【デレマス×ゼノグラシア】アイドルマスターゼノグラシア・sideシンデレラガールズ   作:擬態人形P

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裕美の帰る場所を守る為に

『流石は帝国自慢のアルフォンシーノ。乗り心地はいいな。』

「中将、私達は『モーレイ』に乗っているので海上でしかサポート出来ませんヨ?気を付けて下さいナ。」

『ハハハ、その為に『復讐者』であるIDOL達がいるのだろう?期待しているぞ!』

 

 ハワイ諸島から出港し、東京湾へと進んでいた飛行戦艦アルフォンシーノとイージス艦モーレイの群れ。

その中の中心となっているモーレイの艦橋で通信を行っていたメアリーは、この中将の浮かれっぷりを心配していた。IDOLがいれば、どうにかなるわけでは無いのは先の秋田基地の戦闘の映像で明らかになっており、当初はこの男も意気消沈していた。

しかし、その最新型のIDOLが戻ってくる前に侵攻すればいいという『あの男』の進言を聞いた途端、青ざめていたあの中将は一気に表情を明るくさせたのだ。全く単純だと思う。

一方、IDOLである千鶴と泰葉は後ろで真面目な顔で敬礼しているし、ライラとナターリアもいつものようにしている。クラリスは念入りに索敵などを行っている。皆、いい加減、この男の態度には慣れたのだろう。我が精鋭達でありながら見上げた胆の据わり具合だとメアリーは内心感心する。

 

「中将、アルフォンシーノは貴重ですカラ、確実に東京基地を破壊して下さいネ。」

『もちろんだとも。我が主砲でこの戦いに終止符を討とう!君達の奮戦も期待してるぞ!』

 

 笑い声と共に、通信が切られる。そこで初めてメアリーはため息をつく。

クラリスが立ち上がるとタオルを持って来た。見れば、メアリーはいつの間にか汗をかいていた。

 

「お疲れ様です。」

「レディがあの程度で汗をかくなんてだらしないわネ。」

「それでもよくやっている方ですよ?」

「御守はこれからしないといけないんだから気を引き締めないといけないのニ………。」

 

 思わず弱音を吐きそうになるがそうも言ってられない。敵も戦場も待ってはくれないのだ。メアリーは後ろの4人を見る。

 

「苦労を掛けるようだけれど、あんなのでも中将だから護衛頼むワ。前線はIDOLであるチヅルとヤスハ。ライラとナターリアは敵部隊をかく乱してチョウダイ。」

「了解です!仲間の為にも、期待に応えて見せます!」

「私の『クレイン』も出撃準備は整っているという話ですから今回の戦いから役立てます。」

「ナターリアも頑張るゾ!」

「あー………それに関してライラさんから泰葉さんに質問なのですが………。」

「何でしょうか?」

 

 ライラに疑問を振られた泰葉が首を傾げる。ライラは携帯端末を弄ると、『クレイン』と呼ばれた機体のデータを見せて言う。

 

「この機体の話が正しければ、ライラさん達、下手に泰葉さんに近づいたらいけないんですよね?」

「そうですね。皆さんを巻き込む危険性がありますから、戦場では少し離れてもらえると助かります。」

「分かりましたですよ。」

「しかし、こんな武装使えるなんてヤスハは凄いナ!」

「恐縮です。でも、他の皆さんから習う事も多いですよ。」

 

 他にも戦闘になった際の役割分担等、千鶴達は話し合っていく。

そんな4人の姿を見ながらメアリーは思う。こういう乙女の会話は戦場以外の場所で見たかったと。つくづく軍という括りは残酷だと彼女は内心でまたため息をついた。

 

――――――――――

 

「これで良しとー。この度も皆に祝福を授ける事ができましたー。」

 

 東京基地ではパイロットスーツに身を包んだ芳乃が他の3人のIDOLパイロット達にいつもの呪いを掛けていた。皆が生き残る為の呪い。気休めにしか過ぎないとは思うが、それでも芳乃の労わりは他の皆の心を穏やかにしていた。

 

「芳乃さんには毎回感謝しないといけませんね。御蔭であたし達、無事に生き残れてますから!」

「ほんと、感謝してもしたりん。うちらも何か返せればいいが………。」

「わたくしが勝手にやっている事ですから気にしなくてもいいのですよー。」

 

 愛海や巴の言葉に芳乃は微笑む。

これは芳乃自身の呪いでもあった。こうやってみんなの無事を祈る事で自分の心も落ち着かせる。そして、また自分も生き残るのであった。

 

「元々はー、代々芳乃家に伝わる呪いなのでー。これで皆に幸運を呼び込めればいいと思っているのですー。」

「私達は十分幸せですよ。芳乃ちゃんが祈ってくれるのですから。」

「それは照れますねー。」

 

 肇の言葉に芳乃は本当に照れくさそうにする。このパイロット達の中には凄惨な過去を送った者達もいる。そういう者達をこれからも守っていきたいと思っていた。

 

「さて………、いよいよ作戦ですが、芳乃ちゃんと巴ちゃんは前述した通り戦って下さい。」

「分かりましたー。わたくしは出来る事をやりましょー。」

「うちはあんまり乗り気にはならんが、上層部が北信越奪還戦以降、IDOLの装備の増強に力を入れてくれんから仕方ないの。」

「あたしは肇さんのサポートをしますので任せて下さい!前のようにいきません!」

「裕美ちゃんが頑張ったのですから、私達もいい所を見せませんとね。」

 

 リーダーである肇の言葉に、一同は意気込みを語る。

裕美の起こしたオーバーロードに関してはまだ謎が多い部分もあった。だが、それでも自分達は彼女の先輩パイロットなのだ。これ以上情けない姿を見せている場合では無い。4人は自然と手を合わせると力強く頷く。

 

「では、また後で会いましょう。」

「皆がー、無事に帰艦できます事をー。」

「そして帰ったらお山を………アイタッ!?」

「やかましい!………全員で裕美の戻る場所を守るぞ!」

 

 そして、4人は自分の機体に乗り込む。

4機のIDOL達は戦場へと飛び立っていった。

 

 第13話 完

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