なんだかんだで彼女ら(彼ら)は再び戦車に乗る 作:眼鏡とタバコ
とある番組の企画で今年の一年を漢字で表すならなんですか?ってのをやってましたね。
私は「苦」です。
はい!どうでもいいですね!
〜〜〜〜笹原の部屋〜〜〜〜
「吹雪〜〜。年越し蕎麦、食べる〜〜?」
「食べるりゅ〜〜」
おいこら、瑞鳳のセリフを言うんじゃない。
そう、今日は大晦日である。時刻は23時25分、俺の部屋に吹雪が遊びに来て、吹雪はコタツに入って紅白歌合戦を見ている。
「はい、年越し蕎麦」
「あっ、ありがとう」
ズズーーッ、ズーーーーッ
「今年は色々あったねぇ〜〜」
「そうね。車に轢かれて、死んで、そこから転生して、中1からやり直して」
「紅音ちゃんにとって、どんな一年だった?」
「二人だけだし、ちょっと口調を昔に戻さない?」
「もう、この口調が板に付いちゃったよ」
「そっ、まぁ私もなんだけどね」
そう言って、俺達はちょっと微笑む。
「どんな一年だったか、ねぇ。そういえば、なんかの番組で、今年一年を漢字一文字で表すなら、って企画をちらっと見たわね」
「そうなの?なら紅音ちゃんは?」
「私は・・・・・・忙しいの「忙」ね」
「何その、仕事で疲れきったサラリーマンの発想は・・・」
「だってそうじゃない。隊長やって、トラブルに巻き込まれて、あっ、疲労の「疲」でもいいわね」
「トラブルに関しては、巻き込まれてたのは私なんだけどね、紅音ちゃんはどちらかと言うとトラブルを起こしてたと思うけど」
「うん、自覚はある」
「あれ!?さっきのトラブルに巻き込まれてってセリフは一体何!?」
「そういうアンタはどうなのよ?」
「私?私は・・・・「楽」かな」
「ケッ!」
「あ、あれ!?」
「それはよぉござんしたね!」
「紅音ちゃん!?口調が昔に戻ってるよ!?板に付いちゃったんじゃないの!?」
「そりゃ俺が隊長やってればお前は
「そういう意味の楽じゃないよ〜〜!」
「じゃ、どういう意味だ!説明せい!」
「ほら、楽って漢字は楽しいって読むじゃん。私達、そんなにみんなでワイワイ楽しく過ごすことって、前世じゃあまりなかったじゃん」
急にお通夜ムードになる。そう、俺達二人は前世ではそんな生活をあまり経験したことはなかった。
「そういえば、そうだったわね」
「うん、だからね。私、今が一番楽しい。今までの人生で今が一番楽しいよ」
「そう」
俺は素っ気なく返す。ったく、でもまぁ、俺も今が一番楽しい。こんなに楽しいのはいつ以来だろう。
「あと20分かぁ」
「そうだね」
「あぁ〜〜!タバコ吸いたい〜〜!お酒飲みたい〜〜!」
「ダメだよ〜〜。私達まだ未成年なんだから」
「この身体ってこういう時、ホント不便だよね〜〜」
「あっ、でも甘酒なら私持ってきてるよ」
「ナイス!吹雪!」
「じゃ先ずは、年越し蕎麦を食べ終わろっか」
そして俺達は年越し蕎麦を食べて、甘酒を湯呑みに注いだ。
「「かんぱーーーい!!」」
そして俺達は一気に飲み干した。
「カーー!やっぱお酒はいいね!甘酒だけど!」
「うん!やっぱりいいね!甘酒だけど!」
俺に続いて吹雪が言う。みるみる瓶が空になる。そんなとき、突如テレビの前にスキマが開いた。
「私も混ぜてもらったいいかしら〜〜?」
「「出たな!スキマ妖怪!」」
「もう、その呼び方やめてちょうだい。ここでは校長なんだから」
「で、その校長がなんの用ですか?」
俺は紫にたずねる。
「霊夢が神社の仕事で忙しくて、構ってくれないから来ちゃった☆」
「「今すぐ帰れ!」」
「ひどい〜〜!」
「でも、さすがに大晦日と正月は手伝ってあげなよ」
「そうですよ。それに私と紅音ちゃんは今、甘酒飲んでるんだから」
「もー。つれないんだから。じゃ、これだけ置いていくわね」
そう言って紫は瓶を三本差し出してくる。
「これは?」
「甘酒よ♪」
「「結局甘酒かい!」」
言い終わる前に消えやがった。
「はぁ〜〜。じゃ、続けよっか」
「そうだね。紅音ちゃん」
いかにもR-18臭がする文脈だが気にしない。気にしたら負け。
「あと5分〜〜」
「あとちょっとだね〜〜」
「あっ、吹雪〜〜。次の瓶開けて〜」
「わかった〜〜」
吹雪が瓶を開けようとしたとき。
「あっそびにきたよー!!!」
突如リビングの扉が開けられた。
「敵襲ーー!!」
吹雪は脱兎の如く、ベランダの窓を開け脱出ルートを確保。俺は空になった瓶を持って、臨戦態勢に入った。
「な、何やってるのよ貴女達」
そこには乃村三姉妹こと陽炎型三姉妹がいた。
「なんだ貴女達だったのね。てっきり不審者かって思ったしまったわ」
吹雪はベランダの窓を閉めてコタツに戻り、俺も瓶を降ろしてコタツに戻る。
「だったらきちんと、玄関の扉に鍵かけなさい。不審者と間違われて、瓶を投げられたら、たまったもんじゃないわ」
「いや〜。インターホン押さずに入ってる時点で不法侵入やからな〜〜?陽炎?」
「全くです。それより、その瓶は一体なんですか?」
陽炎、黒潮、不知火の順で言う。そして不知火がたずねてくる。
「これ?さっき校長がここに来てね。甘酒三本もらったの」
「そうなの?ってさっきベランダの窓開けて空気の入れ替えしたから気がつかなかったけど、この部屋、酒臭いわよ!?」
「ん?そう?」
黒潮が近くにあったからの瓶を拾い上げ、ラベルをみる。
「これ!甘酒は甘酒やけど!酒粕やん!」
な、なんだってぇーー!?米麹じゃないの!?あのババァ、未成年に何飲ませとんねん!!でもまぁ、事故とは言え、お酒が飲めたのはラッキー。
「貴女達!何、未成年が、お酒飲んでんのよ!」
「ご、ごめん。校長が持ってきたのだから、てっきり米麹って思っちゃって、つい」
「酒粕か!酒粕なのか!?この肌と胸の秘訣は酒粕なのか!?酒粕には美容効果があるって言うしね!」
「何言ってるの!?って、ひゃっ!!」
さっきから何言ってんだよ陽炎!あと胸揉むな!変な声が出ちまっただろうが!このセクハラ!!
「そこまでにしいや!」
「あいたっ!」
ここで黒潮が、どこから取り出したかわからないハリセンで陽炎の頭を叩く。ナイス!
「まぁ事故やし、しゃないやろ。次からは気ぃつけりぃな?ほら、今年もあと1分やで!」
「そうね。吹雪〜〜。ってアンタ、大丈夫?」
「大〜丈〜夫〜〜」
「あかんな。完全に酔ってるわ」
「仕方ないわね。ほら吹雪」
そう言って俺は吹雪をコタツから引きずり出そうとするが、なかなか出てこない。そして吹雪はついに。
「さ〜む〜い〜〜」
「ってこら!」
吹雪を引きずり出すつもりが、逆にコタツの中に引きずり込まれてしまった。
「アンタ!風邪ひくわよ!起きなさい!」
「Zzz〜〜」
「こりゃダメね。笹原、せっかくだし私達もコタツ入っていい?」
「いいわよ」
陽炎がたずねてくる。まぁいっか。不法侵入だけど。
「あっ、カウントダウンが始まりました」
不知火が言う。もうそんな時間か。
「「「「5・・4・・3・・2・・1・・0!!」」」」
「「「「明けましておめでとう!!」」」」
それと同時に携帯のLINEの一年グループにメッセージがくる。ってみんなほぼ同時に送ってきたなぁ〜。俺も返そっと。
ピンポーン
誰だ?こんなタイミングに?
「ごめん、ちょっと出てくれる?」
「いいよ〜〜」
そう言って陽炎が出ていく。そして陽炎が意外な人物達を連れて戻ってくる。
「「「「「明けましておめでとう!!!」」」」」
陽炎の後ろにら、轟、妖夢、戸羽、宇佐見、睦月がいた。
「貴女達、何してんのよ?」
「いや〜〜。暇だったから遊びに来た!」
暇だったからって理由でここに来るな!何!?暇=俺部屋にGOなの!?そんな構図が出来上がってるの!?
「うわっ!酒臭っ!」
「あぁ〜、実はなぁ〜〜」
〜〜〜〜黒潮、説明中〜〜〜〜
「と言うわけなんよ〜〜」
黒潮説明ありがとう。
「そうだったんだ〜〜。とりあえず、四季にバレないようにしなさいよ?」
と宇佐見が言う。確かにあの閻魔様にバレると色々面倒だな。
「私がなんですか?」
って、うおぉぉぉぉぉぉい!!!どっから湧いて出た!!
「い、いや四季!これは!」
俺は必死に弁解を試みる。
「事情は把握しています。今回は校長に非がありますので、私は何も言いません。強いて言うなら、扉の鍵をしっかりかけることと、これからしっかり確認してから飲んで下さい。扉の鍵は私がかけてきました。新年早々、私もあまり言いたくありません」
いや新年早々色々言ってるからな四季。
「雪宮さんは大丈夫なのですか?」
四季は吹雪を見ながら聞いてくる。吹雪といえば、俺の腹辺りに抱きついたまま寝ている。コイツ、ゲイじゃないだろうな?あっ、この場合レズか。
「大丈夫よ・・・・・多分」
「不安なる言い方はやめて下さい。それにしても本当に貴女方は仲がいいのですね」
「まぁ、昔からの付き合いだし」
「そうですか。それはそうと甘酒を持ってきました」
「・・・・・米麹?」
「当たり前です。では、皆さんで乾杯しましょう」
そう言って四季は瓶を開ける。どうやら四季もそれなりにノリ気のようだ。
こうして遅くまで楽しく過ごした。
〜〜〜〜夜明け前〜〜〜〜
ん?いかん。ついコタツで寝てしまった。俺は近くに置いていた携帯で時間を確認しようとしたとき、電話がきた。アリサからだ。
「もしもし」
『あっ、笹原さん。明けましておめでとうございます』
「うん。おめでとう」
『突然で申し訳ないのですが、今からマンションの屋上に来れますか?』
何!?愛の告白!?同性愛に目覚めちゃった!?
『実は戦車道の一年生全員で、マンションの屋上から初日の出を見ようって事になりまして』
あっ、そういう事ね。ビックリしたぁ。告白だったらどうしようって思ったぜ。
『笹原さんは今どちらにいますか?』
「今、部屋にいるよー。吹雪達も一緒だからみんなと一緒に屋上に行くね」
『出来るだけ急いでください。もうほとんど集まってますから』
なんと。なら急がねば。
「じゃ、また屋上で」
そう言って俺は電話を切り、吹雪や轟達を起こす前に寝顔を写メって、そこから起こして、屋上に向かった。
四季の寝顔、可愛かったなぁ〜〜。
〜〜〜〜屋上〜〜〜〜
「あっ、笹原達!はやくはやく〜〜」
「はやくしなさいよ!」
「遅いのじゃ〜〜」
上からリッカ、霞、和田が言う。
「ごめん。みんながなかなか起きなくて」
「まぁ、間に合って良かったわ」
そこには神社で仕事をしているはずの霊夢がいた。
「あれ?神社の方は?」
「紫に任せてきた」
「なるほど」
つまりは、神社の仕事を手伝わなかった罰として、仕事を押し付けてきたのだろう。にしても、脇巫女でない霊夢もまた新鮮いいな。
「あまりじろじろ見ないで、着替えている時間がなかったのよ」
霊夢はちょっと恥ずかしそうに言う。かわいいなぁ。
「あっ、みんな!出たよ!」
白露が大きな声で叫んだ。俺達は太陽の方を見る。
「綺麗だね。紅音ちゃん」
「そうね」
吹雪は少し嬉しそうに言う。そういえば、大晦日と正月をこんな大勢で過ごしたのは初めてだったっけ。
「よし!みんなで写真撮りたいっぽい!」
夕立が言う。
「でも、どうやって撮るの?」
「「大丈夫!抜かりはないわ!」ありません!」
エリナの質問に文とはたてが答える。さすがパパラッチ。準備がいいな、ちゃんと三脚も用意している。
「それじゃ皆さん!撮りますのでもっと寄って下さい!」
「ほら、アンタ達は真ん中に行きなさい!」
「そやで、笹原と雪宮は真ん中や」
「そうです」
上から文、逸見、黒潮、寺本の順で言う。俺達は言われるがまま真ん中に行き、カメラを見る。
「紅音ちゃん」
「何?」
俺達は周りに聞こえないくらい小さな声で話す。
「私、今が一番楽しい」
「それ、昨日聞いた」
「うん、それでも言うよ。今が一番楽しい」
「そっ」
俺はちょっと素っ気なく答える。でも、確かに今が一番楽しい。
「それじゃ撮りまーーす!」
文はタイマーをセットしてこっちに走ってくる。
きっと、これからもたくさん、楽しいことがあるだろう。
パシャッ
如何だったでしょうか!
次回は戦車道の練習風景を書きます。
それで皆さん!良いお年を!
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