【仮面ライダーW】はいさ、おまかせっ!ライダーです! 作:ねぎぼうし
秘密基地にて。
「シュラウドにあったぁ!?」
「まぁね。てかそんなに驚くことか?ベルトもらうとき皆会ってるでしょ?」
「逆ですよぉ!ベルト意外の目的でぇ、シュラウドが会いに来るなんて今までなかったですぅ!」
窮毘さんが帰ってきたので、さっきまでの報告をしたのだがこの驚きようである。
「ああもうなんなんですかぁ!智樹君も燐君も事件体質なんですかぁ!」
「まって?智樹がどうかした?」
ゾディアーツの近くにいると言っていた。
もしかしたら、フォーゼが……って可能性もある。
「安心してくださいぃ。カニさんはぁ、ちゃーんと倒しましたよぉ?ただ正体がぁ、先生さんではぁ、なかっただけですぅ」
「…………なに?」
先生ではない?ではあの会話は偶然?
「しかもぉ、面白いことがわかったのですよぉ?ほらこれぇ、あのゾディアーツの中身の首もとですぅ」
面白いこと。
そういって窮毘さんは一枚の写真を僕に見せた。
「……タトゥー、ですか?」
「いいやぁ?“刻印”ですぅ。被害者の首から離れなかったしぃ、しゃべらなかったんですよねぇ?」
「てことは、遠隔操作、または呪い系統……」
智樹とは違い、窮毘さんとはスイスイ話が進む。
さすが科学者、頭いいのね。
「手掛かりは他に?」
「ないですぅ……」
「参ったな、これじゃあドーパントかゾディアーツかわからないな」
「ロイミュードだ」
後ろから聞こえた声に振り向くと、
「僕の範疇。対応ライダーはドライブ。敵はロイミュードだ」
「どこ情報ですか?」
「どんよりの通報があった」
「日本語を話せポンコツ」
「もはや見下し調!?」
諒さんには敬語すらもったいない。
人類みな同い年。みんなみんな生きているんだ友達なんだ、ってね。
と、いうかどんよりってなんだよ?
「こ、コホン」
「あ、そういうのいいんではよ」
「一息つくのもダメなのかな!?……どんよりっていうのは、ロイミュード独特の重加速反応のことだ。周りのものがゆっくりになる、そう思えばいい」
「ライダーは対象外ですか?」
「いや、対象内だ。対象外なのは、ドライブと、ビルドだけだ」
「ビルド?」
「あーはいはぁい!僕のことですぅ!創る、形成するって意味のぉ、ビルドですぅ!」
Wとフォーゼが対象外という厳しい現実。
「ドライブは対応ライダーとして、ビルドがどんよらないのは何故?」
「新しい動詞を作らないでくれるかな?……ビルドは、うち唯一の」
「人工ライダーだからですぅ!」
「人工ライダー?」
「ベルトを作ったんですぅ!天才でしょぉ!?最高でしょぉ!?」
「凄い……ってことは、僕らのベルトも改造すれば重加速に」
「耐えきれませぇん。精神を別の体に移すベルトなんか下手に弄れるわけないじゃないですかぁ」
「フォーゼは?」
「あの変身メカニズムは心ですぅ。ゾディアーツも何らかの強い意思で怪人化してますぅ。スイッチは再現できますがぁ、心のメカニズムは科学ではどうしようもないですぅ」
天才でもそう簡単にはつくれないと。
「量産は?」
「悪用とかのリスクが高すぎですぅ」
「まぁ、妥当な判断ですね」
「その話はあとにしてくれないか?今はロイミュードだ。どんよりの反応はフォーゼの戦いと同時刻、ここで起こった」
諒刑事が取り出したスマホには地図が映り、数ヶ所にピンが打ってある。
「ほうほう?……えぇ?」
「どうした?」
「どうしたもこうしたも、ここ、僕らの高校なんですけど」
「……ロイミュードは先生で決まりか?」
「決めつけるのはぁ、まだ早いですねぇ」
「状況証拠だけだしね。こんなときはっ!」
電話を取り出し、いつもの、
「……もしもし?」
『もしもし?』
「今度は先生じゃなくて、カニ野郎のほうを情報収集を」
『スマン、無理!』
「え、なんで!?」
特にダメな理由はないと思うんだけど。
智樹の人脈以外に僕頼るとこないんですけど。
『カニを倒すとき、顔を見られた。俺は変身できないし、危険すぎる』
「じゃあ僕がついていけば?」
『ついていったところで?重加速に耐えきれないだろ?俺らは。なぶり殺しにされるだけだろ』
「あ、そうか。……いやなんで重加速化しってんの?」
『十六夜さんから聞いた。十六夜さんは諒さんから聞いたんだと』
「妥当な所、不本意ながら……」
『不本意ながら……』
ジーーーーーーーー
「……………え?なにその視線?僕か?そうかぁ!とうとう刑事が必要かぁ!」
「……なぁ智樹、この事件犯人あてるの無理かもしれない」
『奇遇だな。一字一句違わず燐に同じ事言おうとしてたわ』
「僕に対して二人ともドS過ぎない!?」
「『ポンコツ刑事が解決とかマジ夢のまた夢だと思うんですが』」
「なんでそんな長文ハモるんだよ!こっそりベルトでも巻いてんのか!」
巻いてません。
「しゃーない。僕らが行きましょ諒さん」
「仕方ないってなんだよ!ああ、僕を置いていくな!」
「あー、僕も行きますぅ!ロイミュードだった場合ぃ、ドライブ一人じゃきついですからぁ」
三人でエレベーターへ向かう。
あ、ここにいる三人全員一人称“僕”じゃん!
じゃあ!
「僕ライダーズ、出勤!」
「いやそこは出動だろ」
「ツッコむべきはネーミングだと思いますぅ」
W~W~W~W~W
「この人知ってますぅ?」
「し、知らない!そんなやつ知らない!」
一人目、怪しすぎ。
てか関係者あたってるんだからしってんだろ!
「この人、知ってますか?」
「………知らん。帰れ」
二人目、知ってるなコレ。
「この人知らなーい?」
「ふふっ、さぁ?知ってるかも♪」
三人目、隠す気あんのかコイツ?
「もう、警察の力使えば?」
「警察には秘密の世間のヒーローだからな。それはダメだな」
「もったいないですねぇ。やっぱりポンコツですかぁ?」
「窮毘さんまで!?」
『ヨォ!そこのお三方ァ!』
響いた声は正面の物陰から。
それは明らかに加工した声で僕らに語りかけた。
『随分お楽しみの所悪いんだけど今度は俺とじゃれてくれるかな?』
「ありゃ?僕のセリフ取って、意外と執念深い?」
コブラのマークが胸にある、ライダーだった。
「敵?ロイミュードってコレ?」
『半分正解だな!俺はブラッドスターク!』
「で?どっちが正解?」
「ロイミュードはアレじゃない。つまり……」
諒さんがベルトを構える。
「じゃれて貰えるならぜひそうして欲しいですぅ!」
同じく新たな窮毘さんもベルトを巻く。
ベルトに引っ掛けてあるボトルを取って、振る。
「はいはい!三対一なら参戦しましょう!」
僕もベルトを巻いて、
(お?敵?)
そう敵!行くよ!
(えー?俺今、トイレなんだけど?)
見つからないしちょうどいいだろ!
『ラビット!タンク!ベストマッチ!…………Are you ready?』
ああもう遅れてるって!
問答無用!
『ジョーカー!』
「「「変身っ!」」」
『あぁはいはい変身…』
電話越しにやる気の無い変身するの止めてくれませんかねぇ!?
『ドライブ!タイプスピード!』
『鋼のムーンサルトォ!
『サイクロン!×ジョーカー!』
「ひとっ走り付き合えよ!」
「勝利の法則は決りましたぁ!」
「さぁ!お前の罪を数えろッ!」
決め台詞後に物陰から怪人が二体出てくる。
「お?アレがロイミュード?」
「違いますぅ!スマッシュですぅ!」
「対応ライダーは?」
「僕ですぅ!」
「あれ?人工ライダーじゃ?」
「あっちが後から勝手に作っただけですぅ!」
『オイオイ!人聞き悪いなぁ!そのとうりだけど、ネッ!!』
『ライフルモード!』
うをおおおおおおっ!?
危なーい!
「オイオイ!会話中に撃ち抜くのはずるいって!スタークは僕が!ドライブとビルドはっ!」
「スマッシュを!行くよ、ベルトさん!」
『OK!スタート、ユア、エンジン!』
ベルトさんノリノリィ!
「ブラッドスタークさんはー何が目的ー?はっ!」
『うおっとぉ!危ないなぁ。何って、世界を救うことだよ。ふんっ!』
「おっと危ねっ!救う?人を襲っといて?はぁっ!」
『っと!俺は真実しか言ってないよ』
蹴り、パンチ、武器、あらゆる手段で攻撃しながら談笑、もとい、戦う。
「随分Wは余裕ですねぇ」
「いや?結構ガチで強くて内心焦ってますけど?
ちょっと俺らじゃヤバいかも。らあっ!」
『おっと!それは光栄だが正直君たちも強くて私も焦ってるよ』
「わー嬉し!んじゃ黙って倒されろ!」
『却下!俺はまだ世界を救わなければならないのでね!』
「二人と…いや、三人とも冗談話しながら戦いとかぁ、ホントにどうなってるんですかぁ!」
あ、一瞬Wを一人としてカウントしようとしたな?
(意外と律儀だな。窮毘さん)
だね。
『ドライブ!タイプテクニック!』
『天空の暴れん坊ォ!
後ろで何かしてるみたいだけど、
「振り向く余裕、ないっ!」
メモリを抜いて、
『ジョーカー!マキシマムドライブ!』
「サイクロンジョーカーエクストリーム!」
『ボルテックフィニッシュ!』
『ヒッサーツ!フルスロットル!』
「「「はあっ!」」」
三人同時。
辺りは爆発でしばらく視界が遮られる。
すると、どこからか声が……
『っと!俺は一旦退散するよ!』
「っ!?やってなかった!?んにゃろ!」
『待て、ここで一つ、ヒントをやろう』
「……ヒント?」
『お前らの先生は、Wを知っている。だが、お前らが何か知らない。同時に、ロイミュードでもない』
「どういうことだ?」
その答えが聞き終わる前に、視界は戻った。
そこにスタークは、いなかった。
「一旦、帰ろうか」
「収穫ゼロでしたねぇ」
「え?あ、あぁ。ビルドとドライブか」
「うん?何焦ってるんだ?」
「いや、片っ方赤から緑になってるし、もう一方は赤青からオレンジ灰になってるしでビックリした」
「フォームチェンジはぁ、Wだけじゃないですぅ」
でも一瞬はヒビるんだよ!
もう必要ないので、全員変身を解除する。
「あ、収穫ゼロでは無いですよ?」
「「え?」」
「あのコブラさんが……♪」
W~W~W~W~W
「そんなことを……」
「さて、シンキングターイム!と、いきたいけど正直情報が少ないからわかんないかな」
「なんでスタークはぁ、僕らの前に現れたんでしょう?」
「敵なら、見つけたら殲滅あるのみ。僕らと一緒じゃね?」
よし、ここは一旦、
「情報整理。カニの関係者を改めて考えるか」
「まず一人目ぇ、
「二人目、
「三人目、
「じゃあ本人に聞こうぜ!」
ふと聞こえた声に振り向くと、
「カニ野郎、意識戻ったぞ」
「智樹!超GJ!で、誰!?あの女!?」
「…………分からない」
「シラきんの?」
「待て!」
「十六夜さん?」
「こいつ、実は操られてて……」
「あ、それならもう三人で推理しました」
「それが……」
「記憶がないんだとよ」
十六夜さんの葛藤を遮り、智樹がなんでもないように呟く。
「記憶がない、ね。さすが、ホントに足残さないね」
「どうしますかぁ?手掛かり無いですよぉ?」
「あ、いや、少しは覚えています!」
「お、マジ?教えてくれ!」
「実は神河さんに脅されてまして……」
「脅されてた?」
「俺は顔が利くからこの町で生きていくなら金払えって……」
「ふぅーん?とりあえずそいつ当たろっか!行きましょ皆さん!」
そう言ってライダーたちは秘密基地を出た。
W~W~W~W~W
全員が立ち去り、一人になった元カニのゾディアーツ。
その部屋の扉はゆっくり開き……
「っと!二人になれたね♪カニさん♪」
「……志摩です。燐さんでしたか?なんですか?」
「いや、話してんのは君じゃないない。その奥!」
「……?ここには僕ひと」
「り。だな!確かに!ここにある体は!」
僕は志摩を睨む。
「おかしいなー?僕が窮毘さんから聞いた話だと刻印は消えないはずなんだよ。僕らが倒したのは志摩だ。【おまえ】ではない。つまり、刻印はまだ志摩に残ってるはずなんだよ。つまりまだ操られている状態だ。さて、【おまえ】誰だ?」
「……ふん。バレたか」
「そんなのいいから。だぁれ?」
「教えるかよっ!」
次の瞬間、志摩さんに憑りついたものが抜けたみたいに床にぶっ倒れる。
「……はぁ。なんで皆僕と話すと逃げるんだよ……。嫌われてんの?」
シュラウドいい、スタークといいさぁ……。
「いよっと!」
首もと確認すると、刻印は消えている。
つまり操られていないということだ。
「燐さぁん!?置いていきますよぉ!?」
「あーはいはぁい!待ってくださぁい!」
僕は外から聞こえた窮毘さんの声に反応し、志摩さんをおいて、そそくさと秘密基地から出ていった。
「さぁ、釣り針は仕掛けたぞ。引っ掛かってくれよな……♪」
誰にも聞かれず、独り言呟いて。
最後になりました。年末ですね、斜めにかまえるです。
年越すまでにもう一話書けるかな?そんな進行状況でごさいます。
もう謎とか推理とかどうでもいいから殴りあって解決しようぜ!?とか本末転倒なことを最近考えています。そんなことを考えていてもするバカではないので頑張って謎解き続けます。
次回【第六話】本当の黒幕は誰なのか?
お楽しみにっ!