『IS原作の妄想作品集』   作:ひきがやもとまち

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『我が征くはIS学園成り!』の世界観を、女子高が舞台になってる他のラノベ作品風に置き換えて書いた作品です。本編とは別物ですのでお間違えの無きように。

本当だったら『インフィニット・ストラトス・けんぷファー』とでも銘打って、男がIS使う必要がある時だけ女に変身してIS学園に通う話で使いたかったネタなんですけどね。主人公の設定が思いつかなかったのでこの様な仕儀に・・・(笑)

ああ、本編のバトルも順調に書き進んでますので辞めるつもりはありません。思いがけず本格バトルになってきちゃったので息抜きしたかっただけです。そのうち出せるよう頑張りますね。では。


ボツ落ち『我が征くはIS学園成り!ガールズギャグバージョン』

 ーーIS学園。そこは世界で唯一のIS操縦者育成機関。

 通常であれば、国家的VIPでもある国家代表の候補生で専用機持ちでもある超優等生は一学年に一人か二人しか在籍することはなく、クラスごと学年ごとにパワーバランスが調整されるようになっているが、物語の主人公にして世界初の男性IS操縦者『織斑一夏』の入学を切っ掛けとして世界中から強者一年生集ってしまって魔窟化してしまう場所。

 

 

 そんな世界のそんな魔窟に好き好んで転生を望む男がいた。

 

「強者どもが集い、戦い、競い合う・・・・・・それこそが男の居るべき場所! 戦場!

 私は戦場を転生先に希望するものである!!」

「・・・・・・・・・まぁ、別にいいんじゃけども。その世界のその学校、男は主人公だけじゃなったら転生の術が効き難くなるから性転換させてのTS転生でも構わんかの?

 ぶっちゃけ難易度の高い術つかうの面倒くさいんじゃが・・・・・・」

「転生の神様君、覚えておくが良いだろう。男か女かなんて大した問題ではないのだ。

 戦うべき場所と武器、そして最高の強敵たち(ライバル=仲間)さえ集まれば、其処はもう男の生きるべき場所『戦場』になるのだという事実をな!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、転生の術スタート~。

 ア~ブラ~、カタブ~ラ~・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、バカがIS学園にやってきた!

 

 

 

 ーーバンッ!

 

 入学式が終わり初日の授業が行われていたIS学園の三時間目『実践で使用する各種装備についての説明する』授業がはじまる前に担任教師の織斑千冬から説明された『クラス対抗戦』。

 それに参加するクラス代表を自薦他薦問わず募集したところ多数の表が世界初の男性IS操縦者の少年に集まる中、一人の少女が毅然として立ち上がり異を唱えたのだった。

 

「納得がいきませんわ!」

 

 手のひらを机に叩きつけながら立ち上がった彼女、金髪碧眼ドリルロングヘアーの持ち主であるイギリス代表候補生セシリア・オルコットは「自分たちの代表である委員長職を、そんないい加減な理由で決めるのは良くない」と主張した。

 

「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

 激しい口調で詰めるセシリアだったが、クラスメイトの反応は芳しくなかった。

 彼女たちの言い分はこうである。

 

 

「いや~・・・恥晒しって言うか、雑用兼なんか色々と面倒くさいこと担当って言うか・・・」

「自分がやらなくていいなら、誰でもよかったって言うか・・・」

「対抗戦の時に弱いけどネームバリューある期待の新人初心者の方が倍率上がって儲けがいいと言いますか・・・」

「仮に低くても穴狙いで入れてくれるから、寺銭は入ると言いますか・・・」

 

『ぶっちゃけ、金の卵を生む雄鳥と同じクラスになれたんだから使うでしょ、普通。金儲けのために』

 

 

 ーーIS学園。そこは日本国内にありながら日本国の刑法が適用されない治外法権の地であった。

 

 

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスに入る気は毛頭ございません!」

 

 相変わらずクソ真面目なセシリア・オルコット。

 対するIS学園1年1組の生徒たちの心情は、『え? 雄ザルがISのって戦うのって画になると思わないの? 高く値が張りそうな画に』ーー不真面目きわまりなかった。

 これが資本主義経済を選んだ現代日本の代償かぁぁぁぁぁぁ・・・・・・っ!!!

 

 

「大体、文化としても後進国な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーーー」

「(カチンっ)・・・・・・イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

「なっ・・・!? あ、あなたねえ! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

 家事が得意で料理には一家言もっている織斑一夏が思わず反論してしまい、ヒートアップするセシリア。

 ちなみにだが、クラスメイトの女子たちのうち料理が作れるのは半数程であり、残りはイギリス料理とフランス料理の違いが判別できるか怪しいレベル。

 

 

「・・・ねぇ、今更なんだけどイギリス料理の代表格って何があるか知ってる? 私、ハムとソーセージと目玉焼きしか知らないんだけど・・・」

「バカねぇ、あんたは。イギリス料理って言えば『フィッシュ&ポテトチップス』に決まってるじゃない」

「ああ! そっか! そうだったわよね! 私もテレビとかでよく見かけるようになってたわ!『フィッシュ&ポテトチップス』!」

 

『ああ・・・でも一度でいいから私たちも食べてみたい高級料理「北京ダック」・・・!!!

 一体どんな味がするお肉なのかしら・・・・・・(ぽわ~ん)』

 

 

注:「北京ダック」は皮を用いた料理です。皮を切り取って残った肉は別料理に使用しますので別物に分類されます。

 

 

 

「決闘ですわ!」

 

 パンッ!と音を立てて投げつけられた手袋が一夏の胸に当たり、言葉と行動どちらともで挑戦状を叩きつけられた織斑一夏に、その挑戦を断る理由は一切存在していない。

 むしろ相手が女であることを除きさえすれば、一対一でのタイマン勝負は望むところですらあった。

 

「いいぜ、四の五の言うよりわかりやすい。乗ってやるぜ、その勝負」

 

 堂々とした態度で言い切る一夏。

 

 そして、これほどの『漢』らしさを見せつけられたのでは、黙っているわけにはいかない事情を抱えた『元』漢がIS学園1年1組には存在していた。

 

 

 

 

 

 

「ーーこの私を前にして、よくぞ言った」

 

 

 

 え。

 一夏とセシリアを含む教室内にいた発言者以外すべての生徒たちが、突然に割り込んできた闖入者の少女に視線を向けてーーーーー半数以上が見ることができなくて困った。

 

 小さい。とにかく小さい。小さすぎる! 高校生用の机を女子小学生が使っているに等しい矮躯でありながら、席は最後尾の窓際という最低のロケーション。

 座席はアルファベット順に並べてあるため偶然にもそうなってしまっただけなのだが、これではクラスの皆が彼女の存在に気が付かなかったのも道理。致し方ないことではあるが、流石にこの低身長でこの席順だと前が見えない。

 

 黒板に何が書かれているのかすら全く見ることの叶わないポジションは「早急に改善の必要あり」と、会話に加わらないから暇してる織斑先生が自前のノートに記載しているのにも気づかずに、気づかせずに、小さな少女は不敵な笑みを浮かべて席から立ち上がる。

 

 教室のど真ん中&最前列にある一夏の席まで歩み寄ると腕まくりをし、肘を机においてニヤリと笑い、不敵で不遜で恐れ知らずなチャンピオンであり挑戦者でもありたがる若者らしい声で原作主人公に告げてくる。

 

「さぁ、来たまえ。どちらの筋肉が上か腕相撲勝負といこうじゃないか。

 まずはイギリス令嬢殿より先に、このドイツから来た代表候補生シュトロハイド・フォン・ローゼンバッハがお相手しよう。

 ハンデはどの程度つけてほしい!?」

「いや、要らないよハンデ!? 普通に勝てるし、そもそもやらないし出来ないし! 

 お前みたいに小さな女の子相手に腕相撲勝負とか本気でした日には、俺が千冬姉に殺されて命終わるだけなんだが!?」

「って言うか、『わたくしよりも先に』って、やりませんわよわたくし腕相撲なんて!? そもそも何故にIS学園で行われる決闘での決着方式に腕相撲を!?」

「ふっ・・・いいのかね? ハンデ無しで私に挑んでも・・・?

 言っておくが一度たぎった筋肉と漢の魂は、相手を打ち倒すまで沈める術など存在しないのだからな!?」

「「だから何故、勝負を受けること前提で話を進める!?(進めますの!?)ちょっとは人の話を聞けーーーーーーーーーっ!!!(聞きなさーーーーーいっ!!!)」」

 

 

 天上天下、唯我独尊。この世は楽しく戦い競い合うためにのみ存在している!

 

 ・・・そんな風に確信していて疑うと言うことを知らない彼女になった彼には、戦の臭いを感じ取っておきながら参戦しないなどと言う選択肢はありえない。あったとしても決して選ばない。

 

 いかなる理由で行われている勝負であろうとも、其処に戦いが生じていたなら参戦し、己が誠と信じるやりかたで勝負を挑み、戦い勝つべし!

 

 それがハイドという、長すぎる本名を省略した略称を持つ少女の生き様だ。

 

 

「ああ、もう! 面倒くさいですわね! だったら二人共と決闘ですわ! なんでしたらあなた方二人をわたくし一人で相手取って戦っても構わないのですけれど!?

 如何がなさいますかしら? 片方が素人さんなのですし、ハンデとして妥当なのでは?」

「は、侮るなよ。俺は男だ。専用機持ちだかなんだか知らないが、女相手にハンデなんて必要なーーーーー」

 

 

 

「その意気や良し! 戦場という死地へ赴くに当たり、敢えて自らの退路を塞がんとする精神はまさに武士道精神の神髄!

 私は此処に英国騎士道精神と日の本の武士道精神の完全なる調和を見た!」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・?」

 

 

 思いがけない論法で台詞を途中で遮られた織斑一夏は、唖然とした表情を浮かべて傍らに立つ小学生みたいに小さな少女を見下ろす。

 

 異常な学園を舞台にして行われるハイスピードバトルラブコメの原作主人公も、登場当初の時点では巻き込まれただけの一般人に過ぎず、この世界がどういう場所か承知の上で降り立ってきた転生者の少女が相手では戦いに対しての心構えに差がありすぎたのだ。

 

 ・・・まぁ、今まで戦ってきた相手が同世代の悪ガキどもと年上の不良少年ぐらいしか存在しない状態では致し方のないことではあるのだが。

 

 

「その尊き精神に敬意を表し、敗北と己に勝る強敵との出会いを与えよう・・・見事私を乗り越えてみるがいいセシリア・オルコット!

 そして、熱き血潮を燃やし合った死闘の果てに永遠に終わらぬ友情を誓い合おうではないか!」

「はんっ! 戦い始める前からもう勝った気でいるだなんて、傲りが過ぎますわよ? シュトロハイド・フォン・ローゼンバッハ。

 いざ戦う段になってから怖くなり、お小水を漏らして下着を汚してしまわないようトイレは早めに済ませておくことをお勧めしておきますわ。当然、神様への祈りも忘れないようにね?

 どうせ試合当日、わたくしの強さを見てしまえば会場の隅でガタガタ震えながら命乞いするぐらいしか出来なくなるでしょうかね!」

「失敬な! 私の下履きの色は常に白! 純白! 即ち男の象徴ふんどしと同じ色である! 死に装束なのだ! 戦場に穢れを持ち込む気など微塵もない! 戦に先んじて厠を済ませておくは戦士の基本的な心得である!

 その程度すら知らない愚物と思われるのは流石に聞き捨てならぬぞセシリア・オルコット君!」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(/////////////)」

 

 

 入学初日にして美少女同級生同士が、まさかの下ネタバトルを開始である。一夏でなくとも黙り込まざるを得ない場面だが、生憎とIS社会は女性社会。恥じらいなんて男が一人もいない場所で後生大事に守り抜いていられるほど日本の女子もイギリス女子も性倫理観が尊重されない時代になっているのが現代IS地球社会であった。

 

 

 

 周りのクラスメイトたちにしたところで、オッズ表の書き換えや電卓使っての再計算に忙しいらしく、二人の美少女同士による赤裸々発言連発会話に顔色一つ変えてはいない。

 

 

 

「まあいいか、これならこれで儲けようはあるし」

「・・・今から試合用に特別製のダメージ受けたら破れるISスーツを発注すると・・・ちっ、予算オーバーか。仕方がないし今回はあきらめよう」

「金」

 

 

 

 荒みきったIS社会を支えていく将来の国家利益の代弁者たちは金勘定に忙しくしている中で、担任教師の織斑千冬は至って冷静かつ眠そうに細められた瞳のまま柏手を打ち、パンッと大きく音を鳴らすことで皆の注目を自分に向けさせると「この話はこれで決定」とまとめてしまうかのように、先ほどまで展開していた諸々の阿鼻叫喚を見届けた後、ごく普通のお言葉で締めくくられた。

 

 

「さて、話はまとまったな。それでは勝負は一週間後の月曜。放課後の第三アリーナで行う。織斑とオルコットはそれぞれ用意をしておくように。以上。

 ーーそれでは授業を開始する」

 

 

『は~~~~~い』

 

 

 ーーそして何事もなかったかのように再開されるIS学園日常における授業風景。

 これこそが日夜ISが壁を壊したり、教室内で全力戦闘をおっぱじめる頭のイカレタ国家代表の候補たちが通うIS社会の最先端施設。

 

 女性社会IS世界における、もっとも女子率が高い場所! IS学園!

 そこは男が動かせないISをまとって戦う、年頃少女たち『だけ』が在籍していた乙女の園である。・・・・・・今日この日まではーーーーー。

 

 

 

 

「こ、これがIS社会の頂点『IS学園』・・・・・・っ!!!

 ーー俺は、こんな場所で三年も生活するという屈辱を味あわされなければならないのか・・・!?」

 

 織斑一夏、男の尊厳が大ピンチである。

 ついでに言うならSAN値はもっと大ピンチである。

 

 果たして織斑一夏は女地獄のようなIS学園を『男』として生き延びることが出来るのか・・・っ!?

 

つづく?

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