原作でのキャラクター達の行為はいかに常識はずれであろうともそれはギャグでありそれこそバカテスの魅力の一つである、ギャグに一々突っ込むのは無粋(サンタは存在しない、いたらただの犯罪者だと言うのと同じ)というのは百も承知です。
ただ、自分は「確かに面白いけど、冷静に考えたら・・・」というのをこの二次創作という形で表現しているに過ぎず、その結果としてのアンチです。
作品を嫌悪しているわけではありません。
「よし、準備に抜かりはないな」
清涼祭当日の朝。
一般解放の時間が迫る中、浴衣姿の義輝はクラスメートを集め教室を見渡す。
Aクラスには劣りはするもののそれなりに広いBクラス教室を仕切りで二分して厨房とフロアにし、机を何台かを合わせて上から和柄のテーブルクロスを被せたり、華道部の生徒が生けた花や演劇部から拝借した屏風を飾ったり、フロアの接客係(主に女子) は浴衣の着用するなどして和風喫茶を演出している。
「もうしばらくしたら客が入って来る。厨房班、フロア班、各自ローテーションを守って円滑に進めてくれ。誰かに負担がかかりすぎているってことがないようにな。特に厨房班は火の取り扱いには気をつけろ。フロア班は決して客に失礼のないように振る舞うんだぞ。万が一トラブルが起きた場合、俺か恭二か丸に必ず伝えてくれ」
「ちょっと宍戸君、その代表の姿が見当たらないんだけど?」
律子が恭二がこの場にいないことを指摘する。
「本人曰く『自分の評判や好感度くらいは理解している』、だそうだ。それを言ったら俺も怪しいけど。まあ、来るのは一般客だけじゃなくて学園の生徒もだからそのための配慮らしい。たださっきも言った通りトラブルの対処はするために顔は出すそうだからその時は頼ってくれ。『クレーマーの対処はまかせておけ』とも言ってたからな」
「・・・・妙に説得力があるわね」
どうせ録でもない手段をもってクレーマーを丸め込むのだろうと律子は想像した。
「申し開きは以上。後は各自で備えてくれ」
義輝が解散を告げると厨房班の生徒達はそれぞれの持ち場につき、フロア班はフロアを取りまとめる恵のもとに集まる。
それともう一つ、教室の入り口付近に一団ができている。
「・・・こうして見ると、ウチのクラスの参加者って多いんだな」
義輝がしみじみと呟く。
この一団、総勢16名全員が清涼祭メインイベントである試験召喚トーナメント大会の参加者であり、クラスメートにして敵同士なのだ。
「へぇ、組み合わせを見るとほとんどがDブロックに固まっているのね」
事前に配布されたトーナメント表を広げながら真由美が言う。
「組み合わせってランダムなんでしょ?それにしても身内対決って何か締まらないわ」
「いやいや岩下、こっちなんて同じCブロックに参謀がいるんだぞ?ある意味締まるぞ」
「あたるとしても4回戦だけどな」
律子の言葉に苦笑いする次郎。
彼と組んで出場する卓夫も同様である。
「身内でも 容赦はせぬ 本気出す」
4回戦が自身の最高得点である古典であるためか一刀が二郎と卓夫に自信満々に告げる。
「それを言ったら私と真由美だって2回戦で代表と小山さんなのよ?」
「俺も恭二も流石に身内対決で策だの何だのと無粋なことはしないって、多分」
「その含みのある言い方が怖いんだって」
ため息混じりに言う卓夫。
「ん?岩下と菊入の1回戦の対戦相手って坂本と吉井か」
自分もトーナメント表を広げる義輝。
因縁のある名前が目に留まる。
「そうなのよねぇ。嫌だなぁあんな変態の相手なんて。この前代表が見せびらかしていた写真を見たけど、思い出しただけで鳥肌が立つわ」
「ま、まぁ・・・・・私と律子のコンビネーションなら大丈夫よ」
坂本、という名前を聞いて恭二が持っていた雄二の女装写真のことが脳裏を過ったらしい。
その名状しがたいおぞましさに顔をひきつらせる二人。
「ま、各自健闘を祈る。そろそろ時間だから会場に行くか」
義輝の一言で一行は特設ステージのある校庭へと向かう。
「それでは試験召喚大会1回戦Cブロック第一試合を始めます」
「お、やっと俺達の番か。行くぞ一刀。岩下達の分まで頑張ろうな」
「・・・・・・」(コクリ)
立会人である数学の木内教諭のコールでステージに上がる義輝と一刀。
彼らが待機している間に他のブロックの1回戦が行われたのだが結果として突破したのは半数。
特に律子と真由美は意気込んでいたは良いものの明久の操作技術の高さと雄二のごり押しの前に破れてしまっていた。
「ど、ど、どどどうしよう兼定!?。2年とはいえ、初戦からBクラスだよ!?」
「狼狽えるな、兼亮。先輩である俺達の方が召喚獣の扱いにはなれているハズだ」
同じくステージに上がった義輝と一刀の対戦相手、3ーEの肝付兼定がとてつもなく不安になっているのをクラスメートの一条兼亮がたしなめる。
「先輩方、心配しなくても俺達数学が苦手なんでそこまで心配しなくても大丈夫ですよ」
二人の様子を見て義輝が言う。
「で、でも噂じゃ君はいろいろやらかしているって聞いたよ!?敵対したら最後だとか手段を選ばないとか夜道に気をつけなければならないとか、この間の戦争で鬼畜外道の限りをつくしたとか!!」
「大体合ってるけど一部違いますって」
どうやら悪評は学年内に止まらず校内に広まっているらしい。
それも恭二と合わさってかなりの尾ひれがついているようである。
「えぇー・・・・そろそろ良いでしょうか。召喚を開始してください」
見かねた木内教諭が催促する。
「と、とにかくっ!南無三っ!試獣召喚《サモン》!!」
「だから落ち着けって兼亮。試獣召喚《サモン》」
先に上級生二人組が召喚を始める。
彼らの足下に魔方陣が出現し、発する光と共に召喚獣が現れる。
二人の召喚獣は胴回りだけ鎧を着用してはいるものの兜は被っておらず得物はすぐに切れ味が落ちそうな安物の刀とまさに足軽といった出で立ちである。
『Eクラス 一条兼亮 数学 75点』
『Eクラス 肝付兼定 数学 81点』
「それじゃこっちも。試獣召喚《サモン》」
「試獣召喚《サモン》」
義輝と一刀も召喚を開始する。
赤色で統一された鎧兜を身につけた二体の召喚獣が現れる。
こちらは武将と言うに相応しいだろう。
『Bクラス 伊東一刀 数学 68点』
「・・・・・一刀、お前相変わらず数学ダメなんだな」
「・・・・・義輝よ 何も言うなよ 分かってる」
先に点数を表示され顔をそむける一刀。
「・・・なーんだ、心配して損したぜ!数学が苦手っつっても俺達以下だとはな!その首貰った!ヒャッハーーー!!」
先程までオドオドと気弱な発言を繰り返していたのはどこへいったのか、一刀の点数を見て某世紀末暗殺拳バトル漫画に生息するようなモヒカンの如く自信満々で驕りたかぶった態度に変貌した兼亮。
彼の召喚獣は単独で一刀の召喚獣へ駆け出す。
「や、止めろ兼亮! その『ヒャッハー!』は死亡フラ・・・じゃなかった、安易に突出するな!落ち着けと言っただろう!」
「止めるな兼定、下級生ごときに殺られる俺じゃねぇ!!これで終わりだー!!」
兼定の言葉むなしく、兼亮の召喚獣はそのまま一刀の召喚獣に斬りかかった
『Bクラス 宍戸義輝 数学 181点 』
VS
『Eクラス 一条兼亮 数学 0点』
のだが刀を振り下ろす寸前で義輝の召喚獣の槍が兼亮の召喚獣の首をはねる。
文字通りの横槍だ。
「な、なんだとっ!?ば、馬鹿な、お前も数学が苦手なんじゃねぇのか!?」
「いやぁ、俺苦手意識があるだけで点数はそこそこ取れるんですよ。てか一刀、いつまでもブルーになってないで仕事しろよ」
「嗚呼すまん 現実逃避 していたか」
ようやく顔を上げる一刀。
「で、どうしますか先輩。こちらが頭数で有利になりましたが」
「流石にこの状況は覆せんよ。棄権するよ」
横目で兼亮を見ながら言う兼定。
「・・・・ひっ、ひぃぃぃーー!!ご、ご、ごごごごごめんなさいー!!」
再び気弱な態度に戻った兼亮は一心不乱に叫びながら駆け出してステージを飛び降り、そのまま校舎に消えた。
「すまないな。あいつはもともとすごく気が小さい奴でね。だけとたまに今回みたいに変なスイッチが入るんだ。
不快な思いをさせてしまったな」
兼定は頭を下げる。
「気にしないでくださいよ。誰だって祭りでテンションぐらい上がりますって」
「別に俺 何も気にして いはしない」
「そう言って貰えると助かるよ。ま、このまま優勝目指して頑張ってくれ」
こうして和気あいあいとした雰囲気のまま、義輝と一刀は
2回戦へと駒を進めた。
「あの生徒、確かBクラスの次席だったか。勝ち進めばマークする必要があるな。計画の邪魔になりかねん」
投稿が遅れて申し訳ない。
今回登場した三年生。
名前のモデルは歴史シュミレーションゲーム信長の野望における最弱武将、一条兼定と肝付兼亮でした。
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