バカとテストと召喚獣ークズの補佐官ー   作:24601

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VS Fクラス ー"お勉強会"ー

「丸、Fクラスの連中の様子は?」

 

「全員、教室に帰った」

 

義輝が教室のドアの近くにいた恵に尋ねると恵はドアから顔をだして確認した。

 

「それにしても・・・宍戸君も代表にひけをとらないぐらいやるのね」

 

先程の義輝を見ていた律子が苦笑いする。

 

「いやいや、岩下。さすがに恭二には敵わないって。それに俺は一切嘘をついていない。騙し打ちにはなったけど騙してはいないよ」

 

「はは。ものは言いようね」

 

真由美も輪に加わる。

 

「でも、ああいうのはされたら嫌だけどやる側として見ている分には逆にスカッとするわ」

 

「真由美、素質ありそう」

 

「ちょっと丸ちゃん!」

 

恵が真由美を茶化す。

 

「おい、いつまで喋ってんだ。早くCクラスに行くぞ」

 

四人が和んでいると恭二が次の策への移行を告げる。

 

「あ、そうだったそうだった。丁度岩下と菊入がいるし、数学で良いかな。二人は補充テストも受けてたよな。よし、他に何人か数学得意な奴を連れて先にCクラスに行っててくれ。勉強道具を持っていくのを忘れるな。俺は長谷川先生を呼んでくる」

 

「え?何でなの?」

 

律子は真由美と共に首をかしげる。

 

「ああ、説明してなかったな。すまない。・・・まあちょっとした"お勉強会"を開こうと思ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Bクラス参謀宍戸義輝の策謀によりFクラス島田美波及び木下秀吉が戦死。

 

休戦協定が有効になって数分後。

 

最前線から帰還したFクラスが持ち帰った一報は雄二にとって想定外以外の何ものでもなかった。

 

失った戦力はあまりにも大きい。

 

美波は他の教科は言語の壁のおかげでからっきしダメではあるが数学だけは例外でBクラス上位レベルの点数を誇る。

 

理系科目を苦手とする生徒の多いBクラス相手には姫路と共にストッパーのような存在だった。

 

一方、秀吉はというと点数こそ他のFクラス生徒と大差ないものの、彼にはいろんな意味で人望があり人気者であると同時に優秀な指揮官でもあった。

 

ここまでやってこれたのは秀吉の的確な指示のおかげでもあると言えるぐらいである。

 

 

「くそっ!!」

 

雄二は頭を抱える。

 

設備の破壊による補充テストの妨害。

 

協定によりいくら設備を復旧させたとしても明日の開戦までテストはお預け。

 

姫路は多少消耗したせいで数学で腕輪の能力が使えない。

 

Bクラスを押し込むことにほぼ成功したものの多数の犠牲を払うことになってしまった。

 

優秀な指揮官、戦力の喪失。

 

全体的に見ればFクラスの被害は想定よりも多大なもの

になっているではないか。

 

これで残っているカードは操作技術に長ける観察処分者の明久、学年トップクラスの戦力の瑞希、そしてーー

 

雄二が考えを整理していると後ろからムッツリーニこと土屋康太が袖を引っ張る。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「・・・・・Cクラスが戦争の準備をしている」

 

「Cクラスが?・・・まさか」

 

学年一、いや全校一のバカと称される明久でも狙いに気付くことができたらしい。

 

「ああ。奴ら漁夫の利を狙うつもりらしいな。Fクラスが勝とうがBクラスが勝とうが弱った隙を狙えば関係ないからな」

 

問題がまた一つ増えてしまった。

 

これでは勝っても瞬く間にやられてしまう。

 

雄二がは即座に頭を回転させる。

 

そして彼の頭脳は二つの策を打ち出した。

 

「・・・手がないことはない。ムッツリーニはここにいてくれ。そして秀吉が補習から帰って来たら伝えたいことがあるから待つように言ってくれ。明久、まだ教室に残っている奴を連れて一緒に来い。Cクラスと協定を結びに行くぞ」

 

「分かった。・・・あ、姫路さん!姫路さんも一緒に来てくれない?高得点者がいると心強いし」

 

「わ、私ですか?・・・すいません。ちょっと今は体調が・・・・」

 

明久が瑞希に呼び掛けると彼女は開けていた鞄を急いで閉じる。

 

「?・・・そっか。じゃあ須川君達を拾って行こう、雄二」

 

「ああ」

 

明久は瑞希の様子が少しおかしい、と思いつつも深く考えはせずに教室を出てCクラスへと向かった。

 

 

 

この時、明久と雄二はそれぞれミスを犯してしまっていた。

 

明久はもう少し瑞希のことを気にかけるべきだったし、雄二はもう少し思慮に深くなるべきだったのだ。

 

まあ雄二に関しては彼の秘策に対する絶対的な自信のせいだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼する。Fクラス代表の坂本だがCクラスと不可侵協定を締結しに来た」

 

Cクラス教室のドアを開け中に入り開口一番に要件を告げる雄二。

 

「協定ですって?」

 

いぶかしげに雄二らFクラス一行を見る友香。

 

教室内では前方に生徒が集まっており、長谷川教諭による簡易的な授業を受けていたのだろうか、黒板には複雑な数式が書かれていた。

 

「ふーん。私は何とも思わないけど、彼らは違うんじゃない?特に・・・ねぇ、お二人さん?」

 

友香はうっすらと笑みを浮かべながらCクラス生徒達の集団に目を向ける。

 

するとまるで打ち合わせをしていたかのように生徒達がその場を離れていく。

 

するとーー

 

「いやぁ、酷いじゃないか、Fクラスの皆さん。こちらが譲歩に譲歩を重ねた協定を破るなんて。なあ、恭二?」

 

「ホントだぜ、義輝。戦争に関することは一切禁止っつったのによ」

 

彼らの輪の中心から現れたのは義輝らBクラスの生徒達。

 

「協定違反はペナルティ、そうですよね、長谷川先生?」

 

義輝が長谷川教諭に尋ねる。

 

「ええ、そのようですね」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!それを言うなら君達Bクラスだって何でCクラスにー」

 

明久が疑問を投げかける。

 

「何でって・・・BクラスとCクラスでクラス間交流の一環として有志で勉強会を開くことになってな。記念すべき第一回の今日は長谷川先生に教科書の難しい応用問題の解説をお願いしたんだよ。で、俺達が解説を聞いてたところにお前らがCクラスと協定を結びに来た。これってどう考えてもお前らが悪いよな?」

 

「私もそう聞いていますよ」

 

義輝の言葉に長谷川教諭が同意する。

 

「何にせよ協定違反はそっちだからな?お前ら、やれ!」

 

恭二が号令をかけFクラス一行を取り囲もうとする。

 

「違う!これはー」

 

「明久!無駄だ!この状況じゃあ言い逃れはできねぇ!とにかく逃げるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局自ら罠に突っ込んでしまったFクラスは命からがら逃げ延びたが須川ら数人が戦死してしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 




あくまでも"お勉強会"をしてただけですからね。

ただし記念すべき第一回にして最終回ですが。

原作でも雄二は何で罠に気づかなかったのやら。

自分はそこは雄二の慢心とムッツリーニ奇襲に対する自信と解釈しました。

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