なんだかんだで彼女ら(彼ら)は再び戦車に乗る   作:眼鏡とタバコ

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皆さま!本当にありがとうございます!
これからも頑張りますので、どうかよろしくお願いします!


笹原 紅音はちょっと世話焼きである

 

 

 

 

 

6月も終わりに近づき、衣替えが6月最初から始まって本当に良かったと心底思っているこの頃、俺は普通の学校生活を送っていた。

 

「では、ここの問題を・・・・霧雨、解いてみろ」

「マジか!えっ、えーっと」

「ここの問題、昨日ちゃんと授業受けていたらわかる問題だぞー。ちゃんと受けていたら」

「センセー、わかりません!」

 

いや、諦めんなよ。

準決勝が終わって数日、今は3時限目の数学の時間で魔理沙は黒板に書かれている問題をあっさり諦めたところである。

ちなみに内容は乗法と除法である。

 

「はぁ〜、笹原答え」

「+5です」

「正解だ」

 

さて、次の試合の編成を考えないと。中1の授業なんかに時間を割いている暇なんかない。

 

「このように、おそらく授業をあまり聞いていないであろう笹原でも解ける問題だぞー」

「センセー、私は授業をちゃんと聞いています。霧雨さんと一緒にしないで下さい」

 

お前どんだけ俺のこと嫌いなんだよ。まぁ確かにあんま聞いていないが。

 

「じゃ昨日の授業の範囲、教科書19ページの問3の4問と、今やっている問4の8問、言ってみろ」

 

面倒くせぇ。

クラスのみんなが俺を見る。えっ?答えないとダメなの?

俺は教科書の問題を見る。

 

「計算式は面倒なので省略して答えだけ言います。+2、+9、−5、+12、−18、−7、+9、+3、−4、−6、−8、+1です。合っていますか?」

「正解だ」

 

おおーーー!!と歓声があがる。

 

「では先生に問題です。変数分離形の微分方程式の解き方は?」

「なっ!?」

 

教室内が少し騒つく

 

「変数分離形の微分方程式?」「えっ、そんなの習ったっけ?」「し、知らない」

 

周りはヒソヒソと言う。

 

「笹原さん、それは一体なんですか?」

「変数分離形の微分方程式。高校か大学くらいで習う数学よ」

 

ヒバリの質問にそう答えると教室内が更に騒つく。まぁそうだろな、たかが中1が高校か大学くらいで習う数学の問題を教師にしているんだから。

 

「笹原、お前はわかるのか?」

「無論です」

「問題は?」

「公式だけで構いません」

 

そう言って先生は黒板に公式を書いていく。

 

「合っているか?」

「正解です」

「なら笹原、ベルヌーイ形微分方程式は?」

「前提条件は?」

「n=0の場合は線形微分方程式になり,n=1の場合は変数分離形になるから,ここではこれらの場合は考えないこととする」

 

俺は黒板の前に立ち、公式を書いていく。

 

「正解だ」

「では先生、リッカチ形の微分方程式は?」

 

先生は書いていく。

 

「正解です」

「お前なんで中学校にいるんだよ?あとなんでこんな問題知ってんだよ?」

 

あっ、ヤベッちょっとイラってきたからやり返すつもりが。

 

「いけませんか?私これでも理数系なので」

「お前飛び級したら?」

「質問を質問で返さないで下さい。あと嫌です、面倒くさいので。では次は弾道学から問題ですがーーー」

「それは違う教科の問題だ!」

「いえ、計算があるので一応数学です」

「いや物理とか力学も使うからな!?」

「わかりました。では放物運動からーー」

「だからなんでそんなの知っている!?」

「いえ、これでも戦車に乗っていますので」

「普通中学生は知らんぞ」

「まぁ、普通は知らないでしょうね」

「はぁ、もういい。席に戻れ」

「はい」

 

俺は自分の席に戻る。

 

「あー、脱線してしまったが、これで授業は終わる」

 

おっと、もうそんな時間か。

 

「それとお前達に言っておく。今度の期末テストだが、中間のと合わせて60点未満の教科がある生徒は夏休み補習だ。これは数学だけでなく全教科だ」

 

な、なんだと!?

 

「ではこれで授業は終わる、日直」

「起立、礼」

「「「「「ありがとうございました」」」」」

 

俺は素早く携帯を取り出し、部員全員に一斉メールをした。

内容は『昼休み、部員は全員工場に筆記具とメモ帳を持って集合』である。

送信してすぐ携帯を取り出した部員が数名いたのでこのクラスは大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜昼休み〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「全員集まりましたか?」

 

俺は部員全員を工場に集める。

 

「それで笹原ちゃん〜、一体どうしたの〜?部員全員集めて」

「単刀直入に言います。この中で前回の中間テストで点数が悪かった人は挙手をお願いします」

 

そう言って恐る恐る挙手したのは数人。

おい魔理沙、お前は絶対に点数は悪いのになぜ手を挙げない。

 

「わかりました。ではメモ帳に自分の名前と中間テストの各教科の点数を書いて1年生は私が、2年生は冴塚先輩に出して下さい。()()()嘘偽りがないように、正直に書いて出して下さい」

 

そう言って全員がメモ帳に書いて俺に提出した。

どれどれって、魔理沙のやつほとんど30点未満じゃん!!

俺は魔理沙を睨むが、本人は慌てて外方を向いた。おい、こっち見んか。

 

「冴塚先輩、そっちはどうですか?」

「う〜ん。ちょっとマズイかな〜って子が6人かな〜」

 

俺は1年の全員分を確認する。

 

「こっちは15人です」

「それはマズイね〜。このままだと夏休み補習になっちゃうね〜」

「今日は木曜日です。おまけに決勝は来週でテストは決勝が終わって3日後で、勉強をする時間はあまりありません。不本意ですが、今日から4日間は部活を中止にします」

 

工場内が騒つく。

「そんな〜」「決勝前なのにー」「誰よ点数悪いの」とヒソヒソ言い合っている。まぁそうなるわな、大事な決勝前なのに部活中止なんて。

 

「仕方ありません。幸い全国には出場出来る状況です。補習で試合に参加出来ない方が問題です」

「そうだね〜。ただでさえ部員が少ないのに、更に部員がいなくなる方が問題だよね〜」

「2年生は冴塚先輩にお任せします。1人で無理なら他の人と協力して勉強会や居残りをして下さい。校長には私から説明します」

「わかった〜」

「1年生はあとで関係ある人にはメールを送ります。では解散としますが、皆さんはあまり点数が悪い人を責めないであげて下さい。誰しも得意不得意はあります、皆さんは出来るだけ協力してあげて下さい」

 

そう言って全員が解散していった。

ちなみに点数が悪かったのは魔理沙、白露、夕立、宇佐見、黒潮、不知火、湯沢、和田、荒潮、漣、弥生、火焔猫、平河、由比ヶ浜、睦月である。っておい弥生、なんでお前は点数が悪いんだよ!

 

 

 

 

 

〜〜〜〜放課後〜〜〜〜

 

 

 

 

 

部活の中止を紫に説明し、勉強会に関係ある人にメールをした俺は帰宅していた。

勉強会は俺とエリカと吹雪が白露、夕立、荒潮、漣、弥生を。

四季と咲夜と早苗が魔理沙、火焔猫、由比ヶ浜、宇佐見、睦月を。

遊佐と日巻が陽炎が黒潮、不知火、湯沢、和田、平河をそれぞれ見ることになった。

俺らのグループは俺の部屋で勉強することにしたが、そう以外はそれぞれに任せた。だってこれだけの人数は俺の部屋に入らんし。

しかし、部活をしないでこんなに早い時間に帰宅するなんて久しぶりだな。

 

「助けてーーー!!」

 

なんでこういったときにこうなんのかな。何?俺ってもしかして厄病神?

とはいえ流石に無視は出来んか。俺は声がした方に向かって走った。

走っていると小さな公園の前に車が停まっており、中年のおっさんが公園の入り口近くでランドセルをからった小学生を車の中に引き込もうとしていた。

 

「あれは、小町ちゃん!」

 

そう、その小学生は隣のクラスの比企谷八幡の妹、小町であった。

俺は近くに落ちていた小石を中年のおっさんを狙って全力投球したあと小町に向かって走った。

 

「イテッ!」

 

見事に顔面に小石があたったおっさんは、小町から手を離し、自分の顔を両手で抑えた。

 

「小町ちゃん!」

「笹原さん!?」

 

流石に小学生と一緒では逃げられないと判断した俺は小町の手を取り公園の中に入った。

 

「小町ちゃんは私のバックを持ってここにいて!」

「でも笹原さん!」

「いいからここで大人しくしていて!出来る?」

「わ、わかった」

「よし、偉い子ね」

 

そう言って俺は後ろに振り返って、おっさんと向き合った。

 

「アンタ、何私の知り合いを誘拐しようとしてんのよ」

「うるせぇ!!部外者は引っ込んでろ!!」

「アンタ人の話を聞いてた?部外者じゃなくて知り合いよ。」

「黙れ!!」

 

おっさんはそう言ってポケットからナイフを取り出した。

おいおい、銃刀法違反だぞ。

 

「死にたくなかったらさっさとそいつを寄越せ!」

 

バカらしい。

 

「アンタ、自分が何をしているのかわかってるの?」

「あぁ!?」

「他人に武器を向けるってことがどういうことわかってるのかって聞いてんのよ」

「うるせぇ!!黙れ!!」

 

おっさんはナイフで切りかかってきた。普通なら簡単に避けられたが俺はあえて怪我するように避けた。

 

「笹原さん!」

 

小町が後ろで叫んだ。

俺はというと左手の手のひらを軽く切った程度である。

 

「正当防衛成立ね」

 

俺はそう呟いてから攻撃の姿勢をとった。

今度はおっさんは、俺の肺の部分を目掛けて刺しにきた。

まぁ、このくらいなら躱せるが、こんなの躱す必要もない。

先ずは左手でナイフを受け流したあと、おっさんの顳顬を全力で殴る。

 

「ガァッ!」

 

次にそのまま胸ぐらを掴んで背負い投げをする。

 

「ガハッ!」

 

おっさんは投げ飛ばされるが、すぐに起き上がりナイフを逆手持ちにするとそのまま振り下ろしてくる。

 

「笹原さん!」

 

小町が叫んでいるが、今は無視だ。

俺は両手で受け止めたあと、おっさんの鳩尾辺りを膝蹴りをする。余程苦しかったのか、ナイフを手放しておっさんは片膝ついた。

俺は次に顔に膝蹴りをお見舞いして、渾身の力を込めて顔にミドルキックする。

綺麗にぶっ飛んだなぁ。

俺はナイフを拾い上げて、横たわるおっさんに歩み寄る。

 

「何気絶したフリしてんのよ」

 

そう言って俺は脛を思いっきり蹴り上げた。

 

「ガァァッー!!」

 

おっさんは脛を抑えてジタバタする。

俺はおっさんの胸ぐらを掴んで無理矢理立たせ、首元にナイフを突きつけた。

 

「いい?人に武器を向けるなら、それが自分に向けられる事も考えなさい。殺す覚悟も、殺される覚悟もない癖に武器なんて使うもんじゃないわよ!」

 

俺はナイフを捨て、おっさんの顎に拳を叩き込んだ。

おっさんは吹っ飛び、そのまま気絶して動かなくなった。

 

「小町ちゃん!」

 

俺は小町に向き直る。

 

「う、うぅ、うわぁぁぁぁん!!」

 

小町はとうとう泣きだし、俺の元に走り出したと思ったらそのまま抱きついてきた。

 

「あぁぁぁぁぁん!!死んじゃうっでおもっだぁぁぁ!!ざざはらざんが死んじゃうっでおもっだぁぁぁ!!」

「よしよし、私は大丈夫だから。ねっ、泣き止んで」

 

俺はしゃがんで、右手で小町を抱き寄せる。

 

「でもぉざざはらざんのひだりでがぁぁぁ!」

「大丈夫よ。ちょっと切っただけだから」

 

実際はポタポタと血が出ていた。ちらっと見たが左手は真っ赤になっていた。

あ〜、ハンカチとか持っとけば良かった。てか傷残んないよな?

 

「今からお巡りさん呼ぶから、小町ちゃんはここで待ってて」

 

俺はバックから携帯を取り出す。人生初の110番、って左手が血でベタベタするな〜。とりま制服で手を拭いとくか。

数分後パトカーが2台と救急車が1台が来ておっさんは逮捕、俺も簡単な状況説明をした後詳しく聞きたいが、先ずは傷の手当てが先となり、小町と一緒に先ずは病院に向かった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜警察署〜〜〜〜

 

 

 

 

 

病院で手当てを受けて、そのあと警察署に着いた俺は先ず事情聴取を受けている。それにしても、マジで縫合する程の傷じゃなくてよかった。もし傷が残るようならあのおっさんを亡き者にするところだった。

そんなことより。いや、なんて言っていいの?ここは警察署、それはわかる。でもね。

 

「では、笹原さんは比企谷さんの助けを呼ぶ声が聞こえて現場に駆けつけたときにはその状況だったのね」

 

なんでアンタがいるんだよ常守 朱さん!!

 

「はいそうです」

「それで、笹原さんは近くに落ちていた小石を犯人にぶつけ、犯人が比企谷さんから手を離した隙に比企谷さんを助け、逃げ切れないと判断した笹原さんは公園の中に逃げたと」

「はい」

「そのあとは犯人と取っ組み合いになり左手を負傷するも、顳顬に打撃を与えたあと背負い投げ、起き上がって犯人はナイフを逆手持ちに切り替えたあと振り下ろしたのね」

「はい」

「そのあと鳩尾辺り、顔に膝蹴りと普通の蹴りを与えあと横たわった犯人の脛に打撃を与えたあとは胸ぐら掴んで無理矢理立たせて顎に拳を叩き込んだ、であってる?」

「は、はい」

 

なんかそこだけ聞くと俺が圧倒的に悪く聞こえてくるな。

 

「わかりました。ご協力ありがとうございます」

「あの、小町ちゃんは大丈夫ですか?」

「はい、今は待合室で私の先輩が一緒にいますし、先程よりだいぶ落ち着いています」

「そうですか。よかった」

「では、事情聴取は終わります。今から待合室に案内しますね」

「ありがとうございます」

 

俺はそう言って常守さんに付いていく。

 

「笹原さん」

「なんですか?」

「あの、もし間違っていたら申し訳ないけど、笹原さんってもしかして東中で戦車道の隊長をしてる?」

「はい、常幻東中学校で戦車道の隊長をしてます」

「やっぱり!なんだか見覚えのある顔と名前と思ったら、やっぱりそっかー!!」

「あの、私のこと知っているんですか?」

「もちろん!試合いつも見てるよ!今度は黒森峰とだよね、頑張って!」

「あ、ありがとうございます」

「うん!応援してるね!あっここが待合室ね」

 

そうこうしている内待合室に着いた。

 

「お疲れ様です。事情聴取終わりました」

「おつかれー、朱ちゃん」

「おう、終わったか」

 

そこには唐之杜 志恩と征陸 智己がいた。

もう俺は何も突っ込まんぞ。

 

「笹原さん!」

 

小町はそう言って俺の元に走ってきた。

 

「ごめんね小町ちゃん、遅くなって」

「それにしても嬢ちゃん、アンタは大したもんだ」

 

征陸が突然そう言ってきた。

 

「何がですか?」

「よく逃げずに取っ組み合いで勝てたなって。連れてこられた犯人の顔はそりぁ酷かったぜー」

 

征陸は笑いながらそう言ってきた。

 

「あ、あれは自分でもやり過ぎたと思っています」

「いや何、そんなことで罪にはなんねーから安心しな」

「はい、ありがとうございます」

 

よかった〜。正直出場停止とかくらったらどうしようと考えてた。

 

「まっ、学校の方には連絡はいくがな」

 

ですよねー。わかっていたが聞きたくなかった。

 

「ところで嬢ちゃん、その子の家の電話番号は知ってるか?」

「え?」

「いや、その子携帯持ってないし、親の携帯の番号も家の番号もわかんねぇって言ってるからさ」

「大丈夫です、この子のお兄さんの番号は知っていますので」

「そうか、悪りぃが電話してくんねぇか?」

「わかりました」

 

俺は携帯を取り出し比企谷に電話をかける。

 

「あっ比企谷君?今大丈夫?」

『すまん!悪いがまたかけ直してくれるか!』

「妹さんのこと?」

『な、なんで知ってるんだ!』

「はぁー、小町ちゃんと一緒に警察署にいるからご両親と一緒に来なさい」

『悪い、親父とお袋は今出張でいないんだ』

「ならアンタだけでも来なさい。じゃ」

 

そう言って一方的に電話を切った。

 

「ご機嫌斜めね、大丈夫?」

「正直早く帰りたいです。このあとご飯作ったりテスト勉強したりしないといけないので」

「大変ね」

「はぁー、わざわざ部活を中止にしてまで勉強会の時間を設けたのに、結局帰る時間はいつもと一緒ですし」

「フフッ、仕方ないわよ」

 

唐之杜とそんなやりとりをしていると待合室の扉が開いた。

 

「取り調べ終わりましたー」

 

そう言って入ってきたのは縢 秀星である。その後ろを狡噛 慎也、宜野座 伸元が続いて入ってくる。突っ込まんぞー突っ込まんぞー。

 

「で、犯人の目的はなんだったんだ?」

「人質にして身代金を要求しようとしたんだと」

「全く、バカバカしい」

 

征陸の質問にそう答える狡噛と宜野座。

 

「それで、その子の親とは連絡は付いたのか?」

「今お兄さんが迎えに来てます」

「そうか」

 

ん?この世界では常守は狡噛に対して何もないのか?

常守と狡噛のやり取りを見ていた俺の元に縢が歩み寄る。

 

「にしてもすごいねー!笹原ちゃんだっけ?犯人とバトって勝ったんでしょ!犯人の顔を見て笑い堪えんのマジ大変だったわ!」

「えぇ、まぁ」

 

原作の方もそうだったが、コイツはちょっと苦手だ。

 

「おい縢、そのくらいにしろ」

 

宜野座に注意され縢は不貞腐れる。

 

「すまない、ウチの部下が失礼なことをした」

「い、いえ、気にしないで下さい」

「だが気になるのは確かだ、とても最近まで小学生だった奴が中年のおっさんに勝てるとは思えないんだが」

 

狡噛は煙草に火をつけながらそう言ってくる。いやここ待合室だよね?喫煙所じゃないよね?

 

「まぁ言われてみれば確かにそうだなぁ。嬢ちゃん、何か格闘技をやってんのか?」

 

俺はその質問に対して言葉が詰まる。

 

「あの、言わないとダメですか?」

「いや何、ダメって訳じゃないが、隠す必要のあることか?」

 

いや、別に隠してる訳じゃないがあんま言いたくないなー。

 

「ハイハイ、女の子にそんな質問したらダメでしょ。あと慎也くん、ここは禁煙よ」

「おっと、すまん」

 

ナイス唐之杜!

 

「すいません、先程の質問には武道の心得があるとだけ言わせて頂きます」

「いいわよ、ウチの男達がごめんなさいね」

「いえ」

「武道か、犯人の話と怪我した箇所から考えてもタダの武道じゃないな、プロってわけでもなければ素人ってわけでもない」

「慎也くん!」

「どうだ?」

 

なんでこの人はこんなに勘がいいんだよ。俺は諦めて話すことにした。

 

「アタリです。久しぶりでしたので上手くはいきませんでしたが」

「その口振りだと素人じゃないな」

「はい、色々出来ますが、まぁほとんどかじる程度です」

「かじる程度じゃあんなことは出来ない。今の会話からしてお前は複数の武道、格闘技が出来るな?」

「はい」

 

そう言って小町を除く全員が驚いた。

 

「これはたまげたぜ。まさかトンデモ嬢ちゃんだったとは」

「ちょっと、女の子にそんなこと言ったらダメでしょ」

「だが、驚いたのは事実だ」

 

そんなやりとりをする中1人だけハテナマークを頭に浮かべていた。

まぁ小学生にはわからんよなぁ。

 

「誰から教わったんだ?」

「ちょっと慎也くん!」

「独学です」

「本当か?」

「周り出来る人がいなかったので」

「そうか、色々聞いてすまなかった」

 

そう言って尋問?が終わった。

 

「ごめんね。ウチの慎也くんが」

「いえ、大丈夫です」

「慎也くんはあとで説教ね」

「何?」

「当たり前でしょ、女の子ってのは知られたくないことが10や20はあるものなのよ!」

 

いやそれは多すぎないか?

それから俺と小町、唐之杜は1階のロビーにあるソファで比企谷を待つことにした。しかし比企谷では小町も比企谷だしなぁ、もう面倒だから八幡でいいか。

 

「さっきはウチの慎也くんがごめんね。慎也くん、あーいうところがある子だから」

「大丈夫です。あの人、大抵なんでも1人で抱え込むタイプでしょ。あと、あの体格だと何か格闘技をしていますね。それも手練れ」

「よくわかったわね」

「他人に優しく、自分に厳しくって人でしょ」

「あら、その通りよなんでわかったの?」

「なんとなく親近感が」

「あら、笹原ちゃんもそうなの?」

「私はちょっと違いますが」

「あっ、お兄ちゃんだ!」

 

俺はそれを聞いて入り口の方に視線を向ける。そこには辺りをキョロキョロ見渡す八幡がいた。

 

「八幡!こっち!」

 

八幡はこっちに気づいた。

 

「あら、さっきは苗字じゃなかったっけ?」

「比企谷じゃ小町ちゃんも比企谷ですし、比企谷って呼びづらいです」

「フフッ、確かに」

 

そして八幡は俺達のところまでやってきた。

 

「小町、なんでここに」

「誘拐されそうだったところを私が助けたのよ」

「そ、そうなのか!?」

「ホントだよお兄ちゃん」

「すまない、本当にありがとう」

「・・・色々言いたいことはあるけど、私から一言だけ言わせて。なに小学生を1人で登下校させてんのよ。アンタちゃんと妹のこと考えてんの?」

「す、すまん」

「すまんじゃないでしょ。「はい」か「いいえ」で聞いてんのよこっちは。まぁ考えてんならこんな事にはなってないはずよ」

「・・・・・」

「これに懲りたら明日からでいいから、一緒に登下校してやんなさい。私からはもう何もいわないから。・・・・・次やったら拳だから」

「ほ、ほんとうにすまん」

 

そう言って八幡は首を縦に振る。

 

「それでは、私達はこれで失礼します」

「フフッ、確かに慎也くんとは違った優しさだわ。あと私の名前は唐之杜よ、よろしくね」

「はい。では唐之杜さん、失礼します」

 

そう言って、俺と八幡、小町は警察署を出た。警察署を出る前に、視界の端にさっきの5人がいたが気にしないでおこう。

 

「さーってと、今から晩御飯作んなきゃ。アンタ達はどうすんの?」

 

俺は振り返りながら八幡に訪ねる。

 

「俺はコンビニにしようかと」

「・・・・・まさか小町ちゃんも?」

「あ、あぁそうだ」

「はぁ〜、それじゃ栄養が偏るでしょ。アンタはともかく、小学生の小町ちゃんにはそんなのダメでしょ」

 

今のうちにちゃんとしたものを与えんと小町はいつまで経っても原作通りに小さいままだぞ!どうすればいい、あっそうだ。

 

「アンタ達、今日はウチでご飯食べなさい」

 

多少問題はあるがコイツは今両親が出張でいない、なら別に不自然ではないだろう。

 

「い、いや、流石に女の子にお世話になるわけには」

「何言ってんのよ両親は出張なんでしょ。それともアンタ料理出来るの?」

「いや、だからコンビニにしようかと」

「ダメに決まってるでしょ、小町ちゃんのためにも」

「お前は料理出来んのかよ?」

「当たり前でしょ、1人暮らししてるんだから。それにコンビニにしようにも私入りづらいしゃない、制服に血付いてるし」

「なんでお前も付いて来る前提なんだ」

「そんなの小町ちゃんを愛でる為よ」

「小町が狙いかよ」

 

当たり前だろ!他に何がある!

 

「小町ちゃんはどうしたい?」

 

俺は小町に聞いてみる。おい、なんだそのニコニコ笑顔。何企んでる。

 

「私は()()()()()と一緒に食べたい!」

 

・・・・・・・・・・今なんと?

 

「ごめん、もう一回言って」

「?()()()()()と一緒に食べたい」

 

・・・・・・・・・・な。

なんて破壊力だ!!お、お姉ちゃんだと!!

 

「ありがとう!!お姉ちゃんって呼んでくれて!!」

 

俺は小町の頬をスリスリする。

マジでこんな妹欲しい!!

 

「これからはお姉ちゃんって呼んで」

 

ヤバい、お持ち帰りしたい!テイクアウトしたい!

 

「ほら、小町ちゃんもこう言ってるんだしアンタもウチに来なさい」

「お前は俺が家に来ることに関しては何も思わないのかよ」

「別に何も」

「いや、流石にマズイだろ。男が女の家行くのは」

「いいから来なさい」

「あーもう、わかった。行きます、行けばいいんだろ」

「最初からそう言えばいいのに」

 

さて、そうと決まれば小町の為に頑張るぞ!

 

 

 

 

 

〜〜〜〜マンションの入り口前〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「ほら、そんなとこ突っ立ってないで早く来なさい」

「お前、こんな高そうなところに住んでんのか?」

「何言ってんの?いいから早く来なさい」

 

俺達は中に入ってエレベーターに向かう。ちょうどエレベーターの前には袋を片手に持ったエリカがいた。

 

「あら、エリカじゃない」

「あらじゃない、ってアンタどうしたのよ!?血だらけじゃない!」

 

振り返りながら何かを言いかけたエリカは、俺の姿を見るなり慌てて近く。

 

「一体どうしたのよ!?まさか、そっちの男!」

 

エリカは八幡を睨む。

 

「違うわよエリカ。とりあえず私の話を聞きなさい」

 

俺は小町が誘拐されそうになったこと、取っ組み合いで怪我をしたこと、そして警察署に行ったことを話した。

そこまで話したところで、エリカは呆れた顔をした。

 

「なんて言うか、アンタらしいと言えばアンタらしいわね。でも、アンタならすぐにやっつけられたんじゃないの?」

「何言ってるの、正当防衛を成立させるためにワザと負傷したのよ」

 

俺は包帯の巻かれた左手をヒラヒラさせながらそう言った。

 

「アンタったら、それよりなんで比企谷がここにいんのよ?」

「八幡達は今日は晩御飯がないから私が作るのよ」

 

そう言うとエリカは目を見開いて、そのあとニヤニヤしてきた。

 

「へぇ〜、アンタそういうのが好みなんだ」

「勘違いしないで、私は小町ちゃんのために晩御飯を作るのよ。八幡はおまけよ」

「またまた〜、ちゃっかり下の名前まで呼んでるくせに」

「この場合は仕方ないでしょ。八幡も小町ちゃんも同じ比企谷なんだし、それに比企谷って呼びづらいじゃない」

「本当かしら」

「・・・・・あまりしつこいと今後エリカだけハードな練習メニュー組むわよ」

「ごめんなさい私が悪かったわ」

 

そう言ったところでエレベーターが降りてきて扉が開く。

俺達は中に入って6階を押す。エレベーターの扉が閉まったところでエリカは何かを思い出したかのように口を開いた。

 

「あっ、でもアンタ左手怪我してるじゃない。そんなんで料理出来るの?」

「そこなのよね〜。簡単にドリアでも作ろうかしら」

「アンタ、ホントになんでも作れるのね。というか作る気なの」

「大丈夫でしょ」

「危ないから私達が作ってあげるわよ。私達もまだご飯を食べてないし」

「いいの?それならお言葉に甘え・・・ん?私達?」

 

俺はハテナマークを頭に浮かべてエリカを見るが、エリカは不思議そうに俺を見てくる。

 

「何言ってるの?もうアンタ抜きで勉強会しているんだからそのメンバーでご飯を作ってあげるって言ってんのよ」

「あ〜そういうことね。なら料理はエリカと吹雪にお願いしていいかしら?その間、弥生達の勉強は私が見るから」

「お願いするわ。場所はどうする?今、雪宮さんの部屋で勉強会してるんだけど」

「なら吹雪の部屋にしましょ」

「わかったわ」

「それより、エリカはなんで下にいたの?」

「私はシャー芯が切れたから、すぐそこのコンビニに買いに行っていたのよ。ついでに飲み物も」

 

そんな会話をしている間に6階に着き、俺は吹雪の部屋に向かう。

 

「雪宮さんの部屋に向かう前にアンタ着替えてきたら?流石にその格好はマズいでしょ」

「そうね。悪いけど先に吹雪の部屋に行っててもらえる?あっ、八幡達は外で待ってて」

「お、おう」

「小町ちゃんもちょっと待ってて」

「はーい」

 

そう言って俺とエリカは一旦別れ、俺は自分の部屋に戻った。適当に半袖、七部丈の白がベースで灰色のラインが入ったジャージに着替え再び外に出る。

 

「お待たせ」

「いや、そんなに待ってない」

「なら、吹雪の部屋に行きましょ。と言っても隣だけど」

 

そして俺はインターホンを押す。

・・・・・・・あれ?

おかしいな。エリカはさっき入っていったからいるはずなんだが。

俺は玄関の扉を開けた。

 

「おじゃまするわよ〜」

「お、おい、いいのかよ」

「いいわよ。アンタ達もあがんなさい」

 

俺は外履きのスリッパを脱いでリビングに向かう。

 

「エリカー。何かあった、ってアンタ達何してんのよ?」

 

そこには仁王立ちして腕を組んでいるエリカと、正座する吹雪達の姿があった。

 

「アンタからも何か言ってあげて」

「それ以前に、何があったのかわからないんだけど」

「私がいない間にゲームで遊んでたのよ」

 

俺はため息を吐き吹雪を見る。

 

「遅れた私が言うのもアレだけど、この場合はアンタがしっかりしないとダメしょ?せっかく全国行けるようになったのに、補習で出場出来ませんじゃ話にならないわ」

 

吹雪達は下を向いて黙り込むんでしまった。

 

「とりあえず吹雪、今から晩御飯作るからキッチン借りていいかしら?」

「あっ、冷蔵庫空っぽだからご飯ないよ」

「・・・・・仕方ないわ。皆んな、今から私の部屋に移動しましょ。吹雪とエリカは晩御飯の準備、その間の弥生達の勉強は私が見るわ」

「それはいいけど、1つ聞いていい?」

「晩御飯の準備はいいけど、なんで比企谷君と小町ちゃんがここにいるの?」

 

まぁ当然の疑問だよな。

 

「まさか紅音ちゃん、私の知らないところで・・・」

 

あの弥生さん、そんな怖い目で俺を見るのやめてもらえますか?

あと吹雪と漣は目をキラキラ輝かせながらこっちを見るな。

 

「もしかして・・・彼氏?」

 

おい吹雪、誤解を招くようなことを口走るな。

 

「彼氏キタコレ!」

 

やめろ漣、彼氏違うから。

あーー、弥生がどんどん不機嫌になっていく。

 

「とりあえず落ち着いて、きちんと説明するから」

 

俺はエリカに説明したように、学校が終わってから今に至るまでの説明をした。

 

「なるほど、だから2人がここにいるんだね」

「アンタ、取っ組み合いのことは何も言わないのね」

「今更だからね。紅音ちゃんは昔からそうだったし。まぁ正当防衛の為にわざと怪我したのはアレだったけど、縫合する程の怪我じゃなかったから私は何も言わない。小町ちゃんもこうして無事なわけだし」

「でもよかった、紅音ちゃんの彼氏じゃなくて」

「それはどういうことよ弥生」

「な、なんでもないよ!」

「まぁいいわ。それより皆んな、私の部屋に移動しましょ」

 

そして吹雪の部屋を出て、俺の部屋に移動する。

 

「それじゃエリカと吹雪はお願いね」

「メニューはどうするの紅音ちゃん?」

「なんでもいいけど、冷蔵庫の中のことも考えると・・・・そうね、オムライスドリアとかどうかしら?」

「オッケー」

「それじゃ吹雪達が晩御飯を作るまで私が見るわ」

「「「「はーい」」」」「ぽい」

「アンタ達も一緒に勉強する?」

 

俺は八幡と小町に訪ねた。

 

「いや、俺教科書とか持ってきてないし」

「私の貸してあげるわ」

「それじゃお前が勉強出来ないだろ」

「私の心配はしなくていいわ、必要ないから。小町ちゃんは宿題とかあった?」

「算数と国語と音読の宿題が出たよ()()()()()

 

そう言った瞬間、時が止まった。

 

「え?お姉ちゃん?え?」

「どういうことっぽい?」

「やっぱり紅音ちゃん、比企谷君と」

「修羅場キタコレ!」

「あらあら〜〜」

 

勉強組の奴等が俺を見てくる。だからやめろ弥生、目が怖い。

 

「何よ?」

「ねぇ紅音ちゃん。お姉ちゃんってどういうこと?」

 

怖い怖い怖い、怖いからその目やめて弥生。

 

「言っておくけど、小町ちゃんがそう言ってるだけで深い意味はないから」

 

そう言って勉強会を始めようとしたとき後ろから服を引っ張られ、振り返るとそこには小町が上目遣いで俺を見ていた。

 

「お姉ちゃんはお姉ちゃんって呼ばれるの嫌だった?」

「嫌じゃないよ!むしろお姉ちゃんって呼んで!これからずっとお姉ちゃんって呼んで!」

 

俺はそう即答して小町に抱き付く。小町はというとキャーキャー言いながらジタバタしている。可愛い。

そしては俺は気付いた。自分が何をしているか。

俺は恐る恐る弥生達を見るが、目をパチクリさせていたり唖然としていたり反応は様々だった。

 

「なんか、笹原ちゃんの意外な一面を見たっぽい」

「な、何よ。いいからさっさと勉強始めるわよ。小町ちゃんは私の隣ね」

 

そう言って勉強会を再開した。俺の向かいの席に白露、夕立、漣、荒潮が座り、俺の左隣に弥生、右隣に小町、八幡が座った。

 

「あっ、八幡は苦手教科は何?」

「いや、誰も勉強するとか言ってないし。そもそもこの前の中間テストはそんなに悪くなかったし」

「小町ちゃん、八幡の苦手教科って分かる?」

「ちょっと待て、小町がそんなこと「お兄ちゃん、この前数学の点数が悪くてお母さんに怒られてた」なんでそのこと言っちゃうの小町ちゃん」

「あら、なら丁度いいじゃない。私数学は得意よ」

「俺の意見は無視かよ。そもそもするとは言ってない」

「いいからやんなさいよ。もしかしてアンタ知らないの?」

「何が?」

「今度の期末テスト、中間のと合わせて60点未満の生徒は夏休み補習よ」

「えっ?マジで?」

「だから私達は必死になって勉強してるのよ」

「いや、必死になってってお前勉強してないじゃん」

「私は学年主席だから必要ないのよ。今回のテストで全教科0点でも補習ないし」

「何点取ったんだよ」

「全部100点よ。まぁ成績を維持するために勉強はしてるけど、正直授業だけで間に合ってるし」

「マ、マジか」

「言っておくけど、私も学年主席だからね〜比企谷君」

 

キッチンの方から吹雪がそう言ってきた。

 

「えっ?てことは、えーと・・・」

「吹雪、雪宮吹雪だよ」

「その、雪宮さんも全教科満点なんすか?」

「そうだよー。それと吹雪でいいからね。あと敬語じゃなくていいよ」

「アンタはいいから、料理に集中しなさい」

「は〜い」

「そんな言い方しなくてもいいと思うっぽい」

「お姉ちゃんと雪宮さんって仲が悪いの?」

 

まぁ、側から見たら仲の悪い者どうしのやり取りに見えるのだろう。

 

「そんなことはないわ。これが私達の普通よ」

「そうだね〜。最初の頃はそんなに不機嫌にならなくてもいいじゃんって思ってたけど、これが紅音ちゃんの普通なんだなってわかってからは自然とこれが当たり前になったね」

「アンタは私をなんだと思っているのよ」

「最初の頃は、能力はないけど色々と飛び抜けた某第1位様かな。紅音ちゃんは?」

「趣味と仕事、どっちが優先かと問われたら迷いなく趣味を優先する某2等陸尉」

「酷いよ紅音ちゃん。私は両立させるよ」

「アンタがそれ言う?私はあんな性格してないわよ」

「最初の頃だよ最初の頃」

「それじゃ今はどう思っているのよ」

「私を1番の理解してくれる人かな」

「あら奇遇ね。私もだわ」

 

ま、そうなるわな。前世からの付き合いだし。

 

「まぁこんな感じだけど、これが私達の普段のやり取りだからあまり気にしなくても大丈夫だよ」

「付き合いが長いと自然とこうなるものよ。さっ、私達のことはいいから勉強するわよ」

 

そんなこともあり勉強して、晩御飯を食べて、気づけば丁度いい時間になっていた。

 

「それじゃ、そろそろお開きにしましょ」

 

そう言って各々が勉強道具を片付けはじめた。

 

「お姉ちゃん!今日は勉強見てくれてありがとう!」

「いいわよ。またいつでも勉強見てあげるわ」

「うん!それとお姉ちゃんにお願いがあるんだけど」

「何?」

「実はお母さん達日曜日の夜まで帰って来なくて」

「えっ?」

 

俺は八幡の方を見る。

 

「本当なの?」

「あ、あぁ」

「はぁ〜、仕方ないから明日も来なさい。明後日と明々後日は朝から来なさい」

「いや、そこまでお世話になるわけにはいかないだろう」

「来なさい。そして小町ちゃんを愛でさせなさい」

「お前どんだけウチの小町気に入ってんだよ」

「この世の至宝。特にこの頭のアンテナは気に入ったわ」

「アンテナじゃねー。あと小町はやらんぞ」

「・・・・・シスコン」

「バッカ、違う、小町に変な輩が手を出さねぇ様にしてるだけだ」

「それを世間一般ではシスコンって言うのよ」

「ならお前はロリコンだ」

「ロリコンってのは、大人が少女に異性として惹かれること、またはその傾向のある大人のことよ」

「そんなの知ってる」

「アンタ、ここまで言ってもわからないの?私は大人じゃない上に私と小町ちゃんは同性よ、だからロリコンじゃないわ。この場合は百合って言うのよ。付け加えるなら私にその傾向はないわ。まぁ、小町ちゃんが私の妹だったらシスコンって言われてもいいわ」

「いいのかよ」

「そうだ小町ちゃん、いっそのこと今日から日曜日までここに泊まる?」

「おいバカやめろ、小町になに勧めてんだよ」

「泊まりたい!」

「ほら」

「いや、流石に小町1人残して帰るのもな」

「えっ、何、アンタも泊まりたいの?」

 

 

 

バンッ!!

 

 

 

俺達は音がした方に顔を向ける。そこにはニコニコした笑顔、だがものすごい殺気を放つ弥生がいた。

ヤバ、軽率な発言だった。

 

「泊まるのはいいけど、その場合アンタは殺される覚悟をしないとダメよ。言っておくけど、弥生は丁度この上の部屋だから」

「誰か泊まりたいって言った。そんな死ぬ覚悟をしないと泊まれないなんて俺だってヤダよ。いやそうじゃなくて、着替えとかどうすんだよって話だよ」

「あーそのことね。なら今から取りに行来ましょ」

「小町の勉強道具とか泊まり道具とかどうすんだよ。お前左手怪我してんだろ」

「吹雪〜。悪いけど一緒に来てくんない?」

「いいよ〜」

「はぁ〜、どうしてこうなった」

 

このあと八幡の家に行き、小町のお泊まり道具を持って行った。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
私事ですが、実はこの前、また静岡に出張で行きました。
そこで休日に観光で「若獅子神社」という場所に行きました。ここは昔、元陸軍少年戦車兵学校があった場所で、慰霊碑や実際に戦争時代に使われた九七式中戦車があります。
そして慰霊碑には偶然にも笹原という苗字の方が1人おられました。
いやー、偶然ってすごいですね。
皆さんも是非、静岡に行く機会があれば足を運んでみて下さい。
自分はとても感動しました。
写真も撮りましたので、次回載せたいと思います。
ではまた!
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