少年はとある青年の夢を見た。
青年は力を手にした。
それは世界を渡る力だった。
しかし、それと同時に世界を滅ぼす力でもあった。
青年は滅びゆく世界を救うために様々な渡り戦った。
だが、行きつく先で彼は世界の破壊者、悪魔と罵られた。
青年はそれが自分に課せられた宿命だと思った。
だからこそ、それを受け入れ世界を救おうと戦ってきた。
青年が振り返った時、多くの仲間ができた。
共に世界を救おうと立ち上がった仲間がいた。
そんな青年の夢だった。
カルデアの少年、
「ここは・・・!?」
悠馬は起き上がり周りを見て驚愕した。
周囲が燃えていた。
空も、街も、道路も、人も、何もかもが燃えていた。
「一体、どうしてこんなことに!?」
「先輩?
目を覚まされたのですね!?」
「っ!?」
悠馬は思わず声をした方向に目を向ける。
そこに居たのは桃色の髪をした少女だった。
そして悠馬は知っていた、少女の名前を。
「マシュ、なのか?
どうしてそんな恰好を?」
「この格好ですか?
実はここに来る前にあるお方が力を授けてくださってそれで助かったのです。
・・・最も、そのお方はサーヴァントではありましたが、真名も宝具もお伝えする前に消滅してしまいましたが」
マシュは自分に授けてくれたサーヴァントのことを語る。
確かに、今のマシュの恰好はカルデアの制服ではなく紫の鎧を身に纏い、手には十字架など様々な装飾が施された大型の盾が握られていた。
それがそのサーヴァントから与えられた力だというなら納得がいく。
だがそれでもなぜ自分たちがここにいるのかはわからなかった。
「先輩は覚えていますか?
ここに来る前に、カルデアで何が起こったのかを」
「カルデアで?
っ!?
まさか!!」
悠馬は思い出した。
ここに来る前のことを。
カルデアの管制室で爆発が起こったことを。
管制室に向かった時にはすでにマシュが重傷を負っていたことを。
管制室から出られなくなった後、レイシフトのカウントダウンが始まりマシュの手を握った後に光に包まれたことを。
「マシュ!
今カルデアって大丈夫なのか!?」
「そ、それは、私にもまだ・・・」
マシュが困惑する中、懐から通信音が聞こえた。
マシュは通信機を取り出し応答する。
通信機から聞こえたのは、Dr.ロマンだった。
『よかった、マシュも悠馬君も無事なんだね!?』
「はい、フォウさんも無事です!」
「フォウ!」
マシュは盾の中からリスのような生物のフォウを出して確認する。
「Dr.ロマン、あんたも無事ならカルデアも大丈夫なのか?」
『あー、それなんだけど、大変なことになってるんだ』
Dr.ロマンは気まずそうに現在の状況を伝える。
悠馬以外のマスター候補は意識不明の重症を、職員もほとんどが重症を負っていてとても万全の状態ではないこと。
そして、所長であるオルガマリー・アニムスフィアとシヴァの開発者であるレフ・ライノールが行方不明になっていることだった。
『それに今そこの時代への通信も安定していない。
だからこの座標に向かってサークルを形成して欲しいんだ、頼むよ』
Dr.ロマンは座標の書かれたマップをマシュたちに転送して告げたあとに通信が切れた。
「通信、切れましたね」
「そうだな。
こうなってしまった以上、そこに向かってDr.ロマンと相談してからこの時代のことを調べてみよう。
それに、この時代は何か嫌な予感がするからな」
「そうですね、私もそう思います。
この時代には何かあると見て間違いないでしょう。
今はこの座標に向かいましょう、先輩」
「あぁ」
二人は、転送された座標に向かうことにした。
その場所には、誰がいるのかを知らず。