アーチャーを倒した悠馬たちは洞窟の奥へと進み聖杯へとたどり着いた。
だが、そこにあった聖杯は、聖杯と呼ぶにはあまりにも巨大過ぎるものだった。
「ちょっと、まさかこの巨大な魔力炉心みたいなものが聖杯だって言うの!?」
『はい、間違いありません。
その座標からそれらしき反応があるので、それが聖杯かと思われます。
悠馬君、聖杯の回収をお願いするよ!』
「了解!」
「おい、聖杯の中から何か来るぜ。
構えな!」
クー・フーリンが聖杯から何かを察知したのか警戒する。
すると、聖杯の中から少女が現れた。
その少女は全身に黒を貴重にした鎧とドレスを纏っていた。
少女は禍々しく染まった黒い剣の切っ先を悠馬たちに向ける。
「貴様らか、私に歯向かおうとする愚かな者たちとは」
「おいおい、あいつはセイバーじゃねぇか!?
こいつは厄介なやつに出くわしちまったぜ」
「おい、それって本当か!?」
クー・フーリンは驚きを隠せずにいる。
「ああ、間違いないぜ。
あいつは見た目が華奢な癖して、体の中に膨大な魔力を秘めてやがんだ。
あいつの攻撃をまともに食らったら一発であの世行きだぜ!」
クー・フーリンが説明している時に、セイバーが剣を振るう。
その瞬間、悠馬たちの間を黒い衝撃波が走った。
まるで、悠馬たちの間を分けるかのように。
悠馬とマシュ、そしてクー・フーリンと所長とフォウに分かれてしまった。
「先輩、今のは!」
「おい、そっちは大丈夫か!?」
「あぁ、大丈夫だ!
だが、こっちはすぐに加勢に入れねえよ!」
「ひぃ!
な、何よこいつら!」
「フォ、フォーウ!!」
所長とフォウが悲鳴をあげる。
目のまえにいびつな骸骨で作られた兵士が地面から出現したからだ。
その兵士が剣、弓などを構えながらクー・フーリンたちに近づいているのだ。
「ちょ、キャスター!
何とかしなさいよ!」
「ちっ!
死にたくねえなら俺から離れんなよ!」
クー・フーリンは所長とフォウを後ろに下がらせ、業火を振るいながら
その様子を見ていた悠馬はすぐには来れないことを悟ったのか、気まずそうにする。
「しばらくは来れないのか!
マシュ、行けるか?」
「はい、行けます!」
「では、私たちも始めるぞ」
セイバーは恐ろしい速度でマシュの間合いに入った。
「は、早い!」
マシュは盾を構えセイバーの剣撃を防いでいく。
「面白い盾を持っているな小娘。
なら、私の宝具に耐えられるか?」
セイバーは面白いこと思いついたと言わんばかりに、後ろに飛び距離を取り、剣に魔力をためる。
「『卑王鉄槌』 極光は反転する。
光を呑め、『
「先輩たちはやらせない!
『
マシュは即座に結界を貼り、セイバーの暗黒で禍々しい斬撃を防ごうとする。
「う、うああああああっ!!」
その一撃は恐ろしく強力な一撃で、いくら結界を張っているとはいえ少しでも力を緩めればすぐに破壊されてしまうほどの力だった。
マシュは腕に足に力を入れ踏ん張る。
次の瞬間、斬撃が爆発し、悠馬は爆風に耐えながら状況を把握しようとする。
「っ!」
煙が晴れ悠馬の眼に映ったのは、鎧の所々にひびが入り盾を持ちながら膝をつくマシュの姿だった。
「マシュ!!」
「ハァ、ハァ!
ウグッ!」
「見事だな小娘、私の宝具に耐えれるとは大したものだ。
だが、もう一度浴びせればもう耐えられまい!」
セイバーはもう一度剣に魔力をためる。
マシュは盾を構えようにも膝に力が入らなかった。
そんなマシュの状態を見た悠馬はすかさずマシュの前に立つ。
まるで、自分が盾になるかのように。
「先輩!?
何をしているのですか、早く逃げてください!」
「うるさい!
お前を残して逃げれるか!!」
「主が自ら盾になるか。
ならば我が剣を手向けにしてくれる!」
セイバーが黒い斬撃を放つ。
目の前に迫りくる攻撃に悠馬は目を背けなかった。
「俺は・・・俺たちは、こんなところで死ねるかぁっ!!!!」
悠馬が叫ぶ。
まるで目の前の現実にあらがおうとするかのように。
マシュがボロボロでまともに戦えそうにない。
だからってマシュを、皆を置いて逃げたくない。
悠馬は願う。
自分に、マシュたちと共に戦い、この目の前の現実を覆すほどの力が欲しいと。
すると、悠馬のポケットから光があふれ出した。
「え?」
ポケットから、教会で拾ったバックルとカードケースが飛び出し、二つが一体化した。
それは拾った時のような汚れは取れ光沢を放ち、いくつもの紋章が現れある、最後には文字が浮かび上がった。
そしてそれは悠馬の腰にベルトのように巻き付いた。
「こ、これは!?」
悠馬が困惑する中、ベルトの側面に装着されたカードケースからピンクを基調に黒のラインが入った鎧の戦士が描かれた一枚のカードが飛び出し、ベルトに挿し込まれる。
『KAMEN RIDE DECADE!!』
瞬間に、いくつもの影が出現し、光になって黒い斬撃をはじき返し、そのまま悠馬の体を覆っていく。
「先輩!」
光が消え、マシュは悠馬の姿を見て驚いた。
「せ、先輩?」
そこにいたのはカルデアの制服姿の悠馬ではなく、ピンクを中心に黒のラインが入った鎧の戦士だったのだ。
その戦士はマシュのほうに振り向く。
「大丈夫か、マシュ?」
「ほ、本当に先輩なのですか?」
「あぁ、とはいってもマスクで俺の顔が見えないか」
その戦士から悠馬の声が聞こえてマシュは困惑するが、悠馬はそれでも構わず、セイバーがいる方向に振り向く。
「面白い鎧を持ってるようだな。
貴様、何者だ?」
「俺か?
俺は・・・」
悠馬はセイバーに質問され少しだけ自分の手を見て考える。
すると、ある言葉が浮かび上がった。
「・・・そうか。
今の俺は、仮面ライダーなんだな」
「・・・何?」
「俺は、通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!!」
悠馬が叫ぶ。
そして始まる。
仮面ライダーの力を手にしたマスターとサーヴァントたちによる、世界を救うための聖杯探索が。