この素晴らしい世界にアンサンブルを!   作:青年T

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 どうにも本編が行き詰っているので番外編。時系列としては原作4月後期くらいです。
 月2話くらいは投稿したい。


天光あんずの華麗なる日常

 夢ノ咲学院。

 アイドル養成校として名を馳せ、多くの有名アイドルを世に送り出した超有名校である。

 近年、学院は芸能界における発言力の拡大を計り、プロデュース科の設立や全体的な共学化に取り組んでいる・・・のだが、プロデュース科の試験運用と学院初の女子生徒、学院はこれらを一人の少女に兼任させる事を選んだ。

 

 その少女こそこの私、天光(あまみ)あんずなのだ・・・・・・

 

「うわっ!あんずってば顔色悪いよ!?何かあったの!?」

 

 ・・・そして彼は明星(あけほし)スバル。私が最初にプロデュースし、『DDD』という戦いにおいて共に戦った『Trickstar』のメンバーであり、私のクラスメイトでもある少年だ。

 今日は土曜日だけど、今日は学校で彼らのレッスンをする予定が入っていたのだ。

 

「大丈夫・・・私は何ともないから・・・」

「そんな風には全然見えないよ!?俺達には言いにくい事!?」

 

 泣きそうな顔で私に迫る明星君。しゅんと垂れた犬耳と尻尾が見えそうだ・・・

 しかし()()ばっかりは彼らに何も頼ることはできない。本人達の問題なんだろうが、もし()()()()結末になったとしたら・・・

 

「はぁぁぁ・・・・・・・・」

「あんず!?おーい、あんずー?」

 

 そうしていると、横から残りのメンバーがやって来た。

 

「・・・明星、これは一体どういう状況なんだ?」

「あっ、ホッケ~!それにウッキ~とサリーも!あんずってば、俺がここに来た時からこんな感じだったんだ」

「転校生・・・出来れば何があったのか教えてくれないか?そんなお前を見ながらレッスンなんて集中できなそうだ」

 

 そんなサリー ――衣更(いさら)真緒(まお)の問いかけに、私はぽつぽつと答えた。

 

「・・・弟が、知り合いの女の子に呼び出されて、帰ってくるのが数日後って」

 

 その答えに目を丸くする皆。ややあってウッキ~ ――遊木(ゆうき)(まこと)が口を開いた。

 

「あんずちゃん、弟がいたんだねー・・・数日だったらその人のところにお泊まりだろうし、変な事にならないような対策もしてるとは思うけど・・・」

 

 それは私も思っていたし、(さとし) ――弟は自制心が固い方だから大丈夫だろう・・・って思っていたんだけどね・・・・・・

 

「何をやってるのか聞いたら・・・」

「ん?それって返信メール?どれどれ・・・

 

『件名:無題

本文:俺の麗しの姫君は寂しがり屋さんだからね。付きっきりでお世話してあげなくちゃならないんだ。

返信とかはあまり出来そうにないや。』

 

 ・・・・・・何というか、個性的な弟だね・・・」

「うちの変態仮面なら演劇で言うかもしれないが・・・あんずの弟は普段からこんな感じなのか?」

「そんな訳ない・・・・」

 

 聖に聞いた話が正しければ、呼び出したのは3年の四方みつるの筈。彼女はなかなかの王子様オーラを発していたし、ひょっとしたら聖は演劇部に入部する事を検討・・・いや、そんなジェスチャーはやってなかった・・・と思う。演劇部は確かヤコぶ~やちづるちゃんがいた筈だけど、あの子達はどうしているのかな・・・

 

 ・・・クロちゃん達の現状も含めて、そろそろちゃんと言葉で聞くべきかな。

 流石に聖が帰ってこない、なんて事にはならないと思うし、今は自分の仕事をするしかない。

 

「・・・私、今から仕事の鬼になる」

「はあ・・・それで気が紛れるって言うんならいいけど、体調管理もちゃんとしとけよ?転校生」

 

 衣更君の忠告も受けて、私は身体を壊さない程度に仕事マシーンとなった。

 

 

 ────────────────────

 

 

 あれから二日、聖はまだ連絡をくれない。3連休だったとはいえ、そろそろ帰ってこないと学校の方に支障が出そうだけど・・・あ、メールが来た。

 

『件名:今夜帰ってくる。

本文:晩御飯は向こうで食べてから帰る』

 

 普通のテンションの聖だ!良かった!

 それじゃあこっちからもメールしよう・・・

 

『件名:どこに行ってたの?

本文:聖の麗しの姫君についてそこんところ詳しく』

 

 送信・・・っと。

 お、今度はわりとすぐに返事が来た。

 

『件名:ごめんなさい

本文:ちょっとそれを話すのは一部に迷惑がかかるから言えない』

 

 むむ。

 

『件名:それじゃあこれだけは教えて

本文:その姫君さんと恋人とか、そういう関係になった?それともお友達からとかそういう?』

 

『件名:そんな関係じゃないから!

本文:そういうのじゃなくて、もっとこう・・・奉仕作業な感じだから!』

 

 いやいやいやいや。

 

『件名:それすごくアウトっぽい文面

本文:まあ聖のことだから掃除とかそういう奉仕なんだろうけど』

 

 そのメールを送ってから、聖の返事は妙に(とどこお)った。これは怪しい。

 とりあえず、こっちから話題を振ってみるか。

 

『件名:演劇部について

本文:そういえば演劇部って今どんな感じなの?ヤコぶ~とかが居た筈なんだけど、元気にしてそう?』

 

 ややあって、聖からの返事が来た。

 

『件名:微妙

本文:湖南(こなん)やこって人なら、演劇部の部長らしいけど今は停学くらってるらしい。

副部長の八雲(やくも)ちづる先輩が今は頑張ってるけど、四方(よも)みつる先輩にお熱な感じ。演劇の内容も彼女を王子様役に起用したラブロマンスが多い。

そして2年の遠見(とおみ)ちかちゃん。技術担当だけど甘えたがり。面識無さそうだけど説明いる?』

 

 そっか・・・・停学かぁ・・・・退学じゃないだけマシ、って考えるべきなんだろうか。

 そしてちづるちゃん、自由だな・・・ヤコぶ~が帰ってきたらどやされるんじゃないかな。

 で、2年の子。問題児の予感がする・・・暇な時間があったら見に行きたいな。

 

『件名:大丈夫

本文:どうせなら直接見に行きたいんだけど、そんな機会ありそうかな?夢ノ咲の演劇部の知り合いもいるし、名目は何とかできるかもしれないけど』

 

『件名:どうだろう

本文:今のところとりたてて演劇部と親しいっていう訳じゃないけど、今度ちづる先輩にあったら聞いてみる。』

 

 ん?今回のお泊りに演劇部が関係してるのかも、って思ったけど、この様子だとそれはなさそうだ。

 

『件名:わかった

本文:ひょっとしたら街で不意に出会うかもしれないし、無理に予定を入れて貰わなくてもいいからね。

それじゃ、気をつけて帰ってきてね。』

 

 

 さて、それじゃあこの名探偵あんずが、聖を呼び出したのが誰なのか考えてみよう。

 あの王子様メールを送ったとき、聖はおそらく精神的に王子様な状態だった筈だ。聖はすごく純粋な性格だし、()()振る舞うように頼まれていたのがメールにも影響したのだろう。

 そしてそんな事を頼む人物が、四方さんかその知り合いにいると・・・辛うじて思いつくちづるちゃんは無さそうとなると、他にやりそうなのは・・・・・・

 うん、迷探偵あんずには見に余る難事件だこれ。今後じっくり探っていくしかないか・・・

 

 これから弟に訪れ、私も無関係でいられる気がしないドタバタを思いながら、私は家の掃除を始めた。




明星(あけほし) スバル
 夢ノ咲学院2-A所属。オレンジのカジュアルな髪型に青い眼。
 ユニット『Trickstar』に所属している。お金が大好きだが、理由は『キラキラしてるから』。わりと独特なネーミングセンスを持っており、飼い犬の名前は『大吉』。あだ名をつけるのが趣味。
 あんスタのアプリは2頭身の彼がアイコンを務めており、メインストーリーでも最初に出会い、共に生徒会と戦うことになる。


氷鷹(ひだか) 北斗(ほくと)
 夢ノ咲学院2-A所属。七三分けをやや崩したような黒髪に青眼。
 『Trickstar』のリーダー。努力家で完璧主義だが、おばあちゃんの事を尊敬している。金平糖を好むなど、要所要所で年寄りめいた言動も。金平糖下さい。


遊木(ゆうき) (まこと)
 夢ノ咲学院2-A所属。わりと(ひたい)広めのカジュアルな金髪で瞳は緑。
 『Trickstar』のメンバーで情報収集が得意。明るい性格で通しているが、女の子と話すのが苦手だったり、キッズモデルの仕事にトラウマがあったりする。ゲームとかやる方。
 瀬名泉(クレイジーサイコホモ)を避けている。


衣更(いさら) 真緒(まお)
 夢ノ咲学院2-B所属。ワインカラーの髪にライトグリーンの眼。
 『Trickstar』のメンバーで苦労人枠。バスケ部副部長や生徒会の仕事もしている。休め、と主人公が言える立場ではない。
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