『IS原作の妄想作品集』   作:ひきがやもとまち

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*説明忘れてましたが、今作は作者が昔書いた【IS学園の言霊少女】を下地として書かれた作品ですので、元ネタ二次見ないと分かり辛い不便な仕様になっております。


IS学園の言霊少女から《インフィニット・ストラトス》に来た男

 

 ――ある朝、目を覚ますと。俺は黒一色の通路の中を一人で歩かされていた。

 なぜ歩いているのかは分からない。何処に向かって通路を歩いているのかさえ分からない。

 なにも分からないのに、何故だか、歩かなければいけない。進まなければいけないという想いだけが胸の中から若き上がってきて、俺は何時間もの間ひたすらに、この暗い暗い通路の中を、ただ延々と歩き続けて今に至っている――。

 

 やがて歩き続けていく中で、色々なことを思い出せなくなってきてしまった自分に気がつく。

 何かを忘れて、何を忘れたのか思い出せなくなってしまい、忘れた何かと一緒にいた誰かのことも次々に忘れてしまって、思い出せなくなった後には気にならなくなる。・・・その繰り返し。

 

 そして俺は、ふと――俺とは誰だったか?という疑問を抱く自分に気がついたとき。――通路の先に灯火が見えた気がしたのだ。

 

 灯火に向かって歩み寄っていった俺は、光に近づくにつれ通路が狭苦しい造りになっていっていることが分かってきた。

 まるで洋服をしまった押し入れの中のように、暗闇で形の見えない服がいくつもハンガーに掛けられ、通行者の行く手と視界の上半分を遮り続け、前屈みの姿勢になって進んでいった先に―――光が漏れている半開きの扉があった。

 

 その扉へと歩み寄った俺は、ドアノブに手をかける。

 

「・・・・・・」

 

 ―――そして無言のまま、懐に手を入れて一枚の手拭いを取り出すと丸い球状になるよう握り直す。

 

 そして・・・・・・バタン!!と音高く扉を開けた瞬間に、ポイッと手拭いを先に扉の外へと放り投げ――1,2,3,4・・・5ッ!!

 

「とうッ!!」

 

 飛び込み姿勢で頭を低くしながら扉から飛び出し、着地と同時にでんぐり返しの要領で前方へと三回転ほど転がった状態で進んだ直後に立ち上がって、即座に横っ飛び!!

 

「――む。誰もいない、か。てっきり槍衾で仕留めてくる算段かと思ったのだが・・・」

 

 扉を開けて入ってくる敵兵を待ち受けさせるため、伏兵が廃されているものとばかり思ったのだが、杞憂であったらしい。

 かつて京都の治安維持を担う新撰組が、不逞浪士が立てこもる家屋へ踏み込んだ際、待ち受ける側の浪士たちは敵が入ってきた直後に数人がかりで槍を突き出し、槍衾の滅多刺しで攻め込んでくる側を迎撃する兵法を多用したと聞く。まさに天晴れな武士道なり。

 

 戦とは殺し合いであり、首の掻き合いに道理なぞなく、使える手は何でも使ってこそ相手の覚悟に応えることが出来るというもの。

 

 武士の礼とは斯くありたいと俺は常々思っていたものだ。―――多分!! なんか思い出せなくなってきたので微妙なのだが、多分そう思っていたような気がする。

 ならば俺は、そう思っていたのである。分からぬ時は、ただ突っ走る。

 日ノ本の男子たるもの、突っ走ることしか知ってはいかん。そんな気がするのだ、なんとなくの話だが。

 

 そして、自分が立てた騒音が収まった後。

 その音に呼び寄せられたらしい別の足音たちが、此方へ向かってドタドタ騒がしく駆けてくるのが感知できた。

 

『なんだ今の音は!? なにが起こって――なっ! こ、こいつぁ・・・・・・っ』

『アイツ! どうやって逃げ出しやがったんだ!? 探せ! まだ遠くに入ってないはずだ!』

 

 スーツ姿の男たちと、若干名の女子が混じっている集団が乱入してきた時。俺は当然、近くの物陰に逃げ込み、相手の数と装備と技量を推し量るため息を潜めて隠れ潜んでいた。

 敵の数も分からぬまま戦を仕掛ける阿呆は居らぬ。攻めるべきは攻め、攻めたからには勝つ。それが戦ぞ。戦は勝って終われねば、戦う意味など微塵もなし。

 

『畜生! 姉が姉なら弟も、ただのガキじゃなかったって事か! あの“クソガキ”めッ!!』

「・・・・・・」 

 

 黒づくめに、黒き帽子。黒い色グラス・・・・・・現代に生きる密偵のごとき風体をした男たちだったが・・・・・・俺を探し出すため四方に散る際、懐から得物を捕りだして構える姿を目視することが出来た。

 ならば――あとは簡単だ。楽な戦である。

 

「応。お前らの探し人は、俺かい?」

『ッ!? ガキッ! いつの間に――殺』

「遅ぉぉぉっい!!!」

『な!? は、速――ッ!?』

 

 それだけ言って、俺は駆けた。――敵のいる陣に向かって、突っ走りはじめる!!

 自分たちが探す敵から声をかけてくるとは、『お前を殺す』と告げるときの声!

 殺める覚悟、殺めるための道筋を全て決めた後であるが故に放つ、終いの言葉!!

 それを言われた以上は、逃げねば死ぬ! 逃げられねば死ぬ! 逃げ延びられねば死ぬしかなし!!

 

 此処が何処で、俺が誰なのかもサッパリ皆目見当つかず! 夢か現実か何も分からぬ現状なれど!

 敵を前にして、殺すための得物を抜いて構えたからには、勝ち負け定めぬまま収まる刃は存在せず!!

 

「おおおぉぉぉぉぉッ!!! その首置いて――痛てっ!?」

『『――へっ・・・?』』

 

 ずてんッ!! ドシャ―――ッ!!!!

 

 ・・・・・・いかん。敵陣まで駆けてく途中で転んでしまった。額を切って、鼻を擦りむいてしまったかもしれない。

 と言うか、何やら身体が思うように動かない上に、視線が妙に低くて目測を読み違えやすく、腕と足が敵の首に届きそうで届かなそうで、たぶん届かないんじゃないか?という疑惑の方が俺の中で強くなってきていて――って、あれ?

 

「こ、これは・・・・・・俺の身体が縮んでいる!!――ような気がする!! あんま覚えてないから分からんが!

 一体これは、なんじゃコリャ――――ッ!!??」

 

『『・・・・・・・・・』』

 

 俺は未知なる謎の怪奇現象を前にして、雄叫びを上げていた! 上げずにはいられなかったのだ!! 

 何故なら俺の腕が! 俺の足が! 得物を持つべき右腕が!! 俺の記憶にある俺の身体よりも遙かに短く、そして小さく縮んでしまっていたからである!! 多分だがな!!

 昔のことを色々忘れてしまっていて思い出せないため、確かなことは何も言えん!! だが、なんとなく! なんとなく縮んだような気がするのだ! 俺の記憶の中にあるはずの俺の身体よりなんとなく!! こればかりは勘働きしかないっ!!

 

『あー・・・・・・よく分からんが、もういい。このガキは、ただのアホだ。

 適当に足とか腕でも撃って静かにさせとけ。ブリュンヒルデが来るまで死んでなけりゃ、それでいいだろ』

『・・・ですな。それじゃ、Yes.S――』

「ならば、ふんっ!!」

『え・・・・・・?』

 

 身体が思うように動かせないと言うことが分かった俺は、ひとまず今の自分がどれだけのことが出来、何が出来ぬかを確かめながら戦うため、軽く跳躍して相手たちの直中に飛び込んでいく道を選択しておいた。

 

『なっ!? コイツなんてジャンプ力を――!! う、撃つな! 味方に当たヒデブッ!?』

『ジェームズッ!? このガんっぱらばぁぁぁッ!☆△×?』

『ご、ゴードォォォォォッン!?』

 

 単筒だけで小刀も抜いていない敵陣に入り込んでしまえば、互いが互いを邪魔し合ってしまい多少の身体的不自由は相手も条件を同じくすることが可能となる。

 その状態で、まず最も腰が引けている奴を襲って得物を奪い取り、奪い取った得物で最も威勢がいい奴をブン殴って倒せたなら、敵の士気は一気に低下する。

 多対一での戦場における兵法の鉄則だ。それすら知らぬとは・・・・・・読めたな。

 

 こいつら暴力の玄人だが、戦の素人だ。五分の敵と死合った経験が薄い。

 

「まぁ、身長的にはコチラが有利かと、股間を切り上げてやったのが効いたようにも見えたが・・・・・・気のせいだろう。

 それより適当な得物を持っていないか、少々拝借」

 

 二番目に倒した最も威勢がいい、今は泡を吹いて逸物を押さえている黒服を倒した得物の単筒をテキトーな場所に放り捨て、俺は素手のままや鈍器だと戦いづらそうだったため、倒した敵兵の中から使える刃物を隠し持ってないか弄ってみることにした。

 

 単筒は重さと堅さはあるのだが如何せん、長さが足りなすぎる。

 重さは今の身体的にコレぐらいあっても良いような気もするのだが、逆に長さは全く足りていない。

 やはり日ノ本の武士として、刀か何かがあってくれるのが一番使いやすいのだが――お、コレは・・・。

 

「ふん・・・西洋の短刀か。長さは余りないが、反りがほとんどない所は勤王刀に近い、か。

 気に入らんが、まぁ贅沢が言える状況でもなさそうだし仕方なしとすべき事か」

 

 何人目かの奴から奪った、比較的長めの短刀を鞘から抜いて軽く素振りをしてみる。

 刃渡りはコレくらいあっても良いと思うのだが、反りが乏しいのは物足りなくもある。「突く」にはいいが「斬る」には向いていない類いの形状をした刀剣だな。

 

「何より名前が良くなかったからな、《勤王刀》は。

 もっとこう・・・・・・《勤乳刀》とかなら好みになれたかもしれんと思うのだが――」

 

 ふぅ――と溜息を吐きつつ、新たに手にした得物を下ろし。・・・そして振り返る。

 いつの間にやら現れていた、若く女の声で呼びかけられた背後へと――。

 

『――私が留守にしてる間に、ずいぶんと好き勝手してくれたみてぇじゃねぇか。この私の子分共をガキごときがブッ倒してくれてよぉ、マジでムカつくぜクソガキ』

「・・・・・・」

 

 ――蛇を思わせる切れ長の目をした、巨乳の女だった。

 今までの長く苦しい戦いによって、デカぱいスカウター無しでも相手のバストサイズを見ただけで感じ取れるようになってきている俺の目測によるならば、おっぱい力3000近い。

 かなりのエリートおっぱい戦士だと高評価して良いほど、いいオッパイの持ち主だ。

 まぁ多少、目つきと顔つきが露悪趣味が強すぎて、悪ぶるのが格好良いと思っている中学生のごとき表情が20代後半ぐらいの実年齢とミスマッチというか、無理して若い子のマネしてる感が悪目立ちして実際より老けて見えるって言うべきなのか。

 

 とにかく。そんな感じの欠点はあるものの、オッパイに関しては文句なく、良いデカパイだと断言できる。

 大きいことは良いことだ。大きいオッパイは、それだけで価値があり、オッパイが小さいと言うことは存在そのものが小さいことを意味するに他ならない。

 それこそ、この世の――真理ッ!!

 

『オイ、聞いてんのか? 本当だったらテメェみてぇなクソガキは今すぐ殺しちまうところだが、あのブリュンヒルデが相手じゃ人質無しだとキツいのは確かだからな。

 姉貴が来るまでは生かしておいてやる。分かったらとっとと部屋に戻りやがれよ、このガキ』

「・・・・・・・・・」

 

 邪悪な風に表情と顔を歪ませながら、喋るたびに長い舌をチロチロと飛び出させて語りかけてくる―――えっと・・・・・・オッパイさん。

 彼女の話に俺はひたすら無言を返事とし、唯々ひたすらに喋るたびに揺れるデカパイだけを確りと、目を反らすことなく真っ直ぐに、心の目と身体の目の双方に焼き付けるほどの覚悟と信念と想いを以て、ただジーッと凝視し続けていたわけであるが。

 実のところ、そうしているのには理由がある。

 

『・・・おい、ガキ。無視してんじゃねぇぞ。秘密結社『ファントム・タスク』が一人、このオータム様がテメェみたいなガキに冗談でも話してくれてるとでも思ったら大間違――なにっ!?』

「ふんっ!!」

 

 ガキィィッン!!!

 瞬時にして間合いを詰めてから、左下から右上へと切り上げる斬線で以て刃を振るい、相手もまた隠し持っていた暗器らしき武装を使って防ぎきり、鍔迫り合う形となった俺と相手は上と下の位置関係は違えども、互いに相手と至近距離で顔をつきあわせて睨み合う。

 

 先の一戦と素振りで、大雑把には今の自分の身体と得物の特性は理解した以上、この程度は容易い。

 だが、さすがに敵の大将格というべきか。この程度で本調子にはほど遠い俺の一撃では傷一つつけられずに防がれてしまう。

 

『テメェ・・・・・・はッ!! 人が話してる最中に不意打ちとは、中々やるじゃねぇか。見直したぜクソガキ。私も好きだぜ、そういうのはさぁ。ギャハハハっ!!』

「――分かんねぇよ・・・」

『あァん? 今なんか言ったか? クソガ――』

「分かんねぇ、つってたんだ――よッ!!」

 

 ガキィン!!

 刃音を響かせ会いながら互いに距離を取る俺と、敵のオッパイさんによる二人組。

 互いに刃を合わせ会いながら、俺はまだ相手のことを全く読むことが出来て居らず、他の雑兵たちとは比べものにならない強さを持った敵将であることだけは間違いない女を前にして―――たった一つだけ敵について分かることが出来た事。

 

 その一つのみを、俺は声を大にして世界に向かって――問いを叫ぶ!!

 

 

「分かんねぇよ・・・・・・っ、アンタらが“何言ってんのか”さっぱり分かんねぇ!!

 ここがどこで何語しゃべってんだかサッパリ分かんねぇと、返事できねぇんだよ!!

 現代日ノ本語でしゃべれよ!! 日ノ本語しゃべれねぇんだったら――女だから斬らずに脱がす!! 女を斬るは刀の穢れであるが故に!!!」

 

 

『・・・・・・は? お前なに言って――あ!

 テメ、もしかしてモンド・グロッソ見に来たくせして、ドイツ語しゃべれねぇんじゃ―――ッ』

 

 

「流派! 魔乳刀殺法殺人剣は王者の風よ! 全身痙攣! 電波厨二! 視よ!!

 東方プロジェクトは紅く萌えているヒート・ブレェェェェェェッド!!!!!!」

 

 

 ずぱぁぁぁぁぁぁぁぁッン!!!!!

 ――気合い一閃!!

 ・・・・・・パラ、パラ、パラ・・・・・・。

 

 俺が駆け抜けながら放った斬檄は、狙い違わず相手の服だけ切り捨て、白い玉のようなオッパイさんの肌には傷一つつけることなく、ドレスブレイクさせることに成功した!!

 

 フッ・・・・・・我が剣の結果ながら惚れ惚れするオッパイだ。その肌を晒されて負けたことを恨むのであれば、己が未熟さを恨むがいいオッパイさん・・・・・・

 

『て、テメェ・・・・・・! ガキの癖によくも、このオータム様に恥を掻かせやがったな! いい度胸だ殺してやる!! ブリュンヒルデがどうとか、もう関係ねぇ! 手加減抜きでテメェから殺してやるから覚悟しやが―――!!』

 

 

「だから女は斬らんから倒されろと言ってるだろうがァァァァァァァッ!!!!」

 

 

 ズゴォォォォォォッン!!!と!!

 俺は、女を殺すことへの哀と怒りと悲しみを込めたゴッド峰打ちを、オッパイさんの脳天に叩き込む!!

 

 

『ふんべぇぇぇぇぇぇぇッ!?☆◆▲!?!? ・・・・・・が・・・・・・ガクシ・・・』

 

 

 そしてオッパイさんは、静かに意識を失って冷たくなったのであった。

 全裸でだが。

 う~む・・・・・・何度見ても、良いオッパイだ・・・・・・。

 

 ・・・・・・ただ、俺はどこかでコレ以上のオッパイを見ていた気がする。

 決して大きさでは一番ではないけれど、それでも大きく、そして触り甲斐のある、乗り越える障害が高ければ高いほどレアな萌え要素が追加される、俺にとって理想のオッパイを。

 俺にとって、帰るべき場所で待つデカパイが――どこかで俺を呼んでいる声がするような・・・・・・そんな気が微かに。だが確実にしている。そんな気がする・・・!!

 

 

「一夏ぁぁぁぁぁッ!!! 大丈夫か一夏!? 今助けてやるからな!

 お前を浚って怖い目に遭わせた奴らなんて、お姉ちゃんが一人残らず八つ裂きにして膾切りにして根切りにして、報いをくれさせてやってそして!!・・・・・・って、あれ?」

 

 

 

 

 ・・・・・・こうして、異なる平行世界で一人の少女と出会ったことで、最強の人斬りとなっていた可能性世界の織斑一夏の魂は時間を遡って逆行し、過去転生して改めて、自分の物語を変わってしまった自分になった後の状態で1から再スタートさせることになる。

 

 織斑一夏、『オッパイ人斬りになって強くてニューゲーム』は、こうして始まる。




*文字数的に前書きからあとがきに移動させた文章です。

今作は、IS原作の連載作を書いてる途中で煮詰まっちゃったから、気分転換用に書き殴っただけの代物です。
アイデア帳とでも思っといてください。前から思いついてはいたけど、書く気はなかったアイデア作品。
まっ、こういう展開も無くはないぐらいの認識でドゾ。
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