【デレマス×ゼノグラシア】アイドルマスターゼノグラシア・sideシンデレラガールズ   作:擬態人形P

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5体のIDOL達

「裕美にそろそろ我らシンデレラガールズの部隊のIDOLについて紹介しておこうと思ってな。基本概要は覚えているか?」

「は、はい………。」

 

 肇、芳乃、巴、愛海と一緒に通路を歩きながら裕美は前を進む晶葉の問いかけに答える。

IDOLは元々日本で発掘された自然界では存在しないような超合金の金属で作られた超兵器………というのが表向きの説明だ。だが、その実態は未知の『生命体』であるらしい。

 

「生命体故に、特定の適合者しか認めず、起動しない『じゃじゃ馬』なんですよね。」

 

 軍の最重要機密としてはどうなのかと言う説明だが、これが事実なのだから仕方ない。

その代わり、IDOLの持つスペックは破格だ。裕美も助けられた前述の超合金による硬さに加え、無尽蔵のジェネレーター出力を秘めている為、基本どんな武装も使い放題。更にバーニア出力も高く、単独飛行も可能であった。

 

「日本の技術では量産型人型戦闘機械の『睦月』のように歩行型のロボットにするか、『如月(キサラギ)』のように装甲と近接戦闘能力を犠牲にして浮かすしかないからな。一騎当千の活躍が出来るIDOLが称えられるのはある意味当然の事だ。」

 

 特に感情を込めずに晶葉は言い切る。そうこうする内に、格納庫の前まで来た。ロックを外し、扉を開く。そこには5機の様々な形状のIDOLが並んでいた。

 

「これが、アイドル………。」

 

 裕美はまだ陽炎と時雨以外のアイドルを見た事が無かった。壮観な姿に思わず息をのむ。そうしていると、ツナギ姿の美世達が駆け寄ってきた。

 

「ようこそ、IDOL達の整備工場へ!どう、裕美ちゃん、ビックリしてる?」

「は、はい。………何か凄いです。」

 

 美世は順番にIDOLを紹介していく。まず、一番端に並んでいたのは裕美の専用機になった『陽炎』。白銀の機体で赤や橙の燃えるような模様が特徴的だ。基本的にはツインアイの背丈の高いロボットの王道の姿に見えるが、腕部を強化してあるという説明通り、その盛り上がった腕が逞しく映った。

 

「改めて見ると頼もしいかも………。」

「素手でも強いけれど、今度は色々装備を継ぎ足しておいたから今度は大丈夫だよ。前衛も後衛も何でもこなせるはずだから!」

「そうしてもらえると助かります………。」

 

 美世は次の機体を紹介する。それは肇の乗っていた『時雨』。藤紫の機体で陽炎と似たようなIDOLである。ただ、背中のバーニアはウイングのように開いており、また両肩から背中に掛けて2つ武器を吊り下げていた。

 

「右のは『展開式ビームブレード』でしたよね。アレが、展開して巨大な大剣になるんですか。左のは………。」

「『パルスレーザー砲』です。これを左脇に抱えて射撃戦を行います。」

「アレ?でも、肇さんって………。」

「無いよりはマシです。無いよりは………。」

 

 射撃の下手さは自分でも自覚しているのか、肇がため息をつく。美世がそれに苦笑いを浮かべながら説明する。

 

「時雨は肇ちゃんの適性もあって近接型の機体なんだ。だから、接近戦はめっぽう強いよ。」

 

 そして、次に置いてある黄色の機体の紹介に移る。他の2機に比べるとどっしりとしていて両肩に巨大なレールガンらしき物が装備されている。背中には近接用装備であろうか?三又の槍が携えられていた。

 

「わたくしの『雪風(ユキカゼ)』なのでー。見ての通り肇のとは反対で遠距離戦に特化していますー。」

「あの芳乃さんと射撃系の機体………。強そう………。」

 

 芳乃の説明に裕美は思わず怖い物を想像してしまう。ほのぼのとした顔で敵を冷静に撃ち抜いていく芳乃の雪風。当然、その姿は敵からも恐れられていて………。

 

「そなたー。何かわたくしだけ、変な印象を持っていませんかー?」

「え、あ、いや、ごめんなさい………。」

「素直が宜しいのでー。」

 

 思わず謝った裕美にむくれていた芳乃はくすくすと笑う。この少女は予知能力者かなんかだろうか?他の方々と比べ、掴み所の無いその姿に裕美は困惑してしまう。

そんなうちに、4体目の機体の所に移った。今度は真紅の機体で陽炎とは別の意味で燃えている雰囲気を出していた。機体は顔面を始め、シャープに尖っている部分が多い。

 

「これは………。」

「うちの霞(カスミ)じゃ。元々は灰色の機体だったが、うちのイメージに合わせて沙紀や由愛に塗りなおしてもらった。」

「そ、そうなの!?」

「いやー、あの時はアート魂が燃えたっすねー。」

「わ、私も楽しかったかも………。」

 

 巴の自信満々の言葉に美世と一緒にいた沙紀と由愛も同調する。機体の塗り直しも有りなのか。

 

「霞は近接射撃が得意でな。ジェネレーター出力をバーニアに回し、高速戦闘に特化させた分、実弾武装を沢山積んでおる。敵に突撃してハチの巣にするのがうちのやり方じゃ。」

「漢らしい………。」

 

 巴らしい戦い方を思い浮かべた裕美は思わず顔を引きつらせる。IDOLに乗る以上、戦い方に関しては何かしら特徴が無いとダメなのだろうか?

 

「大丈夫!あたしや美羽ちゃんはオールラウンダーだったから!という訳で、最後はあたしの『吹雪(フブキ)』だね!」

 

 吹雪と呼ばれた最後の機体は、他の機体とは特に異色な形状をしていた。何故ならば、その機体はピンクの球体に足が生えている物だったからだ。目は『モノアイ』と言えばいいだろうか?眼部の奥に丸い白い物がキョロキョロしてこちらを見たのに裕美は驚いた。

 

「本当に生きてる………。」

 

 他にも垂れ下がった長い腕。愛海の髪型のように頭部に付いた2つの御団子のような物体等、独特な特徴が多すぎた。

 

「この子、こう見ても凄いんだよ!腕はビヨーンって伸びるし、御団子は飛ばせるし!」

 

 正直、戦闘している場面の想像が付かない。一体、どんな戦い方をするのか裕美は考えれば考える程疑問符が浮かぶばかりだった。

 

「オールラウンダーって………。」

「とにかくだ。いずれも量産型の人型戦闘機械とは比べ物にならない戦闘能力を秘めている。これらの機体で日本を守っていく事になるから宜しく頼む。」

「日本を守る………か。」

 

 晶葉の言葉に裕美は改めて巴との先程の会話を思い出す。自分はそんな大層な事を考えられるわけではない。ただ、ホントに今、心の中にあるのは友達の………美羽の想いを引き継ぐ事だけなのだから。

 

(私………頑張らないと。)

 

 そう裕美が思った途端………。

 

ゥウウウウウウウウウウウウッ!!

 

『ッ!?』

 

 警報が鳴り響く。

 

「敵………?」

『出撃の時間だぞ!用意しろよ!』

 

 通信で佐藤心の声が響いた。

 

 第3話 完

 

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