Nier:Automata ニンゲンサン:イラッシャイ 作:雄樹
誰も話さない
キャンプ地は依然として静寂に包まれていた
A2は結論だけアネモネに伝えると
彼女の反応を待っていた。
アネモネは表情を歪ませながら俯く
私が告げた言葉を理解しようとしているように感じた。
ふと、周りを見渡せば
他の者がテントの周りを取り囲む様に
私達の会話が聞こえる様に近寄って来た
「あの…詳しく教えていただけますか?」
自らを9Sと名乗ったYoRHaの戦闘員が
いち早く理解し此方を向いて
続きを促すが私は無視した
私が信頼を置くのは
この場においてアネモネだけだ
無視されているのが解ったのだろう
9Sは素直に引き下がりアネモネの方に向き直す
「すまないA2…理解が遅れた
どういう事か話してくれないか」
アネモネは俯いていた顔を上げ私を見つめ直す
砂漠の砂嵐地帯に行った事
そこで施設の入口を見つけた事
他のカプセルの中身
あの子供の現在の状況など
彼女に協力してもらう為必要な事のみを簡潔に伝えていく
「…触れたわけではないから本当に人間かどうかはわからない
…でも私はあの子はそうだと思う」
確信は無かったがあの時そう感じた事をA2ははっきりとアネモネに伝える
「………」
アネモネは黙したまま静かに立ち上がり周りの仲間達に指示を出す
「私はこれから彼女と共に現地に行く
皆は自分達の作業に戻ってくれ…まだ私も半信半疑だがもしかしたら
これから忙しくなるかもしれない…手の空いている者は他の者の手伝いを!」
彼女が一喝すると皆それぞれの持ち場に戻って行ったが
YoRHaの二人は動こうとはしない
恐らく本部と連絡を取っているんだろう
少し不安げな表情をする私に似た2Bが印象に残る
「デポル・ポポル…一緒に来てくれないか?」
気づけばアネモネは椅子に座り此方を窺っていた双子に話しかけていた
「…………」
双子はお互いの顔を見て何かを確かめている
結論が出るまでは時間はかからなかった様だ
「行く」 「よろしくお願いします」
活発そうな方がぶっきらぼうに言うとそれを諫める様に大人しそうな方が頭を下げる
「そうか…よろしく頼む」
アネモネは彼女達にそう告げると私の元に近寄って来た
「行くのは私と彼女達だ…彼女達の責任は私が持つよ」
「…わかった…協力感謝する…急ごう」
アネモネと私は確認しあった後すぐに行動に移ろうとしたが
またしても横やりが入って来た
「待って下さい!僕たちも…ッ!」
同行を求める9Sの首元に私は衝動的に自らの刀を向けてしまった
「断る」
「ッ…何を!」
隣にいた2Bが咄嗟に反応し私の首元に自身の刀を向ける
殺気が渦巻く空間が一瞬にして出来上がってしまったが
彼らの同行だけは私は認めるわけにはいかない
YoRHa…いや…違う…月の連中の介入は避けなければいけない
…あんな連中にあの子の事を任せる訳には…私が嫌だ!
優先事項があったとはいえ彼らの前で話したのは迂闊としか言いようがない
この膠着した状況を何とかしようと考えを張り巡らせている内にアネモネが私の肩に手を置く
「やめろ」
強くはないが逆らう事を決して許さないその言葉に私は素直に従う
私が刀を消すと2Bも刀をしまう
「A2…彼はサポートタイプだ…きっと役に立つと私は思うが…」
「でもYoRHaだ」
「私も似たようなものだ」
「………私は嫌だ」
「大事なのはその子の安全ではないのか?」
「…………」
私には言い返す事が出来なかった
私は彼らを見ずにさっさとキャンプの出入り口に向かい
既に待機していた双子たちに声をかける
「よろしく頼む」
そう告げるとぶっきらぼうのデポルがこちらを見ずに
「あんたの為じゃない」
「ごめんなさいね…私たちにも必要な事なの」
相方の態度を謝罪しつつポポルが私に向かって言った
彼女達にも事情がある様だ。
キャンプを出た私達は私を先頭に目的地に向かった
アネモネの戦闘力は私達に比べるとやはり劣る為双子に付いてもらっている
お互いの衝突を避ける為にYoRHaの二人は後方を担当していた
都市外を抜け荒野を抜けたその先には砂の海が広がっている
遠くを見れば嵐に見舞われた一帯がありそこにまだあの子がいる
早く…早く…助けないと…
彼女はまだ自分のこの衝動は理解出来ずにいた・・・・
目的地に着くとA2は出入り口の鉄板を持ち彼方へとぶん投げる
一同が唖然とする中我関せずとコツ・コツと音を立てながら階段を下りていく
急いで一同は後を追った
幸いな事か奴らが侵入した痕跡はなく部屋の前には直ぐに着くことができた
「…ここだ」
彼女がそう言うと皆は緊張した面持ちで扉を注視する
汗など出ないはずなのに何だろう…この感じ…とても怖かった
「それで…どうするんだ?」
A2が言うとポポルが言葉を添えてくれた
「まずは設備を確認しましょう
何か助けになる物があるかもしれませんしね」
彼女はそう言うと扉の前に立ち…開いた
皆はそれぞれ思惑があってここにいる
だがソレを見た皆は
そんなことどうでもよかった
お気に入りに入れて下さったユーザー様
ありがとうございます嬉しいです。
誤字見つけたらすぐに消してますが
もし残っていたら教えて下さいませ