【デレマス×ゼノグラシア】アイドルマスターゼノグラシア・sideシンデレラガールズ   作:擬態人形P

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ライブ

 その後の基地攻略も、思いの他スムーズに進んだ。福井基地も富山基地も、飛行戦艦が落とされたからか、ほとんど撤退準備に入っており、戦闘をする人型戦闘機械の数も石川基地に比べれば少なかった。そして、IDOL達が富山基地を占拠する頃には新潟基地からも新アメリカ帝国が撤退したという情報が入った。

裕美達は富山基地で沢山の軍人や駆けつけてきた一般市民に迎え入れられる事になった。そして、基地の一室で………。

 

「い、いきなりセンターなんて無理ですよー!」

 

 心にメイクをしてもらいながら裕美は悲鳴を上げる。彼女に今回のライブのセンターを務めろと言われたのだ。そりゃ驚きもする。

 

「何言ってるんだ。ここは富山だぞ?お前の故郷なんだからお前がセンターなのは当然だろ?」

「で、でも私まだうまく踊れないし歌えないし何より笑えないし………。石川が故郷の美世さんがセンターを務めれば………。」

「あたしは前回センター務めたから次は裕美ちゃんの番だよ!」

 

 既にステージ衣装に身を包んだ美世は笑っている。後ろでは沙紀が裕美の姿をカメラに取っており、由愛はくすりと笑っていた。

 

「見守っている奴らの役に立ちたいんだろ?だったらしっかり自分の事紹介しろ。」

 

 バシンと叩く心に裕美は不安になる。自己紹介と言ったってどうすればいいんだろうかと。今更になって自分が元々内気だという事を思い出してしまった。

 

――――――――――

 

 結局そのおどおどした様子は真っ暗なステージに立った時も続いていた。だが、ライブは待ってくれない。

突如スポットライトを浴びた裕美は、思わず後ずさってしまう。

 

「え、えっと………。」

 

 会場は多数のカメラと兵士達、更には一般客で埋め尽くされていた。皆、ニューフェイスの裕美に見入っている。

 

「私………新しいIDOLの陽炎のパイロットの………関裕美って言います。」

 

 会場からオオッ!って声が響く。その声に委縮してしまい、裕美は震えてしまう。すると、左右から両手を握られた。見れば、両隣に立っていた肇と芳乃が笑いかけていた。

 

「大丈夫です。私達がいます。」

「心を穏やかに落ち着かせるのでー。」

 

 仲間の言葉に裕美は一瞬俯き、思い切って前を見て言う。

 

「あの………まずはごめんなさい。私、まだIDOLになったばかりで、ダンスも下手だし、歌も上手く歌えないし、何より笑顔が苦手なんです………。」

 

 最後は消え入るように呟いてしまった。会場がざわつく。だが、裕美はもう一度息を吸うとハッキリと言った。

 

「でも、努力します!みんなを守れるように!私を信じてくれる人達の為に!いつかは踊れるようにもなるし、歌えるようにもなるし、きっと………きっと、笑えるようにもなります!だから………!」

 

 裕美は思いっきり頭を下げた。

 

「応援、宜しくお願いします!」

 

 会場が静寂に包まれた。やっぱりダメだったかと裕美は目を閉じる。しかし………。

 

パチ、パチ、パチパチパチ………。

 

 裕美は顔を上げた。会場の至る所から拍手が起こり始めたのを。それは、やがて全体を包んでセンターの少女へ向けられる。

 

「よく言った!裕美ちゃん!」

「応援するよ!俺達!」

「私達の日本を守って!お願いよ!」

 

 色々な声が聞こえてきた。みんなの願い、祈り、感謝。それらが裕美を包み込んでいく。

 

(私は………。)

 

 自然と涙が出ていた。こんなに受け入れられた経験は無かった。感謝される事も、頼りにされる事も。初めての経験に思わず感極まってしまった。

 

「みんな………ありがとう!」

 

 裕美の言葉にシンデレラガールズの仲間達は顔を合わせ安堵の笑みを浮かべる。そして、心の音頭が響き、ライブが始まった。

 

――――――――――

 

 ライブが無事終わり、ステージ裏へと戻った裕美は携帯端末を取り出す。そして、それを弄ると自分の大切な友人達へとメールを送った。

 

『今まで黙っていてゴメンね。私はみんなを守る為に『シンデレラガールズ』になりました。まだまだ新米で戦いもライブも力不足の私だけれど、ほたるちゃんや乃々ちゃんを守る為に努力します。………だから、もしも叶うならば、私の事、まだ友達だと思ってくれると嬉しいです。ナイショにしてたから嫌ってもらっても文句は言いません。でも、それでも学校での私の事は、忘れないでいて欲しいです。みんなと仲良くしていた関裕美を。宜しくお願いします。 関裕美』

 

 そして、送信すると色々な想いを抱えながら、裕美は上のライトを見上げた。

 

――――――――――

 

「裕美ちゃんが………どうして………。」

 

 放課後の教室で白菊ほたるは携帯端末を凝視していた。日本軍による北信越奪還戦。その中心となったIDOLに裕美は乗っていたと言うのだ。ウソかと思ったがこの送られてきたメールが全ての真実を物語っている。同じクラスメイト達も色んな所で話しているのが分かる。そして、森久保乃々は………。

 

「何で………裕美さんが………『あんな物』に………。」

 

 顔を下げ、ただブツブツと呟いていた。その様子にほたるは不安感を抱くが………。

 

ゥウウウウウウウウウウウウッ!!

 

『ッ!?』

 

 そこに警報が鳴り響いた。

 

 第6話 完

 

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