【デレマス×ゼノグラシア】アイドルマスターゼノグラシア・sideシンデレラガールズ   作:擬態人形P

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シンデレラガールズ

 目を開くと天井が見えた。体に何か掛けられている物は毛布だろうか?何処なのか分からない場所で裕美は目を覚ました。

 

「ここは………。」

「気が付いたか。」

「貴方は………。」

 

 身を起こした裕美は傍で座っているスーツの人物を見る。それは、美羽が『プロデューサー』と呼んでいた人だった。

 

「生きて………いたんですね。」

「悪運だけは強いからな。………この悪運を他のヤツに与えられれば良かったが。」

 

 その言葉が誰の事を指すのか裕美にも分かった。自分に陽炎という機体を託して逝った矢口美羽。裕美の大切な友達の1人。

 

「美羽ちゃん………。」

「テレビを見てみるといい。」

 

 プロデューサーがテレビを付ける。すると、そこでは朝のテレビと同じようにシンデレラガールズのアイドル達が踊っていた。違う所があるとすれば、曲が少し悲しみに満ちている事だろうか。今回センターで踊っているのは、小柄の長い栗色の綺麗な髪を靡かせた少女で、祈るように手を組んでいた。

 

「これは………。」

「追悼だ。今回の新アメリカ帝国の襲撃で犠牲になったパイロット達………そして民間人達の安らかな眠りを祈る為のライブだ。彼女達は、戦闘が終わる度に、こうして踊っている。」

「大変ですね………。」

 

 裕美はそのライブの様子をずっと見ていた。あんなに戦える人達が、こうして他の人達の気遣いもしないといけない。それはとても大変な事なのだろうと思った。ふと、服が着替えさせられているにも関わらず、ポケットの中に何かが入っている事に気付いた。それは、美羽が持っていた緑に輝くアクセサリ。

 

「それは、IDOLを動かす為の『コアユニット』だ。これを持った認めた人にしかIDOLは応えてくれない。………ちなみに服は女性スタッフが着替えさせたから安心しろ。」

 

 プロデューサーの言葉に裕美はじっと見る。教室で見入ってしまったこの光。それは本当に自分の日常を壊してしまった。自分の大切な人を奪う形で………。

 

トントンッ!

 

 ふと扉が叩かれる。プロデューサーが応えると中に何と『シンデレラガールズ』の面々がぞろぞろと舞台衣装のまま入ってきた。ビックリしてテレビを見るといつの間にかライブは終わっていた。

 

「やっほ。大丈夫?」

「貴女は通信の………。」

「原田美世だよ。宜しくね。」

 

 先頭で入ってきた美世は隣に2人の少女を並べる。1人は茶髪のショートでボーイッシュな人であり、思わず裕美もドキッとしてしまったが、その膨らんだ胸部が女である事を示していた。もう1人はアッシュカラーのくせっ毛にカチューシャ、大きな黒目と左目の下の泣きぼくろが特徴な小柄な少女であり、もしかして裕美よりも幼いのでは?と思えるような大人しそうな少女であった。

 

「どうも!アタシ、吉岡沙紀(よしおか さき)っす。」

「成宮由愛(なるみや ゆめ)です………。無事で良かったです………。」

 

 言われて裕美は彼女達が美世と一緒に通信で出ていた子達である事に気付く。それが分かったのか、美世が説明する。

 

「あたし達はメカニック兼、臨時パイロットやってるんだ。3人でチーム組んでるの。」

「あ、あの時は………ありがとうございます!」

 

 慌てて頭を下げた。正直元々顔見知りな事もあって対応がしどろもどろになってしまう。

 

「なんじゃ………気弱なヤツじゃのう。」

「でも、初戦で2機撃破したって聞きますよぉ?その目付といい、結構逞しいのでは?」

 

 次に声が聞こえて来たのは、赤髪の短めの少女と茶髪の御団子ヘアの少女。いずれも小柄で、裕美と同じか年下に見える。

 

「えっと、貴女達は………。」

「おう!うちは村上巴(むらかみ ともえ)。IDOLのパイロットじゃ。………美羽の仇取ってくれてありがとな。」

「同じくIDOLのパイロットの棟方愛海(むなかた あつみ)です!お山の登山が趣味だけれど………美羽ちゃん………。」

 

 しゅんとする愛海の肩を巴が無言で抱く。その2人の後ろから先程センターで踊っていた少女が出てきた。

 

「わたくしは依田芳乃(よりた よしの)でしてー。IDOLのパイロットなのでー。」

「あ、アイドルのパイロットって幼い子ばっかり………。」

「む?わたくしは育ち盛りでー!これでも16歳でー!」

「16歳!?ご、ごめんなさい!」

 

 不機嫌な顔をする芳乃をなだめながら、頭にタオルを巻いた少女が出てくる。

 

「貴女は確か………。」

「改めて自己紹介させて下さい。私の名前は藤原肇。IDOLの現リーダーを務めさせてもらっています。」

「あ、あの時は本当にありがとうございました!」

 

 改めて裕美は深々と頭を下げる。肇は笑みを浮かべながら裕美の手を取る。そこで裕美は気付いたが、自分の手は戦闘が終わってから時間が経つにも関わらず、まだ震えていた。

 

「本当にありがとうございます。怖かったですよね?」

「はい………。」

 

 温かいと思った。裕美はその温かみを感じていると、今度は別の人達が前に出て来ていた。

 

「はぁとだぞ♡」

「彼女は佐藤心。恐らく美羽が言っていたであろう『艦長』です。」

「おい、マキノちゃん………。」

 

 佐藤心と呼ばれた女性が、マキノと呼んだやや紫がかった長髪の眼鏡の女性を睨む。彼女は意に介さないように説明を続けた。

 

「私の名前は八神マキノ(やがみ まきの)。シンデレラガールズの部隊のオペレーターと砲手をやっています。」

「はぁ………。まあ、そんな訳だから、はぁと達の事も宜しく。」

「そ、そうですか………。」

 

 裕美が困惑していると最後に2人の少女が出てきた。片方は赤紫っぽいウェーブが勝った長髪の女性で何となく猫っぽい目が特徴。もう片方は背の低い長い茶髪のツインテールの眼鏡の少女で何となくもう片方の女性とは対照的に映った。

 

「にゃはは!一ノ瀬志希(いちのせ しき)だよー?裕美ちゃんいい匂いがするねー。ハスハスしていい?」

「ぇえ?」

「私は池袋晶葉(いけぶくろ あきは)だ。見ての通りの天才で、志希と共にシンデレラガールズの機体の開発部門を担っている。」

「は、はぁ………。」

 

 肇以降、個性的な面々の登場に困惑する裕美に対し、最後にプロデューサーが立ち上がる。

 

「そして、私が彼女達を総括するプロデューサーだ。名前は昔に捨てたから、こう呼んでくれ。」

 

 こうして揃った12人の人々を前に、改めて皆を見た裕美は思わず恐縮する。この人達が美羽の言っていた『日本の要』を担う人達なのだ。これまで安全が守られてきたのは彼らの御蔭とも言ってもいい。だが、そこでプロデューサーが言う。

 

「さっき、軍の上層部との会話で決定した事項がある。君が………この新しい『シンデレラガールズ』の仲間の1人に正式に認められた。」

「え?」

 

 一瞬思考が固まった。後ろの少女達がそれぞれ暗い顔をしてしまう。

 

「あの、ど、どういう事なんですか………。それって………。」

「偶然に偶然が重なったとはいえ、君は軍の最重要機密事項に触れてしまった。これを合法的に解決するには………こうするしか無かった。」

「そ、そんなッ!?私がッ!?なんでッ!?」

「そうしなければ………銃殺刑に処すると言われてしまったんだ………。」

「……………。」

 

 危うく関裕美は視界が真っ暗になる所だった。いや、心の中はもう真っ暗だ。あんな怖い戦闘を………やっと終わったと思った戦いをまたやれと言われた。ふと手の中にある緑のアクセサリ………『コアユニット』を見る。美羽から託されたそれを見て、もう戻れない事を改めて痛感してしまった。

 

「君は、『IDOL』になる。」

 

 プロデューサーの言葉に、裕美は何も言い返せなかった………。

 

 第2話 完

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