【デレマス×ゼノグラシア】アイドルマスターゼノグラシア・sideシンデレラガールズ   作:擬態人形P

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舞い踊る『パラキート』

「な、何じゃありゃ!?」

『強襲型!?新型ですよ!?』

 

 イーグルやダックの迎撃を行っていた巴と愛海の2人はいきなり高速で突っ込んできた2体のパラキートの挙動に思わず驚愕する。見れば、その角の生えた頭部はビームが纏ってあり兵器である事を示していた。

 

「避けろ!」

 

 フットペダルを弄り、横に飛んだ巴の霞はそのまま速射式二丁拳銃を振り向きざまに撃つ。しかし、青と白の方のパラキートはそれを急旋回で回避するとお返しに『ビームガン』を二丁両手に持って連射してくる。霞は回避行動を取りながら更に発射するがパラキートはゆらりくらりと避けると『ホーミングミサイル』を発射してくる。

 

「何者じゃ!お前は!」

『ライラさんはライラさんですよー。』

 

 後ずさりミサイルを二丁拳銃で落としながら、巴は思わずマイクで相手を怒鳴りつける。それはそれで問題だが、相手の方も気楽に返してくれるのだからどういう神経をしているか分からない。

 

『以後宜しくです。』

 

 ぺこりと頭を下げるように、またビームを纏った頭突き………『ビームヘッド』と呼べばいいだろうか、突撃を繰り出して来るパラキートに巴は苛立ちを覚えながら回避行動に移る。ビームは頭部全てを覆うように展開されている為、実弾ではどうしようもなかったのだ。

 

「なんなんじゃ!こいつは!!」

 

 いきなりの強敵の出現に、巴はとにかく応戦を繰り返す。

 

「愛海!」

 

 巴は愛海の名前を叫ぶ。だが………。

 

――――――――――

 

「こっちも無理ですよー!!」

 

 愛海はコックピットの中で悲鳴を上げていた。黄色と緑の模様の機体を相手にしていた彼女は、正直目を回しそうであった。速い、とにかく速い。そして射撃等も正確であった。

 

『ヤッホー!ワタシ、ナターリアネ。こっちも宜しく!』

「ご親切にどうもです!本当に何者なんですか、貴女達!!」

 

 愛海は、御団子に備え付けられた『頭部内蔵二連装ビームガン』を連射する。爪を伸ばす『ロングクロー』は隙が大きく当たらない上に、『ジェネレーター展開式ビーム砲』による拡散ビームは周りの味方機を巻き込む危険性があったから、使える武装が限られていた。

つまり、そういう意味では巴の霞よりも、相性が悪い………というか、最悪の敵であった。

 

「すみません!落ちてくれませんか!」

『ナターリア、まだ死にたくないネー。』

 

 『ビームソード』の二刀流で頭部内蔵二連装ビームガンを弾いて近づいてくる敵を見た愛海は伸びる両腕を交差させ防御する。こう見えてコーティングによって陽炎並の強固さを誇る自慢の腕は何とかビームの刃に耐えてくれた。そのまま飛びずさった愛海はマズい事を悟る。

 

「と、巴ちゃん………!」

『このままだと突破される………!』

 

――――――――――

 

「何なの、あの敵………IDOL達と高速戦闘を繰り広げている………!」

 

 如月に乗っていた兵藤レナはパラキートの襲来に驚きを隠せないでいた。こちらからも援護が出来ればいいのだが、如月よりも速い敵機に対応出来ないでいた。下手したら巴の霞や愛海の吹雪に当たってしまう。何より………。

 

『敵機が突破を図ろうしています!………押さえきれない!』

 

 久美子の苦しい声が聞こえてくる。IDOL達の動きが封じられた事で敵のイーグル達が一斉にこの防衛線を突破しようとしてきたのだ。

 

「最初からこれが狙いだったのね!」

 

 5体のイーグルの群れにレナ率いる如月は相対する。『速射式ビームガン』を撃ちながら散らばるイーグルをレナ達は『マシンガン』で撃ち落とそうとするが、レナ達の力量をもってしても3体が限界だった。

 

「東京基地に伝達!敵部隊の一部が突破!『睦月』部隊を至急応戦に出してって!後、富山基地に………!」

 

 レナの声が響いた。

 

――――――――――

 

「東京が襲撃されている!?」

 

 緊急招集でパイロットスーツに身を包んだ裕美は陽炎に乗り込み心から指示を仰ぐ。

 

「巴ちゃんや愛海ちゃんは!?」

『敵指揮官機2機と交戦中で手が離せないらしい。こっちがIDOL達を引き離す為の『囮』だという事は薄々感じてたが、嫌な予感が当たったな。』

 

 心は苦々しい顔をする。

石川基地の司令官達は、最初から基地を明け渡す気だったのだ。彼らの役目はIDOL等の主力部隊を出来る限り引きつける事。その隙を狙って反対側から海上部隊を送り込んだのだ。

無論、ここは日本軍も想定内だっただろう。だが、石川にヘレンがいたように、太平洋側の軍にもIDOLとタイマンで戦える実力者と新型がいた。そのせいで、戦況が傾いてしまっているのだ。

 

「どうすれば………!」

『IDOLを飛ばします!』

「IDOLを!?」

『授業で習った通り、IDOLは単独でも長距離飛行可能なのでー。だから、最速で東京まで飛ばして援護に行くのでー!』

 

 肇と芳乃の言葉に裕美は大切な人達の顔を思い浮かべる。両親、そしてほたるに乃々。彼らを守らなければならない。

 

(みんな無事でいて………!)

 

 裕美は祈りながら出撃準備を整えた。

 

――――――――――

 

 東京基地の司令部は慌ただしかった。頼みの綱のIDOLが敵の新型によって完全に封じられた挙句、如月部隊は、敵の侵攻を抑えられないというのだ。街中が戦闘の舞台と化すのも時間の問題だった。

 

「まだ敵指揮官機の撃破は出来ないのか!?」

「避難指示を出せ!シェルターを開け!」

「睦月部隊を早く展開されろ!」

「海上の如月部隊は何をやっている!?」

「使えないIDOLめ!!」

 

(ダメだな、ここは………。)

 

 身勝手な事ばかり呟く司令官達の言葉を聞きながらプロデューサーは部屋を後にする。そして、早足で向かったのは睦月の保管庫。そこでは、パイロットとメカニック達が慌ただしく動いていた。その中のメカニックの1人に声を掛ける。

 

「睦月は余っているか?」

「え………一応予備機は幾つかありますが………。」

「使わせてくれ。」

「はい?」

「人手が少ない状況なんだ。1人でもパイロットが多い方がいいだろう。」

 

 プロデューサーはそう言うと、スーツ姿のまま睦月に向かっていった。

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