Nier:Automata ニンゲンサン:イラッシャイ 作:雄樹
いざ書こうと思うと全然出てこないですね
頭の中じゃもう双子と遊んでるのにな~
(…他の部屋も確認しなければ…もしかしたら…生存者も…)
カプセルの中身を確認した少女はすぐに行動に移る
部屋を出て各所に設けられた踊り場・その先にある部屋に向かう為に…
(…駄目…駄目…駄目だ…)
階段を下りて扉を確認する
カプセルの中を覗き込み確認次第次の部屋へ
その一連の行動を延々と繰り返す
どのくらい時間が経っただろうか?
もう残された部屋が一つしかなかった
(・・・・・!)
最後の部屋はこれまでとは違っていた
部屋の中から発せられる低い音が踊り場まで聞こえてくる
この部屋の中にもあるであろうカプセルはまだ生きている可能性がある!
(・・・・・・ッ)
少女はやや緊張した面持ちでドアノブに手をかけゆっくりと回し
中へと誘われる
(・・・・・・あぁ・・・)
少女は悲しみにも喜びにも似た感情が自身を満たすのを自覚するとともに
自身の瞳から零れ落ちるソレを拭った
部屋の環境は他の部屋と大差は無い
部屋の中央に設置されているカプセル
それだけが他の部屋とは明らかに違っていた
天井から吊るされた用途が解らない沢山のケーブルは中継地点で赤い発光色を放ち
…ピッ…ピッ…ピッ…と規則正しい音を告げる沢山のモニター
青く光る液体の中に収められているソレは
間違いなく少女の知識の中にある人間の子供の形をしていた。
(…どうする?)
カプセル内を改めて確認する少女だが少女には
この子供をカプセルから取り出すような知識はない
ヘタに弄る訳にもいかず途方に暮れていた
(YoRHaに私は接触できない・・したくない・・アネモネに)
少女は自分が唯一信用できるであろう彼女に相談する事に決めた
(幸い外は砂嵐の為奴らが侵入する可能性も少ない
すぐにキャンプまで行き彼女を連れてここに戻ってくればッ・・)
少女は万が一侵入して来た時の為に階段の一部を破壊し出口まで駆けた
出口に着いた少女はこの施設に来た際に剥がした蓋を出入り口に乗せこの場所を記録する
辺りは依然として砂の海、空は一面砂嵐に塗れていた
そんな中少女は全力で目的地に向かった。
太陽が燦々と光を放つ中ビルの谷間にある少し影のある場所
直射日光が当たらぬ様に布と布を縫い合わせた継ぎ接ぎだらけの大型テント
簡易の医療テントや貯蔵庫などを設けた少女が目指したキャンプ地がここにある
普段であれば談笑する者や愚痴を言い合う者、真面目な作戦会議をする者などで
少ない人数ながら多少なりとも賑わうこのキャンプ地だが
今は異様な雰囲気に包まれていた
なぜ?
普段であれば来るはずの無い少女がこのキャンプ地に訪れたからだ
訝しげな視線を送る者が多い中,何人かは少女に敵意・興味・驚きを含んだ視線を向けていた
少年と自分に似た容姿のYoRHaの戦闘員が二人とポッドが二つ
椅子に座りひっそりと此方を窺うピンク髪の双子
キャンプ地の一切を仕切る妙齢の女性
少女は目的の女性に近づくとYoRHaの戦闘員が動きを見せ彼らに従うポッドが攻撃態勢に入る
目的の女性がそちらを向き,手を使い近づかない様に,撃たない様に牽制した
YoRHaが引き下がると改めて女性は少女の方へ向き直す
女性は悲哀を感じる視線を此方に向けながらも
笑顔で応対してくれた
「久しぶりだな・・A2…生きてたんだな」
「・・・あぁ…アネモネ…頼みたい事がある」
「なんだ?」
「今すぐ一緒に来てほしい…見てもらいたい事がある」
そう言うとアネモネは少し訝し気な表情を作りA2に自身の立場を説明する
「すまないがそれは出来ないよA2
私はこのキャンプのリーダーだからおいそれと離れることは出来ない」
彼女はそう言うと中央に陣取るキャンプのテーブルにある椅子を引き
A2に座るように手招きする
「何か事情があるなら教えてほしいなA2
緊急性が高い要件であれば私が信頼を置く者と共に君を喜んで手伝うよ」
彼女はそう告げると私の向かいの席に座り話を聞く体制に入る
本当なら今すぐにでも引っ張って行きたい処ではあるが彼女は話を聞くまでは動くつもりはない様だ
…仕方がないか…
A2は一つため息をつくと椅子に座ろうとするが横やりが入る事になりその美しい顔を歪ませる
「宜しければ僕たちもお聞きしても構いませんか?」
「あぁ僕の名前は9Sで彼女は2Bです。よろしくお願いしますA2さん」
YoRHaの戦闘員の少年が…先ほどの敵意に塗れた表情から打って変わってまるで
仮面の様に張り付けた笑顔で此方に近づいてきた
自分によく似た2B?の方は依然として何時でも攻撃に移れる様に身構えつつ此方を窺っていた
(…鬱陶しい…)
既にポッドやオペレーターからの秘匿回線で私の事は知っているだろうに
敵意はあるくせにわざわざ好意的に取り繕う辺り,この9Sと私とは相性が悪い様だ。
それに相手にする時間が惜しい
今こうしている間にも奴らがあの場所を見つけてしまうかもしれない
そうなれば…………考えたくもない
(…寒さなど感じるはずもないのに体が冷えた様な感じがする)
A2はYoRHaの事は無視して椅子に座りアネモネと向き合う
アネモネの眼は真っ直ぐ私を射抜く
どう話せば良いのやらA2は迷うが
自分が言いたい事,協力して欲しい事を伝える為に結論だけを先にアネモネに告げた。
「人間の子供を見つけた…男の子だ…間違いなく……生きている」
……キャンプ地からは音が消えた……