あれからキンジの誤解を必死で解き、今は下のコンビニで弁当を買い、三人(アリアは店にあるももまんを買い占め真守は二度見した。)でソファーに座りながら食べている。
「ああそうだ、真守俺は明日から仕事があるから2~3日部屋を空ける。」
キンジが弁当を食べながら話してくる。
「おう、わかった。ってどうせまた対ストーカー対策の護衛だろ~。?」
キンジが顔をしかめながら真守を見た。
「真守詮索はよせ。」
それもそーなんだけどよっと言いながら話す。
「キンジに来る依頼ってほとんどストーカー対策関係だろ、あの仕事以来よ。」
「ま、実際そうなんだがな。」
キンジは苦笑いをしながら話す。
「あの仕事以来?」
アリアが三個目のももまんを食べ終え話しに混ざってくる。
「あ~、神崎さんは知らないのか、あれは一年の6月の半ばの頃なんだけどな。」
「おい、あんまり喋るなよ。」
「い~じゃんか、でなネットで人気に成ってたミナミナってアイドルのグループがいてな、そのアイドルグループの三人の内一人が、ストーカーに悩まされてて困ってたんだよ、で、対策しようにも先立つものがない、いくらネットで人気になってても、まだまだメジャーじゃないし、所属事務所も出来たばかりの小さな会社だからしょうがないんだけどな。もちろん会社側だって対策はしてたんだよ、自分達で出来るだけの事はな。」
アリアは頷きながら話しをきく。
「んで、会社側は武偵なら安く雇えるんじゃないかとふんで、武偵校に依頼を出したんだよ。
社会人の武偵よりも、質は落ちるだろうけど、数は揃うだろうってな。」
「ま、確かに警備って事なら一人よりも多数の方がいいわね。」
「だろ?、そしてその仕事を五人の一年が受けたのさ、その五人のなかにキンジがいたんだよ。
確か、一ヶ月半の護衛兼警備の依頼の最終日に、事件が起きたんだ。
ミナミナの初めてのフロアを貸しきっての一日ライブの日、そのライブの途中で三人の男が舞台に近づいてきたのを、キンジ以外の一年は気付けなかった、キンジは男達に気付かれないようにかつ、素早くミナミナ達の近くに移動して、彼女達を見守ってたんだ。
それで、男達が奇声を上げミナミナ達に近づこうとした瞬間に、キンジはミナミナ達の前に出て、男達と大立ち回りして、ストーカーどもを逮捕したんだよ。」
アリアはキンジの顔を見ながら、へぇ~あんたやるじゃないっと言っていた。
「んでな、これには続きがあってな、ミナミナの初めてのフロア貸し切りライブで、当然のごとくネット配信しててな、その映像見てた奴らが武偵ってスゲーってなって盛り上がって、武偵のイメージアップになって、今じゃ弱小芸能事務所は、武偵校のお得意様になったって訳だよ。
事務所側がキンジを名指しで指名するぐらいなんだぜ。」
「成る程ね、確かに実績ある遠山キンジに来てほしい事務所側の気持ちはわかるわ。」
アリアが話していると、キンジのケータイが鳴りすまんとキンジが席を立ち、外に出ていく。
しばらくたち、キンジが戻ってくる。
「すまん、クライアントが今から契約したいとの事だから、今から出てくる。」
そう言うと部屋を出ていく。
「アイツも大変だな。( ̄▽ ̄;)」
「頼りにされてるって事よ、良いことだわ。(⌒‐⌒)」
街灯もない暗い夜道をキンジは歩いている、そこに一台の黒塗りの車がキンジの横で止まる。
止まった車から一人の男が降りてきたのだが、その男の顔が遠山キンジと同じ顔であった。
「よぉ、ミラー」
ミラーと呼ばれたキンジと同じ顔の男は、キンジにうやうやしくまるで、主人に仕えるメイドのような仕草でお辞儀をする。
「キンジ様お会い出来て光栄でございます。」
キンジと同じ顔の男は、ただ声はまるで、少女のような可愛さを持つ女性の声である。
「何時もと同じセリフだなミラー。」
「私のような弱き者は、キンジ様のような強き方に従って生きていくのが自然の摂理でありますがゆえに。」
そうか、っと言い軽く苦笑したキンジは、車に乗り込む。
「頼むな」
「かしこまりました。」
ミラーはそう言うと、自分の喉仏を掌で押し宛て数秒間して離す。
「では、後武運を御祈りしております。・・・ファントム様。」
ミラーの女性の声は、遠山キンジの声になっていたのであった。
「ああ」
車が動きだし闇に消えるようにその姿が見えなくなっていくのだった。