バカとテストと召喚獣ークズの補佐官ー   作:24601

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嵐の前の静けさ 弐 ー理想と現実ー

「おい、席につけお前ら。これからBクラスホームルームを始める」

 

午後の授業を終え、Bクラス生徒たちは放課後の部活の用意や帰宅の準備、友人とダラダラと話すべく席を立とうとしていたのだが恭二がそれを制す。

 

「えー、って顔するなって。こっちだってやりたかねぇんだよ。時期が時期だから今から清涼祭のBクラスの出し物を決める」

 

恭二は気だるそうに教壇に片手をつきながら立ちため息交じりに言う。

 

「そういうわけで義輝、お前司会進行な」

 

「はいはい」

 

義輝に全てを一任すると恭二は自分の席に戻る。

 

そしてそのまま机に突っ伏す。

 

どうやら居眠りで知らん顔を決め込むつもりらしい。

 

早々の司会進行放棄に義輝は苦笑しつつも恭二と入れ替わりで教壇に立つ。

 

「それじゃ、ぼちぼち決めようか。さっき恭二が言ったようにそろそろ清涼祭の準備をしなくちゃならない。俺達の出し物も決めなくちゃならないけどその前に実行委員を決めよう。今のところ丸が志願しているんだけど他には希望者はいるか?」

 

『別に良いんじゃね?』

 

『異議なーし』

 

「他にいないみたいだからウチのクラスの実行委員は丸に決定な。肩書きの関係なしに手伝える奴は手伝ってやってくれ。丸、黒板にこれから出る意見を書いて」

 

「分かった」

 

恵は席を離れ黒板の前に立ちチョークを手にする。

 

「出し物で何をやりたいかまずは自由に意見を出してほしい。誰でも良いから」

 

『はーいはい、私喫茶店がやりたい!』

 

『なんか小物類を作って売るとかは?』

 

『クラス共同製作の展示とかさぁ、面白そうじゃね?』

 

『清涼祭、もとい文化祭なんだからさ。文化的なことをしよう、劇とかさ』

 

『他のクラスと被らなければ何でも良いよ』

 

『部展示とかもあるからさ、負担のかからないやつが良い』

 

机で一人夢の中の代表とは180°違ってやる気満々だったらしい。

 

口々に捲し立てる。

 

「・・・俺は聖徳太子じゃない。やる気なのは分かったから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・あ?ああ、寝てたのか。おい、義輝。決まったか?」

 

夢の中から帰って来た恭二が欠伸をしながら義輝の方を見る。

 

「ん?起きたか。今やっと三つに絞りこんだところだ。

意見が別れて決めあぐねててな」

 

義輝が黒板を指差す。

 

『クラス共同製作展示』

 

『劇』

 

『和菓子喫茶』

 

「・・・・・義輝、身内に優しく敵に厳しくはお前の美点だけどな、切り捨てるべきものは切り捨てろって」

 

「それはそうだけどな、戦争と違ってこればっかりは俺と恭二が主体になっても仕方がないと思ってな。ま、バトンタッチだ、代表さん」

 

義輝は恭二に教壇を譲る。

 

「さて、Bクラスの出し物は喫茶店に決定する」

 

恭二は再び立つと開口一番に決定を告げる。

 

『えー!?』

 

『何でよ!?』

 

『いきなりそれは横暴じゃないか』

 

恭二の言葉に不満を何人かが漏らす。

 

「理想よりも現実を見ようか。まず、この『クラス共同製作展示』。何を作るかは知らんがはっきり言おう、どうあがいてもできあがるのはゴミだ。作るのは大方大きな絵とかなんだろうが、素人の腕じゃたかが知れてる。だからそれを避けるために美術部が中心になり、その指示のもとで製作することになるはずだ。作っている間は楽しいかもしれないが結局は指示のままに作っただけで自主性も何もない。それじゃあクラス全員の作品じゃなくて美術部の作品だ。第一、素人のゴミみたいな作品をわざわざ観に来るか?教室の前を素通りされて終わりだ。んで次『劇』。これも却下だ。さっきと同じことが言えるが素人の演技を観て客はどう思うか?演劇部の奴との演技力の差が痛々しいだけだ。そしてこれも何をするか決まってねぇんだろ?演劇部の奴は分かっているだろうが、たかが文化祭の素人の劇だろうが著作権の問題がある。著作権が消滅していない作品を原作にするならいちいち許可を取らなきゃならない上に場合によっては著作権料を請求されるぞ?まあオリジナルをやったところで短期間で上手いシナリオや演出を思いつくのはプロでも困難ろ?中途半端になって客は飽きて、俺達身内でしか味わえない達成感という名の自己満足に終わるだけだ。それだけじゃなくて稽古のためにかなりの時間拘束されることになるぞ。その点、『和菓子喫茶』なら全てクリアだ。全員が参加できて自主性もあって、多少の研修で接客も調理も可能。消防云々が面倒だがな。サービスのクオリティに客が満足すれば金を落とす。利益が出ればその金を元手に打ち上げをするなりクラスで何かを買うなりできる。以上だ。何か質問はあるか?」

 

『そ、そこまで、言わなくても・・・』

 

『まぁ、冷静に考えてみれば、ね・・・』

 

『ていうか代表、卑怯なことばかり考えてるんじゃないんだな』

 

「でも良いじゃない、喫茶店!」

 

恭二の指摘にクラスの面々が圧倒される中、律子が立ち上がる。

 

「楽しそうだし、やりましょうよ!例えば浴衣を着るとかどう?」

真由美が呼応する。

 

「それ良いわね、真由美!」

 

『じゃあさ、俺親戚が田舎でお茶を栽培してるから、良い茶葉を安くで貰えないか頼んでみるわ』

 

『和風なら装飾もこだわりましょうよ!』

 

『団子とか良いかもな。バリエーションも報復だし』

 

『ホットケーキミックスを使えばどら焼きもどきが作れるだろ』

 

そして次々と意見が湧いて出てくる。

 

先程までの膠着状態が嘘のようである。

 

「へぇ・・・」

 

「何だよ義輝」

 

「いや、何か恭二が代表してるなぁって思って」

 

「・・・・今度こそ後は任せたからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてBクラスの出し物は決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回一部実体験がまざってます。

あくまで自分の考えであって、他の方々を貶める意のものではありません。





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