軽い少女   作:ふーじん

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三連休だからできるとこまで頑張っておきたかった。
次の三連休も頑張りたい(願望)


怪物の名を冠する淑女

 □【雑技王】黒猫

 

 ハートレスのにーちゃんと別れてからしばらく歩いて、夕暮れに差し掛かる頃にあたし達は一座の設営拠点に到着した。

 急ピッチで組み立てられていく天幕のひとつに入って歩く。

 事務員が書類を抱えて行き交う中を奥へ進み、いくつかある部屋の内のひとつに入ると、そこではだんちょーとしぶちょーたちが顔を合わせてあれこれ指示を飛ばしていた。

 

「遅いぞ黒猫」

「わりーわりー、ちょっとトラブルがあったのと、道端で話し込んじゃってさ」

 

 だんちょーのお小言が飛んでくるけどいつものことだ。

 しぶちょーたちも呆れたように苦笑いするけど、生憎あたしは芸はできても一座の運営はできないから、会議に参加したところでやることなーんも無いじゃんよ。

 そもそもログアウトする必要もあるから情報共有の面で不都合が多いし、そこは<マスター>の弱みじゃんね。

 

「で、どう? 順調?」

「予定通りだ。明日の午前には設営が完了する。団員達は既にリハーサルに入っているが……、ん?」

 

 段取りは上々、他の団員たちも稽古に励んでると。

 そこまで言っただんちょーがあたしの背後に視線を向けて、そういや紹介もまだだったことを思い出す。

 

「こっちのガタイのいいほうがGA.LVER。ワンじーちゃんから聞いてない? じーちゃんのダチのフーじーちゃんのお弟子さん」

「紹介に与りましたGA.LVERです。どうぞよろしく」

「おお……成程、貴方が虎氏の直弟子の。今代の【超練体士】殿か。私は黄刃華、一座の長を務めさせてもらっております。お会いできて光栄です、がるばぁ氏」

「恐縮です。師の名に恥じぬよう、全霊を以て警護に務めさせていただきます。それと僕のことはガルとお呼びください。黄河の方には慣れぬ名でしょうから」

「ではガル氏、何卒よろしくお願いします」

 

 互いに畏まって握手を交わすだんちょーにガル兄。

 こういうとこ見るとお互いデキる男って感じでちょっとかっこいいじゃんね。

 

「そして……そちらの御婦人は?」

「遅刻の原因そのいち~。そこのガル兄に喧嘩売ってきたメスゴリラ、バナナを報酬に警護に参加してもらったじゃんよ」

「ステラ・ザ・デストラクトと申します。黄氏並びに一座の方々におかれましては皇帝陛下の天覧賜り、祝着至極に存じます。黒猫氏とは個人的な友誼があり、義によって助力する次第です。どうぞよろしくお願い致します」

 

 めっちゃ優雅なカーテシー決めながら一礼したステラに、周囲から思わず息を呑む音が聞こえた。

 ……ちきしょー、こうしてまた見た目に騙されるやつが増えるんだ。これだから外面がいいやつはタチが悪いんじゃんよ!

 

「お、おお……これは御丁寧に。……ウチの黒猫が大変な無礼を働いていたようで、まことに申し訳ありません」

「いえいえ、幼い子のやることですから。可愛げがあってわたくしは好きですよ」

「そう言っていただければ幸いです。何分才気はあるのですが、仰るとおりまだ若く……これからも仲良くしてやっていただけるとありがたい」

「願ってもないことです」

 

 ああっ、だんちょーが見てくれに騙された!

 しかもなんか友達面通り越して保護者面すらしてる!!

 ちがうじゃん! 主に絡んできてるのお前じゃん!

 なにその「甘えて粋がるのもいいが程々にしておけよ」みたいな目! めっちゃ誤解なんですケド!?

 

「彼女の力量については僕が保証しましょう。人品にも問題ありません、心強い味方かと」

「成程、ガル氏がそう仰るのでしたらお言葉に甘えましょう。謝礼の方ですが……」

「謝礼は結構です。個人的な誼によるものですので。……代わりと言ってはなんですが、興行を終えた後にしばらくヘイさんをお借りできないかと」

「それで良いのでしたら、是非お好きなように」

「あたしを売るのかだんちょー!?」

「何を大袈裟な。別に取って食われるわけでもなかろうに」

 

 まさに取って食われそうなんですけど!?

 ほら見ろコイツ、嬉しそうにニヤニヤしてんじゃん! ていうかあたし人身御供じゃん、身売りじゃん!

 

「そうですよヘイさん、少しの間一緒に遊んでもらうだけですとも」

「子猫とゴリラがじゃれ合うのを遊ぶとは言わねーんだよ!!」

「ううむ、本当に仲が良いようだな……。黒猫、友達は大事にするんだぞ」

「だんちょーの節穴! 人でなし! 円形脱毛症!」

「ハゲとらんわ!」

 

 クソッ、誰一人としてコイツの本性を見抜けてねぇ……!

 ていうかガル兄知ってんじゃん! コイツのゴリラ本性知ってんじゃん、弁護しろよ!!

 ……あっクソ、なんかもうお開きモードに入ってる! 和やかに解散しようとしてんじゃねーよたーすーけーろー!!

 

「ほらほらヘイさん、皆さんもお忙しいようですから退散しましょう」

「うむ。そいつの行動については本人に一任しているので、目を離さないでいてくれればそれで構わない。ウチのエースをよろしく頼む」

「承りました。ではヘイさん、行きましょうか」

「それでは失礼します」

 

 背後から持ち上げられて胸に抱えられる。

 背中には柔らかい感触……コイツけっこーデカいな。いやそうじゃなくて。

 あと頭撫でるのやめれ。お前の手鋼鉄だからいてーんだよ。

 

「ふふふ……本当にヘイさんは可愛らしいですね」

「ちきしょー、恨むぜガル兄……」

「HAHAHA!! 仲良きことは美しきかな、だね!」

 

 いつになくスキンシップの激しいステラに抱きかかえられながら、あたしは天幕を後にするのだった。

 

 ◇◇◇

 

 □【撃神】ステラ・ザ・デストラクト

 

 警備体制の指揮のため別れたGA.LVERさんを他所に、胸にヘイさんを抱きかかえながら敷地内を歩く。

 最初は抜け出そうと身動ぎしていたヘイさんも、わたくしに離す気が無いことを悟ると観念しておとなしくなりました。

 メスゴリラだの馬鹿力だの悪態をついて抗議はしますが、そうした強がりもまた可愛らしい。

 

 こちらの時間で一年振りに再会したわたくしの初めてのお友達。

 初めて会ったときから変わらない愛らしさと、それに反する獰猛な<エンブリオ>。

 ましてわたくしに初めて黒星を付けた因縁の相手ともなれば、再会の喜びも一入というもの。

 

「さてヘイさん、どちらに向かわれますか? もう夜も更けますから、敷地の外に出るのは避けるべきかと思いますが」

「うぇーい……んじゃあそこの天幕に向かうじゃんよ。あそこ、あたしのトレーニングスペースだから」

 

 ヘイさんに尋ねれば、彼女は項垂れながら天幕の一つを指し示しました。

 彼女の言うトレーニングスペース……雑技のためのものでしょうか。

 しかし雑技とは通常団体で取り組むのが主流だったと記憶しています。個人演目も無いではありませんが、メインはそちらのはず。

 

「他の団員達には混ざらないのですか?」

「あー……アレだ、レベル違いすぎて足並み揃わねーから、あたしは個別に稽古してんじゃんよ」

 

 言外に足手まといにしかならないと答えて、彼女はむすりとしました。

 彼女の軽業師としての力量が隔絶しているのは承知していましたが、それほどのものだったでしょうか。

 ……いえ、長らく不在だった【雑技王】を継承したヘイさんのことです、その言葉は事実なのでしょう。

 しかしだからといって他の団員との摺り合わせもしないのでは、個人演目はともかく団体演目は成り立たないはず。

 その疑問を尋ねてみるとヘイさんは一言、「見てればわかる」と答えました。

 

 目的の天幕に足を踏み入れれば、そこは大広間が一つあるだけの殺風景な部屋でした。

 丁度公演舞台と同じくらいの広さで、観客席が省かれている以外はほとんど同じ舞台条件に思えます。

 

 わたくしの腕からするりと抜け出たヘイさんが舞台の真ん中に立つと、わたくしを観客に見立てたように一礼し――次の瞬間にはその傍らに幾人もの黒子が控えていました。

 それはヘイさんと同じ姿形をした、色彩だけが影のように暗い人ならざる人型。

 しかし思い当たる節のあったわたくしは、それの正体を口にする。

 

「【ヒダルガミ】ですか?」

「まーね、今はちょっと変わってるケド」

 

 ヘイさんの<エンブリオ>――【奪命神咒 ヒダルガミ】。

 HP・MP・SPの三種をドレインする闇属性攻撃を得意とする、対生物には極めて強力な<エンブリオ>です。

 物理法則にあらざるが故に対物理をして絶対有利を誇るわたくしの【星震撃 テュポーン】に勝り、その相性差故にこれまでの立ち合いでも幾度となく敗北を喫してきた、わたくしにとって最大の壁と言えるそれ。

 

 しかしそれはあくまで攻撃スキルであって、間違っても雑技に用いられるものではないはずです。

 戦闘でならともかく、雑技に用いる上では視覚的な演出以外に効果は望めないはずですが……そう訝しむわたくしに答えるように、肩へ乗せられた手がありました。

 

「!? ……いえ、ダメージが、無い?」

「【立体影像 シェイドプリンター】っての。昔倒した逸話級<UBM>の特典武具。効果はお察しの通りじゃんよ」

 

 成程、攻撃性能を失わせる代わりに物理干渉可能な実像に変換すると。

 本来の性能からは対極に位置する特典武具のようですが、成程ヘイさんの【ヒダルガミ】には無い安全性を補う意味では有用でしょう。

 だとするとヘイさんがこれを出現させた理由にも察しがつく。大方これを不足する演者の代用にするのでしょうが……

 

「本当に可能なのですか?」

「だから見てればわかるって――いくぜ?」

 

 訝るわたくしにヘイさんはそう答えて天を舞いました。

 まるで重力を感じさせない軽やかな動き。しなやかな四肢のうねりは一分の乱れも無く精緻を極め、五体全てを用いて表現する。

 照明も音楽も無い薄暗い無音の天幕。舞い踊るヘイさんの立てる音だけがこだまする舞台に見惚れていましたが……ふとそれだけではないことに気付きました。

 

 舞台中央で華麗に舞うヘイさんを完璧にフォローする黒子の動きに気付き……その精度に愕然とする。

 踊る本人と何ら遜色ない精緻な動きで、黒い人体を複数組み上げてヘイさんの動きを補佐し、それに参加しない黒子も棒立ちになるのではなく流麗に舞って演出の華と徹する。

 

 どれ一つとして無駄な人員も動きも無い、群体をして一個の生物のような究極の連携に、わたくしは堪らず呆けて釘付けになってしまいました。

 そしてその動きを可能とする理由を考え、推測が思わず口をついて出る。

 

「自動操作……」

「んなワケないじゃん、全部自力だっつの」

 

 声は舞台上の彼女から、気配はわたくしの隣から発せられました。

 わたくしの推測を否定する声に合わせて隣の黒子が肩を竦めるジェスチャー。

 いえ、そもそもこの黒子はいつの間にそこにいた? 先刻わたくしの肩を叩いた黒子も……、まさか起点指定での発生……!?

 

 元よりヘイさんの領域操作能力の腕は承知していました。

 <Infinite Dendrogram>のサービス開始間もない頃、わたくしとヘイさんが初めて戦った折に彼女が土壇場で編み出したそれ。

 わたくしには終ぞ実現できなかった、テリトリー系列固有の特殊空間を狭めての出力上昇。

 西方三国を巡り数々の強者と立ち合ってきたものの、ヘイさん以外には使い手のいなかった超高等技術。

 いえ、世界は広いのですから探せばどこかにいるのでしょうが、しかしこれほどの技をこともなげに披露してみせるその技量に、越えがたい程の隔絶した差を思い知ります。

 

 同時に戦慄する。

 もし今しがたの動きが本来の性能だったなら、わたくしの命はとうになかったことに。

 ただの魅せ技に徹していたからこその命拾いに、わたくしの肌が粟立つと共に――堪えきれない程の興奮が奥底から沸き上がる。

 

 嗚呼……叶うことなら今すぐ舞台の上に躍り出たい。

 天真爛漫に跳ね舞うその小柄にわたくしの五体をぶつけ、彼我の力量を比べ合いたい。

 相性の良し悪しなど関係なく、ただヘイさんという好敵と切磋琢磨し合いたい……リアルでは叶わない五体を用いた触れ合いに、どうしようもなく全身が疼く。

 

 幼少の折に失われた本来の手足。

 義肢で補えど満足には動けず、それまでの活発だった自分を否応無く殺されてしまった過去。

 取り繕うように淑女としての振る舞いを覚えれど、しかしどこかで鬱憤を覚えていた日常への閉塞感。

 そんな中突如として登場した<Infinite Dendrogram>――自由を謳う世界の中で発現したわたくしの可能性。

 ギリシャ神話において全知全能の主神と争い、全世界を揺るがした怪物王の名を冠したわたくしの<エンブリオ>を、全身全霊を以て突き立ててやりたい。

 

 堪らず四肢が軋む。ギシギシと舌舐めずりをして開こうとする顎を必死で抑え込む。

 これ以上無い格別の獲物を前に我慢を重ねなければならない痛苦にわたくしは全身を抱いた。

 

 気づけばヘイさんの演目が終わり、舞台の上には沈黙が戻っていた。

 途中からは自分を抑えるのに必死で碌に観れていなかったわたくしを、いつの間にか隣に立っていたヘイさんが見上げて嗤った。

 

「ひっでー顔、もう我慢できないって感じじゃんね」

「生まれ持った性はそう変えられないものでしょう。――興行の終わる日が楽しみです、……本当に」

 

 今のわたくしは相当に酷い顔をしているのだろう、嘲弄するヘイさんを否定などできない。

 自分でもどうにもならない性分、リアルでは発覚するはずのなかった戦闘への飽くなき欲求。

 一度強敵と見れば力を比べられずにはいられない浅ましい性癖。堪えるためにはどうしても戦わない理由を必要としてしまう。

 

 今も……そう。彼女の護衛という名分で己を縛り付けていなければ、今すぐにでも彼女に戦いを挑んでいたことでしょう。

 無論わたくしとて無為に命を散らすつもりもなく、<監獄>送りになって活動範囲を大幅に制限されるのも御免ですから、それなりに考慮はしますが……しかしそれも結局頼りない鎖に過ぎない。

 そんなわたくしだからこそ……畢竟大暴れしかできない【テュポーン】が生まれたのかもしれませんが。

 

「ヘイさん」

「んー?」

「ヘイさんはなぜ、【軽業師】になったのですか? あなたの力量があれば、戦闘職でもいずれ超級職に就いて……今以上に実力を高めることもできたでしょうに」

 

 わたくし達<マスター>の大半にとって、戦闘にも生産にも寄与しないジョブは所詮趣味上のものでしかない論外の職種。

 普通であれば発現した<エンブリオ>にジョブを合わせ、己の力量を突き詰めていくのが基本。

 しかし彼女はそうではない。剣呑な<エンブリオ>とは裏腹に、特典武具が無ければそれを活かせるはずのない趣味職へ就き、その超級職に至っている。

 わたくしでなくとも勿体無いと思ってしまうのは必然でしょう。極論を言えば才能の無駄遣いとも言える暴挙に、わたくしは思わず疑問を口にしていました。

 

「いやー……別に、なんとなく?」

 

 しかし彼女は、そんなわたくしの思いに反してまるで軽く、何気ないようにそう答えました。

 あっけらかんとした返答に、思わず閉口する。

 

「ぶっちゃけただの偶然だし、<エンブリオ>が孵化したのも【軽業師】に就いたあとだしね。ていうか別に戦うだけじゃなくてもいーじゃんね、和製オフゲーじゃないんだから」

「それも……そうですが」

「まー言いたいことはわかるよ? あたしってば天才だから、何やらしてもサイコーだかんね。でもま先着順ってことで、【軽業師】――【雑技王】辞めるつもりは欠片もないじゃんね」

「そう、ですか……」

 

 本当に……勿体無い。いっそ口惜しいとすら言えるでしょう。

 ですが、そんな彼女にすら負け越しているわたくしがそれを言ったところで負け犬の遠吠えにしかならないことは明白。

 だからこそ……惜しい。今の彼女を軽んずるつもりはありませんが、より強くあれるビジョンが見えるだけに、本当に惜しく思える。

 

「相変わらず脳筋思考じゃんね。淑やか脳筋ってやつ? 少しは落ち着けばいーのにねー」

「性分ですから。しかしお見逸れしましたよ、本当に。以前よりも格段に精度が上がって、ヘイさん程の領域使いもそうはいないでしょうね」

「おだててもなんも出ねーぞ? 喧嘩したいならおとなしく待っとけっての。別にヤらないとは言ってねーんだからさ」

 

 肩に軽い重み。一〇〇人力を誇るこの世界のわたくしにはあまりに軽いヘイさんの体重。

 一頻り舞い終えて汗ばむ彼女の体温を首筋に感じながらの肩車、ようやく戦闘の意欲が鎮静する。

 

「ま、これでもこっちじゃ腐れ縁だし? たまのお誘いくらいは乗ってやるじゃんね」

「……うふふ、ありがたいことですね。ええ、是非わたくしの全力を堪能くださいませ」

「じょーとーじゃん、また黒星ひとつ増やしてやんぜ。"人間台風"がナンボのもんだよ、嵐の中でさえあたしは舞ってみせんじゃんよ!」

 

 肩越しに見下ろして笑む彼女に、わたくしも応える。

 まずはこの興行を無事に終わらせる。わたくしの本懐はその後だと。

 幸いにして彼女も乗り気です。わたくしが忠実に今の職務を果たしたなら、彼女は必ずやわたくしの望みに応えてくれる。……そう断言できるだけの友誼を結んだ自負がある。

 

 わたくしとしたことが、きっとリアルとも然程変わらないだろう年端も行かない子供に、随分執着したものです。

 ですがこの軽い小柄こそ、わたくしが最初に勝利を渇望した最大の強敵。

 最早彼女なくしてこの世界に彩りはありえない――そう断言できるほどの、わたくしの好敵(とも)

 

 彼女はきっとそれを口にはしないでしょうが……それでも構いません。

 ええ、無事終わらせてみせますとも、貴方の晴れ舞台を。

 それを邪魔立てするものは何者であろうと許しません。

 そうして後顧の憂いなく約定を果たした暁には。

 

 ――貴方の全身、余すことなく粉微塵にして差し上げましょう。

 

「楽しみですね、ヘイさん」

「……なんか、ゾクッときたんだけど」

 

 ……うふふ。

 

 

 To be continued

 

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