「実は、私の本名はダスティネス・フォード・ララティーナ・・・・・・まあ、そこそこ大きな貴族の娘なんだ・・・」
屋敷に戻ったダクネスは俺達にそう語る。
しかし、俺の記憶が正しければ、ダスティネス家といえばこの国有数の大貴族――――『王家の
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れいか「お兄さまぁん♪」
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・・・・まあ残念なお嬢様がいてもいいよね!
そんな折、アクアが疑問を呈する。
「じゃあ、ダクネスの家の子になれば毎日ゴロゴロ贅沢三昧できるって事!?」
「貴族には貴族の責任がある・・・・甘えは許されない」
「なんでよー!あの領主だって見るからに贅沢三昧じゃないのー!」
「許されない」
「いや、確かに許されない事ではあるが、なぜサトシがそれを語るんだ・・・?」
疑問って程でもなかった。
というところで、今度は和真が口を開く。
「ダクネスお前・・・ララティーナなんて可愛い本名だったのか!?普段、うむ、と、そうだな、みたいな真面目くさった口調なのに!」
「ら、ララティーナと呼ぶなあ・・・・・っ!」
涙目になったダクネス可愛い。
「・・・・まあ、どんな家の出だろうとダクネスはダクネスです。私は今までと同じように接しますよ・・・・・というかあまり実感が無いですし」
「めぐみん・・・・・・いや待て。人の告白を実感が無いで片づけるな。私としてはけっこう真剣な秘密なんだぞ?」
―――確かに突然の告白だけどさ・・・
「私も信じるわ!実は私、本当に女神なのよ!仲間がお嬢様だったくらいじゃ驚かないわ!」
「「そうなんだ、すごいね!」」
―――信じてもらえなくて話半分に流されてるこれが女神アクアなんだよなあ・・・
「・・・まあ、前から世間知らずなところもあったし、ダクネスがお嬢様ってのも納得できる。俺は信じるよ」
「カズマ・・・・って、やっぱり私は世間知らずだと思われていたのか!?」
―――
しばし間を置いて、和真が口を開く。
「・・・ところで、あのオッサン、後で軽い要求はさせてもらうとか言ってなかったか?・・・・本当に軽い要求だとは思えないけど」
「うむ・・・あの男が私にどんな鬼畜な要求をするのか興味深いが、今回は壺一個の弁償を保証しただけだ。この程度では私自身にはそれほど期待できないし、実家の方にも大した要求は出せないだろう」
「ところどころに本音が出てるのはともかく、それならあまり
「・・・家出してきてからあまり連絡はしていないが、流石に今回の一件で居場所は知られるだろうな・・・家の名前を出したのはともかく、実家に戻されることもありうるな・・・・・・」
―――ちょっぷ。
「ちょっ、サトシ!?」
―――家族だろうが。もっと親を大切にしろよ!それを自分から・・・・・
「え、ええと?家族を大事にしろ、って事でいいのか?」「多分あってる」
こうなるとダクネス達の親子関係が心配になってくる。これは一度ダクネスの三者面談をしておきたい。よし、しよう。
「実家、どっち」
「え?アクセルの街からはさほど遠くないから、やろうと思えば日帰りできる程度の場所にあるが・・・」
俺はダクネスを抱えたまま『クリエイト・フリーズホース』で騎馬を出現させた。
「ま、待て。まさか今から私の実家に行くのか?何のために?」
「三者面談」
「や、やめろぉ!実家いたのでは私の理想には届かないんだ!」
―――理想?
「ああ、前にも言ったと思うが、私は冒険者として強敵と戦い、そして敗れ、そして無残に・・・・・・んんっ」
―――よし、面談しよう。
「あああ~っ・・・・」
そうして俺達は、ダクネスの実家へと走りだした。
「あ、俺としてもダクネスの親御さんと話したいから一緒に行ってもいいかー?」「それじゃあ私も行きたい!」「二人が行くのでしたら私も」
やっぱり三人も連れていくことになった。
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「君達が、ララティーナの冒険仲間だね?近頃話題になっているという・・・・」
お嬢様を抱えて貴族様の屋敷までひとっ走りし、ダクネスの顔パスであれよあれよという間に屋敷の一室に通され、そこで壮年の男性からこの言葉を投げかけられた。
彼はダスティネス家現当主でありダクネスの父、ダスティネス・フォード・イグニスだろう。悪い人ではなさそうだ。
「初めまして。自分は日頃ララティーナお嬢様にお世話になっている、冒険者のサトウカズマと申します。こちらにいるのが、同じくお嬢様の冒険仲間の、アクア、めぐみん、アマミサトシです。この度は、故あってこちらで勝手にダスティネス家の名前を使わざるを得ず、その謝罪をと・・・」
「ああ・・・実は、その事は既にアルダープから聞いているんだ・・・・」
―――え?
「彼の家の壺を依頼の際に誤って破損し、その返済をダスティネス家が保証した・・・ということでいいのかね?」
「た、確かにそうです・・・しかし、それは今日の話なのですが、もう連絡されたのですか?」
「うむ・・・・・・ララティーナも怪しいと思うか・・・あちらは、アルダープの息子との見合いを要求してきたのだ。あの男の子供とは思えないくらいには良い男だと思うのだが・・・受けるか?」
子供なんていたのか・・・流石にあの男がダクネスと結婚する、みたいなのは無理があるだろうが、あくまで見合いか。それならまあ受けてもいい・・・・ように思えるが、これが何かしらの悪魔と契約した男の要求だと思うと話が変わる。
高位の悪魔であれば、通常の魔法では再現不可能な不可思議な現象を起こすことさえ可能だという。壺が割れたときの状況を考えると、向こうはその手の能力で壺を割らせた、あるいは俺が割ったとしか思えない状況を作ったと考えるべきか。
まだその能力の全容が掴めないが、本当にダクネスがその良い男とお見合いするとは限らない。何か対策でもしておきたいが・・・・
・・・そうだ。
「アクア」
ダスティネス卿が席を外したタイミングで話しかける。
「何?私としてはダクネスの家の子になって贅沢三昧したいんだけど」
「・・・・護符作る」
「デコピンしながら言う!?・・・まあ、挨拶に来たんだからおみやげの一つくらいは必要よね。女神アクアの名に恥じないグレートな護符を作っちゃいましょ!」
その発想は女神アクアの名に恥じないのか・・・
ともあれ、アクアには強力な魔除けの効果を護符に込めてもらおう。術式とかはこちらで準備するとして、素材は・・・・この屋敷でもらえたりするかなぁ・・・・
「・・・・・・なあ、サトシ」
和真が話しかけてきた。何だろう。
「ダクネスって、本当にお嬢様だったんだな」
―――このタイミングで!?
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「ダスティネス卿」
「ん?君は確か・・・サトシ君だったか。何か用かな?」
「何か、護符の作成に使える、材料・・・・ありますか?」
「護符・・・・・ララティーナを心配してくれているのか?嬉しいことだ・・・しかし素材・・・・ふむ、魔道具なんかに適した特殊な絹がいくらか余っていた筈だが、術式を描くための道具や素材はないな。タダ・・・という訳にはいかないが、いずれ代金を払ってくれるのならそれでいい。それでいいか?」
「ありがとうございます」
良かった。加工は俺が持っている道具で出来るから、護符の作成は可能だろう。どこまでやれるかは俺とアクアの頑張り次第だが・・・・・・
「・・・・・・・・」
―――ダスティネス卿?
「・・・・いや、な?その、正直に答えて欲しいのだが・・・ララティーナは、妙なことを言って、君達を困らせてはいないか?例えば、敵陣に無策で突っ込んだり・・・とか・・・・・・」
あっ、この人、娘の性癖について真剣に悩んでる奴だ。すさまじく良い人だ。
確かにダクネスの言動にはしばしば頭を悩ませている。主に和真が。それを正直に伝えるのも選択肢としてあるが、そうすればダクネスはいよいよ実家に強制送還されるのではないだろうか。人の願いを
「彼女の頑丈さには、常々助けられています」
「質問の内容に触れないということは、つまりそういうことなのだな?ああ、頭が痛い・・・・・」
「た、楽しそうにしてますから・・・」
「む、むう・・・・・・なら、もしララティーナが危険な・・・というか、後先考えない真似をすることがあれば、その時は止めてくれるか?」
―――了解しました。
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君咲学院3-A所属。金髪に紫の瞳のナイスバディ。
茶道部長にして前生徒会長、そして円城寺グループの令嬢。
兄が複数いるが、彼らからは溺愛されている。その影響で凄まじいお兄ちゃん子になり、主人公はその兄代わりとしての立ち振る舞いをマスターした。年上の仮の妹というシチュエーションがおかしい?考えるな。感じるんだ。
あんずが転校する前に不登校になった一因といえる。詳しい説明は省くが、あんず本人は彼女が悪いとは思っていない。実際主な責任は馬鹿な大人達にあると言ってもいいが、れいかは自主退学も考えるくらいには負い目を感じていた。ちなみに彼女が生徒会長を辞めたのはあんずの転校がきっかけ。
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君咲学院3-B所属。茶髪をアップにしている。赤眼。
茶道部員にして風紀委員長。円城寺れいかの取り巻きの一人。
風紀委員としてマウントを取れる間抜けにはサディスティックな性格がモロに表れる、自他ともに認めるゲス。同じ風紀委員の後輩である
家柄はわりとコンプレックス気味。ママのことを馬鹿にした奴ら全員見返してやる。