バカとテストと召喚獣ークズの補佐官ー   作:24601

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VS Fクラス ー驕りと盲目ー

開戦から一時間あまりが経過した時点ではFクラス代表坂本雄二は戦況に満足していた。

 

Dクラス戦ではリーサルウェポンとして使った姫路瑞希というFクラスには過ぎたる存在によって決勝打を与え勝利をおさめたわけだが、今回のBクラス戦ではうって代わって開幕初戦からの即時投入を敢行した。

 

瑞希の存在をちらつかせることによって雄二の狙い通りにBクラスを牽制することに成功し、戦力差はあれども主導権はFクラスが握りつつあった。

 

しかし、これに関して一つだけ懸念事項があった。

 

それは瑞希の体力がもつのかということである。

 

瑞希は血気盛んなFクラスの男子生徒48人+男子にひけをとらない島田美波とは違って体が弱い。

 

振り分け試験の際にはそれが原因で急に体調を崩して途中退席をしてしまった程である。

 

彼女が倒れれば戦況は180°変わり逆にBクラスに攻めこまれてしまうであろうことは容易に想像がつく。

 

何らかの対策を打たねばならない、と雄二が考えていたところに、Bクラスから鶴の一声がかかった。

 

二名の使者によればBクラスは時限つきの休戦協定を結びたい、とのこと。

 

雄二にとっては願ってもない話だ。

 

彼は使者の申し出を承諾するとクラスに残っていた九人の近衛部隊を引き連れ会場であるBクラスに向かった。

 

 

この時の雄二の失敗を挙げるとすれば油断の一言につきる。

 

Dクラス戦から現在にいたるまで全てが雄二の思惑通りに進んでおり、相手を自分の掌の上で転がしている感覚に陥った結果、過度な自信が刷り込まれてしまった。

 

その驕り高ぶりが重大な過ちだったと気づくのはもう少し後の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休戦協定は騙し討ち防止の為に教師立ち会いのもと締結された。

 

 

 

雄二が教室に帰還した時、彼の策は綻び始め、同時に恭二と義輝の術中に自ら飛び込むことになってしまったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明久、ワシらは教室にもどるぞ」

 

Bクラスが瑞希の脅威を警戒しつつ戦っている最中、Fクラスで小隊を指揮していた木下秀吉は別の小隊を指揮している明久に提案する。

 

「ん?なんで?」

 

「Bクラスの代表じゃが・・・・あの根本らしい」

 

「・・・し、知らないわけないじゃないか」

 

明久は昨日の辱しめを思い出したのか苦い表情になる。

 

「ああ、そういえばお主は身をもって知っておったか。じゃがそれだけならまだしも宍戸義輝もおる。二人して良い噂は聞かんしの」

 

秀吉も表情を苦くする。

 

恭二と義輝に関してはあまり評判は良くない。

 

恭二には球技大会で相手に一服持った、というものや喧嘩に刃物を持ち出すというような害のあった噂がある。

 

一方、義輝には恭二の裏で糸を引いているという黒幕説、敵対した生徒を完膚なきまでに叩きのめした、中学の時に丸目恵にセクハラ紛いのことをした教師が義輝によって嵌められありもしない罪を着せられた、などの噂がある。

 

噂というのは伝播するにつれ尾ひれがついて誇大されていくものでありどこまてが真実なのかは分からない。

 

しかし警戒するに越したことはないのだ。

 

「じゃあ何かあるかもしれないからいったん戻っておいたほうが良さそうだね」

 

「雄二になにかがあるとは思えんが、念のためにの」

 

二人は瑞希に一言報告を入れるとFクラスの教室に引き返した。

 

 

 

こうして雄二が後悔し始めている頃、二人は破壊し尽くされたFクラス教室を目の当たりにすることになったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fクラスが教室の惨状に頭を抱えているころ、Bクラスでは別の動きがあった。

 

『伝令!拉致工作部隊の鈴木と吉田がFクラス島田美波を捕獲に成功!こちらにもう少しで到着します!』

 

義輝達がクラスに残った部隊と共に今後の確認や話し合いをしている最中に飛び込んできた一報。

 

まさか本当に上手くいくとは思っていなかったらしく、提案した恭二まで驚いていた。

 

「おいおい、まさか本当に捕まるなんてな」

 

「恭二、どうやって捕まえさせたんだ?」

 

「昨日の情報提供に、島田美波が吉井のことが好きってのがあっただろ?だけど実際どうしたら良いか分からないかったからダメ元で『吉井が姫路瑞希のパンツつを見て鼻血が止まらなくなって保健室に運ばれた』っつう噂を流させたら・・・まさかの爆釣ってわけだ」

 

「本当に信じて保健室までノコノコ来たのか」

 

「ちょっと!アンタら、ウチは吉井の所に行きたいの!」

 

義輝らBクラスの一同が呆れかえっていると美波が連行されて来た。

 

教師を伴い、美波の召喚獣は鈴木と吉田の召喚獣に武器を突きつけられている状態である。

 

美波の召喚獣は武器を捨てさせられたのか丸腰である。

 

「うるせぇな。嘘に決まってんだろ。バカじゃねぇの?」

 

わめき散らす美波に恭二が毒づく。

 

「な!?なんですって!?この卑怯者!!早く解放しなさいよ!」

 

「・・・ちょっとはさぁ、自分の非に気づけよ」

 

呆れかえっていた義輝が美波を遮るように言う。

 

「少し考えれば嘘って分かるだろ。周囲に確認をとるとか。その様子じゃ耳にした瞬間ダッシュで保健室まで行ったんだろ?それに何と言っても身勝手な単独行動。本当の戦争だったらむざむざ死ぬか軍法会議にかけられるかだぞ」

 

「な、なによ。ウチが吉井の心配して悪いって言うの?」

 

「・・・ダメだ。話にならない。根本から理解してないな。鈴木、吉田。すまないがしばらくそのままでいてくれ」

 

時間の無駄だと判断した義輝は一方的に話をきる。

 

恋は盲目とは言うがここまで来ると異常だな、と思いつつ美波をあるタイミングまで放置することにしたのだった。

 

この美波の勝手な行動がFクラスにもたらす損害をまだ彼女は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からゲスっぽいことをしていくことになります。

脅迫とか脅迫とか脅迫とか。

つまり漸く本領発揮です。




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