のみがそこにとり残された。

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