なんだかんだで彼女ら(彼ら)は再び戦車に乗る 作:眼鏡とタバコ
ではどうぞ!
「射命丸さんの車両以外全員集まりましたね。それでは作戦を変更します」
射命丸の車両以外の車長を集めて、作戦会議を始める。
今いるのは森の中、相澤先輩と神宮寺先輩、宇佐見に周囲の警戒をしてもらっている。
「現在、射命丸さんから入っている情報は、敵は一箇所に集まり、防御を固めているとのこと、場所は見晴らしのいい草原にいて周囲を警戒しており、動く様子はないとのことです」
「この陣形を崩すのは難しいねぇ〜。周囲を囲んで逃げ道を塞ぐ?」
吹雪が作戦を提案してくる。
「個々のレベルが高ければそれもありかもしれないけど、正直厳しいわね」
「そういえば紅音ちゃん、対策練っていたんだよね?紅音ちゃんはどんな作戦を立てたの?」
よくぞ聞いてくれた!正直いつ聞いてもらえるのかと、ちょっと不安になっていた。もし聞いてもらえずに、勝手に作戦を決められたら拗ねるつもりだった。
「では、作戦を伝えます」
〜〜〜〜西中サイド〜〜〜〜
『隊長、相手はどう攻めてきますかね?』
「可能性として、束になって一気に攻めるか、もしくは二つに別れて挟み撃ちにするかでしょうね。相手がどう攻めてきても動じないで冷静に対処しなさい。相手が攻めて来たらチャーチル五両が盾になりながら魚鱗の陣で前進し、この時クルセイダー二両は左右の一番端に、ある程度進んだらクルセイダーは相手に突撃、マチルダはチャーチルの後ろに控えて前進」
『『『『『『『『『了解』』』』』』』』』
さぁ、かかって来なさい。まだ完璧に西住流を再現出来たわけじゃないけど、日本で最古にして最大の流派の西住流のやり方を取り入れたのよ。負けるはずがない。
今年こそは優勝してみせる、その為に西住流を再現しようと血の滲むような努力をしてきたのよ。一年のときはベスト九位、西住流を取り入れたのは二年ときだが、そのときは六位、今年が中学最後の大会、なんとしても優秀しなければならない。その為にもニ、三回戦で敗退するような弱小校に負けられない、いや負けるはずがない。
〜〜〜〜1時間経過〜〜〜〜
しばらく待機していると、森の方から戦車のエンジン音が聞こえてきた。
「総員!戦闘準備!」
随分とエンジンをふかしているわね、おかげで大体どこにいるかはわかった。
今私達がいるのは草原の真ん中におり、私達を中心に半円を描くように広がっている。森との距離は約2000mくらい、こちらを攻めるには絶対森から出なければならない。
ドォォォォォォン!!!
森の中から砲撃音がして、その砲弾は私達のいる位置の100m後ろに着弾した。
威力からしてKV-2だろう。
『どうしますか!?』
「落ち着きなさい。チャーチル五両とクルセイダー二両は前進、その後ろを残ったクルセイダーとマチルダは付いて来るように」
さぁ、どう攻めてくる。相手は火力が優れているとはいえ急造のチームとたいして変わらない、三年がいなくて二年と一年だけ、しかもそれ束ねているのが一年。
そうこうしていたら、森から相手側の戦車が出てきた、数は六両。
残り四両はこの六両を倒してから探そう。おそらく後方の森か、違う場所に身を隠して弱ったところを奇襲つもりでしょうね。
さぁ、どう攻めてーーーーー
ドドドドォォォォォォン!!!
『こちらクルセイダー!すみませんやられました!』
なるほど、確かに数両で一両を攻撃すれば幾ら素人でも撃破出来る。
それなら。
「チャーチル五両!ファイヤフライを狙って!撃てー!!」
私の合図でチャーチル五両が攻撃。
相手がその手で攻撃するならこちらも同じ手段を取るまで。
『ファイヤフライ撃破しました!』
「了解、次はブラックプリンスを狙って!撃てー!!」
距離は約1500mくらい、まだクルセイダーを向かわせるわけにはいかないわね。
『ブラックプリンス撃破しました!』
『こちらクルセイダー!すみません撃破されました!』
「了解、続いてチャーフィーを攻撃!」
ドォォォォォォン!!!
またしてもKV-2の砲弾が後方100mくらいに着弾する。さっきからずっと100mくらい後ろに着弾しているけど、どこ狙っているのかしら?
『チャーフィー撃破しました!』
「了解、続いてパーシングを攻ーー」
ドォォォォォォン!!!
後方から砲撃音がして、後ろにいたマチルダがやられた。
『こちらマチルダ!後方から攻撃を受け撃破されました!』
「そんな!」
私は後方を確認する。後方100mくらいはKV-2の撃った砲弾の煙で見えない。
徐々に煙が晴れていって、そこでめにしたのは。
「なんで・・・なんでここに相手が・・・」
そこにはティーガーⅠとⅡ、そしてヤークトティーガーがいた。
〜〜〜〜笹原 紅音サイド〜〜〜〜
『こちら吹雪、西中の隊長ようやくこっちに気づいたみたい』
「了解、そのまま吹雪は攻撃、弥生とエリカは吹雪の指示に従って」
『『了解!』』
「五十鈴さん、もういいですよ。今度は相手戦車を狙ってください」
『やっと私達の出番ね!行くわよみんな!』
『『『『『おー!』っぽい!』了解!』わかった!』了解です!』
さて、もうあとは指示出さなくてもいいでしょ、もう寝ていいですかね。
「隊長〜。次はどれ狙うんだ〜?」
はいダメですね。わかってた。
「冴塚先輩、黒川先輩、一番左のチャーチルを攻撃してください。合図は出します」
『『了解!!』』
『こちら吹雪、クルセイダー二両撃破したよ〜』
「了解、なら吹雪はそっちから見て一番左のチャーチルを攻撃して、タイミングは任せるから」
『了解〜』
「ではこちらも攻撃します。」
「『撃ち方!はじめ!』」
ドドドォォォォォォン!!!
ドドドォォォォォォン!!!
ドォォォォォォン!!!
私達側、吹雪側、そして五十鈴のKV-2が同時に攻撃した。
てか今、吹雪とかぶってたな、まぁいい。それにしてもすげぇな、今攻撃でチャーチル四両が撃破、内二両が横転している。
KV-2の攻撃で横転いたのだろう。
いや、大丈夫か?戦車が横転したら普通に中に乗っている人死ぬからね?
「残り一両、吹雪お願い」
『は〜〜い』
こうして、吹雪側の攻撃で最後の一両が撃破された。
『チャーチル、走行不能!勝者、常幻東中学校!』
〜〜〜〜西中サイド〜〜〜〜
『チャーチル、走行不能!勝者、常幻東中学校!』
負けた、負けてしまった。
KV-2は下手で当てられなかったのではない、あえて当てなかったのだ。後方から攻める味方を気付かせない為に、私達は最初のKV-2の攻撃でハッチを閉め、攻撃してきた方向しか見ていなかった。
この時点で勝負は決まっていたのだ。
もっと周りを警戒していれば、もっと早くに後方に気づいていれば。
私は後悔するしかなかった。
悔しい。
格下と思っていた者に負かされてしまった。悔しい。
認めたくないが・・・相手は私達よりレベルは上だ。
〜〜〜〜笹原 紅音サイド〜〜〜〜
さて、試合も終わったしかえーーーー
『隊長!今日の一番は誰!?』
撤収の指示を出そうとしたら白露から無線がきた。
「一番?どういうこと?」
『姉さんは今日のMVPは誰なのかって聞いてるんだと思うよ』
あぁそういうことね、まぁ確かに今回の練習試合はそこまで被害は出てないし、みんな頑張ったしな。
「じゃ今回のMVPは『もちろん私だよね、紅音ちゃん!』」
いや吹雪、お前はないからな?
「吹雪」
『何?』
「それはない」
『なんで!?』
「当たり前でしょ。そもそも今回の作戦はKV-2がなければ成り立たない作戦だったもの。射命丸さんは1〜2両くらい撃破して、最後まで生き残っていたらMVPだったけど、今回は五十鈴さん達のKV-2ね」
『『『『『『やったーー!!』』』』』』
『あやや〜、私達はもっと精進しなければなりませんね』
「さぁ、試合も終わったし、総員撤収!」
さてと、あとは整列して帰るだけだ。
〜〜〜〜再び整列〜〜〜〜
「両校!礼!」
「「「「ありがとうございました!」」」」
さぁさっさと帰ろう。時間はまだ昼ちょっと過ぎたくらいだし、帰ってある程度修理したら今日は切り上げてあとは月曜日にしますか。
俺は後ろに振り返り、整列している部員に告げる。
「総員、撤収準備!先ずは動けなくなった戦車をトレーラーに乗せてもらいます!トレーラーについては校長にお願いして業者を呼んでいます!動けなくなった戦車の乗員は、こちらが指名した戦車に乗せてもらってください!準備が出来たら私に報告を、すぐに撤収します!」
「ちょっと休憩しな〜い?」
お前はもちっとシャキッとしろ吹雪。
「休憩したいなら学校でしなさい。言っておくけど、今日は休憩を挟んだら
「じゃなんで整備班作ったの!?意味ないじゃん!」
「当たり前でしょ!流石に壊れた戦車をそのまま整備班に丸投げするわけにはいかないわ!それに全員であたるって言ってもある程度よ、今日は早めに切り上げてあとは整備班に任せるから」
「ならいいや」
「では、この後は先程の指示に従ってください!以上!」
さて、俺も撤収準備しますか。今日は終わったら食材買って帰らないと、あと夕方五時からの卵半額セールに間に合うように部活を切り上げないと。
「行きましょう、副隊長」
「うん!」
「笹原さん」
俺は後ろを振り返る。そこには西中の隊長がいた。
「なんでしょうか?」
「その・・・格下だの弱小だの言って見下したりしたことについて謝罪を、ごめんなさい。認めたくないけど、貴女達が私達よりレベルは上だわ」
そう言って西中の隊長は頭を下げる。
なんだそのことか、正直言ってどうでもいいことだったから忘れていた、なんて言えないよな。
てかその言い方、本当に反省してんのかな?
「副隊長、先に行って現場の指揮をお願いします」
「・・・・・わかった、あとでね笹原ちゃん」
そう言って冴塚先輩は走って行った。
「顔を上げてください」
そう言うと西中の隊長は顔上げて、俺の目を見る。
「これから気をつけて頂ければかまいません。少し聞きたい事あるのですがいいですか?」
「なんですか?」
「横転したチャーチルの乗員の方々に怪我はありませんでしたか?」
西中の隊長は少し驚いた顔をしたが、すぐに元に戻る。
「えぇ、ちょっと擦りむいただけで大したことはありません」
えぇ〜〜、うっそだぁ〜〜。
だって横転してんだよ?車内には砲弾とかあるんだよ?どんなに良くても骨折、最悪死人が出てもおかしくないのに擦りむいただけって、ありえねー。
「心配くれたんですね。ありがとうございます」
「敬語、やめませんか?私年下ですよ」
「そう、ならそうさせてもらうわ」
「とにかく、怪我なくて良かったです。正直言って結構心配してました」
「ありがとう」
「では、私はこれで失礼します。この後も予定詰まっていますので」
「それは申し訳ないことをしたわね」
「いえ、では私はこれで、次は公式戦でお会いしましょう」
「えぇ、では」
そう言って、お互い後ろを向き自分を待っている部員のところに帰った。
なんだかいまいちわからない人だなー。反省してるのかしてないのかよく分からんし。
そう思いながら俺は、俺のことを待っている部員のところに帰った。
SAO新作が以外と楽しいです!
次は2月18日までに投稿します!
ではまた!