魔法少女育成計画 -Fratricide SideⅡ- 作:天都ダム∈(・ω・)∋
夢を見ていた。
遠くへ行く新幹線の中、横並びになって、駅で買ったお弁当を広げて。
その先で起こる出来事を、楽しみにしていたと思う。
その先で起こる出来事を、知らない間の話だが。
だが、この時点の自分は、それを知らない。
景色に目をやっていた、窓の外を見つめていた少女が、ふいにこちらを向いた。
記憶の中で、その少女の顔は、どんなときでも変わらず、どこかいたずらを企んでいるような笑みを秘めていて。
どんな物事も些細なことだと言わんばかりに、自信にあふれているように、彼女には感じられた。
「ねえねえ、弓子ちゃんの将来の夢ってなーに?」
「……なんですかまた脈絡なく」
「いや、些細なことではあるんだけど」
「……今のところは、生活をするので手一杯だから、そんなことまで考えてられません」
「えー、なにそれつまんなーい!」
「……じゃあご自分は将来の夢は決まってるんですか? え? そこまで言うんですから」
「既に働かずに楽をして暮らすという夢がかなっちゃってるからなあ……」
「聞いた私が馬鹿でした」
「逆にさ、私って何が向いてると思う?」
「詐欺師」
「いやいやいやいやいやひどくない?」
「お似合いだと思いますけど……」
「うっわ敬意のかけらもねえ……こう、ぼんやりとでいいんだよ、ぼんやりと。折角話の種にしようってんだから、何か出してよ」
「ああ、要するになんでもいいんですね……景色眺めるのに飽きて、暇になっただけなんですね……」
「わかってくれた?」
「わかりたくはなかったです。 ……まあ、そうですね」
「お、やっぱ何かあるの?」
「昔、皆で、話し合ったことがあったのを思い出しました。その時は全然、本気じゃなかったですけど」
「へー?」
「今もまったく、本気じゃないですけど――――もしなれるなら、そうですね……って何でそんな食い気味に迫ってくるんですか」
「いやいや、お気になさらず」
「気にしますよ! ……笑わないでくださいね?」
「笑わない、私に誓う」
「はあ……過程で、暫定で、子供の時から推敲してない、一歩も進んでない【将来の夢】の話ですけど――――」
かつて自分を導いてくれた人のように。
導を与えてくれた人のように。
今、自分を支えてくれる人のように。
迷っている人に手を差し伸べられるように。
貴方の進む道は、こっちに続いているのだと教えられるように。
それは――――憧憬だ。
「――――私は、先生になってみたいです」