『IS原作の妄想作品集』   作:ひきがやもとまち

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新作候補の一つとして書いてみました。箒ヒロインで、セレニア主役のガールズラブ小説です。
箒の矛盾を徹底的に突かれた結果、プライドが崩壊。ダメなところを前面に出して縋ってくる箒と言う情けないヘタレヒロインとの恋愛物語の原文です。
箒ファンの方は読むのを辞めましょう。絶対にです。


インフィニット・ストラトスGL

 まず、最初に告げておくことがある。私は“ええかっこしい”だ。

 強さだの剣士としての生き方だのと偉そうに語って聞かせながら、そのじつ惚れた男に「好きだ」の一言すら告げる勇気を持たない臆病者なヘタレでしかない。

 男女平等も、柔よく剛を制すも、『女が男を倒す』思想に憧れるのも全てが全て自分の弱さを受け入れられない弱さから来ている都合のいい願望でしかない。

 

 ーーそれを教えてくれた奴がいる。

 弱さに逃げた私を容赦なく罵倒し、叱責し、逃げることを許してくれなかった一人のクラスメイトがいる。

 

 私の欠点を指摘し、弱点を突き、欠点を突き、今まで恥ずかしさを隠すために行ってきた照れ隠しも「再会した最初の時点で告白してればする必要なかったのに・・・」と全否定。

 

 挙げ句の果てには、弱さから目を逸らすため必死に守ってきたプライドさえも、

 

「脊髄反射で反感を刺激されて攻撃している子供じみた負けず嫌いを、プライドという賛同を得やすい一般論で糊塗しようとするのは止めてください。プライドという言葉に失礼です」

 

 ・・・一刀両断で否定され尽くされた私には、もはや見栄を張るためのプライドさえ残っていない状態にある・・・。

 むしろここまで言われまくっておきながら、未だに面子だけでも守ろうとしている私の涙ぐましい女々しさだけでも評価してもらいたい程なのだ。

 

「いや、どう考えてもそれ篠ノ之さんの自業自得であって、私の責任ではないような気が・・・・・・」

 

 そう、責任だ。責任問題こそが女にとっては重要視すべき唯一の難題なのである。

 

 女の尊厳をここまでズタボロに傷つけまくってくれたのだから、その相手には最後まで手折るぐらいの責任は取ってもらいたいと思ってしまうのは、弱さを自覚した女として当然の思考ではないだろうか?

 ・・・そうしてくれたら遠慮容赦なく自分の純血を奪っていった相手のせいにして、これからも気を張って見せかけだけの強さで生きていけたのに・・・。

 

「だからそれが逃げ思考だと言って・・・・・・どう考えても今更しぎてましたよね、ごめんなさい。次からはもう少し気の利いた毒舌を用意しておきますよ」

 

 これだ。これなのであるお歴々。この対応こそが、弱さを誤魔化して生きてきた女の見栄とプライドを根こそぎ剥ぎ取って燃やし尽くした加害者の言う言葉なのである。

 

 果たして、こんな横暴が許されていいのだろうか!? 否! 断じて否である!

 細やかな女のプライドを傷つけた人間に言い訳など許されるべきでは決してない! だって私は弱いのだから! 他の女たちは強くなれてたとしても私は未だに弱いままなんだから! 

 

「だからお前には傷心中の私が縋るべき対象となって、性欲に逃げ込むための都合のいいセフレになる義務が存在するのだ! 昨日のように助けを呼ぶ権利は認めない! 異論だって認めない! 認めないままでいてください!お願いします!」

「いや、知らんし。同性愛とか興味ないですし。あと、同性で同学年のクラスメイトに夜這いかけられて通報しない方がおかしいと思うのは私だけですか?」

「お前のせいで私のプライド一欠片分も残ってないんだぞ!? 一夏と再会したばかりなのに! これから始まるかもしれなかった私の理想の男の子との恋愛模様がお前のおかげで台無しだぁぁぁぁぁっ!!!」

「いや、ですから。初恋を成就させるためにはツンデレみたいにな「自分からは怖くて言えない、あなたから言って」の甘ったれた姿勢でいたのでは本気で相手に思いを伝えようとしている一には勝てるわけありませんよと言いたかっただけですから、別に篠ノ之さんの今までを否定するつもりは・・・篠ノ之さん?」

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁっん!!! また言ったーーーっ!! 私の弱さの暴露を平然とした口調で二度も言ったーーーっ!!!

 もう箒、女の子として生きていける自信が湧かないーーっ!!」

「え? あの、ちょっと・・・え?」

 

 『なに言ってんだかサッパリ分かりません』みたいな表情で戸惑われてさらに傷つけられるーーっ!!

 私の個性が! アイデンティティが! 世界に一つだけの私だけな花が!

 

「・・・それ全部「弱いままでもいいんだ」系のことが書かれた、安っぽい道徳業者が執筆している本の売り文句と、出版社の宣伝文ですけどね・・・」

 

 ・・・・・・もうイヤだーーーーーーっ!!! こいつもうヤダヤダヤダーーーっ!!!!

 普段の私は『襤褸は着てても心の錦』! でも、今の私は『見た目は巨乳侍系美女、心はズタボロ襤褸』! 女として誇れる物なんて、ご立派なこの胸しか残ってないぞコンチクショー!!!

 

「もういい異住! とにかく私を抱け! とにかく抱け! なんでもいいから抱け! そして汚せ!  そうしたら私は迷うことなくお前にすがって自分の情けなさを自己正当化する口実が得られるから!」

「落ち着きなさい、篠ノ之さん。いつもの恋愛脳状態よりも頭がバカになってますから」

「失礼な! 私は冷静だ! ちゃんと考えてこんな色ボケバカな台詞を吐いている!

 たとえばだぞ? たとえば、もしお前が私の巨乳を目にして我を忘れてむしゃぶりついてオッパイ星人化したりしたら、胸のデカさの分だけプライドが戻ってくる気がしなくもないではないか! だから私はこうして恥を忍んで自分の巨乳をさらけ出し、お前の巨乳に押しつけているのだ!」

「やっぱりバカ思考じゃん・・・」

「責任ぅぅぅぅぅっ!! 責任取ってくれ! 責任ぅぅぅぅっ!!!」

 

 ワイワイ、がやがやと。

 私のルームメイトで整備課に進級予定の『口が悪いクラスメイト』異住セレニアと過ごす夜は更けていく。

 友達ではあっても、恋人未満よりかはずっと下なはずの友人に肉体関係を求めて迫っては拒まれ続ける生活をはじめてから早一月近く。

 臨海学校の『アレ』で完全にブチ壊されてしまった私のプライドを学校が再開するまでに回復しようとする計画はなんらの成果も出せないままに猶予期限を終えようとしている。

 

 

 気づけば外ではヒグラシが鳴いている。

 夏の終わりを寂しい鳴き声で伝えてくれているのだ・・・・・・。

 

 

 ーー要するに私たちIS学園生の夏休みは・・・・・・今日で終わると言うこと!

 タイムリミットは・・・・・・今で終わりなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!

 

 

「異住! いや、セレニア! 頼むから私を抱いてくれ! 土下座でも足嘗めでも何でもしてやるから!」

「自分がなに言ってんだか解っているのですか貴女はぁ・・・・・・っ!?」

「解っている! 解っているからこそ言えるのだ! プライドを根こそぎ失った女の恥知らずさを甘く見るなよセレニア!

 私はちっぽけな自分のプライドを少しでも取り戻せるかもしれないなら・・・・・・今は存在してないプライドなんか惜しいとは思わない!」

「・・・ダメですこの人! 先のこと見て考えてませんね! ・・・って、ちょっ、まっ、ズボンに手をかけないでくださいボタンは外さないでください脱がさないで脱がさないで逃がさないーーーあっ!」

 

 

書き忘れてた今作設定:

今作では量産機乗り専用の『バディ』という制度を設けようと思ってます。

これは操縦者と整備課志望の生徒とが普段の授業からペアとなって相手の癖などを理解してカードに入力しておいて、量産機に乗る時にはカードを差し込むだけで(量産機でも可能な範囲で)個人個人の癖にあわせた最適化がなされるようにしておくというもの。

一年生は整備課に進級する生徒と操縦者のままの生徒で数に差はあるでしょうけど、訓練用の機体数は確定してますし調整は付くかなーと。




箒ヒロインの別作品として執筆中の作品:
タイトル『篠ノ之箒のセカンド幼馴染みは「ひねくれボッチ」』

中学時代の箒のクラスメイトに八幡がいたと言う設定のIS二次創作。
剣道の全国大会で負けた時にサガミンと同じ対応されてから友達になったと言う流れ。

一夏とは異なる『折れず曲がらず変わらない強さ』に惹かれますが、自分の弱さを自覚させてくる八幡と、甘やかしてくれる一夏の間で揺れ動く自分の気持ちを「中途半端で恥知らずな女々しい甘え」と断じながらも選ぶことが出来ないヘタレな箒がメインヒロインとなるお話です。
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