『IS原作の妄想作品集』   作:ひきがやもとまち

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初心に立ち返るべく昔に思い付いて書かなかったのを書いてみた作品第一号です。
ジャンヌ・デュノアちゃん主役ISの2段目でもありますが、こちらの方はジャンヌがシャルのクローンと言う設定です。なのでやや暗めで重たいです。

とは言え私の書くジャンヌちゃんに復讐はやらせません。私が書けないからです。
昔は私も望んでた時期があるのですが・・・何と言うか面倒くさくなっちゃいましてね。
時間の無駄でもありましたので、あの手の行為に熱心な主人公には共感できず上手く書けません。作者の実力不足でこうなってしまった作品です。ごめんなさい、精進致します。

*最後の台詞を付け足しました。


シャルロット・クローンは復讐を望まない。

 20××年。フランス某所。

 

 ーー先ほど社長室の前を通りかかったとき、私は恐ろしい話を耳にした。してしまった。

 あれは社の未来を閉ざすものだ。あれを実行してしまえば我が社は国から完全に見放され、今以上の経営危機に陥ることは避けられないだろう。それどころか最悪倒産だけでは済まない恐れすらある。

 

 もし、そうなってしまった場合、社長たち御一家はどうされてしまうだろうか・・・?

 IS企業のトップは、文字通り自社のIS開発に携わる者たちすべてと面識があり、国家機密を扱わせる関係上、個人情報保護などという建前は完全に無視した越権行為や違法行為を行い続けなければならない立ち位置にいる。

 戦争で使えないとは言え、ISは立派な兵器であり軍事力であり国力そのものなのだ。

 

 “戦争が起きない限りは”他の国との情報共有は奨励されてしかるべきものであるが、“そうなってしまった時にはどうするのか?”を考えたとき、ISに関するデータを他国に持ち逃げできる個人という存在は国家にとって危険きわまりない脅威と化す。後釜となりうる企業が見つかっているなら尚更だ。

 政治にたいする影響力が薄かった旧世紀の軍需産業とは社会体制そのものが全くの別物になってしまっているのだから!

 

 

 ・・・しかも社長はこの計画に、愛する奥方様のご息女を当てられるおつもりだと話されていた。保身しか考えないバカな重役共があれこれ言っていたのを耳にされたのだろう。あのようなゲス共の戯れ言によって二度までも社長の幸せが奪われるなど絶対にあってはならない!

 愛する家族と暮らすささやかな幸せを満喫することさえ出来なくて、なにが世界の主産業だ! なにが世界第三位を誇るシェア数だ! くだらない! そんな物よりもっと大切な想いと言う物の存在をなぜ誰も理解しようとはしてくれないのか!? 世の中が間違っているとしか思えない!

 

 

 ・・・・・・だが、現実問題として我が社に後がないのも確かではあるのだ。

 なにかしらの方法で政府から支給されている助成金を確保し続けるか、あるいは何処か他のところから融資を受けられるだけのナニカを提供できないものか・・・・・・

 

 

「ーー《ラファール・リヴァイブⅡ》。起動テスト良好、出力安定。続いて操縦者の視覚とハイパーセンサーとを接続する際の身体チェックを行います」

「よし、はじめろ。言うまでもないことだが、操縦者の体に異常が関知された場合には即座に起動試験を中止し、医務室へとお運びするのだ。どれほど些細な変化であっても決して見逃すことは罷り成らん」

「了解しております」

「・・・お嬢様ーーいいえ、シャルルお坊ちゃま。頭痛などの痛みは感じられませんでしょうな? なにか少しでも違和感を感じられましたときには直ぐにでもジイヤが! このジイヤめが助けに馳せ参じますのでどうかお心静かに試験を終えられますように・・・」

 

 

 ・・・廊下の向こうから話し声が聞こえてくる。このお嬢様押しからしてジェイムズ老か。あの御老人も老いて尚盛んなものだが、それ故に尊敬に値する。

 あの忠誠心こそ臣下としての在るべき形。腐りきった形骸しか残っていないフランス騎士道精神を忠実に再現して貫かれる彼の姿勢にはほとほと頭が下がる思いを抱かされる。

 

 苦しいときこそ彼のように不動の忠義を保つが肝要。私も彼に習い、あの御方のいるとおぼしき方向に深く頭を垂れて臣下としての礼を尽くした。

 

 

 ーーその瞬間、私の頭上に天使からの福音が舞い降りた。

 

 

『あははは、大袈裟ですよジェイムズさん。それにボクは一年半後、日本のIS学園に男として一人で行かなくちゃいけないんでしょ? 男の子が怪我や痛みに慣れてないのは怪しまれますから過保護ぶりも程々に・・・ね?』

 

「お、お嬢様・・・。なんという優しいお心とお気遣い! 聞いたかお前たち! これほどに天使のような精神を持ちの御方にかすり傷一つ付こうものなら社の沽券に関わる! 十分以上に留意するように!」

「「「ラ・ピュセル! ラ・ピュセル! ラ・ピュセル! ジャンヌ・ダルクの再来に栄光あれ!!」」」

『あ、あはは、あははははは・・・・・・・・・』

 

 

 ・・・・・・私はすでに、それらの声を聞いてはいなかった。なぜなら私にはラ・ピュセルから神託がくだされており、聖女の願いを叶えるためにも手段を構築しなければならない使命を帯び、動き出していたからである。

 

 私は愚かだった。自分自身の狭量ぶりが恥ずかしい限りだ。

 お嬢様を道具に使うなど論外であるとする大前提に捕らわれすぎていた。お嬢様を構成しているすべてを道具にしないために、人としてのお嬢様を誤認してしまっていた。私としたことが、なんと未熟なミスをしたものだろう。

 今度の休みには懺悔のため教会に赴かなければならない義務を己に課し、私は携帯電話を取り出して“例の企業の関連会社”に渡りを付ける手はずを整えていく。

 

 我々が守るべきは社長ご一家とお嬢様方の生活、その全てである。それは間違いない。

 だが、お嬢様は人だ。人間だ。社長の愛されているお嬢様は、今は亡き奥方様と社長との間に生まれた彼女のことだけを指しており、お二方との絆を持たない形ばかりの形骸などにお嬢様を重ね見るなど不敬きわまりない人として最低の行いだと私は断ずる。

 

 絆とは記憶の共有によって生じるもの。共に歩んだ懐かしい体験談こそが互いの間で共有される思い出として昇華され、一介の記録データに過ぎない記憶とは一線を画するものと成りえるのだ。“入れ物だけ完璧に真似たとしても、中身が別人であるソレ”は本人ではない。別の人間なのである。

 性能だけ似せて造られたコピー品は、コピー品としての人生を歩めばよく、オリジナルに似ているからと言って同じに見るなどというい人道的行いは許されてはならないのである。

 

 

 しかし、その一方で今の世の中には“入れ物の性能だけ”を欲しがる人でなし共が実在している。

 戦争の道具として売って欲しいと申し出てくるバカ共のことだが、奴らはその手の情報をすべて高値で買い取ってくれる“都合の良いお客様”としての側面を併せ持ってもいる企業体だ。要らないものなら振っかけて売ってやるのも悪くはあるまい。

 

 本来、それらの情報はプライバシー保護と守秘義務によって厳重に管理されている。国家資産とも呼ぶべき個人の身体データともなれば言うまでもあるまい。

 

 だが我が社には“公式には存在していない事になっている”女性の専用機持ちが実在している。彼女のデータ“だけ”を売るなら、それは有りだ。商道徳には反していない。

 

 当然だ。“この世界に無い物を、実在してはいない企業に売買する”のは不可能なのだからーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日から一年半後。南半球にある無人島の地下基地にて。

 

「・・・ねぇ、ちょっとクソ少佐さま。これはいったい何の冗談なのかしら?」

 

 バサッと、ノックもしないで部屋に入ってきた黒一色な私服姿の少女は、上役である直属の上司のデスクに紙束を投げ出し、机の上にデカい尻を載せて睥睨するように見下ろしてくる。

 

 間違っても企業に所属している通常の組織人がしていい態度ではなかったが、この会社には実力主義、成果主義、結果主義という発展性を重要視した方針が社訓として掲げられており、無能者ならいざ知らず、目の前の少女のように将来有望すぎる金の卵には特別待遇が黙認されている。

 

 企業の忠実な駒でしかないことを自認している中年男性の上司殿には、上の決めた以降に逆らう意志など持つべき理由がない。

 内心では礼儀を知らない今時の若い女性的な態度にため息を吐きながらであるが、要請には応じてやった。

 

 投げ出された資料についての説明と、今回彼女にくだされた出向辞令についての両方を兼ねて。

 

「何だも何もない。見たとおりの物だ。まさかと思うが貴様の目にはこれが幼稚園で催されるお遊戯会の招待状にでも見えていたわけでもあるまい」

「アンタらアホの頭がアホなのは知ってるから、アホなこと言ってないで早く説明をはじめなさいよウザったいわね。骨まで焼き殺すわよ?」

 

 ・・・聞いちゃいねぇ・・・。

 先ほどと異なり、青筋立てまくりの上役に内心にみじんも興味を示すことなく少女は自分が投げ出したはずの紙束を再び摘んで持ち上げてヒラヒラと前後に振って見せながらリズミカルな口調とよく通る響きの良い声でそらんじる。

 

「『IS学園入学案内』? 『IS学園への転入手続き受領書』? アンタまさか、そういう趣味でも持ってたの・・・? うわ~・・・キモオタ中年マジ気持ち悪いんですけどー?」

「そういうゲスな勘ぐりをしたがるあたり、君もまだまだ子供のようだな」

「あれ? よく見てみたら私に名字が付け足されてたんだ。今気づいたわ。へぇー、中々いい響きの綴りじゃない。気に入ったわ、一応礼を言っておいてあげる。ありがと」

「・・・・・・・・・」

 

 誰か最近の若者たちに年長者の話を聞けるよう、最低限度の礼儀作法を叩き込んでおいてください、いやマジで。

 

 髭の少佐殿は自分のこめかみがヒクツキ出すのを感じはしたが、意志の力を総動員することで何とか押さえ込むことに成功した。

 

 茶を一杯飲み干してから、少佐は改めて目の前に座る『単純バカに』バカでも分かるよう噛み砕きまくった説明と解説をおこなってやることを決意する。

 社員を捨て駒として平然と使い捨てる超ブラック企業の支社長にしては常にない真摯さでもって最大限の礼を施してやった結果なのだが、少女に感謝の念は感じられず「とっとと話して早く終われ」と顔中に書かれまくった表情で上司を睨みつけてくる。

 

 ーー生意気な青二才が・・・!

 内心で歯ぎしりしつつも経験と実績を積んだ大人故の社会性でもって子供じみた怒りを押さえ込み、静かな口調で語り出したそれは昨今の変化しはじめた社会情勢に一石を投じるための布石についての説明だった。

 

 

「・・・君も知っていることだが『世界初の男性IS操縦者の発見報道』以来、IS社会には大きな変動の兆しがいくつも見受けられている。

 しかも、表には出されていない裏の事情をあわせるならば、ここ十年分の出来事をすべて一年間で凝縮してしまいかねない勢いでだ」

 

 元世界最強ブリュンヒルデの愛機と同じ武装を所持する織斑一夏専用IS白式がIS学園に届けられ、その直後に彼を追って中国代表候補生の凰鈴音が単身で来日。あわせて報告された件に寄れば織斑一夏が初陣にて惜敗を被った相手イギリス代表候補も彼と同調し、その周囲に侍っているとのこと。

 

「彼女も専用機持ちであることを考えるなら、現時点だけで最低4機の世界最高戦力が一人の個人の元に結集できる事を意味している。

 これは我が社が誇る精鋭部隊『モノクローム・アバター』を圧倒できる数だ。今は素人とはいえ、若さによる延び代を勘案するならば無視してよい存在では決してない。今のうちから楔を打っておくに越したことはあるまい?」

「・・・それで、私か・・・」

「歳が近い。少なくとも見た目はな。それに数値的にもごまかしが利く。誰も君を“生後一年半のバブちゃんだ”などとは予想だにしておるまい。だからこそ君が適任なのだ」

「・・・・・・ふん」

 

 少女はつまらなそうに鼻息を付くと、改めて資料に目を通し出す。

 ・・・見てから来たんじゃないのかよ・・・という上司の心の苦情にはまるで頓着していない。

 ペラペラと紙をめくって読み進めていく途中で気になる名前が目に留まったのか、一瞬彼女の視線が険しくなる。

 

 それを見逃すようでは“この企業の上役”は務まらない。

 

 中年の男はギラギラしたものを瞳に浮かべ、粘つくような口調と声音でねっとりたっぷり犯すように弄ぶように嬲り物にするかのような愉悦に満ち満ちた心底楽しそうな表情で嬉々としながら真相を少女に教えてやる。

 

「そう、君のーーいや、『君たち全員にとってのオリジナル祖体』シャルロット・デュノアが織斑一夏のチームには在籍している。君たちデュノアシリーズを生み出してしまった呪われた母親でもあるシャルロット嬢が・・・」

 

 彼の言葉に感銘を受けた様子もなく、無表情のまま資料を読み進めていく少女であるが、彼はその無表情こそ彼女が内心に秘めた劇場を物語っていると看破して“洗脳の最終工程を達成する”時が来たことを確信する。

 

「ヒドいものだよなぁ、人間という生き物は。見た目が同じ赤の他人をオリジナルを守るためだけに生み出して売りさばくのだから酷すぎる。余りに非常だ。余りにも外道な手口だ。我々“企業”としても看過できない」

「・・・・・・」

 

 ペラ・・・ペラ・・・ペラ・・・

 

「人間とは弱い生き物なのだよ、君。人、一人一人では生きていくことさえ難しい、それはそれは弱い生き物なんだ・・・。辛いこと、悲しいこと、苦しいことが多すぎる」

 

「己々が心に傷を持ち、それに耐えきることもできない脆弱すぎる精神しか持ち合わせていない、か弱い生き物・・・」

 

「そんな連中だからこそ人身御供に価値を見いだす。自分の代わりに苦しみを、痛みを、辛さを肩代わりしてくれる存在を本能的に求めてしまう。それがないと知った上でも尚、自分ではない誰かに救いと救済を求めようとする弱くて身勝手な最低最悪の生物でしかないんだよ君」

 

「理不尽だよなぁ、不条理だよなぁ。こんな世の中で自分一人にだけ不幸を押しつけられるだなんて許しちゃいけない非道だものなぁ」

 

「ーーだからこそ殺せ! シャルロット・デュノアを! お前のオリジナルを! お前を苦しみと共に産み落として捨てさせた女を殺してしまえ! たとえお前自身が、その身を犠牲に捧げたとしても殺すべき相手はシャルロット・デユノアと織斑一夏とその一党すべてをーーーー」

 

 

 バタン!!

 

 

「・・・!!(ビクッ!)」

「ーー任務は理解した。これより私はIS学園にイタリアから来た転校生『ジャンヌ・デュノア』として潜入する。戸籍はデュノア社を脅して作らせたものを使わせてもらうけど構わないわよね?」

「そ、それは構わない。もとよりそういう内容の指令で・・・」

「そ。じゃ、そういうことで任務了かーい。行ってくるから、祝勝会用にシャンパンでもダース単位で用意させとくように命じときなさい」

「ま、待ちたまえ!」

 

 足取り軽く部屋から出て行きかけた少女、くすんだ金髪と蜜蝋のように青白い肌をしていて、やや険が強い癖のある目つきだが、全体的にシャルロット・デュノアを彷彿させる容姿をもつ少女、デュノアシリーズ10000番目の個体にして唯一の完成品でもある『ジャンヌ・デュノア』は、男の制止に不愉快そうな表情で振り向き一言だけ聞いてやる。

 

「まだ何かあるの?」

 

 それだけだった。

 他の部下たちにも、心的外傷持ちが多い企業所属のIS操縦者たちにも自分の手口が通じなかった経験がない男は激しくプライドを傷つけられ、半狂乱一歩手前の表情で人差し指を突きつけながらジャンヌを詰問する。なぜ殺すことを誓わない、と。

 

「は? だって命令書には『殺せ』だなんて一文字も書かれてなかったし。殺さなくてもいい任務だったら、殺さなくてもいいもんなんじゃないの?」

「な、なにぃぃ・・・・・・?」

「つーか、殺して欲しいんだったら指令書にちゃんと書いておきなさいよ、入ったばかりの新米事務方じゃあるまいし。いい歳こいて文章すらまともに書けないとか笑っちゃうわよね。テラワラwww」

「き、貴様・・・・・・」

「だいたいアンタはいっつもいっつも、ヤる事が中途半端なのよ。憎めだの、殺せだの、正しさの犠牲だ、正義の矛盾がどうだとか七面倒くさいったらありゃしない。

 まったく。なんだった悪役気取りたいだけの子悪党は話が長くて理屈っぽいんだか・・・ほ~んとアホらし」

「貴様・・・貴様・・・貴様ぁぁぁぁぁ・・・・・・っ!!!!!」

「そんなに殺したいなら、四の五の言う前に殺しちゃいなさいよ。殺したいときに殺したい奴殺せなくて、なんのためのテロ組織だっつーの。組織の秩序だ、上下関係だとか言ってる時点でアンタもあっちとヤってることは同じ。

 正義と悪で戦いあってて楽しいでちゅね~。悪の組織ごっこはおもちろいでちゅか~? おっさん坊やちゃ~?」

「貴様・・・貴様貴様貴様ぁぁぁ!!!!」

 

 叫んで男は腰のホルスターから拳銃を引き抜き、ジャンヌの眉間に押しつける。

 『世界中を戦場に』。そのスローガンの元あつめられた企業の重役だけあって、元軍人の男の身のこなしはしなやかで淀みがまったくない。

 

 かつての部下たち相手にそうしたように、彼は彼女にも同じ事をして同じ事を言う。

 

『これは遊びじゃない! 人同士が殺し合う戦争なんだぞ!』ーーと。

 

 

「オママゴトヤりに来てんじゃねーんだよ俺たちは! 人を殺す度胸もねぇガキが一丁前の口を叩いてんじゃねぇーよ! 何様のつもりだこの野郎!」

「・・・・・・」

「いいか? 一度しか言わないからよく聞いておけ。俺たちは世界中で戦争してぇんだよ、近未来では世界中にあるすべての場所が例外なく戦場なんだよ。戦場で誰が誰を撃ち殺そうが構わねぇし問題視もされねぇ。それが戦場だ。子供のお遊戯場とは違うんだ!」

「・・・・・・・・・」

「わかったらとっとと行け役立たずの穀潰しめが! テメェの様な奴は屑だ。生きてる資格もねぇし、価値もねぇ。人を殺さない兵士に価値なんて在るはずねぇんだと思い知りやがれ糞尼がぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

「・・・・・・了解。じゃあまず、アンタから殺させてもらうわね」

 

 

 え。と男がつぶやいたときには既にジャンヌは自分の専用機を展開させており、戦闘用というよりかは趣味で取り付けさせている武装《火炎放射器》の砲口に男の顔を突っ込ませる。

 

 

 そして言う。

 

「世界中が戦場になるんだったら、当然この部屋も戦場になると仮定して構わないのよね? それでアンタは兵士で士官で軍人なんだから殺し合いに参加して流れ弾に当たって戦死する覚悟も当然持っているのよね?」

「あ、う、あ、その、あの」

「人を殺さない私に価値はないらしいから、アンタを殺して価値を認めてもらうことにするわ。幹部会には後で私から報告書を出させておくつもりだし、問題ないでしょ。スコールに代筆させてみるのも面白そうだしね」

「え、う、あ、お、ちょ、ちょっと待ってください、お願いだから人の話を聞いてくだ・・・・・・」

「戦場で敵がベラベラしゃべり終わるのを待つ奴はいなーい。勝手にしゃべって、勝手に終わらせて、勝手に殺してはい終了。それが戦場って事で。じゃね★」

 

 

 

 ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

「さて、と。そろそろ船が出航する時間か。スコールが見送りしてくれるって行ってたから急がなくちゃ。ーーああ、そこの警備兵のアンタ。後始末ヨロ」

「ひぃっ!? は、はい! かしこまりましたぁぁぁっ!!!」

「んじゃ、そういうことで私は行くわ。屋内での火の取り扱いには注意するよう張り紙出しとくのも忘れないようにねー。マッチ一本火事の元よー」

「は、はぁ・・・・・・・・・承知しました。ーーって、ひぃぃぃぃぃっ!?」

 

 

 ジャンヌの出てきた部屋に入った男がみたのは、黒こげの床に残った人型の跡以外に自分たちの司令官がさきほどまで生きていたのだという証拠がすべて焼き払われ焼失させられてしまった元司令官室。

 

 失禁しながら気を失った警備兵のことなど完全に忘れ去り、ジャンヌ・デュノアは友人と一時の別れの握手を交わし合う。

 

「それじゃ、赴任先でもがんばってねジャンヌ。ーーできれば私たちを裏切らない程度に抑えてね?」

「アンタの頼みだし、一応努力はしてみるつもりよ。期待しててちょうだい」

「・・・私としたことが、逆に不安を煽られる失態を犯しちゃったわね・・・。

 ーーひとまずの目標だけでも聞いてみてもいいかしら? 教えてくれたら一時だけでも不安を忘れられて助かるのだけれど?」

「とりあえずはオリジナルに挨拶してからね。その後に事はその後考えるわ。

 ーー殺したくなったら焼き殺すのも有りだし、気に入ったら企業を裏切ってソイツの味方になるのだっていい。生まれた理由はどうだろうと、自分の人生好きに生きなきゃ勿体ないから」

「気楽ね、相変わらず・・・・・・。それなら、もし私たちを裏切って敵の味方になったとして、そいつらが期待はずれだった時にどうするかまでは想定してみてるのかしらね?」

 

 少し意地悪な質問かな? そう思いながらスコールは年下すぎる友人の顔を見下ろしてギョッとする。

 

 彼女は子供のような笑顔でーー反抗期なひねくれ者の少女らしいイヤな感じの笑顔を浮かべて愉しそうに嗤いながら素直な気持ちでこう答えてきたのである。

 

 

 

「もちろん、殺すわよ。殺したいと思えるほどの期待外れっぷりだったらの話だけどね。別にそれほどでもなかったら普通に接して殺したくなったら焼き殺して終わり。殺さずに済んだらおめでとうございまーす・・・って、感じかしら?

 私にとってはどちらだっていいのよ。一歳半の子供な私にとっては面白いことが一番大事なんだもの。企業側だろうと学園側だろうと面白そうだと感じた方に味方するわ。だって、それが一番楽しく生きられる人生な気がするじゃない?

 ――やりたい時に殺りたい奴を殺れるのが、私にとって最良の人生ってヤツなんだから・・・」




告知のようなもの:
思いついてたけど書かなかった奴を書いてみた第2弾はFF6がやりたいです。

尚、一番下に置いとかないと誰にも知られぬまま終わってしまうので今はまだ『一話しか思いついてないもの』に入れてませんが、その内に移すつもりでいます。
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