捻くれぼっちの筈の彼の死は、何人もの心を締め付ける。 作:あなさ
あと、毎度更新遅くてすいません。
そこから十秒程、由比ヶ浜由衣からの返信は無く、ようやく、返ってきた返信も、弱々しい声だった。
結衣『……小町ちゃん、冗談、だよね?』
小町(結衣さんからは、そんな言葉が返ってきた。
まぁ、誰だってそうなるよね。
いきなり、知り合いが死んだ、何て聞かされたら。
でも、これは、これだけには、向き合ってもらわないと。)
小町「冗談だったら、どれだけ良かったことか……」
結衣『っ……も、もう……あ!分かったよ!ヒッキー、どうせそこで聞いてるんでしょ!?私の取り乱し方を見ようとか思ってるんでしょ!?小町ちゃん、ヒッキーに変わってくれる?今日はもう怒っ「結衣さん!!!」っ………』
小町は、結衣の声を遮って、ここ最近一番の声で叫んだ。
そして、
小町「小町だって…ごんなこと、みどめだぐはないでずけど……!!お兄ちゃんは…本当に!!……死んじゃったんですよ……うぁ」
次は、さっきとは対照的に、消え入るような声で、堪えていた筈の涙をボロボロとこぼしながら、ろれつも回らなくなりながら、伝えた。
そして、電話の奥から聞こえてきたのはーー
結衣『……本当に……ヒッキー、死んじゃったの…?』
いつもの結衣と違う、しおらしい声だった。
その声は、聞いているだけでも心が痛むような、締め付けられるような、普段の彼女を知らない人でも、知っているなら尚更そう感じさせる声だった。
小町「えぇ……本当です」
一方、小町の方は、力強い声のようで、どこか取り繕った、空っぽの、虚空に投げかけるような声だった。
結衣『…………そっかぁ……ヒッキー………死んじゃったのかぁ………ごめん、ちょっと電話切るね、あ、ゆきのんには私から連絡しておくから……じゃあね』
ピッ
そして、結衣は一方的に電話を切った。
それから少しして、カラカラと扉の開く音がした。
そこには、目を真っ赤に腫らした母と、必死に隠しているけども、まだ目の赤い父がいた。
どうやら、気を使って外に出てくれていたらしい。
そして母達に続き、直ぐにスーツ姿で中年頃見受けられる大柄な男性と、白衣を来た若いお兄さんが入って来た。
二人はズカズカと私の方に歩み寄ってきた。
最初に口を開いたのは、大柄な男性の方だった。
???「比企谷小町ですね。私、警察庁捜査一課課長、近藤敦と申します。お兄さんの事について、お訊きしたいのですが」
その男性は、近藤敦と名乗った。
声は、人情何で籠もっては無く、ただただ仕事で訊いているだけという、何だかぞっとするような、小町とは違うタイプの空っぽの声だった。
そこに、白衣の若い男が口を挟む。
???「刑事さん、今比企谷さんはとても答えられる状態ではありません。二、三日時間を置いて、それから事情聴取を行って下さい。」
こちらは、強い使命感と、医師としての責任感を強く含んだ声だった。
しかし、
近藤「しかし澤畑先生、此方側として早期解決の為に素早い事情聴取が必要なのです。」
相変わらずの淡々とした返答をする。
どうやら、白衣の人は澤畑先生というらしい。
澤畑先生は、それに対して
澤畑「いえ、此方としても患者が心に大きな傷を負っている以上、見過ごす訳には生きません。」
こう、返答した。
小町(あ、いい人だなぁ)
小町の衰弱した脳でも、それはすっと分かった。
でも、近藤という人も引いてはくれない。
近藤「先生、あなたなら、多くの命と、死にはしないけれど心の病んだ一人の患者、どちらを救いますか?」
小町は、何となくだが、この近藤という人は、兄に似ていると、そう思った。
誰だって救おうと、本質を分からない愚か者、世間から見たら立派な善人達は、必死に意味なくもがいて、勝手に解決した気になって、目に見えない位下のたった一人には目を向けない。
その一人が、自分以外全員を救い、自分を犠牲にしたことを知らずに。
この人は、その考えを、兄と似てはいるが、少し違って、それを他人に当てはめる事が出来る人なんだろう。
小町(これが分かったのも、全部お兄ちゃんから教わったものの産物だね)
小町(まぁ、こんなのお兄ちゃんなら絶対認めないけどね。)
小町(お兄ちゃん、自分が傷つくのは全然気にしないのに、他人が傷つくのはスッゴい嫌いだからなぁ……)
小町(でも)
小町(今日からは、出来る範囲で、お兄ちゃんになってみようかな)
澤畑「しかし!!「あの……」どうしました?」
小町「私、受けます」
近藤「話が早くて助かります。それでは此方へ」
私がそう答えると、少し驚いた顔を見せた後、すぐにまた無表情に戻り、私を扉まで連れて行ってくれた。
そこで、澤畑さんが呼び止めてきた。
澤畑「比企谷さん?アナタはまだ病院で療養するべきです。じっくりと治療しないと、アナタの心の傷は癒えませんよ?」
そんな、最もらしい先生の呼び止めに、小町は立ち止まって振り返り、
小町「いいえ、大丈夫です。確かにまだ辛いですけれど、他の人が死んじゃうのも嫌ですし。なんか、自分のせいだーってなっちゃうかも知れないので。それにーーー」
ーー兄なら、きっとそうします
もう既に涙を堪えられてない両親と先生に、不思議と出た、多分お兄ちゃんのお陰ででた、満面の笑みを見せつけるようにして、私は病室をでた。
次回は由比ヶ浜と雪ノ下編です。
次回は時系列もしっかりと分かりやすく書き入れられるように頑張ります。
では皆さん、これからも、どうぞご贔屓に~