魔法少女育成計画 -Fratricide SideⅡ-   作:天都ダム∈(・ω・)∋

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*** 第八章 「抗う理由があるのなら」 ***

*** 第八章 「抗う理由があるのなら」 ***

 

☆人魚ローレリア

 

空が夕焼けに染まり始めるのは、魔法少女の活動が活発になる合図とも言える。正体を隠すため、そして社会的に活用できる時間のためだ。

だから、幕開けにはこの時間帯が一番ふさわしい。

 うっすらとした雲に、沈みゆく日が色をつける、夏特有の橙色の中に、人魚ローレリアは居た。

 

「ん?」

 

 雨をばらまいた矢先――と思った頃合いで、パタパタと、一匹の白い鳩が、人魚ローレリアの周囲を回り始めた。見覚えのある、4989の鳩だ。

 

「あらあらぁ、生きてたんですかぁ」

 

 三メートル以内には決して近寄ってこない。一定の距離を取って飛行しながら、こちらを監視している。

 指で鉄砲を作って、人差し指を鳩に向ける。狙いは適当だ。どうせ、なんだって良い。

 

「ばぁん♪」

 

 人魚ローレリアの魔法は、半径三メートル以内の液体を精密に操作する。では、射程圏内に飛び出した水はどうなるのか。

 通常ならば、ローレリアの支配が消えて、重力に従い落下し、それで終わってしまうが――その制限を肥えて、強引にコントロールしようとすると、制御を受け付けずに、暴走してしまう。

 

 平常時ならば大きな問題ではあるが、後のことを一切考えない場合(、、、、、、、、、、、、、)は話が別だ。

 作り出した雨雲から、数滴の水が飛んだ。ぴちゃりと鳩の身体に当たると、羽毛が水を弾くより先に。染み込むようにして体内に潜り込む。

 びくんっ! と痙攣して、鳩が動きを止めた。そのまま地面に向かって、急落下していく。

 その最中でも、変化は止まらない。鳩が内側から、ばんっ、と爆砕して、血と肉片が飛び散った。

きゃあ、と、眼下から悲鳴が聞こえてきた。

 

ぶくぶくぶく、と鳩の血液が泡立って、膨らみ始め、小さな人形になった。その人形は、近くに居た女性に飛びかかると、針を刺すように、小さな手を突き入れた。皮膚を超えて、血管に触れて、その体内の水分を、強引に吸い上げていく。

 

 『人魚ローレリアの魔法』によってコントロールされていた液体は、制御を離れると崩壊してしまうため、周りから水分をかき集めて己の存在を保とうとする。

 

 水人形が人間一人から体液を全て吸い上げるまで、三十秒もかからない。体に入れた傍から、ドロドロと流れていくので、急速に補給が必要だ、だから、次の獲物を追い求める。

水難災害(ローレリアハザード)

 かつて試験で相対した魔法少女が名付けた、人魚ローレリアの無差別殺人攻撃(、、、、、、、)

 眼下に飛び散った雨の雫も、全て同じ。全部暴走している。人魚ローレリアにすら止められない、水人形共が地上に降りてゆく。

 

 徹底的な大量虐殺をしよう。邪悪の限りを尽くして、地獄を再現してみせよう。

 『魔法少女殺し』の鼻も、きっとあかせることだろう。

 それに何より、地獄を通った人間の記憶が、メモリアキッスは大好物なのだから。沢山用意するに限る。

 

 

☆ピスタール

 

「なんか外が騒がしいな」

 

 結局他の客が来ないまま、ケーキを完食してしまった。流石に居座りすぎたし、そろそろ帰ろうかな、とも思うのだが、客が来ないということは暇だということであり。

 

「あの、そろそろ帰ろうと思うんですけど」

「なんだと、お前私を一人にするつもりか、働かせるぞ」

「お姉さんが暇なのに私がする仕事無いでしょう」

「馬鹿、お前、やるべきことを放り投げてだべってやってるんだ、感謝しろよ」

「やるべきことをやってくださいよ」

 

 口にしてから、心の中で苦笑する。やるべきことを一番やっていないのは、まさしく木の実自身だと言うのに。

 

「ふん、薄情な奴だな、いいさ、帰れ帰れ、私も店じまいして帰ってやる」

「何で客を帰りづらくするんですか」

「嫌がらせだ、文句あるか」

「文句しか無いし、帰りますけど……」

 

 鞄を手にとって、立ち上がろうとして…………からんからん、と店の扉が開いて、ベルが鳴り響いた。

 

「あ、来ましたよお客さん」

「お、やった。邪魔だからさっさと帰れな」

「いくらなんでも酷すぎ――――」

 

 軽口を叩こうとして、止まった。

 

「――た、助け、がっ!」

 

 駆け込んできたのは、壮年の男性だった。必死の形相で手を伸ばし、次の瞬間、何かに背中を刺し貫かれた。

 

「――何だありゃ」

 

 店主が見ていたのは、男性を貫いた『何か』だった。背中に張り付いた、五十センチぐらいの、ほんのり赤い水の塊が、触手のようなものを伸ばして、肉を貫通して……

 

「血を、吸って……」

 

 それ以上の言葉を、店主は言えなかった。木の実は、躊躇わずその首筋に手刀を叩き込んで、彼女の意識を切断させた。

 魔法少女の正体は、バレては行けない。これは原則であり鉄則だ、違えれば権利と記憶を剥奪される。

 木の実がピスタールに変身するのと、新しい餌を求めて、水人形が飛びかかってくるのは同時だった。

 

「ちゃっ!」

 

 ぶつかりあって、勝ったのはピスタールだ。腕を振るうだけで水人形はバラバラに飛散して、そのままべチャリと壁や床を濡らして、動かなくなった。

 

「――――何、これ」

 

 店の外に飛び出すと、そこは文字通りの地獄絵図だった。

 水人形が何体も居て、次から次へと人に襲いかかっていた。逃げ遅れた人たちは、次々とその餌食になる。無差別に襲いかかっているように見えた。

 

「――――何、して、んのよっ――――っ!」

 

 ピスタールの行動は俊敏だった。視界にはいった水人形を、片っ端から一撃で吹き飛ばしていく。襲われている人間がその姿を視認する頃には、もう別の人形を攻撃している。

 

 その感触を、自分自身で確かめる。現状、水人形の伸ばす手はピスタールを傷つけられない。そして自分の攻撃は、問答無用の威力でもって、一撃で爆散せしめている。

 

 複数の水人形を相手にしても同じことだ。つまり多対一ではない(、、、、、、、)。この現象は一人の誰か(、、、、、)が起こしている。

 

「あの、人魚――――!」

 

 上空を見上げる。魔法少女の視力は、はるか空の上に浮かぶ水玉を、確かに捉えた。

 

 

 

☆ユミコエル

 

「リカ、ペンデュラムは持ってる?」

「勿論! せんせ、使う?」

「いや、アイムマイムに貸してあげて」

「あ、なるなる。ほれ、アイちゃんきゃーっち!」

「ひえっ!」

 

 烈風のリカが、コスチュームのメイド服の、そのポケットから細長いチェーンの付いた宝石をヒョイッと投げるものだから、アイムマイムはあたふたしながらそれを受け取る羽目になった。

 

「それは、とある魔法少女の持っていたアイテムなの。念じれば、探したい相手やものの居場所を指し示してくれる」

 

 かつて相対した魔法少女から指ごと引きちぎって奪ったものだ、とは流石に言えない。

 

「ライムマインがどこに居ても、探し出せる。いざとなったら、武器としても使える。頑張って」

 

 帽子越しに頭を撫でてやると、アイムマイムはくすぐったそうに目を細めた。

 

「んじゃ、私達も行きますかぁっ!」

 

 既に、シュガースポットと4989は、それぞれの作業を終わらせるべく、ビル外へとでていた。ユミコエル達も、今しがた行動指針を決め終えたところだ。

 

「途中までは、私がアイムマイムと一緒に行くよ。二人は絶対に別行動しないこと。何かあったらすぐに連絡、オッケー?」

「了解ですわ」

「らじゃらじゃー」

 

 指示を出すユミコエルと、頷く二人。アイムマイムはそんな魔法少女たちをみて、はぁ、と感嘆の息を漏らした。

 

「本当に、凄いんですね……私、何も出来てない……」

「ん? 何が?」

 

 魔法の端末を弄りながら、烈風のリカが小首をかしげた。

 

「いえ、あの、キビキビしてるっていうか……ちゃんと、魔法少女なんだな、って」

「そーんなの気にしなくて良いんだよー、私達はそこの眼鏡にもうメッチャクチャ鍛えられてるだけなんだから」

「本来、魔法少女に戦闘力何ていりませんわよね……と、何度思ったことですやら」

「ま、私は魔法少女より正義の味方になりたい! って感じだからね!」

「せ、正義の味方」

「そ。格好いいじゃん、誰かが泣いてたらさっそうと駆けつけて、悪をぶっ飛ばしてもう大丈夫だよ、って言ってあげるの」

 

 へへ、と嬉しそうに、楽しそうに、リカは笑った。

 

「私達にそうやってくれる人はいなかったから、私がなるの。アイムちゃんもね、なりたい自分を考え――――は?」

「? どうしたの? リカ」

 

 烈風のリカは、一瞬だけ硬直して、次いで、形相を憤怒のそれに変え、周囲を省みることなく、勢い良く駆け出した。

 

「ちょ、リカ――――先生すいません、リカを追いますわ!」

 

 フォローに入るように、プリマステラもその後を追いかける。

 

「い、一体なにが……」

 

 アイムマイムの呟きと、ユミコエルが自分の端末を開くのは同時だった。

 

『人魚の魔法少女と交戦。一般人が大量虐殺されてる。

                               ピスタール』

 

「……何考えてるの、こいつらは!」

 

 事態は、既に進行していたのだ――こちらが会議をしているように、向こうもアクションを起こした。 

おおよそ、魔法少女が最もやってはいけない方法で。

 

「――っ、いつもそうだ、私は、いつも後手に回ってる……!」

 

 ユミコエルも、アイムマイムの手をとって、駆け出した。

 

「ひきゃっ、な、何が――――」

「ごめん、アイムマイム」

 

 謝りながら、唇を噛みしめる。

 

「――ちょっと派手に行くよ」

 

 

☆スターカッター

 

「はっ!」

 

 星の聖剣の一閃で、水人形を両断する。それだけで形を保てなくなり、びしゃりとぶちまけられるのだから、耐久力はそう大したものではないようだ。

 

「行動から意図が読めない――――思考みたいなものはないわ。自動的よ」

 

 メアもまた、同じように水人形を斬り伏せていた。既に民間人の被害は多大な物になっていた。正義の魔法少女であるスターカッター達に見過ごせるはずもない。

 

「この場合、私達はどうすべきだと思う、メア」

「水人形を操作してる魔法少女を仕留める」

「そういうことだ――――『らしんばん座(モード:ピクシス)』!」

 

 聖剣を振るい、定番の探知機を作り出す。この事件の『元凶』を探ろうと、星の羅針盤が回転を始める。

 

「剣の蓄えは平気なの?」

 

 スターカッターの星の聖剣は、多種多様かつ強力な能力を持っているが、そのエネルギーは魔法少女にしては珍しくチャージ性だ。星の光に刀身を晒し、その力を蓄えることで力を発揮する。昨晩の魔獣退治でその殆どを使い切っていた為、その日の夜の内に空に向けていたものの、その充填率はおおよそ四十%と言ったところだろう。『流星群(スターダスト)』のような大技は到底望めない。だが。

 

「それは私が戦わない理由にはならない!」

 

 光の羅針盤が回転し、大本の敵を探り当てる。距離は存外遠くない。

 

「行くぞ、メア!」

「了解、スターカッター」

 

 正義と、正義に寄り添う闇が駆け出した。

 

 

 

☆人魚ローレリア

 

 水人形達の大暴れによって、街は大混乱に陥っていた。この事後処理を行う『魔法の国』の役人の事を考えると、心が痛くなって仕方ない。

 

 魔法の端末を開くと、ファムを有する協力者、ライムマインの手によって、街の魔法少女たちの通信内容が傍受出来た。この惨状に怒り狂い、義憤に燃えて、止めようとしている。

 

 まったくもって好都合だ。獲物を仕留めるたびに肥大化し、より暴走する水人形達は、単体では話にならずとも、十分に育った複数体で襲いかかれば、魔法少女だって倒せる代物だ。それが現在進行形で増え続けている。災害とはよく言ったものだ。

 

「うふふふふふ――あっはっはっはっはぁ!」

 

 人魚ローレリアは空に居る。絶対の防御だ。何人かは既にローレリアを視認しているはずだが、手を出す手段がない。唯一何かできるのであれば、4989の鳩だが、それは先程撃退している。

 昨日の、小生意気な緑色の魔法少女でさえ、この高度を保っていれば、人魚ローレリアは無敵なのだ。

 災害は、人間ごときの手では防げない。勿論、魔法少女でも同じ。

 その災害そのものが、人魚ローレリアなのだ――――と考え、冷静になると少し恥ずかしくなって、自分の体を包み込んでいる水の玉の中に潜ったのが良かった。

 人魚ローレリアの人生の中で、ある種最大の幸運と言っても良いかもしれない。

 

 ビュ、ゴッ

 

「――――へ?」

 何かが風をきる音が、先程までローレリアが居た場所を通過していた。何かしら? と後ろを振り向いても、もう何も見えない。何が起こったかわからず、慌てて街を見下ろす。

 

 魔法少女の視力だから、そして、飛んできた方向を逆算することで、ギリギリ視認できた。

 眼鏡をかけて、マントを羽織った魔法少女――ユミコエルが、崩れた建物の上にいた。

 瓦礫をつかむと、無造作に振りかぶって、投げてきた。

 

「――――ひいっ!?」

 

 慌てて横にスライド移動すると、一瞬前にローレリアが居た場所を、瓦礫が通過していった。自身の速度に耐えきれず、途中でバラバラに砕け散っていく。鉄芯を備えたコンクリートの塊が、音速に近い速さで通過してきた。

 

 嘘でしょう、と口から言葉がこぼれ出る。

 狙撃している(、、、、、、)、よりによって、ただの瓦礫で。

 ユミコエルは空高くに位置するローレリアを確実に見定めながら、、第三射を構えた。

 当たるわけがない、なんてどうして言えようか。

 

「じょ、冗談じゃないですよぅ……っ!」

 

 あんなもの、直撃したら魔法少女だって無事ではすまない。

 身体を翻し、ジグザグに移動しながら、人魚ローレリアは逃げ出した。

 地上にどれだけ水人形を送り込んだだろうか。十分に役目はこなせる量のはずだ。これ以上命をかけるのは、割に合わない。

 

 

 

☆プリマステラ

 

「逃げましたわね……っ!」

 

 プリマステラ達からも、逃げる人魚ローレリアが視認できた。

 一目散に郊外の方へ――――恐らく障害物の多い廃ビル群に逃げ込もうとしている。

 

「逆戻りかよーっ! 面倒くさーっ!」

「――追いますわよ!」

 

 人魚ローレリアのあとを追うように、4989の鳩が、ある程度の距離を保って追跡している。それはそのまま、プリマステラの肩に乗っている鳩が彼女の居場所を教えてくれることを示している。

 

「了解、ピスタールは?」

「本当なら合流しないほうがいいんですけれど、多分来ますわよね」

「もしメモリアキッスとか、あの透明なやつと合流されたら、まずいよね」

 

 ピスタールの魔法は、一対一の状況下において発動する。敵が複数体居れば、彼女はただの、魔法の使えない魔法少女だ。

 

「来るなって言ったら来ないと思う?」

「あなたが馬鹿でなくなるのと同じ程度には無理じゃないですの」

 

 一応、魔法の端末で、手早く人魚を追う、とメッセージを送る、届けばいいが。

 

「だよね。早く――三対三にしないとね」

 

 烈風のリカは、決意とともに頷き、ん? と首を傾げ。

 

「今馬鹿って言わなかった?」

「気のせいですわよ」

「なんだ、気のせいか」

 

 

 

☆ライムマイン

 

 大暴れしてくれ、とは言ったもの、ここまでの大惨事になるとは想像していなかった。

 

「助け、て――」

 

 眼前で、体液を啜られる小さな子供を見て、ライムマインは「痛そうだなあ」と他人事のように思った――――事実、他人事だ。

 『水難災害(ローレリアハザード)』そのものは、魔法少女たちがやがて沈静化するだろう。ローレリアも長続きはしないと言っていた。

 

 だから、大事なのは、それが収まる前に、如何にアイムマイムが怖がるか、だ。

 ライムマインが居ないと駄目だと、思ってくれるかだ。

 

「……はあ、早く終わらないかな」

 

 ライムマインに変身していると、自分は相間意真(あいまいま)でも相間衣美(あいまいみ)でもない『何者か』になってしまっているようで、実のところ、落ち着かない。三つ子でいる間は良かったが、一人であると、どうしても『個』と言うものの存在を強く感じる。

 

 早く変身の必要のない場所に行きたい、というのが、ライムマインの偽らざる本音だった。できることなら魔法少女なんて、好夢と一緒にやめてしまいたいが、その瞬間、ファムは正気に戻って、ライムマインを糾弾するだろうことを考えると、それもなかなか難しい。

 

「がぼががががが」

 

 水人形は、近くにいる生き物や水源を優先する。ローレリアの制御を離れているので、ライムマインが特別狙われない、というわけではないが、このサイズであれば何の訓練もしていないライムマインでも屠ることができる。いわんや、今の彼女には最強の盾もある。

 

「来るな! こっち来るなよ!」

 

 なので、激しい警戒をすることなく、まるで観光するかのように、一変してしまった街を眺めていると、ぶんぶん、と木の枝を振って威嚇しながら、小さな男の子が――恐らく妹である少女をかばいながら、水人形と相対している姿を見つけた。

 

 美しい兄妹愛を見て、心が暖かくなる。思えば自分たちもそうだった。お互いのことを、守り、かばい、助け合いながら生きてきたと思う。確かな家族の絆で結ばれていたのに――――

 そこまで考えたところで、水人形がしびれを切らしたかのように、少年に襲いかかった。数秒後には全身の体液を吸い尽くされて、死ぬんだろうな、と何となく眺めていた。

 

 キンッ

 

 それは鋭い抜き打ちの音だった。コマ送りのように、白金の鎧に身を包んだ、女騎士が剣を振り抜いて、水人形を両断していた。

 

「こっちよ、向こうに逃げれば安全だから」

 

 その間に、黒い鎧の女騎士が、子供達をかばうように立ち、誘導する。

 

「二人で行けるわよね? お兄ちゃんなんだもの、ちゃんと妹を守れるわよね?」

 

 黒い騎士が微笑むと、少年は一瞬だけ背後の妹を見て、強く頷いて、その手を引いて駆け出した。

 なんだろう、何となく不愉快だ。

 

「君が元凶(、、)か」

 

 白い女騎士――魔法少女に相違ない――は、十歩程度の距離を空けて、剣をライムマインに突きつけた。

 ライムマインには――スターカッターは水人形共の『元凶』の捜索を『らしんばん座』に指示したことも、その結果、羅針盤は魔法の所有者である人魚ローレリアではなく、それを頼んだライムマインを示したことなども――わからない。

 

 眼前の魔法少女が、『魔法少女殺し』であることなど、わからない。

 ただ、敵意があり、殺意があり、殺すつもりしかないことは、よくわかった。

 

「聖なる星の輝き、スターカッター」

 

 剣を構えて、振るうと、光点が幾つか、空中に生じた。

 ああ、そう言えば聞いたことあるような。たしか好夢ちゃんが面白いって言っていたアニメが、そんな名前だった、ような――――

 

「悪を断罪する正義だ――罰を受けろ」

 

 ライムマインは、首からぶら下げた時計の針に触れた。

 時間が止まった。

 

 

 

 

☆聖騎士メア

 

技を放とうとした瞬間、コマ送りのように、盾を振り抜いた魔法少女が、スターカッターの立っていた位置にいた。

 

「!」

 

 吹き飛ばされ、まさに地面を勢い良く転がっている所だった。

 

「な――――」

 

 スターカッターが、戦闘において遅れを撮る、という事態が想定外で、まず一手遅れた。魔女服の魔法少女は、その間に聖騎士メアに詰め寄っていた。

 反射的に後方に飛び退くと、またコマ送りのように距離を詰められている。

 

時間を止めてるの(、、、、、、、、)?」

 

 魔法少女は答えない。だが、それで構わない、研ぎすまされた聖騎士メアの魔法は、答えないという誤魔化し(、、、、、、、、、、、)を看破した。

 

「っ」

 

 何秒間止められるのか。どれぐらいの制限があるのか。それがわからない以上、迂闊に踏み込むのは危険だ。聖騎士メアの戦闘経験は、距離を取りつつ応戦、を選んだ。

 

「――――スター!」

 

 叫ぶと同時、一撃喰らって、吹き飛んでいたスターカッターが瞬時に体勢を立て直す。

 

「『蹂躙のおおぐま座(モード:グレートベア)』!」

 

 同時に、剣を振り終えている。光の粒子が、全長十メートルを超える熊のシルエットを形成した。

 

 鳴き声もなく、魔法少女に突貫する。持っていた盾でとっさに受け止めたが、『おおぐま座』の猛攻は止まらない。三十秒程度の間、対象を蹂躙し尽くす技なのだ。

 

「ん……っ!」

 

 とはいえ、盾の強度もまた尋常では無いようだ。どれだけ『おおぐま座』が爪を建てようとも、傷一つつかない。

 

「あの盾、昨日、『いて座』を防いだ魔法少女のものだな……奪ったのか?」

 

 スターカッターはつぶやきながら、『おおぐま座』と共に、同時攻撃を仕掛けた。

 

「喰らえっ!」

 

 星の聖剣が盾の隙間を縫って突き入れられる。もはや魔女帽の魔法少女に回避の術はない。

 だが、スターカッターはその攻撃対象を、途中で虚空に変更した。

 

「!」

 

 瓦礫が飛んできたからだ(、、、、、、、、、、、)

 

「居た! ライム! 居たぁっ!」

 

 新たな乱入者は二人、眼鏡とマントの魔法少女と――スターカッターと戦っている魔女服と、瓜二つの魔法少女だった。

 

 

 

☆アイムマイム

 

「ライム!」

 

 アイムマイムが鏡をかざす。反射的に、スターカッターも聖騎士メアもそれを見てしまった。

 魔法が発動して、鏡面を視界に入れた全員が同じ行動をとった。

 

「や、ちょっと!」

「ぐっ」

 

 とはいっても、アイムマイムが行ったのは、ライムマインに駆け寄って、その手をつかみ、逃げることだった。

 あらぬ方向に走らされたスターカッターと聖騎士メアは、アイムマイムが視界から外れた時点で体の動きを取り戻す。

 即座に追いかけて、斬りかかろうとしたスターカッターの顔の真横を、再度、瓦礫が通り過ぎた。

 

「私が食い止める、走れアイムマイム!」

 

 走るアイムマイムの背に、ユミコエルの声がぶつかる。

 

「好夢ちゃん、好夢ちゃん、良かった、来てくれた」

 

 手から伝わってくるライムマインの温度、震える声。

 

(失いたくなければ、考える事です)

 

 アイムマイムは、失いたくない。

 これ以上、自分の中身を空っぽにしたくない。

 だから、振り返らずに必死に走った。繋いだ手を、もう離すまいと、強く握った。

 

☆ユミコエル

 

「逃がすか―――!」

「させないっ!」

 

 後を追おうとしたスターカッターめがけて、ユミコエルはコンクリートを踏み込み、足がずぶりと沈み込んだ。そのまま前方に、蹴り飛ばすように動かすと、強引な力でそれら全てが引き剥がされて、メキメキとめくれ上がって、瓦礫の雨となる。

 

(ユミコエルの魔法は、近くで戦うより遠距離攻撃の方が圧倒的に――――)

 

 便利で、強いのだ。

 さすがのスターカッターも、無視をするわけには行かなかった。回避行動を取りながら、剣で身体に当たりそうな物を切断する。幾つかの破片が命中したが、硬い鎧に防がれて飛び散ってしまった。

 

「次から次へと――この街の魔法少女は、一人残らず狂っているの?」

 

 既に、アイムマイムたちの姿は見えない。スターカッターは、怒りを押し殺していることが理解できる、低い声で言った。

 

「魔法少女なんて」

 

 それに対するユミコエルの答えは、決まっている。

 災厄(プリンセス・ルージュ)最悪(ドラゴンハート)と相対した日から、決まっている。

 ジェノサイダー冬子を失ったあの日から、決まっている。

 烈風のリカを、プリマステラを、ピスタールを――一緒に居る事でしか、自分たちを保てない、強い絆で結ばれた、儚い絆で結わわれた、かつての自分の鏡写しを、魔法少女の道に引きずり込んだその時から、決まっている。

 

「魔法少女なんて、最初から全員、一人残らず狂ってる」

 

 ユミコエルは、ペンデュラムに繋がるリングを嵌めた人差し指を、スターカッターに突きつけた。

 

「あなたもだよ、『魔法少女殺し』、スターカッター」

 

 そう言われたスターカッターは、平然としていた。自分が糾弾されているなどと、欠片も感じていない事が、その表情から、ありありと理解できた。

 

「心外で、侵害だよ。私が『魔法少女殺し』? 冗談じゃない。私が裁くのは悪。ただそれだけだ」

 

 剣を掲げ、己の正しさを一片も疑っていない――もし、今のスターカッターの姿を見るものが居れば、たとえ周囲が死体の山で、全身が返り血にまみれていたとしても、信じてしまうかもしれない。

 

「私は星の勇者、聖剣の担い手。正義の騎士――私の敵が、悪だ。私の剣が斬るのは、悪だけだ。誰かを傷つけ、誰かを苛み、誰かの涙を生み出す……この世の真なる、邪悪だけだ!」

 

 その魔法少女が、完全なる正義だという主張を。

 だけど、ユミコエルにはわかっている。そんなものは嘘っぱちだと。

 何せ、正義などこの世のどこにもない(、、、、、、、、、、、、、、)のだから。

 

「だったら、誰より先に、あなたが死ぬべきだよ」

 

 ユミコエルが見てきた世界に、正義なんてものはなかった。

 ただ、誰もが生き足掻いてきただけだ。

 その過程で、誰かを救うこともあれば、誰かを失うこともある。世界にあるのは、たったそれだけだ。

 正義が人を殺すのではなく、悪が人を殺すのではなく、人が人を殺すのだ。

 

殺人(せいぎ)の理由を、正義(いいわけ)に委ねるあなたこそが……真の邪悪だよ、スターカッター! 誰かを殺した責任を、大義に押し付けるだけのあなたは!」

 

 ユミコエルの声は、スターカッターの耳朶をうち、そして何の影響も与えなかった。

 ふう、と息を吐いて、淡々と、決定事項だけを告げる。

 

「話し合っても無駄みたいだね、なら、君も悪として裁こう」

 

 相手は二人、両方とも武器と鎧を備えている。こちらも、攻撃が当たれば仕留められるはずだが、両者ともに、戦闘経験の豊富なベテランだ。キャリアだけでいうならば、ユミコエルを上回る。

 端的に言って、格上二人相手だ。

 

(でも、やるしかない)

 

 考えてみれば、こういった局面で、一度も勝てたことがないのが、ユミコエルという魔法少女だ――弦矢弓子という女性の、人生だ。

 いつだって、誰かに助けられてきた。そして、その度に、失ってきた。

 

(誰も助けてくれない、ううん、私が助ける番だから)

 

 心美流乃(こころみるの)に、阿多田香奈子(あたたかなこ)に、(くも)(きり)(かすみ)に。そして――笹井(ささい)七琴(なこと)に。胸を張れるように。

 あなた達が生かしてくれたユミコエルを、ムダにしないように。

 スターカッターが一歩前にでた、戦闘が始まる。

 

「――非効率だわ、時間の無駄ね」

 

 その相間に、黒騎士が割り込んだ。

 

「メア?」

「――あなたの相手は私がしてあげる。スターカッターはさっきの二人を追いかけて。二人がかりなんて馬鹿げてるわよ」

 

 黒い装飾の施された、美麗な剣を、ユミコエルに突きつける。

 

時間稼ぎに乗ってやることはないんだから(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、)

 

 びくん、と一瞬、動揺を表に出してしまった。

 それを、黒騎士は、見逃さなかった、目を細めて、ふうん、とつぶやいた。

 

「本当にそうなんだ。ペラペラ話してるからおかしいと思った」

「メア、だけど……」

「信頼してくれるのが仲間の証だと思っているのだけど?」

 

 そう言葉を遮られると、それ以上は言うまいと思ったのか、スターカッターは踵を返し、駆け出した。

 

「待――――」

 

 追いかけようとするユミコエルの前に、黒騎士は当然のように立ちふさがる。

 

「待つのはあなたよ。ええと、お名前は?」

「退いて」

「退かない。いいわ、名乗らないなら、名前も知らないまま葬ってあげる」

 

 優雅に一礼し――笑った。

 

「星に寄り添う夜、聖騎士(ホーリーナイト)メア。悪夢みたいに、終わらせてあげる」

 

☆聖騎士メア

 

 嘘も方便とはよく言ったものだ。昔の人間の格言というのは、つくづく本質をついている、というよりも、殆どの人間はただただ、同じところを足踏みしているだけなのかもしれない。

 

「ユミコエル」

 

 ペンデュラムをぶら下げた魔法少女は、そう名乗った。

 

「聖騎士メア。スターカッターが正しいと、本当に思ってる?」

 

 油断なく、いつでも戦えるようにしながら、しかし、言葉を尽くしてくる。

 

「あなたがスターカッターを先に行かせたのは……私と話してると何か不都合があるからだよね」

 

 メアの意図を読み取られていた――正直、少しだけ意外だった。

 

「ええ、そうよ、とっても困るの」

 

 聖騎士メアは肯定する。事実(、、)だからだ。ユミコエルを、あれ以上スターカッターと会話させる訳にはいかなかった。

 スターカッターは狂ったままでなくては、ダメだ。正気に戻られては困る(、、、、、、、、、、)のだ

 

「あなたが操ってるの?」

「まさか。スターカッターは自分の意志で戦ってるわ。自分の理由で、剣を振るうわ。私に、止めるつもりもない。私はただ、寄り添うだけ」

 

 それ以上の言葉はいらない。聖騎士メアの気持ちは、世界の誰にも理解できない。

 

「星のきらめきを曇らせる、あらゆるモノが私の敵。ユミコエルちゃん? 恨まないでほしいんだけど」

 

 全身の力をゆらりと抜いて、戦闘態勢に移行する。

 

「この世に正義はなくっても、正否はある。間違ってるのは私達で、正しいのはあなたなのよ。あなたは、正しい魔法少女だわ、ユミコエル」

 

 だから、だけど、相容れない。

 

「スターカッターが輝き続けるには、間違ってないと駄目なのよ」

 

 斬りかかる。同時に、ユミコエルは後退した。

 

「っ!」

 

 そのまま、ペンデュラムをつけた指を、振りかぶって、鞭の様に振るった――これは牽制だ――当てるつもりはない。

 聖騎士メアの魔法は『嘘をズバッと見抜く』というものだ。虚実を判別し、誤魔化しを暴き、事実のみを即座に、瞬時に暴き出す。

 フェイントや牽制などは、一切通じない。

 きぃん、と聖騎士メアの剣に、ペンデュラムの鎖が絡みついた。随意操作できるとは。

 

「はっ!」

 

 ぎち、と強い力が、剣越しにかかった。力づくで、引かれている。聖騎士メアのスペックは、魔法少女の中でも一際高いが、その全力を持ってして、綱引きにならないほど。

 

「さっきの瓦礫――そういう魔法ね、単純な超出力――」

 

 どんな攻撃でも、かすったら命取り。そういう部類の魔法だ。

 

「降伏して、スターカッターを止めて」

 

 ユミコエルは、あえて全力で鎖を引いていない、聖騎士メアと拮抗状態になるように、調整している。

 

「間違ってるってわかってるなら、なんで戻ろうとしないのよ! できるんでしょう! あなたなら! どうして止めてあげなかったの!」

「……優しいのね、ユミコエルちゃん」

 

 聖騎士メアには、その言葉が本気であることがわかる。嘘偽りが一切ない、本気の怒りで、本気の提案で、本気の叫びだ。真摯という言葉は、今のユミコエルにこそふさわしい。御剣聖が生きる芸能界に、そんな言葉は存在しない。

 だから、申し訳ないと、心から思う。

 

「でもね――それじゃ、駄目なのよ」

「この――っ!」

 

 ユミコエルが、全力で鎖を引いた。

 自分から武器を奪うため、力を込めるタイミングも、聖騎士メアには理解できていた。ユミコエルは一流だ。だから、身体の僅かな所作や、呼吸、視線から、自分の攻撃のタイミングを読ませまいと、もはや自分の意志とは関係ない、自動的な立ち振舞が身についている。

 

それは、聖騎士メアにとって、あらゆる攻撃のタイミングを(、、、、、、、、、、、、、)逐一教えてもらっている(、、、、、、、、、、、)のと同義だ。

 

 真実を隠す嘘を、聖騎士メアの魔法は絶対に見落とさない。

ユミコエルが、引く。その、最も力が乗る瞬間に、聖騎士メアは跳躍した。

 剣を前に突き出して、一直線に。

 

「!」

 

 鎖に込められていた、引き寄せる力は、そのまま聖騎士メアの速度となって、ユミコエルに向かっていく。

 体当りするようにぶつかって、串刺しにするように貫いた。

 

「か、はっ」

 

 腹部を貫通したことを感触で確認すると、即座に刃を寝かせて、横に裂いた。

 あまりにあっさり、あまりにあっけなく。

 内臓がこぼれ出て、血液が吹き出て、力が抜いて、終わった。

 

「……私なんかと話なんてしようとしなければ」

 

 剣を空中で振って血を切って、鞘に収める。

 

「ただ殺すために向かってこられたら、どうなってたかわからなかったのに――――何でそんなことしたの?」

 

 答えるものがいないことが、わかりきった問いかけをすると、聖騎士メアは、もう振り返らなかった。

 

 

 

☆スターカッター

 

 あの場をメアに任せたのは正解だった。

 

「くるっぽー」

 

 スターカッターの周囲を、鳩が取り囲んでいた。殆どが薄い紫色の、街によくいる、野良の鳩だ。それらを統率するように、白い鳩が一羽、ぽっぽー、と鳴いた。

 

「4989,鳩を操る魔法だったか」

 

 星の聖剣を引き抜いて、空に向ける。もうすぐ日は落ちる。空の一等星なら、もう見え始める頃あいだ。

 星の光が、輝いている。

 白い鳩がもう一度、ぽっぽー、と鳴くと、全ての鳩が、我が身を顧みず、一斉に襲い掛かってきた。

 

 

☆ユミコエル

 

 馬鹿だなあ、と我ながら思う。

 やりようはいくらでもあったのだ。

 剣を持っている相手と正面からやりあうなんてのが、そもそも間違ってる。遠くから、延々と、瓦礫を投げていればよかった。

 会話することもせず、顔を見ることもせず。

 ああ、でも、無理だった。

『私はただ寄り添うだけ』と言った、あの娘の顔を見たら。

 寂しくて悲しくて、絶望に淀んだ瞳を見たら。

 話をせずには居られなかった。なんとかしろと言わずには、居られなかった。

 その結果がこれだから、本当に救いようがない。

 現実は残酷で、結果は何も得られず、先生としては失格で、結局会わす顔がない。

 

(ごめんね、皆――理香子、あまり、皆に迷惑かけないで。光、ちゃんとしたこだから、背負いすぎないで。木の実、あなたは、一人じゃないから――――)

 

 視界が暗くなっていく、身体が冷たくなっていく。ユミコエルは終わり、弦矢弓子に戻り、そして弦矢弓子も終わる。

 魔法少女に全てを奪われ、魔法少女にすべてを与えられ、魔法少女として終わる人生だったとするならば、何のために?

 

『まあ、人生万事がまるっと報われる人なんてなかなかいないから、気にすることないよ、私だってそうだったし』

 

 幻聴だ。こう言ってほしい、こんな言葉が聞きたい、という、甘えた願望が、頭の内側から、染み渡るように広がっていく。

 

『――ごめんなさい』

『なんで謝るのさ』

『私、あなたに助けてもらったのに、こんな所で、こんな、風に』

『大丈夫だって、弓子ちゃん』

 

 ああ、でも、多分だけれど。

 あの人は、こんな風に言ってくれる気がするのだ。

 

『だって、代わりに誰かを助けたじゃない。代わりに誰かを育てたじゃない。きっとその誰かが、また他の誰かを助けるよ、そんなもんでしょ? 人生なんて』

 

 悔いはある。やり残したことがある。追いすがる理由がある。

 でも、ここで、とりあえず、一旦終わりにしよう。

 生きてきた意味の一つぐらいあるのなら、諸手を上げて喜ぶべきだ。

 それはきっと、正しいことに違いない。

 自分でも驚いたことに、不思議と笑みが浮かんできた。

 もう、身体がそれについていけないことだけが、ほんの少し残念だった。

 

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