【デレマス×ゼノグラシア】アイドルマスターゼノグラシア・sideシンデレラガールズ 作:擬態人形P
『うわあ!本当に提督さんの言った通りですよぉ!敵IDOLが1機だけ!しかも最新型ですぅ!』
『これなら私達の『作戦』も行いやすいネ。キャシー、燃えていル?』
「燃えているよ!あたしを何度も燃え上がらせてくれた機体だからね!」
『ヒルマイナ』に乗ったキャシーはアルバトロスに乗ったイヴとパァロットに乗ったケイトの通信に笑顔で応えていた。
日本軍はIDOLを………しかも最新型の1機を単独で送り込んでくるだろう。そう考えていた提督のカンが見事に当たったのだ。そして、それはキャシー達にとって一番『好都合』な条件であった。
『キャシー、今回の一番のキーパーソンは貴女よ。心の準備は出来ているかしら?』
「合点承知です!あのパイロットには悪いですが、今日こそ仕留めさせてもらいますよ!」
『ピーコック』に乗ったヘレンの言葉にキャシーはアドレナリンが分泌されるのを感じる。今回、一番の大役を任せてもらえた事に、ヘレンやイヴ、ケイト達に心から感謝していた。
本当はヘレン達も………特にイヴやケイトは故郷の事情から手柄が欲しいだろうに、『トドメ役』を譲ってくれた。だからこそ、確実に決めなければならない。
「さあ!あたし達を楽しませてよ!」
キャシー達は、陽炎へと向かった。
――――――――――
「先手必勝!」
裕美は手持ち式ビームキャノンを構えるとすぐさま4体の専用機に向かって撃つ。高出力のビームに対し、敵機がどう反応するか気になったが、4機とも回避を選んバラバラに分散し、囲うように陽炎へと迫る。
「防御しない………IDOLはいない………?」
『フェイントかもしれんぞ?気を付けろ!』
心の通信に気を引き締めながら、裕美は真っ先に突進してきた赤い機体………ケイトのパァロットを見る。その機体は常に右手で『ビームソード』を携えており、左手で盾を構えていた。接近戦用に特化した機体なのかと思った裕美はその盾の所々に黒い『穴』が開いているのに気づく。
「まさか!?」
『まずはご挨拶ネ!』
その盾………『強化シールド』からマシンガンが飛び出すのを見て、慌てて避ける。
「『シールド内蔵マシンガン』!?」
『接近戦はドウ?』
自信の表れかマイクで喋ってきたパァロットはそのままシールド内蔵マシンガンを放ちながら、飛び込み、ビームソードを振るおうとする。
裕美の陽炎は飛びずさりながら手持ち式ビームキャノンを構えた。
『Oh!』
立派な盾ではあるが、IDOLに備わっている高出力のビームまでは防げないのだろう。素直に機体を仰け反らせ回避したパァロットに殴りかかろうとするが、そこでアラートが鳴る。見れば、イヴのアルバトロスが後ろのコンテナから円形の物を取り出し陽炎に投げつけきた。
『それ~!』
「『ハンドグレネード』!?」
慌ててフットペダルを前に踏み込み、飛びずさる陽炎。ハンドグレネードは陽炎を通りすぎ、落下し、爆発を起こす。
『当たって下さい~!』
「だ、誰がそんな………ッ!?」
気の抜けた声に裕美は思わず怒鳴りそうになるが、今度は鎖に繋がれたトゲ付きの鉄球が一直線に飛んでくる。『モーニングスター』と呼ばれる武器の事を思い出した裕美は思わず冷や冷やする。この新規の2人も強敵だと。
『かなり腕を上げたわね、裕美!でも、4体を相手に出来るかしら!』
『あたし達も久々に会えて嬉しいよ!裕美!』
「私は出会いたく無かったです!」
更にヘレンのピーコックが『ウイング内臓拡散ビーム砲』を、キャシーのヒルマイナが『ビームガン』を連射してくる。名前を調べられていたからか、思わずマイクで叫んでしまった裕美は『エネルギーフィールド』で防ぎながら手持ち式ビームキャノンからビームマシンガンに持ち替える。4体を相手にするには威力を犠牲にしても連射性能が高い武器でないとどうしようもならない。
それを近くにいたイヴのアルバトロスに撃つが、ケイトのパァロットが盾を構えて割り込む。強化シールドは、ビームマシンガンくらいならば防いでくれるらしい。その後ろから飛び出すモーニングスター。強力な質量攻撃はエネルギーフィールドとは相性が悪かった。
(敵はIDOLじゃない。でも強い!)
応援を要請したくなったが裕美はそれが無理だと悟る。比奈達の如月ではパワー不足だし、乃々達の睦月では地上から届くわけがない。武蔵の攻撃は乱戦中の自分を巻き込む危険もあった。
「私が………私がやるしかない!」
裕美はケイトのパァロットに突進すると右腕を突き出す。強化シールドはIDOLの装甲も防ぐが、そういう時の為の『零式パイルバンカー』だ。杭を零距離から撃ちこむと、その自慢の盾が破壊される。
『やるわネ!』
追撃はヘレンのピーコックが珍しく『ビームガン』を撃ってきた為果たす事ができなかったが、それでも裕美は4人の動きに順応し始めていた。陽炎の性能もあれば、もしかしたら押し返せるかもしれない。
『では、そんな貴女に、『サンタさん』からのプレゼントですぅ!』
「またハンドグレネード!?」
イヴはコンテナから円形の爆弾を放り投げてきた。
反射的に裕美はビームマシンガンで撃ち落とす。
だが………。彼女は気づくわけが無かった。『サンタさん』という言葉が、作戦開始の合図だった事を。
カッ!
「ッ!?」
突然目の前が光に包まれる。裕美が撃ち落としたのはハンドグレネードでは無い。目くらまし用の『スタングレネード』だったのだ。
「め、目が………ッ!?」
強力な閃光を直視してしまい、視界が塞がれる。
その中でイヴのアルバトロスの背中のコンテナから網が放出される。その端を片手で掴むヘレンのピーコックとケイトのパァロット。網を三角形に展開した3機は、そのまま裕美に迫った。
『マズい!?避けろ、裕美ちゃん!』
「え?」
心が忠告するが、裕美は反応できなかった。
巨大なネットに陽炎は包まれると、その網がスパークする。すると、網全体に電撃が走った。
「うぁああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」
『電磁ネット』がもたらすダメージに裕美は絶叫した。
電撃はコックピットにも流れ、裕美の体を痺れさせる。あまりの痛みに裕美の意識が遠のいていく。
『陽炎を鹵獲するつもりか!?』
『裕美ちゃん!?』
『ダメッス!近づくと巻き込まれるッスよ!?』
『狙撃ライフルが………届かない!?』
『よし、お膳立てしたわよ!キャシー!』
『了解しました!』
響き渡る色々な声。その中で目の前にビームソードを突きの体勢で構えたヒルマイナが近づいてくるのが見えた。………だが、その前に裕美の視界が暗転した。