だが
過去を作るのも
未来を作るのも
人である
「ふあ~暇だな。」
葬式でもないのに真っ黒な服を召した侍が一人、城内の廊下で庭を眺めながらごろ寝している。
「黒田師範!
鍛練場にもう皆集まってますよ!
早く来てください!」
刻限が過ぎてもごろ寝している風天な師範を呼びに来たこの不憫な侍は
「あー…素振りでもやらしといてよ。
もうしばらくしたら用事あるから。」
「師範!
師範が南部藩に来られて数年になりますが、まともに稽古されたのは最初の一ヶ月だけではありませぬか!
皆、師範の実力に疑問を持ち始めています!
稽古に来てください!」
小うるさい小倅にうんざりな様子の黒田。
まあ…毎回呼びに来るのは森下だけだし見込みがありそうなのもこいつだけだったな…。
黒田は少し勘案して森下に声をかけた。
「よし!今日の用事、お前も来い。
俺が何やってるか教えてやるよ。」
ニヤニヤ笑いながら話す黒田に森下は少し背筋に寒気を覚えた。
森下は鍛練場の者に黒田の指示を伝え半刻ほど待って黒田の用事についていくことになった。
黒田は森下を連れて城内を出て裏路地のとある寂れた長屋に入った。
城下にこんな薄暗くて怪しげな場所があるのを森下は初めて知った。
長屋の内部は意外にもただの居酒屋風な雰囲気で「ただの」居酒屋なら隠れた名店と言ったところだろう。
…客はいないが…
そして黒田は奥に向かって大声で誰かを読んだ。
「ほっさん!
もう来てるか?
俺だ!黒田が来たぞ!」
…ほっさん?
森下には誰のことか見当つかなかった。
奥からのそりと殿様風の雰囲気を醸し出している中年男性が現れる。
服は木綿のさして上等なものではないが威圧感がすごい。
こんな人物に「ほっさん」呼ばわりなんて…師範は殺されるな…と森下はガクガク震えていた。
「おお、黒田か。
刻限通りに来たな。
そこの震えてる小倅はなんだ?」
「ああ、剣術指南所に通いつめる家人の手本、森下だ。
自分とこの家人ぐらい覚えとけよ。」
「森下か!
名前しか知らんかったわ!
はっはっはっは!」
森下は今度は冷や汗をかきはじめた。
そんなはずはないと念仏のように心の中で繰り返していた。
「森下!この人が用事の人物、我が藩の藩主、
森下は想像した通りの最悪な答えに失神した。
「ん?起きたか?
森下、酒もつまみもあるぞ。」
意識を戻した森下に黒田が酒を勧める。
「ほっさんの作る芋の煮っ転がしはうまいぞ。
ほら食え。」
しばらく森下はぼーっとしていたが黒田と酒を呑み交わす上杉の姿を見て体の震えが止まらなくなった。
「なっ…なんで殿が御付きも付けずこんなところにいるんですかっ?」
「ん?
この店はほっさんがお忍びでやってる居酒屋なんだよ。
あ、ここの客には居酒屋蓬莱のほっさんで通ってるからよろしく。」
森下は目眩がしてきた。
常識的にあり得ない殿の一面にド肝を抜かされてばかりいる。
まして、一度も会ったことのない憧れの殿にこんなところで会うとは夢にも思っていなかった。
「森下よ、上にいるものは足元の事は見落としがちだ。
だから私はこうして
もっとも城内にいるより楽しいがね。」
上杉はそう言って森下に微笑んだ。
殿の意外に親民的な一面に心を打たれた。
「さて!
森下も目を覚ましたことだし本題に入るか!」
黒田は強引に話を切り替えた。
「ほっさん。
今回の頼みは一体なんだい?」
「最近、喜多方に向かう道の道中で鎌鼬が出ると言う話があるのだ。」
「えらいまた有名どころの妖怪が出てきたな。
鎌鼬ぐらい放っといていいんじゃ?」
「それが普通の鎌鼬より質が悪くて被害者はバラバラの死体になっておるんだ。」
「それは珍しいな。
確かに死体になるまで切り刻む鎌鼬もいるけどバラバラねえ…。」
「頼めるか?」
「楽勝。解決して見せますよ。」
端から会話を聞いていた森下はよく要領をのめていない様子で首をかしげてばかりいた。
「さっきからなんですか鎌鼬とかなんとか…。
そんなの本当にいるんですか?」
森下がいかぶしげに尋ねる。
「いるよ。んなもん。」
あっさり黒田が答える。
森下は頭を抱えた。
「そーゆーのは普通陰陽師や祈祷師の仕事ではないのですか?」
「生憎、呼んだ陰陽師も殺されたよ。」
横から上杉が口を挟む。
「黒田には『普通には』解決できない事件を秘密裏に片付けてもらっている。
今回の鎌鼬の件だってそうだ。」
森下は黒田の顔をじーっとみて疑いの眼差し向けていた。
森下の知る黒田はとにかく昼行灯の楽天家の怠け者であるからそんな仕事のできる人物に到底見えなかった。
「私もね、最初は信じられなかったが白鳳氏の紹介だったから戯れに頼んでみたらこれが腕は確かでね、それ以来困ったことがあれば黒田に任せているのだよ。」
それでもまだ、森下には信じられなかった。
それを察した黒田はだるそうに口を開いた。
「君は楓…ほっさんの言う白鳳氏な…のことを知らないし非常識な話で困惑するのも無理ないわな。
仕方ねぇからほっさんも知らない話をしてやるよ。
俺がまだ、柳生の里に入ったばかりの頃の話だ。」
黒田の思出話が始まった。
バシーン!!!
竹刀の叩く音が板間の道場に鳴り響く。
間髪入れず師範代の怒鳴り声も響いた。
「何度言ったらわかるんだ!
握り方がなっとらん!」
「でも私にはこの握り方が斬りやすいです。」
「お前が斬りやすかろうが新陰流の握り方はそんなんじゃないっ!!」
女剣士に金切り声をたてて喚く師範代。
周りの弟子達はすでに白けていた。
そんな道場の角で惰眠をむさぼる真っ黒な服の新入りがいた。
「くぉらっ!!黒田!素振りもろくにできないくせに昼寝かっ!!」
黒田と呼ばれた新入りはのそりと起き上がって気のない弁明を垂れる。
「へぇ。昨夜狸を追いかけてたら寝不足で。」
道場にどっと笑い声が上がる。
「狸を追いかける暇あったら素振りぐらいしろ!!!」
癇癪起こしたように喚く師範代。
黒田はへいとだけ答えてそのまま外に出てしまった。
「おい、そこで何している。」
川原で昼寝をむさぼる黒田に凛とした声で話しかける女剣士が一人。
「見ての通り昼寝だがあなたも度胸あるね。
新陰流の道場で他流のやり方するなんて。」
「貴様寝てたんじゃなかったのか…。」
女剣士は少し顔を赤くした。
「見たところ太刀の握り方だけど…どうかな?」
「貴様に話すことではない。」
女剣士はそのままぷいっとそっぽを向いた。
「俺は今日も『狸』を追いかけてくるけどついてくるかい?」
「誰がついていくか、痴れ者め。」
「ああ、そうかい。
それじゃ、明日また道場で会いましょう。
楓ちゃん。」
黒田は女剣士に微笑みを投げてそのまま小川を越えてどこかへ去っていってしまった。
「…!ちゃん付けで呼ぶな!戯け者!!」
顔を真っ赤にした彼女はすでに姿を消した黒田にそう怒鳴った。
「で、結局来たのか。」
夜…それも丑三つ時に近い頃…灯りを持って白鳳は現れた。
「私は狸の見物に来ただけだ。
追いかけたりはせぬ。」
そっぽを向いて白鳳は答えた。
「それはいいが…ちょっと命がけだぞ。」
黒田がそう言うと白鳳は少し目を丸くしたがすぐに不機嫌そうに答えた。
「わかっておる。
大方狸とは妖怪のことだろう?
妖怪の相手なら多少はしたことあるのでな。」
「さすが退魔の名門白鳳家の方は言うことが違うね。
もっともまだ本命には俺も遭遇しとらんがね。」
「なんだ、バレてたのか。
本命てのはまさか吉野の百鬼夜行か?」
「ご名答。ちょっと訳アリでね。
とりあえず雑魚が数匹現れたようだ。
ここは自己責任ってことでよろしいか?」
「無論だ。むしろ貴様こそ殺られるなよ。」
「大丈夫さ…本命殺るまでは死ぬに死ねねえよ。」
二人はここで会話を止め妖気の流れてくる木々の奥を凝視した。
刹那、数体の小動物大の何かが襲ってきた。
「「ハッ!!!」」
二人は同時に一体ずつ仕留める。
残り一体は空中で身を翻し背後から黒田を襲おうとした。
ザン!!
黒田の背面で残りの一体が白鳳の刀によって串刺しになっていた。
「未熟者め…。」
白鳳は刀を引き抜きそのまま最後の一体をバラバラに切り刻んだ。
「その程度じゃ、百鬼夜行に挑むのは無謀だな。」
「うるせえ。
ちょっとお前さんを頼っただけじゃないか。」
「それが未熟者なのだ。」
「そうかい。」
二人は刀を納めた。
しばらく無言の時が流れたがその静寂を破ったのは黒田だった。
「百鬼夜行…ってやっぱ強いんだろうな…。」
黒田の科白に白鳳は怪訝な顔をした。
「黒田…百鬼夜行を知らぬのか。
百鬼夜行と言うのは妖怪の軍団だ。
単体の妖怪の名ではない。」
黒田は驚いて白鳳に聞き返した。
「何!てっきり百鬼夜行って名の妖怪がいると思っていたわ。」
「さっきの数体は百鬼夜行の物見だな。
近いうちにまた動き出すんじゃないか?」
黒田は白鳳の言葉を聞いて顔を曇らせた。
「近いうちって…。」
「数年前十津川の方で村が一個消えただろう?
また、潰す村を物色してるんだろう。」
ガンッ!!
黒田は近くにある樹を殴った。
「もう…二度と…潰させたりはしない…。」
凄まじい怒気を孕んだ黒田の気に白鳳は少し驚いた。
そうか…黒田は十津川の生き残りか…。
白鳳は自分の軽はずみな発言を反省した。
そして黒田が歩き出した瞬間、殴られた樹が轟音をたてて倒れた。
「俺は鉄の意思を持つ男だ。
お前に何言われようが俺は百鬼夜行を潰す。」
黒田はそう言って闇に消えた。
一週間後の吉野は柳生の里の近くの山中にて、漆黒の衣をまとった侍が一人、来るべき敵を待ち構えていた。
陽気で駭駭しい雄叫びが近づいてくるにしたがって黒田は恐怖と喜びにうち震えていた。
ああ、今日はなんて気持ちのいい日だろうことか。
あとにも先にもこれほど待ち望んだ日はないと言わせておくれ、百鬼たちよ。
黒田はすでに迫り来る恍惚に身を委ねていた。
先頭の妖怪を見るや否や疾風のごとく駆け抜け最初の一体を横一文字に斬り裂き開戦の閧を上げる。
「我は吉野十津川の黒田清彦と申す!
百鬼どもよ!!
父、黒田清仁の鉄の意思たる『
叫び終わるや否や同時に十体以上の妖怪が飛びかかる。
「うおおおおお!!!!!」
三体を横に薙ぎ払い進路を確保して他の妖怪達を避ける。
振り向き様にさらに三体を仕留める。
とその刹那に背後から来る一体を柄頭で打ちそのまま刀の峰を左手で添えて縦に引き裂く。
引き裂き様に切っ先を返し地から足をつかもうとする妖怪を突き貫きそのまま前転し上からの攻撃を交わし、左で脇差しを抜き左右の敵を同時に始末をする。
この時背に樹を背負い背後の攻撃を防御するつもりであった。
しかし、相手は妖怪。
変幻自在である。
その樹も敵だったのだ。
樹から伸びた枝が軟体動物の触手のように黒田に絡み付き黒田は一瞬身動きがとれなくなった。
真っ向正面からは大百足がキバを打ちならし迫ってくる。
絶体絶命であるにも関わらず黒田は微笑んだ。
右手の鉄を手放し大百足に唾をかけ放つ。
鉄は樹の根に刺さり黒田を縛っていた右半身の枝が緩んだ刹那に左に身を翻し大百足と樹を衝突させる。
全身自由になったところで鉄を拾い、背後の敵を振り向き様に斬り降ろす。
さらに背後上空から鴉天狗が襲い来る。
金剛杖による攻撃を鉄で辛うじて受け流すがその刹那左足に鈍痛が走る。
受け流しの踏ん張った足を狙って網切りが攻撃していた。
左ふくらはぎから血を滴ながら鴉天狗の続く攻撃を右にかわし、かわし様に網切りも始末した。
手強い妖怪の相手をしながら雑魚も片付けなければならず苦戦の様相を呈してきた。
上半身のみで鴉天狗の金剛杖による攻撃をかわし反撃の隙を窺う。
しかしなかなか隙は見つからない。
正直なところかわしながら雑魚を倒していくだけで精一杯だった。
このままではこちらが押し負ける。
そんな思いが黒田によぎりだした。
せめてもう一人仲間がいてくれたら…。
黒田がそんな願いを胸に抱いた刹那辺りが明るくなった。
鴉天狗はいつの間にか地にひれ伏している。
「鴉天狗ごときに苦戦するな。黒田。」
黒田の背後から白く光輝く長刀を突き出した白鳳が黒田に声をかけた。
「余計な真似するなよ。
俺の獲物だったのに。」
黒田は強がって見せたが内心安堵していた。
それを知ってか白鳳も憎まれ口を叩く。
「馬鹿か。
お主が百鬼どもに蹂躙されても知らぬがそれで里を潰されては困るからな。
お主のためではない。
里のためだ。」
「へっ。違いない。」
それから二人は二手に別れて百鬼どもをなぎ倒していく。
が、数に圧倒的に勝る百鬼どもが徐々に二人の動ける領域を狭めていった。
その状況の中で白鳳が右足を矢で射抜かれる。
怯んだ隙に妖狐が飛びかかる。
ザン!
妖狐は白鳳の前に飛び込んだ黒田によって真っ二つに両断された。
黒田の左足からは鮮血が吹き出していた。
「馬鹿!
人をかばう暇があったら自分の身を守れ!」
白鳳は黒田に怒鳴ったが彼は彼女に微笑みかけて答えた。
「俺は『仲間を死なせない』とこの刀に誓ってるんだ。
これぞ、鉄の意思よ。」
続け様にあとから続く数体を黒田は始末し白鳳に指示を出した。
「楓!背中を貸せ!
背中合わせで全方位の敵に対応する!」
「うるさい!貸しを返したつもりか黒田!」
「いや、関係ないさ。
仲間だろ…?楓。」
白鳳は面食らった顔をしたがそんな暇はないと判断し無言で黒田に背中を預けた。
「清彦!
仲間なら!
無様に死ぬなよ。」
「無論だ。
楓も…死ぬなよ。」
二人の戦いは最終局面に入った。
二人が背中合わせに百鬼夜行を斬り続けて何刻経ったであろうか。
すでに斬り倒した妖怪の数は計り知れない。
百鬼どもの目論見は既に二人の侍によってズタズタに狂わされている。
彼らは我を忘れただひたすら二人を叩き潰すことに専念していた。
しかし、二人も里のために、たった一人の仲間のために倒されるわけにはいかなかった。
時の流れの感覚がなくなる頃、山入端から光が漏れ出す。
日が里を照らし朝を告げると共に光を浴びた百鬼どもは灰塵と消えた。
薄く朝日が差し込む森の中、二人は背中合わせにその場に座り込んだ。
「…百鬼…夜行は…消え…去ったな…。」
息も絶え絶えに黒田は白鳳に話しかけた。
「…妖怪は…日の…当たる…場所には…居れぬ…からな…」
やはり白鳳も息絶え絶えに返事をした。
そしてそのまま二人はその場に倒れ込んだ。
柳生の里はそんな二人の夜半の活躍を知らずに新たな一日を始めようとしていた。
薄目で家々から上る湯気を見ながら二人は安堵した。
そして二人は手を重ね合わせそのまま眠りに入った。
「と、言うことがあったんだな。」
ぐつぐつと田楽の煮える音が心地よく鳴る中、黒田は話を終えた。
「なんか黄本を読んでるような気になるぐらい感動的な話ですね。
実話と思えません。」
森下は率直な意見を述べた。
「私もまさか白鳳殿とそんな戦友であったとは思わなかった。
なるほど、そこらの単体の妖怪じゃ相手にならぬわけだ。」
上杉は妙に納得して煮えた田楽を皿に盛っていた。
「森下も疑り深いやつだな。
まあ、今宵の鎌鼬狩りに付いてくればわかるさ。」
そう言って黒田は盃を一杯飲み干した。
「ちと早いが行ってくる。
今日は観客もいるのでな。」
黒田は上杉にそう告げた。
「そうか。
ではまた明日、仕事終わりの一杯でもやろうぞ。」
「いいですな。
では行ってくる。」
黒田は森下を連れて店を後にした。
夜更けに灯りを下げた侍二人。
街道ではない藩道なので道はそれほど広くないが辺りに血の臭いが充満していた。
「森下、俺から離れるなよ。
死ぬから。
早速おいでなさったぜ。
鎌鼬が。」
黒田がそう言い終わるなり一陣の風が吹いた。
そして近くにある樹の一本が倒れた。
「ななななんで突然樹が倒れるんですかっ?」
森下は突然の出来事に震えながら黒田に尋ねた。
「そんなの鎌鼬がいるからに決まっているじゃないか。」
森下は絶句して黒田にしがみつくしかなかった。
「まあ見てな。
一瞬で終わるから。」
ぴゅうともう一陣風が吹いて刀を納める音を森下は聞いた。
それきり風が吹かない。
「あれ見ろよ。
鎌鼬の死体だ。」
森下は恐る恐る黒田の指示した場所を灯りで照らす。
そこには真っ二つになった不気味な鼬のような大きな生き物の死体があった。
「ひいっ!!」
「これがさっき樹を倒し幾人もの死体を作り上げた犯人だ。
こういう連中を俺は始末してるわけだ。」
森下はその後無言で黒田と共に城内に帰った。
場内の庭を眺めながら昼寝をする黒服の侍が一人。
彼が闇のうちに仕事をしていることは誰も知らない。
彼を除いては。
「黒田師範!
今日こそは稽古つけてもらいますよ!」
「なんだ、また森下か。
昨晩も仕事にでて眠たいのだ。
寝かせておくれ。」
「いいえ!
私は師範の仕事に感動しました!
だから私も師範の戦友、仲間になりたいのです!!」
「だあああ、そんな熱血漢は俺の性分じゃないんだ。
よそでやってくれ。」
「いいえ!
私は師範に惚れ込んだのです!
師範に稽古つけてもらうまで動きません!!」
「頼むから寝かせてくれ…。」
南部藩は黒田がいる限り平和である。
だが、彼が安眠できる日は遠そうである。
注)
黄本:当時の一般的な大衆本。黄色の表紙なのでこう呼ばれた。現代のライトノベルのような感じのものだと思ってもらえれば…。