なんだかんだで彼女ら(彼ら)は再び戦車に乗る 作:眼鏡とタバコ
また主人公達が問題を起こします!
どうぞ!
あれから約一カ月、ゴールデンウィークも終わり五月下旬に入った頃、今日も学校が終わって、これから部活に向かおうとしたところ校内放送で紫から呼び出しをくらった。しかも俺と副隊長の冴塚先輩の二人で校長室に。
俺なんか悪いことしたかな?あれか?部活に力を入れすぎたか?いや、確かに練習メニューはハードで、ほとんど俺の独断で動いていたが、この前そのことで怒られて、それからはちゃんと一カ月のスケジュール表と毎週の月曜日に一週間のスケジュール、あと毎日その日一日の練習メニューについての報告はしているし。マジなんで呼ばれた?
「笹原ちゃん、なんか私達悪いことしたかな?」
俺の隣で一緒に校長室に向かっていた冴塚先輩も、どうやら心当たりがないらしい。
「いえ、私もわかりません。私はせいぜい、授業態度くらいです」
「授業態度?どういうこと?」
「今、前衛部隊と後衛部隊の編成について考えているんですよ。前衛部隊は誰と誰を同じ戦車で組むか。後衛部隊は誰を整備長にするとか、誰を試合の時、一緒に連れて行くとか、その他色々を授業中考えてました」
「あ〜〜、この前取り入れた新しい体制のことだね〜〜。でもダメだよ〜〜、ちゃんと授業を受けないと〜〜」
「授業はちゃんと受けてます。というか今やっているところはもう予習してますので、正直退屈です」
二回目の中学生ライフだからな、マジで退屈過ぎる。
「そうなんだ〜」
「そう言う冴塚先輩は何か心当たりはないんですか?」
「私?う〜〜ん・・・・・・・私も授業態度かな〜〜」
「何やったんですか」
「その言い方ひどいよ〜〜!ちょっと授業中に居眠りしただけだよ〜〜!」
「私よりもひどいじゃないですか。しかし隊長と副隊長、二人揃って授業態度が悪ければ、呼び出されるのも仕方ありませんね」
「でもそんなことで普通呼び出すかな〜〜。私、今まで何回も居眠りしたけど、呼び出されたの今日が初めてだよ〜〜?」
「先輩、ホントに成績大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよー!私これでも学年三位なんだよー!」
マジで!?正直意外過ぎる。この人のことだから赤点ばっかだと思ってた。
そうこうしている間に校長室に着いた。俺はまた怒られるのを覚悟して扉をノックする。
「笹原 紅音、以下二名入ります」
「どうぞ〜〜」
緊張感のない声だな〜、ホントなんで呼ばれた?
そんなことを思いながら扉を開けて中に入った。そこには見覚えのある人物一人がソファーに座っており、見覚えのない人物二人、見覚えのある人物の左にあるソファーに座っていた。
その見覚えのある人物とは。
「西行寺・・・幽々子・・・」
誰にも聞こえないようにそう呟く。
何故コイツがここに居る。そんなことを考えていると俺の考えを察したのか、紫が口を開く。
「紹介するわね。こちら常幻西中学校の校長、西行寺 幽々子。そちらの二人は常幻西中学校戦車道の隊長さんと副隊長さんよ」
いや、ちょっと待て。常幻・・西?マジであんのかよ!?いや、東があるなら西もあるのかなって思っていたけど、マジかよ!しかもそこの校長が幽々子かよ!
ないわ〜〜!
マジでないわ〜〜!!
コイツが校長なんてないわ〜〜!!
いや、紫がここの校長してるくらいだから、なんとも言えねぇ〜。
「とりあえず座ったら?立ったままでだと疲れるでしょ?」
「・・・わかりました。では」
紫に言われた俺はそう言い、空いているソファー、常幻西の二人と対面する形で座る。
「それじゃ自己紹介からしましょうか。先ずは常幻西から」
「はい、常幻西中学校戦車道、隊長の三年 前原 沙奈です」
「同じく、副隊長の二年 藤井 麻奈です」
「ではこちらも、常幻東中学校戦車道、隊長の一年 笹原 紅音です」
「同じく、副隊長の二年 冴塚 明日香です」
紫に自己紹介するように言われた俺達はそれぞれ紹介した。
「東はとうとう一年を隊長にしてきましたか」
相手の隊長は、嫌味ったらしく言ってきた。
「何か問題でも」
「い〜え、ただ東も落ちたものだなって思っただけです」
あぁ、コイツはそういう奴か。まぁいいや。
「な、なんですって!」
「副隊長、落ち着いて下さい」
「で、でも笹原ちゃん!」
「気持ちはわかります。あと、ここでは隊長と呼んで下さい」
ちょっと睨み、冴塚先輩を黙らせる。
こんな奴の挑発にいちいち乗ってやる必要はない。
「・・・・・ごめんなさい」
「フン、分を弁えてるようですね。そういう奴は嫌いじゃないですよ、東の隊長さん」
「早速で申し訳ありませんが、八雲校長、本日はどの様なご用件で?」
相手の隊長を無視して、紫に問いかける。相手の隊長はそれが気に入らなかったのか、舌打ちをして黙る。
「実は西中からの申し出で、練習試合をしてほしいの」
また面倒なことを涼しい顔して言うなよ。
「まっ、勝敗は見えていますけどね。噂では東中の三年は全員退部したらしいじゃないですか。三年はいない、一年はほとんどが初心者、まともに戦えるは二年だけ、何故三年が全員退部したかは知らないですが、今年の東は初戦敗退かもしれませんね?」
コイツまだ言うか。そろそろホントうるさいんだけど。てかなんで紫と幽々子は扇子で口元隠してニコニコしてんだよ。何が楽しいんだよ。
「隊長!なんで何も言い返さないんですか!」
「落ち着いて下さい副隊長。今あちらが言われたことは全て事実です。確かに三年生の不在、一年生はほとんどが初心者、まともなのは二年生だけ、全て事実です。そんなことで腹を立てもなんの意味もありません」
「でも・・・・」
「東の隊長さんは自分達の立場をよく理解しているじゃないですか」
あぁ、もう、うっぜ。
紫と幽々子は動く気配ないし。
「えぇ、自分達の立場はよく理解しています。それを踏まえて、あえて言います」
「なんですか?」
「弱い犬ほど良く吠える」
「・・・・言いたいことはそれだけですか?」
挑発にしてはイマイチだったか。
「西中の生徒には正直ガッカリです。まさかここまで礼儀を知らないとは、馬鹿なんですか?礼儀作法の授業でも取り入れたらどうですか?」
「なんですっ「黙れ雑種」ッ」
うん、やっぱりAUOのセリフはいいな。
「ルールを決めましょう。試合は明々後日の土曜日、場所は熊本県が保有する演習場、十両編成。そして殲滅戦、問題ありませんか?」
「いいでしょう。格の違いを教えてあげます。校長、副隊長、行きましょう」
「私は八雲校長にまだ用事があるから、二人は先に行って校門で待ってて〜」
「わかりました。副隊長、行きますよ」
「はい」
そう言って二人は扉まで行く。
「絶対に後悔させてあげます。格下が」
あ?今アイツなんて言いやがった?まだ嫌味を言うか。
俺は西中の隊長のところに歩み寄ろうとした時。
「笹原さんは残って下さい。冴塚さんはちょっと席を外して下さい」
「わ、わかりました」
そして紫と幽々子、そして俺の三人だけになった。
「なんの用だ」
「用なんてないわ。アナタが西中の隊長に、何かよからぬことをしようとしたから止めただけ」
「・・・・・一つ確認したいことがある」
「何かしら?」
「全く関係ない話だけど、幽々子は俺のことを」
「もちろん知っているわ。紅狐さん」
「・・・・・失礼しました」
俺はそう言い残し、校長室を出て工場へ向かった。
〜〜〜〜廊下〜〜〜〜
「さ、笹原ちゃん。どうしたの?」
俺は無言のまま工場に向かっていた。正直言って腹立たし。
俺も受け流すつもりだった、しかしあそこまで見下されたら何もしないわけにもいかない。絶対に負けるわけにはいかない。
それに紫と幽々子、あの二人はいい加減過ぎる。何故止めなかった、何を考えている。
「笹原ちゃん、校長から何か言われた?」
俺は歩みを止め、冴塚先輩に指示を出す。
「冴塚先輩、先に行って練習を全てストップしてみんなを工場に集めて下さい。事情は全て私から説明します。私は少し用事がありますので」
「わ、わかった。先に行ってるね」
そう言い残し、冴塚先輩は工場に向かった。
周りにはだれもいない。俺は近くにあった自販機でコーヒーを買って、一気に飲み干す。
ガコンッ!!
俺は自販機の側面を殴った。
「あの三下供が・・・・後悔させてやる・・・・」
そう呟き、空き缶を捨てて工場に向かった。
〜〜〜〜工場内〜〜〜〜
「皆さん、貴重な練習時間に集まって頂き、ありがとうございます。早速本題に入ります。練習試合が決まりました」
工場内が騒つく、まぁそれはいい。
そして二年生の一人が質問してきた。
「相手はどこ?」
「対戦相手は常幻西中学校です」
工場内がさらに騒つく。
「今回の練習試合は、西中からの申し出で受けることになりました。ルールは十両編成で殲滅戦、場所は熊本県が保有する演習場、試合は明々後日です」
「これまた随分と急だね」
「申し訳ありません、私の独断で試合の日時、場所、ルールを決めました」
「アンタらしくないわね、何があったの?」
エリカがちょっと顔険しくしてたずねてくる。
「実は・・・・」
〜〜〜〜状況説明〜〜〜〜
「なるほど、事情はわかったわ」
エリカはちょっと呆れた口調でそう言った。
「雪宮さん、貴女の幼馴染はいつもこうなの?」
「うーん、まぁそうかな」
「はぁ〜」
エリカと吹雪がそんなことを言う。
いや、喧嘩売ってきたの向こうなのに、なんで俺が悪い見たいになってんの。
「まぁ、紅音ちゃんが人を殴ってないってわかったからいいよ」
「?何言ってんの?」
吹雪の言葉にエリカは首を傾げる。
「紅音ちゃん、右手で何か殴ったでしょ?」
「よくわかったわね」
「右手から血、出てるよ」
吹雪に言われて、右手の甲を確認する。よく見たら指の第三関節辺りから血が垂れていた。
「ちょっとアンタ!大丈夫なの!?」
「ムカついたから自販機の側面を殴った、反省はしていない」
「反省しなさい!」
コントか?コントなのか?俺はそんなつもりは全くないのだが、何故がこうなった。
「笹原ちゃん、校長室から出てきたときすごく不機嫌だったよね〜」
「あそこまで見下されたら不機嫌にもなります。相手校の隊長の胸ぐら掴んで殴ろうとも考えたくらいです」
「よ、よく我慢できたね〜」
「まぁ、最初は聞き流すつもりでしたが、最後の一言で病院送りにしてやろうと思ったのは事実です」
その一言で部員全員がちょっと引いた。
なんだよ。
「と、とりあえず救急箱持ってくるね〜〜」
そう言って冴塚先輩は部室に向かった。
「雪宮さん、貴女からも何か言ったら?」
「とりあえず、どうやって相手校を叩き潰す?」
「ちょっと貴女!」
「まぁ正直、それが目的で殲滅戦にしたわけだし、今のところ三つ作戦があるんだけど」
「アンタまで!」
「作戦立案は紅音ちゃんに任せるよ。編成は?」
「人の話を聞きなさい!」
「それもある程度考えてる。とりあえず吹雪は今日から明日の部活の時間まで相手校の情報収集にあたって、手段は問わない、今日もう上がっていいから。あとアンタには一個小隊の小隊長をやってもらうから覚えておいて」
「ちょっと待ちなさい!」
「オッケー!じゃお疲れ〜」
「お疲れ」
「コラーー!!」
全く、そんなに大声出して。どうしたんだい、何か良い事でもあったのかい?
「何?」
「何ってアンタ、雪宮さん一人でいいの!?」
「大丈夫よエリカ、吹雪は情報収集能力に結構長けてるから問題ないわ。副隊長!」
「何〜」
「今から私と一緒に編成を考えますので、一緒に来て下さい」
「わかった〜〜、そこで手当てもやろっか〜〜」
「ありがとうございます。黒川先輩!相澤先輩!」
「何?」
「うん?」
「申し訳ありませんが、今から私と副隊長は席を外します。今日の練習の指揮をしていただいてもよろしいでしょうか?」
「任せてちょうだい」
「オッケー」
「よろしくお願いします。副隊長、行きましょう」
それ言って俺と冴塚先輩は部室に向かった。
〜〜〜〜部室〜〜〜〜
「それじゃちょっと右手出して〜〜」
「すいません。ありがとうございます」
俺と冴塚先輩は椅子に座り、向き合う形になっている。
「すごいな〜、笹原ちゃんは〜」
「?・・何のことですか?」
「校長室でのことだよ。流石に私でも、相手校にあんなことは言えないよ」
「いえ、私はただ言われっぱなしは嫌いなだけで」
「だからすごいな〜って、相手は三年生だよ?」
「私の中ではそんなの関係ありません。ほとんど実力で決まる、それが戦車道。私はそう思っています。強者は生き残り、敗者は死ぬ。年上年下なんて関係ありません」
「そうやってはっきり言え笹原ちゃんが、私は羨ましいよ」
「冴塚先輩も十分に強いです」
「えっ?」
「二年生で唯一、車長、砲手、操縦手、装填手、通信手全てが出来る。正直すごいです」
「・・・・・・そう言ってもらえて嬉しいよ」
先輩はちょっとくらい雰囲気で言う。
「私が隊長になる前、三年生の方達に言ったこと覚えてますか?どんなに下手でもやる気があるなら絶対に見捨てないって言ったのを」
「覚えてるよ」
「今の東中は確実に強くなっています。一年生も二年生もやる気は十分あります」
「そうだね、そうだよね」
「勝ちましょう、この試合」
「うん!」
そう言って冴塚先輩は元気なった。
今の東中は強くなってる、一年生も試合に出れる人材もそこそこいる。
さて、久々にちょっと本気を出しますか!
今度は1月26日までに投稿します。
ご意見、ご感想お待ちしています!
ではまた!