真・恋姫✝無双 魏国 再臨   作:無月

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書けました。

が、恋の視点だとどうしても説明が不足してしまうため、後書きにて少し補足します。
(説明するのは名前だけですが)

読者の皆様、いつもありがとうございます。


 決戦 董卓陣営 【恋視点】

 赤い星落ちた日から、霞おかしくなった。

 毎日、空見て、とっても楽しそうに笑う。

 何か、どこか、誰か、見てる?

 探してる? 会いたいと思ってる? そんな気する。

 あと、お酒飲んでると、たまに『ぐへへっ』って笑う。ちょっと怖い。

 その後、小さく小さく、恋にも聞こえない声で誰か呼んでる。

 その時、すごく嬉しそう。けど、悲しそう。

 嬉しいのに悲しい? 恋にはよくわからない。

 でも、霞変わった。

 よく笑う、お酒飲む、戦う、変わらない。

 

 でも、戦ってる時、違う。

 

 楽しそうなだけだった霞、いない。

 星落ちる前の霞、クロしか信じてない。

 前しか見てない。猪と一緒。恋と華雄と同じ。

 『戦うことがウチや! ウチの生き方なんやぁ!!』って言ってた霞、違う。

 戦っても、みんな見てる。

 一番前に立ってるのに、後ろ振り向くようになった。

 恋の背中、守ってくれる。

 華雄の援護、入る。

 芽々芽(めめめ)が危ない時、飛んでく。

 音々音(ねねね)が動く時、兵のちょっと強い人ついていかせる。

 みんな、守ってくれる。

 笑って言う『好き』、本気の『好き』だって、行動で教えてくれる。だから今の霞、怖いけど好き。

 

 兵も同じ。前は弱い部隊、見捨ててた。

 『弱い奴が悪い』って言ってた霞、もういない。

『ウチが鍛えたる!』 『そんなんやと、戦場でダチ守れんでぇ!』

『騎馬隊の強さは速さや!

 ウチだけに頼っとったら、『隊』の意味あらへんぞ!!』

 たくさん、たくさん声かける。

 みんな、引っ張ってく。けど、音々音の策もちゃんと聞く。

 引っ張ったままじゃなくて、ちゃんと繋いだ相手見てる。だから、痛くない。

 強い時ある。けどそれ、大丈夫な強さ。痛いけど、平気。

 兵のみんなも、霞のこと怖いけど好き。

 『戦う時、守ってくれる』 『あの人がいるから、戦える』 『鬼みたいに怖いんですけど、俺たちにとって神様みたいな人っす』って言ってた。

 みんな言わないけど、霞のこと好き。

 怖いけど好き。これも不思議。

 でも、胸あったかくなる。だからこれ、良い事。

 

 

 

 前、黄巾党倒して帰ってきた後、月たちを変な目で見る変な人たち来てた。

 月、困ってる。詠、怒ってる。千里、ごめんしてくる。

 『ごめん』、何で? 千里たち、悪くない。たまに来るその人たち、恋嫌い。

 

 

 恋、知ってる。

 月、すごく怒ってる。悲しんでる。

 でも、わからない。

 詠と千里、何か知ってる。でも、教えてくれない。

 月に何かしたあの人たちのこと、嫌い。

 あの人たちのせいで、牡丹様来なくなった。

 八重(やえ)様、千重(ちえ)様見なくなった。

 三人、いない。悲しい。寂しい。

 でもそれ、恋より月が思ってること。

 だから千里たち、何か言うまで恋待つ。

 月、早く悲しくなくなればいい。

 詠と千里、考え込むこと少なくなればいい。

 恋、戦うしか出来ない。出来ないこと、苦しいって思う初めて、なんかやだ。

 みんな、守りたい。誰にもいなくなってほしく、ない。

 

 

 千里の目、霞の方見てる。恋もそれ追いかける。霞がすっごく怖い顔した。笑ってるのに、怖い。

 霞、怒ってる。雷みたい、怖い。

 不機嫌なのをわざと言って、変な人たち追い払ってく。

 恋も手伝った。華雄も手伝ったの、驚いた。

 仕事たくさんしようとする霞、詠心配そうな顔する。それ、わかる。最近の霞、真面目。おかしい。

 出ていく霞、ついていって声かけようとしたら

 

「あーあ、一体誰を殺したら世の中は平和になるんやろなぁ?」

 

 恋初めて、誰かから怖くて逃げだした。

 いつもと同じ霞の言葉。たくさん難しい言葉知ってるのに、簡単なその言葉怖かった。

 しかも霞、いつもと同じ。変わらないのが怖い。

 戦ってる時あんな霞、見たことない。

 怖くて、走って、月にぎゅってした。

「恋さん?」

 霞怖い霞怖い霞怖い霞怖い。

 震え、止まらない。怖い怖い怖い。

「恋?! ちょっと、一体どうしたのよ?!」

「あーぁ、こんなに震えちゃって。

 よしよし、ここは大丈夫だからねー。

 何があったか、言ってみ? この千里さんが出来る範囲で、何とかしてあげるからねー」

 千里、頭撫でてくれる。あったかい。

「霞が・・・・」

「フンフン? 霞がどうかしたの?」

「『あーあ、一体誰を殺したら世の中は平和になるんやろなぁ?』って、言ってた・・・」

「はぁっ?!

 ついに、仕事ばっかりしすぎて壊れた?!

 僕、ちょっと霞のところ行ってくる!」

「詠、待ちなって!

 まだ場所も聞いてないのに、どこ行こうって・・・ あぁ、もう遅いか」

 怖い。思い出したら、なんか目から出てきた。

 月がそれ拭いてくれる。だから、さらにぎゅってした。

 月、あったかい。落ち着く。

「えっと、月。恋、任せてもいい?」

「はい、任せてください。千里さん」

「お願いね、月ならおちびさんたちも嫉妬しないだろうし。

 あっ、あと二人に状況説明もお願い。多分喧嘩しながら来て、恋のこの状況見たらいつもうるさいのが、さらにうるさくなると思うからね」

 芽々芽と音々音、いつも喧嘩してる。でも、恋が言うと二人とも笑顔で握手する。とっても仲良し。

「千里・・・ 霞、怖くなくなる?」

 千里に聞くと頭撫でて、笑ってくれた。

「まぁ、千里さんに任せておきなさいって!

 霞がどこ居たか覚えてる?」

 胸叩く千里、何でもできる千里、すごい。

「クロに会いに行く道、ご飯のところに近い方」

「ありがと、あの運動不足の詠になら私の足でも追いつけるから、ちょっと行ってくるー」

「いってらっしゃい、千里さん」

 千里の結んである髪、セキトの尻尾みたいに揺れる。可愛い。

 月、あったかい。落ち着く。眠い。

「恋さん? 眠いんですか?」

 月、頭撫でてくる。あったかい。気持ちいい。安心する。

「ん・・・・」

「寝てもいいですよ、夕食には起こしますから。

 今日はお疲れ様でした」

 月、子守唄歌ってくれるの聞こえる。

 優しい声、気持ちいい。あったかい、優しい匂い、気持ちいい手、大好き。

 

 

 

 別の日、恋みんなの朝の散歩行ってきた帰り。

 霞が華雄、捕まえてた。

「霞!? 私は今日、月様の護衛の任があるんだが?!」

「黙り!

 猪が治って、誰かと一騎打ちしても負けんくらいの強さになるまではウチと特訓や。

 拒否は認めへんから、覚悟しときやぁ」

「いやいや、華雄殿は苦労が絶えないご様子。

 芽々芽は恋殿とこれから張々たちのご飯を用意でござる」

「だ・か・ら! お前はいらんと言っているのです! 芽々芽!!」

「お主こそお邪魔虫、文官は文官らしく書庫に閉じこもっておくことをお勧めいたす!」

「なんですとー!? お前のような脳まで筋肉がついているような奴はむっさい兵どもに紛れて、汗でもかいておけばいいのです!!」

 顔合わせて、笑ってる。でも、張々たち怯える。よくないことみたい?

「二人とも・・・・ 仲良く」

「「仲良しですとも!!」」

 握手する二人、張々たち見る。尻尾振ってくれた。平気みたい。

「ん・・・・」

 でも多分、三人でご飯あげるの無理。だって、霞がこっち見てる。

「恋と芽々芽、二人も鍛錬行くでぇ」

「・・・・・うん」

 だと、思った。

 張々たち見て、小屋戻っておくように伝える。セキト頷いて、みんなに言う(吠える)。みんな、セキトについてく。

 セキト、賢い。みんなの隊長、あとで一緒にお昼寝する約束した。

「嫌でござるぅーーー!

 恋殿と一緒であっても、霞殿との特訓だけは勘弁願いたい!」

「拒否権なんてあるわけないやろ。

 大体、恋が居なかったらやる気出さん時点で、戦場じゃ無能やろが!」

「芽々芽は常に恋殿と共にあり、恋殿のいない戦場で力を振るう意味などござらん!」

「そう言う偉そうなことは、恋より弱いウチを一度でも負かしてから()くんやなぁ。

 武官が戦う場所選べるっちゅうが、そもそもの間違いや!

 その考え、根本から叩き直したる!」

 霞が芽々芽、親猫が子猫を叱るときみたいに首元引っ張ってく。逆の手には華雄を持って、肩に芽々芽担ぐ。

 芽々芽の髪、音々音と同じ色。でも、髪留めで尻尾上に来るようにしてる。髪飾り、白黒じゃない方の大熊猫(パンダ)の形してる。可愛い。

「恋?」

 霞の強さ、千里に聞いたことある。

 千里、言ってた。

 

 

『霞はね、個の強さを、全の強さに引き上げようとしてくれてるんだよ』

『? わからない』

『うーん、わかりやすく言うとさ。

 全員が全員、恋みたいに強くはなれないし、霞みたいに馬には乗れないじゃん?』

『出来ない・・・』

『それをさ、霞が鬼みたいになって鍛えることで、少しでも強くなるように、近づけるようにしてくれてんの。

 たとえ、誰に憎まれたって、怨まれたって、それこそ怖がられたって、後ろのあたし達に危険がないようにしてくれてる』

 千里、悲しそうだった。でも千里、いつもみんな見てる。

 笑わせてくれる。ご飯くれる。

 月はいつも楽しそうに笑って、詠に呆れられる。華雄に鬱陶しがられて、芽々芽と音々音は苦手みたい。霞とはよく遊んでる。

 でも、恋知ってる。千里、それ、わざとやってる。

 みんな大変な時、わざと笑わせてくれる。みんなの空気、あったかくなる。

 みんな、千里に包まれてる。千里の優しさ、みんな包んでる。あったかい。

 それ千里の強さ、恋にない強さ。恋には出来ないこと。

 なのに、どうして悲しそう? 千里たくさん、たくさんすごい。

『だからさ、恋は知っておいてあげてよ。

 鬼にだって血も涙も流れてて、何であたしが霞に「鬼神」の名を贈ったか。

 どうして「神」が「鬼」にならなくちゃいけないのか、大好きなものを守る恋ならきっとそれが頭で理解出来なくても、きっとわかるから』

 悲しそうな千里、やだ。だから、千里ぎゅっとして、良い子良い子した。

『千里、すごい。強い。優しい』

 月、してくれたこと思い出す。そのまま、頭何度か触って、離す。

『痛いの、痛いの飛んでけー』

『ぷっ、あたしはどこも痛くないよ? 恋』

 立ち上がった千里に、ぎゅってされた。

 頭、くしゃくしゃに撫でられて、強めにぎゅーってされた。ちょっと苦しい。

『恋は良い子だなぁ、もう! よし、決めた!

 恋が誰かと結婚することになったら、せめてあたしくらいには勝てる男じゃないとお嫁にはあげない!』

 笑う千里、いつもと同じ。明るい、大好きな笑顔だった。

 でも言ってること、よくわからない。

 

 

「どうかしたんか? 恋」

 こっち向く霞、怒ってない。さっきのも怒ってるようにしてただけ、

「霞、弱くない。とっても強い」

 千里の強さ、霞の強さ。違うけど同じ。

 月も、詠も、千里も、霞も、恋もってない強さ持ってる。それ、とってもすごい。

 でも、みんな『弱い』っていう不思議。

「おおきにな、恋。

 さっ、行こか」

「ん・・・・」

 恋も守りたい。大好きなみんな、守りたい。

 

 

 

 黄巾党、いっぱい集まってるところある。だから、詠たちに言われて行った。

 本当は霞行きたがってたけど、華雄に押さえつけられて、月に諭されて、詠に叱られて、千里に宥められて、恋出発できた。

 ちょっと戻るの、怖い。霞怒った後、試合強い。怖い。

「恋殿! あと半刻ほどで到着しますぞ!」

「ん・・・」

 人、いっぱい。旗、いっぱい。

 けど向こう側、ずっと黄色。

「・・・・・!」

 その黄色をまっすぐ進んでく何か、いる。

「如何された? 恋殿」

「何か怖いもの、いる」

 まっすぐ、まっすぐ、たくさん斬って前に進んでく。

 青と白が作る赤い道、通り過ぎた後にその激しさわかる。雷みたい。

 声じゃない声、あげてる。悲しそう。

 どうして? どうしてそんなに悲しそう? 怖いのに、どうして目離せない?

 頭、逃げろって言ってる。怖いって言ってる。

 でも、恋逃げない。どうして?

「恋殿? 何を見ているのでござるか?」

「黙れです! 芽々芽!

 恋殿の集中を途切れ指すな、なのです!」

「・・・・青い雷」

 もう見えないくらい、動き早い。雷、二つ。危ない。

「芽々芽、音々音・・・ 行こ。

 策、は?」

「恋殿を中心に一点突破、なのです!

 他諸侯は、それに合わせることしか出来ないのです!」

「その点においては同意!」

「お前は精々、恋殿の足を引っ張らないよう兵でも引っ張って行けなのです!」

「お主こそ、千里殿に預けられた護衛達に迷惑をかけぬようにするのだな!」

 二人とも、仲良し。良い事。

「二人、無理駄目。

 中央、絶対行っちゃ駄目。危ない何か、居る」

 二人頷くの見て、恋走る。

 怖い何か、知らないとわからない。

 たくさんたくさん斬って進んで、あの人探した。

 

 

「見つけた・・・・・」

 恋、戦う。でも、そこも見た。

 距離あるのにわかる冷たい気持ち、霞よりもっと怖いあの人いる。

 逃げ出したい。足、向こう行きたがる。けど、見なきゃ駄目。

 そこに居たの赤い鬼と白い鬼。

 真っ赤な丸出来て、その周りたくさんの死体転がってる。

 今もたくさんの敵、囲まれてる。

 表情、見えない。でも、なんとなくわかる。この二人、時間稼いでる。探してた誰か、逃がそうとしてる?

 見てたら、鬼二人増えた。

 その二人、赤い鬼笑った。白い鬼、変わらない。けど、少し嬉しそう?

 空気変わった。怖いだけ、冷たいだけの空気なくなった。

 戦場なのにあったかい、千里たちと一緒に居る時みたいな空気。

 でも鬼四人、ずっと戦ってた。

 

「恋殿! 見てくだされ、敵兵も次々と敗走していきますぞ!

 変わらず素晴らしいお手並みですな。このまま、本陣を落としましょうぞ!!」

 芽々芽、恋怖がって敵逃げてると思ってる?

 それ、違う。敵怖がってるの、恋じゃない。あの四人。

「もう、落ちてる・・・・」

「? もう落とされたのですか? 恋殿」

「違う・・・・ 恋、やって・・・・」

「うわあぁぁーーー! 飛将軍の呂布だーーー!」

「うるさい・・・」

 騒ぐの斬って、前進む。

 多分あの人、もう終わらせてる。

 向こう見ると、もう四人の鬼いない。

 雷みたいな人、もういない。

「馬元義、死亡!」

「おぉ、やはり恋殿がもう斬ってしまわれたのですな。流石は恋殿」

「・・・・・恋、やってない」

「謙遜されなくてもよいですのに」

 芽々芽、聞いてくれない。

 戦い終わる。みんな、帰ってく。恋も月たちのところ、帰る。

 

 

「おー、おかえり。恋。

 お疲れ様、ご飯たくさん用意してあるからね」

 千里とセキト、迎えてくれた。

 ご飯。ご飯。たくさん食べたい。

「ただいま・・・・・ 月の、手作り?」

「そうだよー、あたし特製の杏仁豆腐とか甘い物もあるから、たくさんお食べ」

 月のご飯と、千里の甘い物。嬉しい。

 千里の甘い物、好き。たくさんいろいろ作ってくれる、千里すごい。

「恋殿から離れるのです! 千里!!」

「恋殿を甘い物で釣るなど、油断も隙もない!」

「あはは、二人は叫ぶ元気があるみたいだから、詠と霞のところに報告しに言って貰おうかなー。

 ねっ? 二人とも」

 千里の甘い物、月のご飯。楽しみ。

「さっ、おちびさんたちを黙らせたし、恋とセキトはご飯にしよっか」

「ん・・・・」

 一緒に歩く、千里好き。でも、行くとき、あの人思い出して、千里と話す。

「千里、戦場怖いのいた。とっても怖いのいた」

「怖い? どんなのが居たの?」

「雷みたい、速くて、強い人。

 戦うとき、鬼みたい。すごく怖い」

 あの人、怖い。

 恋、あの人のこと嫌いと違う。けど、近づけない。怖い。

「鬼? もしかして仮面被ってた?」

 千里の言葉頷くと、難しい顔してから笑う。恋の頭を撫でてくれた。

「・・・・よしっ!

 いろいろ考えるのは後にして、今はご飯にしよう。恋。

 月が待ってるから、走ろっか? って、またこれ?!」

 走るって言われて、千里持つ。

 千里、とっても軽い。心配。

「千里、走るの早くない。だから、恋連れてってあげる。駄目?」

「ははは、みんなにそう思われてんだね・・・・

そりゃまぁ、武官ほどは早くないんだけど、そこそこなんだぞぉ?」

 千里の言葉聞きながら、恋ご飯のところ走った。

 




芽々芽:高順 牡丹:劉宏(霊帝) 八重:劉弁(少帝) 千重:劉協(献帝)

名前のみに説明、お許しください。
このことは連合にて、予定している詠か千里の視点にて明らかになります。
また、朝急ぎで投稿しているため見直しちょっと雑です。すみません。

感想、誤字脱字お待ちしております。

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