軽い少女   作:ふーじん

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反撃の狼煙

 ■地上一〇万メテル上空 不可侵領域

 

 結果の芳しくない地上の様子を見て、【グランドバァン】は妥協することにした。

 経験則から人間は獲得リソース量(旨味)が多いことを知っており、それが一所に大勢集まっている地上は滅多に無い絶好の餌場ではあったが、存外の粘り強さを見せるそれらに拘泥することの愚を【グランドバァン】は理解していた。

 眷属の投下に消費したのは衛星の一割未満ではあるが、()()()()()にこれ以上手間をかけるのは割に合わないとソレは考えて妥協して……次善策の実行を図る。

 

 そのために【グランドバァン】は残った衛星の四割を集結させ、起点指定で発生させた()()()によってそれらを圧縮結合させる。

 総量で言えば惑星(本体)を上回る数の衛星へ圧縮に圧縮を重ね……直径六〇〇メテル程の固体を形成した。

 しかしそれは見た目通りの代物ではない。元はキロメートルを超える物量をその直径にまで圧縮せしめた極小規模の中性子星とも言うべき()()()()()()()である。

 その質量たるや筆舌に尽くし難く、地属性魔法によって強度までもが強化されたそれは、およそ尋常の手段では破壊不可能とすら言える物理の暴力そのものだった。

 

『KYU、KYU! KYU~~♪』

 

 楽しげに聞こえる声を伝達物質の無い不可侵領域で発しながら準備を整える【グランドバァン】。

 ほんの数十メテル上空からでも落とせば大破壊は免れないそれを、あろうことか地上に向けて配置し……それと着弾指定地点までの間に()()()を結ぶ。

 捕食端末である【セル・バァン】の目標地点までの正確な投下と、そこからの回収に用いる()()()()()()を設定。

 己の構造体に限定して可能な超長距離重力操作をソレは終え、いよいよもって超強度超質量物体の投下を開始する。

 

『KYU、KYU、KYU!』

 

 そう、【グランドバァン】は()()()()()()()()()()()()を諦めた。

 代わりに地上に張られた薄闇では防げないであろう只々純粋な巨大質量を投下して、地形破壊からの構成物質の回収に専念することにした。

 妥協したリソースの方も【セル・バァン】経由で得るよりは実入りが減るが……それでも多少なりとも確保できる。

 

 ――これで地上を一掃してから改めて眷属を投下し、存分に回収に専念すればいい。

 ――そうして己をより拡大したなら、餌場を移して今度こそ生物のリソースを入手しよう。

 

 人間の言葉にすればそんな思いで、ソレは地上に向けて真っ直ぐに落下する超巨大隕石を見送った。

 

 【グランドバァン】の主観では妥協の産物でしかない次善策。

 しかし地上の生物にとってはまさにこの世の終わりとしか思えない光景がそこにあった。

 

 

 ◇◆

 

 

 □地上

 

 その一部始終を【ヘリオス】のモニターで見ていた人間達は、今度こそ終わったと蒼白を通り越した破滅的な顔色で絶句していた。

 あまりに荒唐無稽な光景すぎて、逆に現実を疑って呆ける者すらいる。

 しかしそれを直接観測するおてんとにはそれが紛うことなき現実であることが突きつけられていて、最早ほとんど気絶寸前の有様だった。

 

「あうあうあう……あばばばば、ど、どどどど、どうすれば~~~~!!?」

「これは流石に……クレイジーすぎるね!!」

 

 常に自信に満ちた笑顔を絶やさないGA.LVERですらも引き攣って冷や汗を流す。

 その彼ですらそうなのだから、戦う術を持たない一般市民などは言うまでもない。

 【セル・バァン】の襲来までは<マスター>を始めとする実力者達の尽力もあってかろうじて統制が取れていたものの、間もなくこの地上を襲う絶望を前についに決壊する。

 

「あ、おい、ま……ヤバい、完全に暴動した!」

「無理もねぇよ、こんな状況じゃ……。……俺も流石にそろそろトンズラすっかな……」

 

 先刻までの避難誘導の甲斐などまるで無く、誰もがパニックに陥って最低限の目的すら見失って右往左往する。

 今はまだかろうじて人同士の争いは防げているが、それも時間の問題だろう。

 

(先に心が折れましたか。……いえ、寧ろよくぞここまで保ったと言うべきでしょうか。他に行くあてのないティアンはともかく、<マスター>の方は驚くほど協力的でした。概ね善良な方々で、助かっていたのは確かなのですが……)

 

 最早統制など望むべくもなく、ここまで尽力していた<マスター>達も諦めてログアウトしつつあるのをステラは惜しみながら見送り、

 

(……だからこそ、惜しい。()()()()()()()()()()()()というのに……)

 

 内心で他者には信じ難い言葉を紡ぎながらも、この状況では伝えても無為と悟って已む無く諦めかけた、そのとき。

 

「――やぁやぁ皆さん、少しは落ち着いてはどうかな?」

 

 そんな、この状況にはあまりに似つかわしくない飄々とした声が響いた。

 

「今更慌てたところで、常人の脚じゃあどこに逃げたところで結果は同じさ。ならばせめて、心静かに時を待つべきではないかい? 『今日が世界最後の日だとしたら、キミはどう過ごす?』なんて……きっと一度は考えたことがあるだろう? 今がその時さ」

 

 その声は朗々と周囲一帯に響き渡り、人々の裡に染み渡っていった。

 聞くものに心地よい1/fゆらぎの声音で、状況を皮肉りながらもそれが何気ない日常かのように放った言葉は、逆に人々に冷静を取り戻させる。

 

 誰もがパニックに陥った今の状況だからこそ、たった一人の冷静な声はよく響いた。

 まさしく鶴の一声で場に冷静を取り戻したその声の主は――赤い。

 全身赤一色の紳士服姿をした赤い男は、冷静というよりは無気力にすら見える白い婦人を連れて人々の間を割って進み出た。

 

「……Mr.ハートレス」

「やぁ、先日振りだね。今まで状況を静観してたんだけど、いよいよもって大惨事のようだからね。ついつい出しゃばってしまったよ」

 

 「お邪魔だったかな?」などと悪戯っぽくウィンクしたハートレスに、ステラは嫌悪を隠せない。

 しかしそんな反応すらも愉しむようにニタニタと笑うハートレスは、大仰に手を広げると周囲をぐるりと見渡した。

 

「……とまぁ、まさしく絶体絶命の危機だけどね。どうやらこちらの淑女には腹案があるようだ。どうだろう、どうせ不可避の絶望なら、最期に耳を傾けるくらいはしてもいいんじゃあないか? なぁに、自棄になるだけならいつでもできるんだから!」

 

 そう舞台で演じるように謳ってみせたハートレスに、人々はぽかんと呆気に取られたようだった。

 <マスター>の中には口上虚しく見切りをつけてログアウトする者もいたが、ティアンの方には効果覿面なようで、先程までの恐慌は鳴りを潜め、短い間ではあるが言葉を伝える余地が生まれていた。

 

(……彼らから精神系の状態異常が取り除かれている。……彼の仕業でしょうか? いえ、今は……)

「さぁさぁ、レディ。是非ともお考えを聞かせていただきたい。皆、キミの言葉を待っているよ!」

 

 訝るステラの内心を知ってか知らずか、ハートレスは貼り付けた笑みをそのままに仰々しく頭を垂れた。

 見目麗しい容貌と奇抜ながらも品の良い装い、そして心地良く通る声でその振る舞いは非常に絵になっている。

 さながら舞台演劇の一幕のような光景でお膳立てされ、ステラは内心の不信感はともかくとしてこの好機を利用することにした。

 

「では、――――」

 

 ◇

 

「……そんなことができるのか?」

 

 ステラの腹案を聞いた<マスター>の一人が、信じられないといった表情で問うた。

 他の人間もほとんどが彼と同様の表情をして、その問いに思いを同じくしている。

 例外はステラと親しい黒猫と、彼女と直接手合わせしたGA.LVERくらいのもの。

 流浪の<超級>として有名なステラの噂を知る者でさえ、俄には信じ難い様子で固唾を呑んでいた。

 

()()()()。先に【獣王】との交戦経験が無ければ断言はしかねたでしょうが、おてんとさんの観測データが確かならわたくしの()()()()()です」

 

 そんな周囲の視線にステラは断言し、涼し気な表情を保っていた。

 見た目には戦いとは縁遠そうな深窓の令嬢然とした佇まいのステラだが、放つ気迫は歴戦の勇士をして怯む程の覇気。

 その異様なギャップが却って信憑性を増しているようにも見えた。

 

「差し当たっては……GA.LVERさん」

「ああ」

「そしてヘイさん」

「おう」

「御二人の協力が必要です。よろしいですね?」

 

 尋ねてはいたものの、それは最早決定事項だった。

 指名された二人もそれを承知して首肯する。

 次いでステラは他の<マスター>に向き直って宣告する。

 

「他の方々には申し訳ありませんが、力不足です。この場で待機をお願いします」

「まぁ、それは……そうだな。アンタの言う策にゃあ、とてもじゃないがついていけそうにない」

 

 冷酷すぎるほどに端的な戦力外通告だったが、誰もそれを否定しない。

 寧ろ同行を求められた方が困るとでも言いたげに、ステラと視線が合うたび皆が顔を背けた。

 

 ティアンに至っては今もステラの告げた作戦が呑み込めないでいて、己が耳を疑って何度も目を瞬かせている。

 それほどまでに荒唐無稽。暴論の極みとすら言える強攻策に、最早理解を手放して静観に徹さざるを得ない状況だった。

 

「よろしい。……おてんとさん、目標の着弾まではあと如何程でしょう?」

「二分……いえ、一分三〇秒を切りました! ちゃ、着弾まで間もなくですうぅぅぅ!!?」

「残り三〇秒からカウントダウンをお願いします」

 

 悲鳴を上げるおてんとに涼やかにそう告げてステラは空を仰ぐ。

 既に巨大隕石は目視可能なまでに接近している。

 対象が巨大なために距離感が掴めず、その落下速度もゆっくりに見えるが……それは自身の巨大質量と自由落下によって恐るべき()()()()()()()を蓄えている。

 大気圏内での空気抵抗による減速、あるいは空気圧縮によって生じたプラズマにも欠片も損なう様子を見せず、形成直後の形そのままに大地を破壊せんと迫っていた。

 

 もしこれの激突を許せばこの街どころか超広範囲に渡って周辺地形は修復不可能なまでに破壊され尽くすだろう。

 それによる悪影響は単なる都市の壊滅に留まらず、カルディナとの国境近いこともあって数々の重大事を引き起こすことは必至。

 直下に位置する生物に至っては、今更どう足掻こうとも着弾と同時に蒸発は免れず、本来であればどうあっても詰み……為す術もないこの世の終わりも同義だった。

 

「…………」

「おい、メスゴリラ」

 

 唇を引き結んで隕石を見仰ぐステラの横に黒猫が立って脇腹をつつく。

 振り向くステラに黒猫は、【グランドバァン】の襲撃から初めていつもの悪戯っぽい笑みを浮かべて、

 

「期待してんぜ。あたしの晴れ舞台から今だけ主役を奪うんだからよ、ヘマこいたらヨーシャしねーじゃんよ」

「……ふふふ」

 

 素直じゃない激励に、ステラは慈しむような微笑を湛えて頭を撫でて力強く答える。

 

「ならば篤と御覧下さいませ。わたくしの()()を」

「気張れよ、()()()

 

「目標補足! か、カウントダウン開始します……!!」

 

 おてんとのカウントダウン開始と同時、二人は動いた。

 

「《心魂奪命圏・神楽殿》!!」

 

 黒猫が【シェイドプリンター】によって実体化させた影を組み上げ、高さ一〇〇メートルにもなる大舞台を構築する。

 幾重にも土台と柱を組み合わせ、本来脆弱な強度を最大限補いながら、その天頂に人一人が着地可能な分の足場を置いた。

 

「参ります」

 

 そこへステラが跳び乗ると、視界を埋め尽くすまでに迫った巨大隕石を前に、まるで臆しもせず両手を掲げて――、

 

 

「――《震世界(テュポーン)》」

 

 

 ◇◆

 

 ■不可侵領域

 

 ソレは過たず策を実行した。

 

 極限まで圧縮した質量は恐るべき強度を誇り、大気圏での空気抵抗にも砕けず、燃え尽きず、全く損なうことなく一直線に地上へ着弾した。

 

 その知覚の次の瞬間にも大破壊と呼ぶのすら生温い超破壊が炸裂し、生じた爆熱と爆風は遍く地表を舐めて全てを破壊し尽くすだろう。

 

 【グランドバァン】にとっても数える程しかない《大彗星》の行使。

 あまりに規模が巨大すぎるが故に如何なる未知の脅威を呼び起こすともしれないことから、臆病な【グランドバァン】は滅多に切ることのなかった一手。

 長きに渡る封印からの解放直後で、極限まで飢えでもしていなければあり得ない一手だからこそ、使ったからには必ずや根絶やしにすると決意して放った覚悟の一撃。

 

 およそこれまでの行使において、これを耐えた目標はいない。

 ありとあらゆる状況を味方につけた上での過剰に過ぎる一撃だからこそ、ソレは満を持して次なる捕食へ臨もうとしていた。

 

 だが……、

 

『…………KYU?』

 

 静かだった。

 元より音を伝達するはずもないほぼ真空の無重力空間に近い領域だが、ソレの視覚に映るはずの超破壊の光景が見えない。

 

 あるいは久方振りの行使で着弾までの予測時間を見誤っていて、間もなく着弾するのかと思って推移を見守るが……一向に変化は訪れない。

 

 まるでそこで《大彗星》の時間が止まってしまったかのように、沈黙。

 

 それは【グランドバァン】をして全く未知の、理解し難い現象だった。

 

『KYU? KYU? KYU? ――――!!!!!』

 

 あまりに異様な光景に【グランドバァン】は俄に状況が呑み込めず疑問の声を数度上げたが……次に見えた光景に絶句する。

 

 ソレが見た光景は――、

 

 

 ◇◆

 

 □地上

 

「おいおいおい……マジか。これ、マジ?」

 

 その光景を見ていた誰かが呟いた。

 己の目に映った光景がまるで理解できず、何度も目をこすっては見上げ、幾度となく現実を疑いながら確認して……それが紛うことなき現実であることを思い知る。

 

「――星を……、()()()()()()()()……!!」

 

 地表を破壊し尽くさんとしていた巨大隕石は、地上一〇〇メートルで()()していた。

 その直下には両腕を広げて踏ん張るステラの姿があり……地上一〇〇の舞台の上で、彼女は()()()()()()()いた。

 ソレが本来炸裂させるはずだった測定不能なまでの超暴虐的運動エネルギーの全てを、余すことなく呑み込みきって。

 

 直径六〇〇メートル対身長一六八センチメートルの、比較すら烏滸がましい大小激突。

 それを制したのは、象と蟻の比較ですら足りない絶望的不利を強いられていたはずの――ステラ()

 

 【星震撃 テュポーン】の必殺スキル、《震世界(テュポーン)》で出力を大幅に上昇させることによって通常ならキャパシティオーバーの運動エネルギーを蓄積せしめたステラ。

 過去に無い短時間での超巨大エネルギーの蓄積に悲鳴を上げる四肢に力を籠め、制御を離れようとするエネルギーを全力で統制するステラが叫ぶ。

 

「GA.LVERさん!」

『ああ!!』

 

 応えたGA.LVERの全身は、平時の姿からは掛け離れた()()へと変じていた。

 それを形容するならば、さながら直立二足歩行する()

 西洋竜が特徴をそのままに人体を模したならばこうなるだろうという、燃えるように赤く輝く鱗の()()だった。

 

 その姿を認めた人間――特に黄河の民であるティアンは、即座に己も良く知る()()()()を連想した。

 洋の東西の違いこそはあるが、共に竜種を模した異形なる人型――黄河の守護神、【龍帝】その人を。

 

「おおぉ……あれは、あの御姿は……!」

「――伝承は、本当だったのか……? ガル……!!」

 

 人々の驚愕を他所に、格段に力を増した"人竜"GA.LVERが翔ぶ。

 ステラが受け止めた巨大隕石に接近すると、竜のそれへと変じた四肢で殴り……隕石の一部を叩き割った。

 半円錐形をして数人が乗れる程度の平面をした、しかし恐るべき重量と高密度をした頑強極まるそれをGA.LVERが担ぐ。

 

「うっし、一番乗り! それじゃーおまえら、サポート頼むぜ!」

「あ、あぁ……そうだった、な! よっし、嬢ちゃんにありったけのバフをくれてやれ!!」

「惜しむなよ! ここでMPが枯れてもいい、全力で支援だ!!」

 

 GA.LVERの担いだ石舞台に飛び乗った黒猫が眼下の<マスター>達にそう呼びかけると、我に返った彼らがありったけの支援を黒猫にかけていく。

 特に耐久力や耐性面を重視した各種防護バフをこれでもかと重ねがけして、その持続時間も彼らの限界まで引き延ばしてかけてやると、黒猫は無邪気に笑顔を振り撒いて礼をした。

 

「サンキュー! ステラ、こっちは準備万端じゃんよ!」

「結構。ならばわたくしも」

 

 黒猫の合図に支えていた隕石を適当な跡地へ、運動エネルギーを制御して可能な限り優しく―それでも小規模のクレーターが出来たが―投げ捨てると、ステラも黒猫の立つ石舞台へと相乗りする。

 そして傍らに立つ黒猫、足場を支えるGA.LVERに向けてステラが口を開いて言った。

 

「ここからは時間の勝負です。次弾用意の余裕を与えぬうちに()()します。お覚悟はよろしいですね?」

「じょーとー! ここで降りる選択肢はあたしには無いぜ。あのクソ隕石ヤローはあたしがぶっ殺してやる!!」

『こちらはいつでもいけるとも! 覚悟も――今更言うまでもないだろう?』

「大変結構」

 

 返ってきた答えにステラは満足そうに笑むと、足場に膝と手をついた。

 そしてここまで大役を担ってきたおてんとへ視線を送って、

 

「これよりわたくしは制御に専念します。おてんとさん、カウントダウンを」

「は、は、はいぃ~~~~~!! か、カウントダウン開始します!! 十秒前――、九、八、七、六――」

 

 最後にして最大の役目を負ったおてんとが再びカウントダウンを開始する。

 誰もが緊張に固唾を呑んで見守る中、おてんとの声だけが響き渡りその時を待つ。

 

「三――、二――、一――」

「――今です!!」

 

 おてんとの告げるカウントがゼロを示そうとした瞬間、ステラの号令が響き――、

 

『雄々ォオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!!!!!』

 

 猛るGA.LVERが雄叫びを上げて全力で石舞台を上空へ投げ飛ばした後、瞬時に飛んで二人の待つ足場へ同乗し――、

 

「――ゼロ。……は、発射ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!???」

「《震世界(テュポーン)》――《超々加速推進(オーヴァード・ブースト)》、点火――!!」

 

 ――おてんとがゼロを告げたその瞬間、ステラはテュポーンに溜めたエネルギーを()()した。

 

 

 ◇◆

 

 

 ■不可侵領域

 

 【グランドバァン】は目を疑う光景に絶叫した。

 

 地上を破壊し尽くすはずの一撃が()()()()()()()()()――剰え()()()()()異常極まりない現象に。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()、己の位置する不可侵領域へ踏み込まんとする星の欠片――()()()()()()()()()()

 

 一寸足りとて萎えていない滾るほどの敵意と殺意を宿した六つの視線に射抜かれ――ソレは狂乱する。

 

『KYUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――!!!!!?????』

 

 こんな光景は知らない――想像できるはずがない!!

 

 歴戦をしてあり得べからざる光景に、【グランドバァン】は絶叫する。

 

 かつて地上にいた頃は幾度となく味わい、この領域に居を移してからは時折光属性攻撃が迫ってくる程度でしか感じることのなかった脅威の気配。

 

 驚愕の度合いで言えばかつて己を封じた【封神】の奥義にも勝る、あまりにも暴力的な光景に【グランドバァン】はひたすら恐怖した。

 

 

 ◇

 

 

 超巨大隕石を()()()()

 

 その欠片を()()()とし。

 

 蓄えた運動エネルギーを推進力に変えて()()()()()()()()()……暴論に暴論を重ねた()()()

 

 果たしてその大役に臨むはこの場に集った三つの<超級>。

 

 彼らは絶対なる反撃の意志を胸に、遥か彼方の破壊遊星を睨め付ける。

 

「「「――――!!!」」」

 

 誰が呼んだか【オペレーション・アルマゲドン】。

 往年の名作に肖った一大反撃作戦が実行される。

 

 

 ――反撃の狼煙は遡る流星の如く上げられた。

 

 

 To be continued

 




(・3・)<ゆゆうじょうパパワー!!
(・3・)<諸々の詳細は次回にて
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